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◎対韓関係は、触らぬ神にたたりなし

◎対韓関係は、触らぬ神にたたりなし
反日・離米の文在寅は度しがたい
 日韓関係の急速な冷え込みと、米韓関係の悪化は全てが大統領文在寅の左傾化親北朝鮮路線に起因している。日本国民の嫌韓感情も高まる一方だ。かつて外相・大平正芳は対中関係について「日本は引っ越すわけにはいかない」と述べたものだが、対韓関係も隣が嫌だからといって引っ越してもらえないからやっかいだ。韓国は朴槿恵など反日大統領を排出する国で毎度のことだが、文在寅の日米離反路線は陰湿であり、一層手に負えない。今後のヤマ場は3月1日の反日独立運動記念日「三・一節」となりそうだ。
 一体文在寅は反日離米路線で何をしようとしているのか。目立つのは北の金正恩への大接近である。2018年4月27日の金正恩との板門店会談以来、文在寅の眼中には対日・対米外交など眼中にないかのようだ。板門店宣言の共同発表で文在寅は「朝鮮半島でこれ以上の戦争は起きない」と宣言し、過去の合意が守られなかったことを念頭に「我々は後戻りしない」と述べた。金正恩も「残念な歴史が繰り返されないようにする」と宣言した。南北が大接近するのは極東の平和にとって有意義である。
 しかし勢い余って文在寅は「反日」で支持率を獲得しようとしているかに見える。外交を活用して支持率を上げるのは、小国が陥りやすい極めて危険な選択肢であり、文在寅は臆面もなくこれを実施している。昨年12月の世論調査会社「リアル・メーター」の調査では、文の支持率は48・4%で前週よりも3・6ポイント低く、9週連続で下落。大統領就任以来、最低となった。「不支持」も就任後、最高の46・6%で、支持と不支持の割合が肉薄してきた。他国への批判で支持率を上げようとするのは一国の指導者としては邪道であるが、文在寅にはそれしか手段がないかのように見える。
 こうした中で昨年12月20日、能登半島沖で自衛隊のP1哨戒機が韓国軍の駆逐艦から火器管制レーダーを照射された。火器管制レーダーは、航空機や艦船がミサイルなどを発射するときに放射する電波だ。これを照射すると言うことはピストルの撃鉄を起こしたことに等しい。北朝鮮の漁船に接近しながらの行動だが、この過剰反応は、極めて不審だ。一体韓国の艦船は北の漁船と何をやっていたのであろうか。韓国艦船はこの現場を見られたくなかったか、何か隠したかったことは確かだ。だからこそ、レーダー照射して哨戒機を追い払ったと言う仮説が、信憑性を増してくる。 
 韓国の日刊紙ハンギョレは社説で、首相・安倍晋三が施政方針演説で韓国との関係に触れなかったことを問題視して、「最悪の韓日関係を『意図的放置』する無責任な安倍」と題する社説を掲載「韓日の軋轢が最近では日本哨戒機の低空威嚇飛行などの軍事分野にまで拡大している」と指摘「両国の関係を改善するよりも、現在の不和と対立をそのまま放置するという意図」と批判した。社説から見る限り韓国という国は新聞まで、触れれば怒り、触れなければ怒るという、度しがたさで成り立っているらしい。
 問題はこの対日関係の悪化が基本的には文在寅の「一人芝居」であることだ。もちろん、日本の戦前の行為について韓国内は、与野党、左派・右派、メディアが一致してときの声を上げてしまう国柄であり、日本政府は「また発病か」と無視するしかあるまい。「三・一節」が最大のヤマ場になると思うが、文在寅はあおりこそすれ沈静化には動くまい。
 6月28日及び29日には、G20サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)が、大阪ではじめて開催されるが、おそらく文在寅も来日せざるを得まい。しかし、文在寅は安倍と会談するにしても、難問山積だ。安倍は施政方針演説で韓国との関係に言及しなかったが、韓国が大法院の徴用工判決、レーダー照射、慰安婦財団の解散問題とこのところ一段と反日に傾斜している現実に照らせば、当分触らぬ神にたたりなしの路線が正解だろう。やがて文在寅が苦しくなってすり寄ってくるのを待つのもよい。
◎俳談
【熊の胆】
月の輪のあらはに熊の担がるる 長谷川耿子
 熊が狩猟の対象となるのは何よりも貴重な熊の胆(い)があるからだ。熊の胆(くまのい)を横浜中華街の更生堂薬局に買いに行った。だいたい5年置きにもう30年近くここで買っている。熊の胃を携帯するようになったのは、我が愛する田中角栄が前日飲みすぎた朝など、耳かきに半分程度背広のポケットから出して舐めていたからだ。真似したのだ。筆者もキーフォルダーの薬入れに耳かき3杯ほど入れて持ち歩いている。飲みすぎたり食い過ぎたなと思ったら、爪のアカほどを舐めれば特効薬的な効き目がある。昔はどの家にも竹の皮で包んだ熊の胆が薬箱にあったものだ。
 ネットで調べると日本産の熊の胆は干し上がった姿で51.2gのものが、440,000円だ。薬局では4グラムで9800円だから、だいたい金の価格の半分だ。しかしその4グラムで5年は持つから安いものだ。
 熊胆(ゆうたん)は、古来より中国で用いられ、日本では飛鳥時代から利用されている。材料は、クマの胆嚢(たんのう)であり、乾燥させて作る。苦みが極めて強く、健胃効果や利胆作用など消化器系全般の薬として用いられる。熊狩りの名人は、胆汁を一滴もこぼさないように、熊の胆嚢を外して撃つ。成分のウルソデオキシコール酸は化学合成が可能となり、日本ではウルソ剤という名で田辺製薬などが販売している。しかし天然のものの方が利く気がする。
熊穴に入る下北を食べてより 杉の子

◎北方領土で衆参ダブル選挙は無理

◎北方領土で衆参ダブル選挙は無理
  プーチンに「返還」の力なく、交渉長期化へ
 ロシアの経済的疲弊がポイント
  さすがに怪僧ラスプーチンの国だ。ラスの字はつかないがプーチンも怪僧並みに狡猾だ。4島返還にこだわってきた日本が「2島+アルファ」に舵を切ったと見ると、プーチンはハードルを上げた。首相・安倍晋三はいいように操られている時ではない。立場の違いが際立った以上、ソ連にどさくさ紛れに占領された北方の小さな島々などで焦らない方がよい。またロシアとは親戚づきあいなどできないと肝に銘ずるべきだ。交渉の長期化は避けられない。
 安倍が、責任上あの手この手を考えるのは当然だが、25回も会談しても、会談したことだけに意義があるのではオリンピック精神と同じだ。プーチンは、安倍が「4島返還」から「2島」に変わったとみるや、歴史認識を持ち出した。歴史認識は文在寅のおはこで、もはや文在寅退任まで韓国と正常な対話は無理かと思いたくなるが、これに加えてプーチンまで歴史認識だ。戦後70年もたって、周辺国が歴史認識を取り上げるのは、誠実な日本が反省して痛がるからだ。これでは交渉の体をなしていない。従ってまともに応じる必要はない。安倍はプーチンと6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で再会談するが、ロシア側が平和条約をめぐる溝を埋める動きに転換する可能性はない。覚悟を決めて腰を据えた交渉で対応するしかない。
 ロシアの基本認識は「第二次大戦の結果として北方領土がロシア領になったことを認めよ」(ラブロフ外相)だ。しかし、これは認識上の誤りであり、受け入れることは不可能だ。北方領土は、ずる賢いソ連が戦争直後のどさくさを絶好の機会とみて占領したのだ。日本が1945年8月にポツダム宣言を受諾して、無防備になったのをチャンスととらえて日ソ不可侵条約を無視して日本の領土を不法占拠したのだ。まるでラスプーチンのように陰謀の国なのだ。
 歴史認識を持ち出したことは、日本に交渉の主導権を握られないようにする「先手」でもある。ロシアが交渉の主導権を握るための材料なのだ。一方で領土で譲歩すればプーチンの立場が危うくなる。 ロシア人は広大な領土を持ちながら周辺地域をなんとしてでも入手しようという“欲深い”民族なのである。ロシアによるクリミア・セヴァストポリの編入がそれだ。国際的にウクライナの領土と見なされているクリミア自治共和国のセヴァストポリ特別市をロシア連邦の領土に加えた。1991年のソビエト連邦崩壊・ロシア連邦成立後、ロシアにとって本格的な領土拡大となった。2度目の領土簒奪が北方領土だが、ウクライナと異なり日本という“経済大国” が真っ向から異を唱えている。
 一方で領土で譲歩すればプーチンの国内的な立場は危機的になることを、プーチンは知りすぎるほど知っているのだ。そこに突破口を開くことを安倍は狙わざるをえないのだ。安倍は周辺に「大変なのは、島にロシアの自国民が住んでいることだ。プーチンには『私が決めたことだ』と国内を抑えて、一発でやってもらわないといけない」と戦略を漏らしているが、安倍もお人好しだ。わざわざ手の内を朝日に書かれてしまっている。たしかに唯一可能性があるとすれば領土でプーチンが独断で解決するシナリオだが、厳しいロシア政局で反対勢力を抑えて大統領になったプーチンがそんなに甘いかと言えば、逆だろう。安倍はプーチンとの関係を時々誇示するが、プーチンは個人的な関係と、現実の外交とはきっぱりと分けて考えている。
 従って安倍の訪露は、具体的な解決策を見いだせないまま終わった。領土交渉は一筋縄ではいかない現実を露呈した。沖縄の施政権返還ですら佐藤栄作は対米交渉で散々苦労したが、ましてや主権が伴う領土交渉である。唯一進展の可能性があるのはプーチンが独断で領土問題の解決を目指すケースだが、正直言って、プーチンはそれほど甘くはない。
 プーチンは『日本の要求に簡単には応じられない。平和条約の締結が先だ』と日ソ共同宣言に書いてある」と突っぱねている。日ソ共同宣言は、1956年に日本とソ連がモスクワで署名し、同年12月12日に発効した。内容は「日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡す」とある。たしかに平和条約が「先」なのである。
 安倍はプーチンに足元を見られている気配が濃厚だ。北方領土前進で参院選を戦おうとしていると読まれたのだ。ラブロフに至っては北方領土の呼称にすら、異論を唱えている。しかし、今更北方領土が返ってこないからといって、安倍に不平を言う日本人はいない。ことは外交能力の問題でもない。かつてのロシアの歴史が証明しているように、国内政治が大きくつまずき、領土の切り売りが始まるのを待つしか方途は考えられない。したがって親戚付き合いを目指すような甘い顔は見せないことだ。もちろん2度目の会談をしても、夏の参院選挙を北方領土をテーマにすることなどは無理であり、ましてや北方領土で衆参同日選挙を行うことも、「無条件返還」などよほどのテーマが出ない限り困難だ。ここは成果を急ぐ必要はない。より一層のロシアの経済低迷が、変化を生じさせる時を期待し、粛々と正道を歩むべき時だ。
◎俳談
【象徴俳句】
 鉄の風鈴は何といっても姫路名産の明珍火箸に限る。鉄火箸の繊細な音色は心の奥まで響いてきて、夏の宵に趣を添える。昔高島屋で結構値段が張ったが20数年使っているから元は取れた。
風鈴を読んだ句は何といっても
黒金の秋の風鈴鳴りにけり
だ。飯田蛇笏の代表作であろう。このように達人ともなると物の存在を読んだだけで季節の姿を鮮明に表示できる。誰でもひしひしと秋を感じ、迫り来る冬を予感できる。象徴で季節を表現しているのだ。「風鈴は夏の季語だ」などと野暮なことは言わない。仕舞い忘れられた「秋の風鈴」だからこそ一句がなり立つのだ。
 暮の秋ルオーの顔のごとく行く 朝日俳壇入選
「ルオーの顔」と表現しただけで象徴俳句は完了だ。キリストも道化師も秋の暮れに物想いにふけるのだ。
冬麗の母のごとくにありしかな 産経俳壇入選
冬麗そのものを母の象徴と位置づけた。冬麗とは冬ながら春を思わせるうららかな日を言う。母は冬のうららかさを感ずる人であったと述べているのだ。象徴とは心の奥の思いを具体的な物や事象を通じて表現することだが、こればかりは多作多捨をして、辿り着く俳句の境地でもある。


◎波乱含みの今年の極東情勢

◎波乱含みの今年の極東情勢
 2回目の米朝会談が焦点
 今年の極東情勢を太筆書きで展望すれば、まさに波瀾万丈とも言える要素に満ちている。米国と中国の覇権争いは貿易摩擦からハイテク分野にまで拡大、冷戦に近い様相を示そうとしている。日本は好むと好まざるとにかかわらず米中双方をにらみながら立ち位置の決定を迫られる。逆に日本の立ち位置が、米中対立を激化させるか緩和させるかの要素となりうる情勢でもある。
 中国の経済力の拡大で世界情勢は歴史的な転換が始まろうとしている。中国はやがては米国経済に追いつき追い越すエネルギーを秘めており、かつての秦・漢・隋・唐・宋・元・明・清がその興隆期には世界帝国の様相を示したように、多かれ少なかれ極東のパワーとしての存在感を強めるだろう。中国のインターネット人口は、およそ8億人に達し、現在人口の57.7%が頻繁にインターネットを利用している。中国は事実上のネット王国と化しており、今後のIT世界での影響力は増大こそすれ、縮小しないだろう。
 米国が現在保持している圧倒的な覇権を脅かす要素は中国だけだろう。しかし日米同盟が強固である限り、中国のパワーは減殺されるだろう。トランプが昨年末以来指向している世界的な貿易戦争は深刻化する様相があり、日本としても対応が迫られる。日米貿易協定交渉について、トランプ政権は自動車分野で対米輸出の数量規制を要求する可能性が高いとの見方がある。米政府筋は「日本が数量規制に応じないなら、追加関税を発動する可能性も排除できない」とすごんでおり、油断はできない。
 日本としての対応策は規制の範囲を物品以上に広げないように、ヨーロッパと連携して対米交渉に臨むことだろう。ただ米国の貿易赤字の47%は対中貿易によるものであり、日本は9%にすぎない。中国の深刻さに比べれば、日本は安倍とトランプの会談に持ち込めば、政治決着がつく可能性が強い。大騒ぎしすぎて、不必要な波紋を巻き起こすことは避けなければなるまい。
 朝鮮半島情勢は韓国大統領文在寅の対北融和路線で変質してきており、米国の圧力も利かなくなりつつある。こればかりは一国の外交方針であり、干渉しようがない。そのうちにロマンティスト文在寅が描く夢が、現実の壁にぶつかるのを見守るしかあるまい。日韓関係の悪化は戦後繰り返してきたことであり、特異な現象ではない。相手が折れるのを待つのが歴史が証明する最良の方法だ。「半島民族は悪い」と言ったのは田中角栄だが、半島民族の複雑な感情は常に外交に反映される要因だろう。
 対露関係はラブロフが漏らした本音に尽きる。ロシアの本音とは4島返還どころか、2島も難しいという立場だ。もともと戦争で獲得した領土が返還された例など、世界的に希有なことであり、沖縄返還くらいしかない。対米関係だからこそ返還が可能になったのである。対ロシアでは、とても一筋縄ではいかない。返還されるとすればロシアが国家として疲弊して、日本に売りつけるような場合だろう。さもなくば中ロ関係が極度に悪化して、日本に支援を求めるような情勢になった場合だろう。
 極東情勢を見つめた場合、中国は北朝鮮の戦略的価値が致命的に重要であることに気付いている。従って北が日本や米国に接近することをあらゆる手段を使って阻止するだろう。朝鮮労働党委員長金正恩は10日までの訪中で習近平と会談し、2回目の米朝首脳会談に向け、「国際社会が歓迎する成果を得るために努力する」と意欲を表明した。習はこれを評価し、後ろ盾として支援する姿勢を鮮明にした。対外強硬路線を取るトランプ米政権と対等に渡り合いたい中朝両国の思惑が一致したかたちだ。対米的に連携を誇示しているかのようである。
 しかし、米朝会談を行っても非核化での進展は困難だろう。昨年6月のシンガポール会談では、トランプが記者団に、「非核化のそのプロセスをすぐに始める」と述べたものだが、半年たっても何らの進展もない。北はトランプをまんまとだまして時間稼ぎをしたのであり、しびれを切らしたトランプが対話モードから対決モードへと切り替える可能性も否定出来ない。
 日本としてはこの米朝関係の展開を注視して、もし進展への流れが生じたら、タイミングを逃さずに日朝対話に踏み切る必要があろう。20年は米大統領選挙の年であり、再選を目指すトランプが外交攻勢に出る可能性がある。というのも内政では民主党が下院で多数を握っており、大きなことができないからだ。外交・通商での成果を狙う可能性が高いとみなければなるまい。その際、派手な展開ができるのは極東外交であり、動向から目を離せない。米CNNテレビは14日、米朝の協議に詳しい関係者の話として、トランプから朝鮮労働党委員長の金正恩にあてた書簡が先週末、ピョンヤンに届けられたと伝えた。トランプは今月初め、2回目の米朝首脳会談について「そう遠くない将来に設定する」と意欲を示している。さらにCNNは、北朝鮮の金正恩側近の金英哲副委員長が訪米して、2回目の米朝首脳会談の調整にあたる可能性があると報じた。何らかの展開が予想される。これに先立ち国務長官ポンペオは13日の米CBS番組のインタビューで、米朝再会談の時期について「いま私たちは詳細を詰めているところだ」と述べている。
 ◎俳談
【一炊の夢】
  近ごろ夢が楽しい。怖い夢ほど目覚めた後、何かただでロードショウを見たような気がして得した気分になる。昨夜は目の前に巨大なる宇宙物体があらわれ、ぼろぼろ崩れているのを見た。スケールの大きな空想科学映画を最前席で見ているような気分だった。
 「一炊の夢」は唐の盧生(ろせい)という青年が、身を立てようと楚(そ)へ向かう途中、邯鄲(かんたん)の地で道士に枕(まくら)を借りてひと眠りした。その夢で、栄華を尽くした一生を送るが、目覚めてみると、まだ炊きかけの粟飯(あわめし)もできあがっていない程の短い時間にすぎなかったという話だ。
恐ろしき昭和を見たり昼寝醒   朝日俳壇年間秀句
まさに一炊の夢で昭和を見た。いや、見たことにしたのが成功した。
人間年を取ると幻覚とは言わないが、連想ゲームのように様々な人間の有様が脳裏に描けるようになる。俳人にはこれが作句に利用できる。
山姥の出刃となりたる二日月 東京俳壇入選
これあたりはちょっとした空想で詠めるが
春昼の折り鶴崩れ初めたる  産経俳壇1席
ともなると、どこかおかしいと思われそうな幻覚である。折り鶴を見ていたら、突然それが崩れ始めるように思えた。それを素直に読んだだけである。精神に異常はきたしていない。
 十六夜の月に見入っていたら、突然天空から鬼の笑い声が聞こえるような気がした。
十六夜の天空からの高笑ひ  東京俳壇特選
 言っておくがまだ気が狂ってはいない。瞬間感じたものを一句に書きとどめる訓練を積めばこういう句が出来るのだ。昨年2月に死去した金子兜太だって
梅咲いて庭中に青鮫が来ている
などと詠んでいるが、まだ若い頃の作で、ぼけてなどいなかった。訓練すると幻視でも俳句になるということだ。

2019-01-07

◎今年の政局は波瀾万丈
  解散説も出たり引っ込んだりの危険水域に
 亥年だからどうなるなどと言う馬鹿馬鹿しい話しは民放正月番組に
任せるとして、今年の政局を見通せば内外とも波乱要素に満ちている。首相・安倍晋三が目指す北方領土返還も憲法改正も、具体論に入れば国論は2分3分する。あえて火中の栗を拾い政権の根幹を揺るがす必要があるのかといえば、疑問だ。それよりも統一地方選、参院選をこなさなければならず、まさに正念場だ。野党はここを先途とたたみかける。場合によっては安倍が衆参同日選挙で斬り返す事態も予想される。政治決戦の年になることは間違いない。
 まず大局を見れば、近い将来国民が現自民党政権維持から野党政権への選択をする可能性はゼロだろう。なぜなら安倍自民党政権の6年は、日本繁栄の6年であり、失業率実質ゼロの状態維持は戦後の政権において存在しない。安倍にとっては赤壁の戦いではないが、天の利、地の利、時の利、人の利があったのであり、その余韻は残る任期3年にも多かれ少なかれ及ぶだろう。6年の実績を見て国民の大勢は、現状維持指向に向かうだろう。
 立憲民主党代表枝野幸男は「衆参同日選挙はあり得るとの前提で準備したい」との見通しを新年早々述べている。しかし安倍はよほどの好機と見なければやるまい。よほどの好機とは北方領土問題の大きな進展である。しかし、ずる賢いプーチンが4島を返して、米軍に有利になる極東情勢を認める可能生はゼロであり、せいぜい2島返還の可能性があるが、一部の期待のように4島への足がかりなどにはなりそうもない。2島で打ち切りというのが現実だろう。戦争で取られた領土が全て返ることなど世界史的にも希有なことであり、2島がせいぜいであろう。その2島の是非で総選挙をぶちかませれば、野党やマスコミのの絶好の攻撃材料となり、極右も何をするか分からない。現在の改憲勢力で3分の2の議席の維持などはまず不可能となるだろう。北方領土は光明が見えているようで、本筋は依然として無明の闇といってよい状況なのだ。従って対露外交の重要度はは2の次3の次でよい。
 ここで今年の重要日程をみれば、今月通常国会が招集され、下旬には日露首脳会談。4月には統一地方選挙があり、同月30日には天皇の退位がある。5月1日には新天皇が即位し、改元となる。6月28,29両日大阪で20か国・地域首脳会合(G20)が開催され、中国国家主席習近平が来日する予定だ。6月か7月には参院選挙、10月1日には消費税が10%に引き上げられる。
 今年の政局展望にとって最大のくせ者がその消費税引き上げだ。なぜなら消費税を引き上げた直後に解散・総選挙をすれば、確実に大敗する。従って総選挙は引き上げのかなり前か、国民の怒りが収まる2020年後半以降しかない。そもそも前回16年の参院選挙は、自民、公明、大阪維新で3分の2を上回った。今回の参院選で自民、公明、日本維新の改憲勢力は90議席弱。3分の2を維持するにはこの90弱をなんとしても死守しなければならない。前回が勝ちすぎているのであり、減少を避けるのは極めて難しいのだ。
 こうした事態を回避するためにささやかれているのが、夏の衆参ダブル選挙だ。一種の大ばくちだが、安倍は度胸があるからやりかねない。ダブルについて安倍は「私自身は全くの白紙だ。頭の片隅にもない」と完全否定している。しかし昔から解散と公定歩合に関しては首相の嘘が許されることになっている。元首相野田佳彦も「私も総理大臣になったときに大先輩たちから、解散と公定歩合はウソをついてもよいと、言われ続けた。そうはいっても、ウソをついてよいテーマが特定分野にだけあっていいとは思えなかった。だから、(2012年に)『近いうちに解散』と言った後は、葛藤した。今の安倍(晋三)総理がどう考えているかはわからないが、人それぞれだと思う」と述べている。
 やるかどうかは別として、今後安倍が「解散は考えていない」と発言したら、やる可能性があるのだなと疑った方がよい。首相が解散で嘘をついて良いのなら、メディアも解散時期については独断と当てずっぽうが許されることになる。もっとも昔民放記者で、ことあるごとに「解散だ~」と叫びまくっているのがいて「解散小僧」と命名されたことがあったが、解散判断には政治記者としての判断の蓄積と洞察力が不可欠であり、解散小僧だけはいただけない。しかし、夏以降は何があってもおかしくない“危険水域”に政局が突入すると心得た方がよいことは確かだ。
◎俳談
【口語俳句】
 言葉をそのまま俳句にすると面白い。口語俳句の良い例が子規の
毎年よ彼岸の入りに寒いのは
である。母親がしゃべった言葉をそのまま使ったのだ。如何に子規が年がら年中俳句のことを考えていたかが分かる。それでは拙者もというわけで
着膨れて支那そば食べに来たわいな 東京俳壇入選
 女性俳人の句にもちょくちょく見られる。櫂未知子の有名な
春は曙そろそろ帰ってくれないか
である。一夜をともにした男に、きっぱりと言い放った。そこには春の曙のけだるさなどはなく、自立した女の姿がある。昔、安保反対を戦った全学連の女にこんなのがいたが、男からみれば可愛くない。カマキリのメスが交尾の後、オスを食ってしまうような凄まじさを内包している。
 ところがこの句、どうも類想句であるような気がする。
飯島晴子に
葛の花来るなと言つたではないか
があるのだ。女が男に“命令”するトーンが同じ。口語俳句であるのも同じ。「来るな」と「帰れ」も似ている。真似したとは言わないが連想を飛躍させた感じが濃厚だ。しかし一句としての独立性は確立しているから、名句であることは間違いない。