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今朝のカワセミ。

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◎難問山積、激動の極東情勢

◎難問山積、激動の極東情勢
  「米中第二次冷戦」は長期化へ
 北方領土「五里霧中」、邪道の韓国
  今年もはや師走が目前となったが、日本を取り巻く環境は地殻変動を起こす前触れのような様相を見せている。まず大きな潮流を見れば米中関係の潮目が変わり、米中両超大国が「第二次冷戦」ともいうべき状況に突入した。日本は多かれ少なかれ影響を受ける。一見首相・安倍晋三との関係が良好に見えるロシア大統領プーチンは、核心の領土問題で一歩も譲らぬ姿勢をあらわにした。隣国韓国の大統領文在寅は、人気が落ちそうになると竹島・慰安婦で対日世論を煽る邪道路線だ。まさに「四面楚歌」のごとき様相だ。来年の干支は己亥(つちのとい)で足元を固めて次の段階を目指す年だが、次の展望は五里霧中と言わざるを得まい。
 米ソ冷戦に勝った米国は、トランプが「一国主義」を前面に打ち出し、「アメリカ・ファースト」で国を率いると宣言。この方向は一方の超大国中国を刺激し、習近平は「一帯一路」構想を合い言葉に、臆面もなく地球俯瞰型の勢力拡大に打って出た。中国の歴代皇帝がそうしたように、「皇帝」習近平は陸路と海路で西進を開始した。2017年10月19回の共産党大会で採択された党規約には、「共に話し合い、共に建設し、共に分かち合うという原則を遵守して『一帯一路』建設を推進する」と明記した。覇権主義が芬芬(ふんぷん)とにおう大方針である。9月30日には「航行の自由作戦」遂行中の米艦船に中国の艦艇が45メートルまで接近するという異常事態を現出させた。
 こうした動きをとらえて米副大統領ペンスは、2017年の国家安全保障戦略の「中国は米国の安全と繁栄を侵食することで我々のパワー、影響力に挑戦している」との立場を再確認。同時にペンスは「中国は米国の最先端技術を盗み、西太平洋地位域から米国を排除して、同盟国支援を妨げようとしている」と強く批判した。これらの発言は、明らかに敵対国同士の応酬段階のように見える。
  こうして米中対立は長期化する可能性が高い情勢となって来た。米政府はキッシンジャーの隠密外交で1971年から始まったニクソン政権による対中融和策から転じて、対決路線に大きく舵を切った。
 ここで注目されるのは目前に迫ったブエノスアイレスでの主要20か国首脳会議である。G20は11月30日から12月1日の2日間開かれるが、米中は水面下で首脳会談の下準備をしている模様だ。この米中首脳会談が決裂すれば米中対立は修復不能の状態となることが確実であり、両国とも薄氷を踏むような調整をしているに違いない。しかし、中国が一帯一路路線を転換する気配はなく、唯一の超大国として君臨してきた米国も、トランプがそう簡単には引き下がるとは思えない。大きな構造的な潮流は、米中冷戦の継続だろう。
 一方、安倍との個人的な関係を棚上げするかのようにプーチンは北方領土で強硬姿勢を貫く構えだ。ロシア国内でのプーチン人気を押し上げることになったのは、紛れもなくクリミア・セヴァストポリの編入である。ロシアの領土は世界の総陸地の11.5%を占め世界第一を誇るが、大地主が境界線に異常なこだわりを見せるのと同じで、国家も土地があるほど卑しく固執する傾向がある。おまけに極東安保上の戦略が絡む。これに対して安倍は4島のうち歯舞・色丹の2島先行返還でゆく方向に舵を切ったかのように見える。
 とろろがプーチンはここにきてちゃぶ台返しに出た。安倍との首脳会談でプーチンは、「日ソ共同宣言には日本に島を引き渡すと書かれているが、どの国の主権になるかは書かれていない」と言い出したのだ。まるで日本に引き渡しても主権はロシアにあるという、荒唐無稽な屁理屈である。これは事実上プーチンに返す意図がないことを物語っている。安倍がこれに対して何も言わなかったのは、「2島先行返還」でも、なんとか実現にこぎ着けたいとの思惑があるからだろう。「安倍さんは2島で腹をくくった」という説まである。
 しかし、情勢は2島といえども容易でない感じが濃厚だ。なぜならクリミア・セヴァストポリ編入で高まった人気で味を占めたプーチンが、自らの保身を考えたら、2島といえどもロシア人が3000人も住んでいる「領土」を返したら一挙に人気が瓦解すると思ってもおかしくないからだ。こうして北方領土問題は五里霧中となったのが実情だろう。安倍とプーチンは3年以内に平和条約を結ぶことで合意した。安倍の任期は2021年9月までだから任期中にと言うことだろう。安倍は「戦後70年以上残された課題を次の世代に先送りすることに終止符を打つという強い意志を完全に共有した」と発言したが、ここで期限を切っては、事実上歯舞・色丹2島にとどまり、残る国後・択捉2島は永久に棚上げとなる心配がある。
 一方竹島では韓国の国会議員が上陸した。上陸について、外相・河野太郎は、上陸にあたっては政府が関与している可能性もあるとして、韓国政府の責任も問いただす必要があるという考えを示した。韓国大統領文在寅は人気が落ちそうになると、竹島・慰安婦で日本の神経を逆なでして、国民を煽り、人気を取る癖があり、こんな大統領を相手にまともな会談などできるわけはない。安倍は当分「無視」 すべきだろう。ただ河野の言う「文在寅の責任」については、当然追及すべきことだろう。
 ◎俳談
【地名は難しい】
 初心者に限って一句に地名を入れたがるが、最初の内はやめた方がいい。地名には鑑賞者に独特の思いがあって、地名が入るとバッティングして俳句を損なってしまうケースが多い。芭蕉も「去来抄」で名所(地名)が季語に迫る力をもつという考えを述べている。「地名が一句にはいるとき、季語不要の場合がある」とも述べているのだ。一例を挙げると
歩行(かち)ならば杖つき坂を落馬かな
がある。杖衝坂は古事記にもある有名な四日市の地名だ。句意は、歩行なら杖を突いてのぼる杖つき坂だが馬に乗ったため落馬してしまったというのだ。芭蕉が言うようにこの句は無季である。杖つき坂という有名な地名を前面に出した挨拶句のような感じを出している。いずれにしても大した句ではない。地名を知る読者は、地名に感慨を覚えてしまって俳句の感慨が消えかねないのだ。
 しかしどうしても地名と季語を両方使いたくなるのが人情だ。これが見事に調和すれば問題ない。例えば鷹羽狩行は
端居より端居が見えて琉球村
と詠んでいるが、夏の季語端居をダブらせて使っている。のんびりした沖縄の田舎を表現して、違和感はない。
房総の卯波とどろき月上る 毎日俳壇一席
は房総でなければならない必然性があって成功した。房総という大きな景を読者にイメージしてもらう必要があるからだ。
春の空仰ぐ人あり銀座裏 毎日俳壇入選
 これも銀座の路地裏を詠んだが、住宅地の路地裏でなく、銀座であるからなり立つ句だ。しかし筆者も地名を入れて成功した例は少ない。芭蕉は奥の細道の旅の途中、平泉で
夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡
を詠んでいるが、地名は入っていない。地名を入れなくてもこれだけの名句が出来るのだ。初心者は地名を入れない工夫をした方がいい。

諸行無常の鐘が鳴る ー 『 ゴーン 』その②

諸行無常の鐘が鳴る ー 『 ゴーン 』その②
安保政策研究会理事長 浅野勝人

安保研ネット、永田町竹割ネットに掲載した(2018/11月23日)日産ゴーン前会長に関する短評がすこぶる好評です。直感的寸評を書いたのですが、手前味噌で言わせていただくと頂門の一針だったのかなと悦に入っています。

次のようなコメントです。
秋、恒例―北京の名門大学3校の講義を終えて戻ったら、日がな一日、TVから「ゴーン」「ゴーン」と鐘の音が聞こえます。
何事かと思いきや、日産のゴーン会長が逮捕されたそうな!
急いで、自動車業界を半世紀ウォッチングしてきた老朋友に電話して「日産 よくやった。アッパレ!」と申しましたら「あいつは日本人を舐めている。思い知ったか!」と彼は言いました。
東京地検特捜部、久しぶりの金星です。
実際に受け取った報酬を80億円過少に申告したことを捜査の端緒にして、特別背任・業務上横領を徹底的に洗い出して、全額返済させる。応じなかったら実刑重罪。日産は、回収したお金を日本在住の株主に限定して配当金に当てたらいい。株価上昇、大ヒットになります。
ルノーは実力を蓄えた日産との連携を反故にされたくない。冷静な話し合いによって、対等且つ相互尊重のアライアンスをまとめるチャンスです。日産・ルノー双方の代表団による協議は、ゴーンがいない方が過去にとらわれず、将来に向けた建設的な結論を得やすいはずです。フランス国内の“引かれ者の小唄”は気にしない。気にしない!

以上のような短い一文ですが、今回は思いのほか反響がありました。
大勢の方々、特に知人、友人から感想が寄せられました。
表現は異なりますが、概ね一致した見解でした。
紹介させていただきたいコメントが少なくありませんでしたが、率直な思いを述べた中小企業の経営者(従業員30人そこそこの電気工事会社 社長)の胸の内を選ばせていただきました。

安保研ネットで、諸行無常の鐘が鳴る ― 『 ゴーン 』を読みました。
日産自動車ゴーン会長は、確かに凄腕と評価されていますが、中小企業の経営者の目から見て、尊敬すべきトップとは思いません。
従業員を何千人も解雇し、幾つも工場を閉鎖し、その結果、何兆円もの借金を短い期間に返済し、破産しかけた会社を立て直したのは事実です。しかし、私は解雇された人達の人生、工場の閉鎖に伴う関連協力企業の難儀、関連した周囲の人たちの辛苦を思えば、ゴーン氏の人間性を疑います。
極端な例かもしれませんが、私でも何千人も解雇し、業績の良くない工場を閉鎖すれば、簡単に立て直しが出来ます。外国人だから、日本人の経営者には出来なかった血も涙もない手法を平然とやり遂げたのではないでしょうか。日本人従業員を物品扱いしている。
ネットの中に「あいつは日本人を舐めている。思い知ったか」と言った専門家の言葉がありましたが、その通りです。倒産寸前の日産を立て直した優れた経営者なら、思い入れのある会社を食い物にすることなど出来るはずがありません。誠実な人なら「実るほど頭を下れる稲穂かな」です。                        

私は、従業員、社員は会社の宝と肝に銘じて、苦楽を共にしてまいりました。ゴーンを反面教師に、あと少しの人生を大切に生きてゆきたいと思います。(愛知県豊橋市、電気工事会社社長、76才)

諸行無常の鐘が鳴る - 『 ゴーン 』

諸行無常の鐘が鳴る - 『 ゴーン 』
(社)安保政策研究会理事長 浅野勝人

秋、恒例―北京の名門大学3校の講義を終えて戻ったら、日がな一日、TVから「ゴーン」「ゴーン」と鐘の音が聞こえます。
何事かと思いきや、日産のゴーン会長が逮捕されたそうな!
急いで、自動車業界を半世紀ウォッチングしてきた老朋友に電話して「日産 よくやった。アッパレ!」と申しましたら「あいつは日本人をバカにしていた。思い知ったか!」と彼は言いました。
東京地検特捜部、久しぶりの金星です。
実際に受け取った報酬を80億円過少に申告したことを捜査の端緒にして、特別背任・業務上横領を徹底的に洗い出して、全額返済させる。応じなかったら実刑重罪。日産は、回収したお金を日本在住の株主に限定して配当金に当てたらいい。株価上昇、大ヒットになります。
ルノーは実力を蓄えた日産との連携を反故にされたくない。冷静な話し合いによって、対等且つ相互尊重のアライアンスをまとめるチャンスです。日産・ルノー双方の代表団による協議は、ゴーンがいない方が過去にとらわれず、将来に向けた建設的な結論を得やすいはずです。

中国での講義は、いつもの北京外国語大学(東京外語大に相当)、首都師範大学(筑波大に当たる)、ことしは外交官を養成する大学、「外交学院」から初めて招かれました。外交学院は、周恩来総理の肝入りで創設された大学で、初代学長は、周恩来の右腕だった陳毅でした。正門の「外交学院」の文字は、自らの署名を添えた周恩来の直筆です。正面玄関には陳毅の銅像があります。外相というよりは人民解放軍創設者のひとり、誉れ高き武人の佇(たたず)まいでした。
どの大学も生徒は日本語学科の学部4年生と大学院生。外大と外院のテーマは「朝鮮半島非核化と日中の役割」 師範大は「日中協調の課題―環境と人口問題」です。3大学とも通訳無しでOK。驚きです。

トランプ大統領の批判をすると、喜ばない人はいないというのが今の中国だと私は感じていました。教養あるインテリ経済人と話していた折、話題がことトランプに及んだ途端「あいつは気違いだ」とわめきました。出口の見えない米中貿易戦争のあおりだと思います。
今回の大学の講義で、事実に基づいてドランプ大統領の政治姿勢、政策、思想信条、人物像について分析した後、「ドナルド・トランプは、世論を煽(あお)るデマゴーグの天才に過ぎない、現実主義者の不動産王なのか。歴代の大統領が誰もなしえなかったタブーに次々と挑む勇気ある指導者なのか。どちらだと思いますか」と10人の学生に質してみました。一人くらいは、へそ曲がりがいて「勇気ある指導者」と答えるかもしれないと予測していました。
結果は、不動産王6人、勇気ある指導者4人でした。
他に挙手をして、「両方兼ね備えているのでわからない」と答えた学生がいました。
若者の冷静且つ間口の広い判断に、私は予想をひっ繰り返されて一瞬言葉を失いました。
そして中国の未来は明るいと思いました。

それなのに、帰りの空港の通関のせいで、今回も「中国へ行く気が失せた」と失望させられました。
自宅へ帰ってトランクを開けたら、携帯電話の蓄電池が無くなっていました。没収したという用紙が入っていました。縦横4センチ、高さ2センチの10年以上も前の物で、没収しても役には立たない代物です。もちろん危険性は皆無。何のための没収か理解に苦しみます。もうひとつ、航空運賃は、区間ごと、クラスごとに定額料金を決めるべきです。国交省航空局に航空会社を指導するよう要請します。
今回、ANA・全日空、羽田~北京往復料金、18万6730円。これまで数十回の経験によれば、これはビジネスクラスの料金です。だから私はビジネスクラスのつもり。ところが行きも帰りもぎゅうぎゅう詰めのエコノミー。エコノミーなら往復8万円位が相場です。ANAに酷いと苦情言ったら、料金は便ごとに乗客の混み具合によって決まる、その時、その時の相場だから仕方ないという。
これチョットぼったくり!
(2018/11月24日、元内閣官房副長官)

◎危うい歯舞、色丹の「2島先行返還論」

◎危うい歯舞、色丹の「2島先行返還論」
  プーチンは国後、択捉の現状固定狙う
 日露首脳会談の焦点は言うまでもなく、北方領土問題であったが、首相・安倍晋三の成果を急ぐ姿勢が目立ち、プーチンに「技あり」を取られかねない側面が生じた。なぜかと言えば日本が「四島返還」より「歯舞、色丹の2島先行」に傾斜したと受け取れるからだ。安倍は56年の日ソ共同宣言の「日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡す」に回帰して、とりあえずは二島返還で平和条約交渉を先行させる構えを垣間見せている。しかし、したたかなプーチンが先行返還と言っても他の2島を返還する可能性はゼロに近いと見るべきだろう。
 問題は、56年共同宣言に盛られた北方領土は「歯舞群島と色丹島」だけであり、国後、択捉への言及がないことだ。ロシアの「二島での食い逃げ」は当然予想できることである。にもかかわらず2党返還で平和条約を締結することになれば、ロシア側は日本の譲歩と国内的に喧伝する意図がありありだからだ。なぜならプーチンはかねてから「国後、択捉は議論の対象にならない」と主張してきており、それが実現したと受けとれるからだ。
  あきれたことにプーチンは、歯舞群島と色丹島についても「日本に引き渡された後の2島に日露どちらの主権が及ぶかは共同宣言に書かれていない。今後の交渉次第だ」と、引き渡した後もロシアの主権が及ぶという姿勢を貫こうとしている。したたかにも交渉のハードルを上げてロシアの主権を主張する意図がありありだ。クリミア併合で国内の評価が急上昇した“甘い汁”を北方領土でもう一度という魂胆が垣間見える。プーチンは国際的にウクライナの領土と見なされていたクリミア自治共和国、セヴァストポリ特別市をロシア連邦の領土に加えることに成功した。1991年にソビエト連邦が崩壊し、ロシア連邦が成立した後、ロシアにとって本格的な領土拡大となった。北方領土で譲歩すればクリミアで得た国民の評価を、一挙に灰燼に帰することになるのが構図だ。
 さらに重要なのはロシアには北方領土を日本に渡せば、米軍が常駐しないまでも、一朝有事の際は島々が米軍の不沈空母となりかねないと言う危惧がある。地政学的には極東における日米の安全保障上の立場を強化することになる。当然予想される事態だ。
  最近の対露交渉で懸念されるのは、プーチンの「食い逃げ」である。プーチンの狙いは、日本の経済協力であり、その発言から見る限り領土問題での譲歩は、そぶりすら見せていない。日本側には通算22回も会談するのだから「めどくらい立つだろう」との期待が強いが、表だって目立つのはプーチンのしたたかさだ。安倍の会談の目的は領土問題だが、プーチンには会談すること自体を重視しているかに見える。
 加えて、プーチンは10月に公的な会合で「日露間に領土問題は存在していない」と言明、交渉姿勢を分析すれば「ゼロ回答」ばかりが透けて見える。今後安倍は、月末のブエノスアイレスでの主要20か国首脳会議でも首脳会談を行うし、来年には早い時期に訪露する方針である。
 ロシア経済は原油価格の低迷によって2015年、16年と2年連続で景気後退に陥ったものの、価格の持ち直しで2017年の同国の実質国内総生産が前年比で1.5%増え3年ぶりのプラス成長を達成。2018年も2年連続のプラス成長が見込まれている。したたかなプーチンは堅調なロシア経済を背景に強気の外交姿勢を維持するものとみられ、突き崩すのは容易ではあるまい。安倍としては、来年夏には参院選があり、急進展があれば別だが、対露外交はよほどの進展がない限り選挙のプラス材料にはなりにくいのが実情だ。
 ◎俳談
【口語俳句】
 言葉をそのまま俳句にすると面白い。口語俳句の良い例が子規の
毎年よ彼岸の入りに寒いのは
である。母親がしゃべった言葉をそのまま使ったのだ。如何に子規が年がら年中俳句のことを考えていたかが分かる。それでは拙者もというわけで
着膨れて支那そば食べに来たわいな 東京俳壇入選
 女性俳人の句にもちょくちょく見られる。櫂未知子の有名な
春は曙そろそろ帰ってくれないか
である。一夜をともにした男に、きっぱりと言い放った。そこには春の曙のけだるさなどはなく、自立した女の姿がある。昔、安保反対を戦った全学連の女にこんなのがいたが、男からみれば可愛くない。カマキリのメスが交尾の後、オスを食ってしまうような凄まじさを内包している。
 飯島晴子に
葛の花来るなと言つたではないか
がある。女が男に“命令”するトーンは櫂と同じ。口語俳句であるのも同じ。「来るな」と「帰れ」も似ている。真似したとは言わないが連想を飛躍させた感じが濃厚だ。しかし一句としての独立性は確立しているから、名句であることは間違いない。

2018-11-14

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◎トランプが直面する「決められない政治」


◎トランプが直面する「決められない政治」
   下院舞台に攻防段階へ突入
  唯我独尊政治が極東外交にも影
   中間選挙の結果米国は、民主党が下院を奪還し、多数党が上院は共和党、下院は民主党という「ねじれ議会」となった。この大統領と下院の多数派が異なる政治状態は、戦後の議会ではレーガン政権、ブッシュ政権、オバマ政権で生じている。とりわけオバマ政権の二期目は、「決められない政治」で有名だが、トランプも多かれ少なかれ「決められない」状況に落ち込むだろう。2年後の大統領選は、奇跡の逆転でトランプ再選がないとは言えないが、その可能性は低い。勢いづいた民主党が反トランプの攻勢をかけることは必定であり、大統領弾劾の事態もあり得ないことではない。米国の政治は流動化の傾向を強くする。
  民主党にとっては8年ぶりの下院奪還であり、ねじれを利用してトランプ政権への攻勢を強め、大統領の弾劾訴追も視野に入れるとみられる。そのための圧力は、法案の成立数となって現れるだろう。米議会における法案成立数は毎年通常400~500本で推移しているが、議会がねじれた政権ではその数が著しく減少する。レーガンの成立率は6%、ブッシュ4%、オバマ2%といった具合だ。
 法案は通常、上下両院でそれぞれ同時期に審議され、内容が一本化されて成立の運びとなる。民主党は今後ポイントとなる重要法案の成立を阻むものとみられ、トランプは議会対策で苦境に陥る公算が強い。とりわけ下院が主戦場となる。民主党の狙いは言うまでもなく2年後の大統領選挙でトランプを引きずり下ろすことにある。2年間でトランプをボロボロにして、再起不能にしようというのだ。
 民主党はトランプの弱点を突く戦術を展開するものとみられる。弱点は山ほどある。外交では北朝鮮の金正恩やロシアのプーチンとの親密ぶりばかりを露骨に誇示して、同盟国である日本やカナダをないがしろにして、高関税をちらつかせる。内政では元女優との不倫に口止め料を支払ったのが露呈したかとおもうと、女性やマイノリティに対する侮辱的な発言。議会が指摘する「嘘つき政治」は日常茶飯事である。よくこれで大統領職が務まると思えるほどの問題ばかりが山積している。他国に対する制裁関税も、製造業が大不況で息も絶え絶えのラストベルト地帯にこびを売るものにほかならない。トランプは国全体を見る視野より、自分への支持層だけを大切にしているかに見える。「我々はグローバリズムを拒絶し、愛国主義に基づき行動する」という発言は、国際協調路線とは決別しているかに見える。現実に環太平洋経済連携協定(TPP)や、地球温暖化対策の「パリ協定」からの離脱表明は、釈迦も驚く唯我独尊ぶりだ。
 この結果米国民に分断傾向が生じている。国内に医療制度や移民問題をめぐって対立が生じているのだ。もともと共和党支持層は地方の有権者や白人が多く、民主党は若者や、有色人種、女性が支持する傾向が強い。本来なら複雑な社会形態を統合するのが米大統領の重要な役割だが、トランプは分断が自らを利すると考えているかに見える。よくこれで大統領が務まると思えるが、米国政治の懐は深く、弾劾などはよほどのことがない限り実現しそうもないのが実態だ。米国では大統領と議会の多数派が異なることを分割政府(divided government)と言う。米国の政治制度の特質は、大統領と議会の多数派が異なる分割政府の常態化を前提として政治運営や立法活動が複雑な駆け引きの下に行われる。大統領が利害調整を行はざるを得ない場面が過去の政権でも見られた。その傾向が常態化するのであろう。さすがに心配なのかトランプはさっそく「ねじれ」状態を踏まえ、「いまこそお互いが一緒にやるときだ」と述べ、民主党に連携を呼びかけたが、ことは容易には進むまい。。
 トランプの政治姿勢が続く限り、西欧や日本などの同盟国の国民は心理的な離反傾向を強めかねない。そうすれば喜ぶのはプーチンや習近平だけであろう。トランプの対中対立路線が原因となる米中離反は、中国による対日接近姿勢を強めており、国家主席習近平の来年の訪日など今後交流が強まる傾向にある。トランプの唯我独尊政治は、単に米国内にとどまらず、極東外交にも大きな影を落としているのだ。しかし大統領が誰であれ、日米関係は重要であり、同盟関係を堅持し、通商関係の維持向上を図るべきであることは言うまでもない。
 ◎俳談
【推敲(すいこう)】
 俳句は世界一短い詩である。従って言葉をどう選ぶかが生命線である。
詩文の字句や文章を十分に吟味して練りなおすことを推敲という。由来は、唐の詩人賈島(かとう)が、「僧は推(お)す月下の門」という自作の詩句について、「推す」を「敲(たた)く」とすべきかどうか思い迷ったすえ、唐中期を代表する文人・韓愈(かんゆ)に相談した。その結果、「敲」の字に改めたという故事からきている。たった一字で、生まれ変わったような詩になることが、その重要性を語っている。
 芭蕉もその一字に全生命をかけたといえる。
例えば
五月雨を集めて速し最上川
は、「集めて涼し」が原型であった。それを「速し」としたのはなぜか。一句の中で客観と主観が激突したのである。「涼し」ならば平凡なる客観的情景描写の短詩に過ぎないが、「速し」としたことで、主観が圧勝する。圧勝してなり立つのが蕉風俳句なのである。
荒海や佐渡に横たふ天の河
も「横たふ」が主観。
閑さや岩にしみ入る蝉の声
の「しみ入る」も徹底した主観だ。芭蕉が打ち立てた俳句の偉大性は、見たままでは俳句にならないと実践で教えているところにある。心を拒絶して物をアピールしても俳句にはならない。初心者ほど推敲を心がけ、「心」を一句に注入しなければならない。