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◎石破立候補は“消化試合”か

◎石破立候補は“消化試合”か
  3年後には「岸田の壁」
 「我が胸の燃ゆる思ひにくらぶれば煙はうすし桜島山」ー首相・安倍晋三の桜島を背景にした出馬表明を聞いて、筑前(現在の福岡県)の勤王志士・平野国臣が詠んだの短歌を思い起こした。安倍が意図したかどうかは別として、薩長同盟が明治維新という歴史の舞台を回転させたことを意識するかのように、激動期の難関に立ち向かう政治姿勢を鮮明にさせたのだ。日々水銀柱の高止まりに連動するかのように安倍批判を繰り返している石破茂に対して頂門の一針を打ち込んだ形でもある。今後9月20日の総裁選に向けてボルテージは高まる一方となった。
 安倍の26日の演説は、総じて「格調」を重視したかのようであった。堰を切ったように「まさに日本は大きな歴史の転換点を迎える。今こそ日本のあすを切り開く時だ。平成のその先の時代に向けて、新たな国造りを進めていく。その先頭に立つ決意だ」と3選への決意を鮮明にさせた。その背景には自民党国会議員の大勢と、地方票の多くが安倍に向かうとの自信があるようだ。
 既に固まっている議員票は自派の細田派(94)を筆頭に麻生派(59)、岸田派(48)二階派(44)衆院竹下派(34)をほぼ確保。さらに73人いる無派閥へと浸食しつつある。今回は議員票405票、地方票405票合計810票の争奪戦だ。前回12年の総裁選では石破に地方票で大差を付けられたことから、安倍は夏休み返上で地方行脚を続けている。しかし地方票が前回のような石破支持に回るかと言えば、そうではあるまい。地方票は議員票に連動する傾向が強いからだ。前回石破に地方票が流れたのは安倍が首相になる前であったからだ。現職の総理総裁は、油断しなければ地方票の出方を大きく左右させるだろう。総裁選後足を引っ張られないためにも最低でも半分以上は取る必要がある。
 これに対して石破は自派20と反安倍に動く元参院議員会長・青木幹雄の支援を得て参院竹下派の大勢の支持を得つつある。しかし、議員票は不満分子を含めてもせいぜい50票弱を獲得するする方向にとどまるものとみられる。石破は愛知県での講演で「自由闊達(かったつ)に議論する自民党を取り戻さなければいけない」と首相の党運営を批判した。
 この石破の置かれた立場を分析すれば将来的な展望がなかなか開けないことに尽きる。なぜならポスト安倍の本命は岸田と受け止めるのが党内常識であるからだ。岸田が今回の総裁選に立候補しなかったのは3年待てば安倍支持グループの支持を得られるという計算がある。従って今後安倍が3年、岸田が2期6年やった場合、10年近く石破政権は実現しないことになる。立ちはだかる「岸田の壁」は今後ことあるごとに石破を悩ますだろう。石破派幹部は佐藤3選阻止に立候補した三木武夫が、田中角栄の後政権についた例を指摘するが、田中の場合はロッキード疑惑に巻き込まれて短期政権にとどまったのであり、慎重な岸田が高転びに転ぶ可能性は少ない。
 石破は憲法改正でも安倍と異なる路線を歩んでいる。焦点の憲法9条改正で、戦力不保持を定義した2項の扱いをめぐって対立が先鋭化しているのだ。石破は9条改正で2項の削除を主張しているのに対して安倍は2項を維持した上で自衛隊の合憲を明確化させる方針だ。「憲法改正に取り組むべきときを迎えている」とする安倍は、年内に自民党の改憲案をまとめ、来年の通常国会で発議する図式を描いていると言われる。夏の参院選挙に合わせた国民投票構想があるが、まだ流動性がある。
 いずれにしても、今回の総裁選は野球で優勝チームが確定してから行う“消化試合”のような色彩が濃厚である。なぜなら例えば石破が地方票の半分を確保しても安倍が810票の過半数を確保する流れに変化は生じないからだ。石破が得をしていることと言えば、軽佻(けいちょう)浮薄な民放テレビ番組が、まともな対立候補として取り上げ、面白おかしくはやし立てることしかない。世論調査で石破支持が安倍を上回るケースがある理由は、民放番組にある。安倍陣営は気にする必要はない。石破はなんとかしてテレビ討論を実現したいようだが、軽々に応ずる必要はない。石破を実体以上に大きく見せてしまう。やるなら両者が日本記者クラブと会見して、それをテレビが中継すれば良い。
 ◎俳談
【蚊,蚤(のみ),蠅】
頼朝の鎌倉の蚊をぽんと打つ 産経俳壇入選
 小林一茶の虫好きは極めて興味深い。とりわけ人から憎まれている蚊,蚤,蠅を多く詠んでいる。生まれ育った環境を反映してのことであろう。小さな虫たちを慈(いつく)しむ視点があるが、また蚊,蚤,蠅に托して自らの境涯を詠んだ句も多い。
通し給へ蚊蠅の如き僧一人
も、恐らく関所を通るときに作ったものであろう。有名な
やれ打つな蝿が手をすり足をする
も、観察句であると同時に、「世の人よハエのような自分を打ってくれるな」と言っているとも受け止められる。
一茶の昆虫を詠んだ句は、ある研究によると、蝶299,螢246,蚊165,蚤106,蠅97,蝉94の順だという。総じてユーモアがある。
昼の蚊やだまりこくつてうしろから 
あたりはまさに蚊の本質を突いている。蚤の句は
ふくれ蚤腹ごなしかや木にのぼる
があるが、よく観察しているものである。
蚊柱やこんな家でもあればこそ
は自嘲(じちょう)が興味深い。
それでは筆者も
「を」はをんな座れる姿蚊遣香 読売俳壇入選
文字の形から正座する女性を連想した。

◎首相、「改憲」軸に政局運営へ

◎首相、「改憲」軸に政局運営へ
  求心力維持し、来年発議の構え
 総裁3選後をにらんで、自民党総裁・安倍晋三が12日、憲法改正戦略を一層鮮明にした。改憲案の「次の国会提出」を明言したのだ。安倍の5年半を超えた政権では経済は長期にわたり景気を維持し、外交安保でも積極路線で日本の存在感を高めており、大きな失政もない。自民党内は3選で政権を継続させることに依存も少ない。9月の総裁選は、石破茂が立候補しても安倍の圧勝となる方向は事実上確定しており、求心力は「改憲」軸に維持されよう。
 新聞や民放はただ一人の対立候補石破が安倍総裁との一騎打ちになるとはやし立てるが、「一騎打ち」とは 敵味方ともに1騎ずつで勝負を争うことである。結果としてそうなったにしても彼我の力量の差は歴然としており、アリが巨像に向かう事を一騎打ちとは言うまい。なぜアリ対巨像かといえば、まず自民党内の議員勢力に雲泥の差がある。安倍支持は自派の細田派(94人)を筆頭に、麻生派59人、岸田派48人、二階派44人、石原派12人と圧倒している。石破支持は同派の20人と参院竹下派の21人程度に過ぎない。前回安倍が大敗した地方票も、安倍自身の地方行脚で基礎を固めており、支持も広がっている。陳情一つとっても石破では話が通じないからだ。今回の総裁選は、まるでプロスポーツの“消化試合”の様相だ。
 長期政権はその求心力をいかに維持するかが最大の問題となる。7年半続いた佐藤栄作政権は「沖縄返還なくして選後は終わらない」をキャッチフレーズに求心力を維持した。安倍の叔父の佐藤は72年5月の返還実現を見て、同年7月に退陣している。安倍はここに来て自民党結党以来の悲願である憲法改正を推し進める姿勢を鮮明にしている。12日の講演で「憲法改正は全ての自民党員の悲願であり、その責任を果たして行かなければならない。いつまでも議論だけを続けるわけにはいかない」と改憲発議への姿勢を明確に打ち出した。改正の焦点は「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」という9条2項だ。まぎれおなく羹(あつもの)に懲りた米占領軍の影響下にある条項だが、独立国の常識としてまさに噴飯物の内容を構成しているといえる。
 自民党は今年の春に戦力不保持を定めた9条2項を維持した上で、「9条の2」を新設して自衛隊を明記する案を固めた。これは安倍のかねてからの主張に沿ったものだ。安倍は2項を維持した上で、自衛隊の合憲を明確にするとしている。自衛隊を憲法に明記して古色蒼然たる違憲論争に終止符を打とうとするものだ。国内の違憲論争に決着を付ける意味は大きく、世界の標準に合致することになる。これに対して石破は「2項を削除して自衛隊の保持を明記し、『通常の軍隊』と位置づける」としており、首相と「維持と削除」で決定的な差がある。石破の削除案には党内右派の一定の支持はあるが、首相案の方の支持が大勢の流れとなっている。加えて大規模災害時などに政府による国民の生命・財産の保護義務を明確にする緊急事態条項も創設される方向だ。
 自民党が総裁選での最大の焦点に改憲問題をテーマとするケースは珍しい。これは自民、日本維新の会など改憲勢力が衆参両院で必要な3分の2を占めていることが、現実味を帯びさせているのだろう。安倍戦略は、9月の総裁選を機に改憲への基盤を固め、秋以降の国会を改憲にとって千載一遇のチャンスと位置づけ、自民党の改憲案を提示し、通常国会での発議に持ち込む構えであろう。そして2020年の新憲法施行へとつなげたい考えのようだ。
 この結果、最大の政治課題は、既定路線の3選そのものにはなく、3選後に何をやるかに焦点が移行しつつあり、改憲は佐藤が沖縄返還で最後まで求心力を維持したこととオーバーラップする。ただ、連立を組む公明党は来年の参院選を控えて慎重論が強く、安倍の憲法改正発言に警戒を強めている。今後折に触れ、クギを刺したり、横やりを入れる動きを見せそうだ。野党も立憲民主党や国民民主党を中心に警戒論が高まろうとしている。
◎俳談
【歳時記を“携帯”する】
 俳句とは季語そのものを活かす短詩である。従って先に短詩を作って適当に季語を取って付けるのでは、だいたいが陳腐な句となる。あくまで「季語様」を盛り立てるのが俳句である。しかし、この熱いのに歳時記を持ち歩くのもうっとうしい。小生は長い間三省堂の「季寄せ」を使っている。ワイシャツのポケットに入る大きさで使いやすい。表紙は良質な革製で長い間使っていると皮が手の脂で磨かれ貫禄(かんろく)が出てくる。
 しかし最近では、これでも面倒になってきた。考えたら「そうだ
スマートフォンがある」と気付いた。毎日肌身離さず持ち歩くものの典型だ。案の定Web上のストアに歳時記があった。ちょっと高いが角川の俳句歳時記を買った。これで全てが事足りることが分かった。しかし俳句を書き留めるには手帳がいる。これも「i手帳」というソフトがあって、手帳の機能を全て備えている。おまけに指で文字を書けるから、いちいち面倒なアルファベットを使った書き込みなど不要だ。一句を思いついたらスマフォの手帳を開いて指で文字を書く。歳時記が必要になったらスマフォの歳時記を開く。これで万事OKだ。夏は省力に限る。
これしきはジュラ紀の冬と炎天下 読売俳壇一席

◎竹下派、「自主投票」と言う名の「分裂投票」

◎竹下派、「自主投票」と言う名の「分裂投票」
  竹下(亘)の力量不足が主因ー自民総裁選
 名門竹下派の総裁選への対応が空中分解して、自民党総裁・安倍晋三の事実上独走態勢が固まった。安倍は9月の総裁選挙で所属国会議員8割以上の支持を受けて3選される流れとなっている。安倍3選は筆者がもともと「決まり」と報じてきたが、ますます「決まり」となった。国会議員の安倍支持勢力は細田派94人、麻生派59人、岸田派48人、二階派44人、石原派12人の大勢となる見通しだ。405票ある国会議員票の8割近くを安倍がまとめつつある。一方竹下派の参院議員は大勢が元幹事長・石破茂を支持する方向だ。立候補の意欲を見せる石破は、自派と参院の竹下派21人程度の支持で、せいぜい50票弱を獲得するする方向にとどまる。石破の狙いは3年後の総裁選にあるが、安倍の圧勝は、立候補を見送り安倍支持に回った前外相・岸田文男に勝てない流れを生じさせそうだ。岸田が立候補する際には安倍派が岸田に雪崩を打つからだ。
 竹下派の内部事情は衆参で月とすっぽんほど異なる。その原因は総務会長・竹下亘の指導力欠如に如実に表れている。同派の衆院側は、経済再生担当相・茂木敏充、厚生労働相・加藤勝信ら8割超が安倍支持へ動いている。一方参院は元参院議員会長・青木幹雄が反安倍路線であり、政界引退後も影響力を保持している。その理由は極めて個人的で、青木の長男一彦がは2016年参院選から合区された「鳥取・島根」選挙区で、石破の手厚い支援を受けていることだ。青木としては、石破の協力を得て、一彦の選挙基盤を盤石にしたい思惑があるのだ。
 竹下はこのほど同派衆参両院議員らから総裁選への対応を聴取したが、衆院23人が安倍支持を表明、石破支持は竹下自身を含めて6人程度にとどまっている。参院側は21人の大半が石破支持であり、青木の影響を感じさせる。「鉄の結束」を誇り、遠く佐藤栄作派に源流を置く竹下派も、近年では総裁選で自派候補を出せないままとなっている。異母兄に当たる故竹下登と亘の政治力の差が如実に出ているのだろう。竹下は自分自身が石破支持のようであり、この方向で派内をまとめようとしたが、安倍支持勢力の反発を食らい、力量の不足を見せつけた。8日の幹部会でも竹下は一本化を試みたが、実現に至らなかった。結局竹下派は「自主投票」という名の分裂投票に突入するしかない方向となって来た。福田康夫の任期途中での総裁辞任に伴う2008年総裁選挙でも、派内の支持は3候補に分断されている。自民党内7派閥のうち態度を表明していなかった石原派12人は9日の幹部会合で安倍支持を打ち出す方向だ。
◎俳談
【無季俳句鑑賞】
 季語は江戸時代の連歌の発句に由来する。発句は連歌の詠み手たちへの挨拶句であり、挨拶として時候が含まれるのが常であった。この流れをくんで現在の俳壇の主流は有季定型といって、季語を入れた五七五で形成される。戦前には季語の概念がない「無季俳句」や「自由律俳句」の流れも生じたが、いまや傍流である。有能な無季俳句の達人がいなくなったことが原因であろう。
 自由律俳句の筆頭が種田山頭火だ。もっとも有名な句が
分け入っても分け入っても青い山 
である。この句には季語が全くないが、どこからともなく初夏から夏にかけての季節感を感ずる。青い山に分け入るのだから冬でも、春でも、秋でもない。このように季語がなくても季語を感じさせるところに山頭火の非凡な才能を感じさせる。象徴しているのは俳句の道の険しさであろう。
 昭和14年に渡辺白泉が26歳で作ったのが
戦争が廊下の奥に立ってゐた
である。詩人で評論家の大岡信は「廊下の奥というささやかな日常生活に、 戦争という巨大な現実は容赦なく進入してくる」と鑑賞しているが、見事だ。反戦句として取り上げられる場合が多いが、反戦句と言うより、自身の恐怖感を率直に述べたのだろう。
 女のさがを詠んだのが中村苑子だ。
黄泉(よみ)に来てまだ髪梳くは寂しけれ
あの世に行っても髪を梳くであろう自らの姿を、おそらく鏡の前で髪を梳きながら想像しているのであろう。下五の「寂しけれ」が女の業を見事に表現している。読者に幽霊の姿まで連想させて、特異な感慨に導く。
 こうした「無季俳句」や「自由律俳句」は、とても一般の俳人が真似られるものではない。新聞俳壇でこの種の俳句が入選することは極めてまれである。

◎竹下派が“分裂総裁選”へ

◎竹下派が“分裂総裁選”へ
 “ラスプーチン”も暗躍
 自らの将来を思うと暗然とした気分にならざるを得ないのが元幹事長・石破茂だろう。依然として自民党総裁、すなわち首相への道は見えてこないと言わざるを得ないからだ。ジタバタすればするほど、先が見えなくなるのが石破の置かれた立場のように見える。それにもかかわらず参院竹下派が、たった21人とはいえ石破支持に動くのも解せない。どうも暑さで政治家も、意識が朦朧として判断力が鈍っているかのようだ。
 竹下派は保守本流を行く名門派閥だ。遠く吉田派に端を発し、佐藤→田中→竹下→小渕→橋本→津島→額賀→竹下派と続いてきたが、常に時の政権の基盤となる動きが目立ったものだ。ところがここにきて9月の総裁選で参院側が各派のトップを切って総裁選への態度を決定、石破を押す流れとなった。参院竹下派は31日、幹部8人が会合、石破支持の方向を確認したのだ。「反旗」をかかげたが、一方で、竹下派の衆院議員は、経済再生担当相茂木敏充らをはじめ首相支持派が8割以上に上る見込み。同派は分裂投票となる。派閥会長竹下亘は、板挟み状態となった。判断力が試されている。総裁選の大勢は、事実上細田、麻生、岸田、二階の4派の支持を取り付けている安倍の圧倒的優位は変わらない。
 新聞はすぐにこうした動きを「森友・加計を抱える安倍への国民の不信感」に結びつけたがるが、森友・加計は1年半たっても何も政権直撃の疑惑など生ぜず、朝日と野党の結託が生じさせた虚構にすぎない。加えてこの参院竹下派の動きの背景には政局と言えば顔を出す怪僧ラスプーチンの暗躍がある。政界引退後も竹下派に影響を持つ元参院議員会長・青木幹雄だ。今回の青木の“仕掛け”は極めて個人的な原因に根ざしているようだ。鳥取出身の石破が、前回の参院選における「鳥取・島根」合区選挙区で青木の長男、一彦の再選に尽力したことへの“返礼” の意味があるといわれているのだ。
 引退後も“参院のドン” は健在ということになる。竹下派の参院議員らも「石破を支持して安倍に圧力をかける」と威勢は良いが、この選択は得るものが少ないことを分かっていない。というのも大きな政局の流れは安倍の3選が確実であり、安倍政権はあと3年継続する。安倍の後は岸田が本命であり、岸田政権は6年は続くだろう。当然安倍の後を石破も目指そうとするだろうが、安倍支持グループの大勢が石破を推すことはまずあり得ない。岸田を推す者が多いだろう。そうなれば、石破派と支持グループは、かれこれ10年冷や飯を食らうことになりかねないのだ。10年の冷や飯ということは、政治家にとっては夢も希望も失せるのであり、致命傷だ。従って石橋支持の選択肢はいずれ潰れるのが落ちだ。青木も「真夏の夜の夢」を見るのは自由だが、議席を失ってまで政局に口を出すのは「年寄りの冷や水」と心得た方がよい。
  こうした中で幹事長二階俊博が31日、ソウルで「安倍総理への絶対的支持を表明する。国民が真のリーダーシップを託せるのは安倍総理をおいて他にない」と支持を表明。衆参で総裁選対応が割れる可能性が出てきた竹下派についても、「私らのグループはこっちが安倍さんを支持し、そっちが誰かを支持するとか、そんな器用なことはやらせたことはない。そんなのは派閥とは言えない」と酷評した。確かに総裁の選択という重要局面で衆参の判断が異なるとは、派閥の体をなしていない。名門竹下派も凋落したものだ。
 こうした中で派閥間の動きも活発化しはじめており、31日夜には岸田、石破、前経済再生相・石原伸晃、元防衛相・中谷元が会合。石破が岸田に「私が立候補の際はよろしく」と支援を要請するなど、水銀柱の上昇と比例するかのように生臭さが一段と強まってきた。
★筆者より 8月は原則夏休みとします。
◎俳談
【老の暮らしを詠む】
 引退後の老人は、何と言っても時間がある。筆者のように現役に互して生々しい政治記事を書き続ける“異能老人”はほとんどいないから、大抵は暇を持て余す。その暇を持て余しているところを開き直って一句に仕立てると、結構新聞俳壇が使ってくれる。単に暇なのではなく、老の静かな暮らしや、哀感などがそこはかとなく盛り込まれると使われる。
甚平で夕刊待てる暮らしかな 毎日俳談入選
実際には夕刊なんかニュースがないから全然待ってはいないのだが、そういうことにすれば、静かな暮らしが浮き上がる。
鴨来しと聞けば見に行く暮しかな 産経俳壇入選
近くの森の池に鴨が来たというニュースが、老にとっては大きいものでなくてはならない。だからそうした。
玉葱に涙などして暮らしゐる 産経俳壇一席
台所にはしょっちゅう立つ。玉葱切って涙を流すのが唯一の涙腺活用術なのだ。
葱刻む平穏いまだ続きをり 毎日俳壇一席。
葱刻むという平穏のなかに、魔物が潜んでいるのが人生だ。そこを詠んだら褒められた。