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横綱つぶした“ 横審の大罪 ”

横綱つぶした“ 横審の大罪 ”
安保政策研究会理事長 浅野勝人

大相撲名古屋場所は、3横綱と今が旬の大関を欠いた寂しい土俵となりました。在位の横綱全員休場は19年ぶりのことだそうです。
初日から3勝した白鵬は、右膝を痛めて4日目から休場。鶴竜は右肱の故障で7日目から休場。左肩痛の稀勢の里は連続全休で次の9月・秋場所、土俵に上がれなければ引退。優勝最有力候補だった大関・栃ノ心は古傷が再発して7日目、無念の休場。残った力士のなかでは実力トップの関脇・御嶽海が順当に初優勝しました。但し、休場前の3横綱、大関とは対戦していません。

去年の九州場所(2017/11月)で40回目の優勝をした横綱・白鵬に対するバッシングが集中して以来のことです。
明けて1月、初場所を控え、私の著書「宿命ある人々 ― 第3章、白鵬翔とチンギス・ハーン」を読んで、白鵬とのショートメールのやり取りを知った友人、知人から、
☆横綱審議委員長の「横綱の張り手、かち上げは見苦しい。見たくない」という白鵬に当てつけた発言は許容できない。まるで相撲規則で禁じられている違反をしているような誤解を招く。横綱の使命は勝つことにある。品格にこだわって負け続けるのが立派な横綱か、堂々と荒ワザを駆使して勝ち続けるのが真の横綱か、横審に惑わされないよう本人に伝えてください。
☆強烈な張り手を食ったり、立ち合いにガツンとかち上げられると思うような相撲が取れない、と泣き言をいうのは関取ではありません。それに勝るワザを磨いて勝ち上がるのが力士です。横審発の雑音は無視して、ガンガンかち上げて勝負に集中するよう申してください。
そのほか多数。

「張り手、かち上げ、本場所はやめます。頑張ります。白鵬翔」(1月8日、ショートメール)
1月14日が初日の初場所。3日目、4日目、白鵬連敗。左足親指を捻(ひね)って5日目から休場。こんな姿は見たことない。
「自らの相撲に迷いが生じています。
場所前、『かち上げ』『張り手』は技(わざ)のひとつ。それに負ける力士が未熟と申しました。横綱から封印すると聞かされ、意思は尊重しますが、迷いを払しょくするには封印解除を含めて一切白紙で、勝負師の真の勇気を求めてください。浅野勝人」(1月18日)

3月春場所(全休)、5月・夏場所と不振続き。
満を持しての7月・名古屋場所。
ところが「白・稀 時代」を期待された稀勢の里は引き続き全休。白鵬はしゃにむに3連勝したものの、ケガをして休場。頼みの鶴竜、横綱に代わって場所を引っ張るはずの栃ノ心まで故障で休場。とりわけ3横綱の休場には、勝つための焦りと無理がケガに連動していると思えてなりません。勝負に徹することを無意識に躊躇させる“ 横審 ”の見えざる圧力が在るのではないでしょうか。

6日目、カド番大関・豪栄道は立ち合い左を張って阿炎の出足を止め、有利な体勢から横転させました。久しぶりに強い大関の取り口を見せてくれました。
期待の遠藤は、終盤、右から張り手を食い、翌日は左から張られて瞬時に土俵の外へ突き飛ばされて優勝戦線から脱落しました。
貴景勝のパチッと響く張り手は効き目があります。先輩力士だろうが誰彼かまわず張って出るのがいい。
14日目、千代大龍はモンゴル出身の小結・玉鷲を強烈にかち上げて、ウランバートルまでふっ飛ばしました。
「張り手」「かち上げ」ともに有効且つ貴重なワザです。

横綱が「張り手」「かち上げ」を技として使うのは悪いことでしょうか。
特に、年月をかけて最高位まで上り詰めた横綱は、おのずと幕内力士の平均年齢を上回ります。アスリートは年令と共にやって来る体力の衰えを技の開発と錬磨でしのぎます。あの努力の人・イチロー選手でさえ、歳にはかないません。
自らの年令の限界を補うために磨いた横綱の技を“ 横綱審議委員長 ”に封じる権利があるとは思わない。どうしてもダメというのなら、相撲規則を変えて、「張り手」「かち上げは」を48手の技から除外して、禁止したらいい。横審さん、冷静に考え直してみたらいかがでしょう。(元内閣官房副長官)