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「 ロボットとの恋愛!」

投 稿 ・・・ 大学1年生(工学部) 
「 ロボットとの恋愛!」

入学早々、担当教授から、ロボットと人間は交際し、恋愛し、結婚することができるかどうか「ロボットとの交際問題」について300字以内で書け!という課題が出されました。300字ではとても無理なので、私に限って2,000字とさせていただきました。

 まず、このテーマを論ずるにあたって、そもそも恋人とは何かについて定義を考えなければならない。少し下卑た話になるが、男女間の友情と恋人との違いは文字通り下心があるかどうかだと思う。この人との子孫を残したいという生物学的な当然の想い、これが「恋」である。そして、人が異性に惹かれ、恋に落ちる要因はさまざまある。容姿、性格、立ち振る舞い、声などあげたらキリがない。そう考えると、人間がロボットに恋をするのは何ら不思議ではないように思える。なぜなら、ロボットは容姿も性格も声も立ち振る舞いも使用者(ユーザー)によって、自分好みにプログラムできるからだ。それが虚しいと感じるのならば数万におよぶ人間のパーソナルデータを収集し、アトランダムに形成すればいい。それがロボット、ひいてはAIの良いところだと私は思う。さらに言えばオプションとして、ips細胞などを利用した人工卵子や精子などを付ければ子供ができて、恋人に留まらず立派な家族にもなれるのではないだろうか。
 
 ロボットを恋人として持たない理由の中に、人間と違って心が無いからと答える人が多いかもしれない。これは、私からみると、とても滑稽な話だと思う。確かにロボットに心は無い。いくら科学が進歩し、技術が進んでも、心を造ることは未来永劫できないだろう。
笑顔や涙、怒りや嫉妬、そういった表情や感情にしてもプログラミングされたものに過ぎない。しかし、人間も同じなのではないだろうか? 機械には心が無いという人、その人は本当に愛する人の心の内を完全に理解しているのだろうか? 自分の頬を伝わった、その涙が本当に心によるものだという確証があるのだろうか? 実際、クビを縦に強く振れる人はそう多くないはずだ。前述したとおり、ロボットの感情はプログラムだ。ところが、ロボットはそれによって涙も流せるし、笑顔にもなれる。そこに人間とどれほどの差があるというのだろうか? もともと心というものは完全には理解できない、酷(ひど)く抽象的なものだ。だから、人間同士が完全にお互いを理解し合うのは困難だ。プログラミングされたロボットなら完全に相手のことを理解し、欲していることばをかけてくれる。誰も傷つかない行動を取ってくれる。私にはそう思えて仕方がない。
 
 心の有無以外にもうひとつ、ロボットを恋人に持つことに障害となってくるものがある。世間からの視線だ。自分の理想通りの異性が現れた時、人はその人を愛せずにはいられない。しかし、自分の居場所がある人、社会的地位が高い人ほど社会の目という人生を一変させてしまう怪物を恐れるにちがいない。その理性という名の枷(かせ)によりロボットとの交際に踏み切れない人が出てくるのは想像に難くない。だが、それは時間が解決してくれるのではないだろうか。
 
 良い例がジャンクフードだ。今でこそ改良されて生活の一部となっているが、昔はあんな得体のしれない化学薬品まみれの食べ物は口にはできないと世間から思われていたことをテレビや新聞、雑誌でよく見かける。人間は順応性が高く、“慣れ”という属性を持った唯一の生き物だといわれている。そして、これは人間が必ずしも悪いというわけではなく、社会における独特な慣習や風潮によると考えられる。善悪は多少どうであれ、大多数の人がしていることを正常、少数の人がしていることを異常と判断してしまう。つまり、ロボット文明が進み、人間と交際できるようになった初期こそ社会から奇異な変わり者と冷たい目で見られるけれども、時代と共に少しずつ受け入れられ、次第に厳しい視線が和らいでいく。やがてロボットを伴侶に迎え始める時代が訪れるにちがいない。さらに人々の思いと技術が進化し、人間との見分けがつかなくなるにつれて、益々ロボットを恋人に持つ人が増えていく。ロボットの増加と人間との差異が無くなれば、自分が人間かロボットかさえわからなくなってくるかもしれない。ロボットとの結婚や交際の反対運動をしていた団体のリーダーが、実はロボットだったなんてオチがトップ・ニュースになって人々が苦笑する。ロボットとの大多数の交際が正常であり、こんどは逆に人間同士が付き合っているのが奇異に映るようにならないとも限らない。
 
 以上は、私の完全な妄想ではあるが、人間と交際しているロボットは、人間のあまりの精神的な醜さに嫌気がさして、恋愛対象から人間を外してロボットに限定するかもしれない。そして、ロボット交際問題がおきてから長い月日をかけた結果、人間は人間と、ロボットはロボットと、極く少数の人間とロボットの交際が改めて話題となる、そんなディストピアめいた世界が私たちの未来に待っていると想像するだけでも胸が躍る。< おわり! >