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◎俳談

◎俳談
【夏は来ぬ】
山の子の合唱遠く夏は来ぬ     毎日俳談入選
 夏は来ぬは佐佐木信綱作詞、小山作之助作曲の日本の唱歌である。2007年に日本の歌百選に選出されている。卯の花、ホトトギス、五月雨、早乙女、タチバナ、ホタル、クイナといった季語が満載で、初夏を彩っている。掲句は山の子が唱歌「夏は来ぬ」を歌っているのか、それとも作者が「夏が来た」と言っているのか判然としない。<山の子の合唱遠く/夏は来ぬ>と切れを入れれば作者が言っている方だが、どちらとも受け取れる。筆者はどちらでもいいと思う。
なぜなら誰でも知っている唱歌の風情を一句に活用しようとしたことは確かであるからだ。

◎勝ったからこそ「平衡の感覚」が不可欠

【筆者より=ソネットの障害により掲載が遅延しました。今後は常に障害のないブログhttp://suginoko.progoo.com/bbs/でご覧になることをおすすめします。将来的には

当ブログを廃止しブログを一本化します。早めにお気に入りに追加願います】

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◎勝ったからこそ「平衡の感覚」が不可欠
  明治以来一位の長期政権も視野に
 第一の勝因は極東情勢の激変
 史上最長の「天孫降臨景気」も
  86年に衆参同日選で大勝したとき中曽根康弘は、「自民党は左にウイングを伸ばした」と発言したが、安倍自民党による5回にわたる国政選挙の大勝は自民党が農村型政党から完全に脱皮し、都市型政党としてのポジションを確立したことを意味する。都市化の波は農村部対都市労働者対峙の構図を崩壊させ、自民党の左ウイングを固定させた。歴代まれに見る長期政権が視野に入り、戦前戦後を通じて7年8カ月で2位の佐藤栄作はもちろんのこと、7年11カ月で1位の桂太郎をも抜いて歴代1位の政権まで見通せるようになった。来年9月の自民党総裁選で3選されるということは、これまでの5年間に4年をプラスすることになるからである。今後政治的には首相・安倍晋三は、日本全体を俯瞰しつつsense of  proportion(平衡の感覚)を堅持した政権運営が求められる。
 敵対する論陣を張って選挙を自民党不利に導こうと散々苦闘した朝日は、顔面蒼白紙面であった。一面で「安倍一強の変化を求める変化の兆しが見えた」と書いたが、事前に行った各種の世論調査をよりどころにしても科学的でない。最大でもっとも正確な世論調査は総選挙であるからだ。安倍政権の普段の努力が何よりの支持獲得に結びついたのである。加えて、希望の党代表の小池百合子と民進党代表の前原誠司の“政略至上主義”は、有権者が見事に見破った結果となった。小池は厚化粧の化けの皮をはがされたのだ。立憲の躍進も、あまりの与党の強さに判官びいきがあったからに過ぎない。将来的には社会党系野党は消滅の流れをたどる。
  今回の場合、有権者が左ウイングを強化、固定した第一の理由は激変する極東情勢にある。中国の一国至上主義と北朝鮮の横暴を抱える極東において、如何に国民の生命と財産を守り続けるかという困難極まりない課題は、安倍政権でなければ克服できないと有権者は判断したのだ。北朝鮮の異常な指導者が繰り返す核・ミサイル実験が佳境に達しようとしているなかで、多くの国民が、これに対応できるのは自民党政権しかないと判断したことにどう応えるかである。安倍政権としても北が狙うどう喝による「極東支配」を座視するわけにはいくまい。米国と共に「力による抑止」政策を維持して暴発を防ぐことが最大の責務であろう。
 安倍は間違ってもトランプに戦争に突入させてはならない。なぜなら、たとえ北の政権を壊滅させることが出来ても、1発でもミサイルが東京に落ちれば戦争は「敗北」なのである。米国が練り上げている作戦の1つは北の中枢、国境沿いの通常兵器、核ミサイル基地などを、爆撃や巡航ミサイルで一挙に叩き潰すものだと言われるが、苦し紛れの北のミサイルでソウルと東京が火の海ばかりか毒ガス、細菌汚染まみれになる可能性は否定出来ない。米国に打撃を与える核ミサイルはまだ完成されていないから、何をしようと米本土は安全とトランプが考える危険は計算に入れなければならない。第二次朝鮮戦争の構図ははじめから成り立たないと安倍は見るべきであろう。安倍は来月5日のトランプとの会談で刺すべきクギは刺さなければなるまい。基本戦略は軍事圧力や金正恩暗殺などによって北の政権を崩壊に導くことであり、そのためにも自民党が主張する敵基地攻撃能力も保持すべきであろう。専守防衛の時代は大きく転換させなければならない。その第一歩が敵基地攻撃能力なのである。保持することにより北への圧力は格段に向上する。
 一方、北の暴走に勝るとも劣らないのは5年ぶりの共産党大会で、習近平がその独裁色を一段と強化しようとしていることだ。党大会を見る限り、中国は民主化などという言葉をかなぐり捨てて、ひたすら習近平の下に力を集中、中国を社会主義国家として完成させようとしている。その政治報告で際立つのは①共産党結党から100年の2021年に向けて社会主義の近代化を実現させる②中国建国から100年の2049年までに社会主義近代化強国を作り上げる③同時に軍隊を世界一にするというものだ。
 これらの方針は米国などにあった「半世紀もたてば中国は民主主義国になる」とする予想を覆し、民主主義と対峙する理念の国家へと邁進する方向を強めたことを意味する。驚くべき事は習近平が「中華民国が世界の諸民族の中でそびえ立つ国になる」と言ってのけたことだ。これはかつての中国王朝がそうであったように、世界的な規模での覇権を目指すことを意味する。習近平は南シナ海における軍事拠点建設を誇らしげに成果として強調したが、まさにスターウオーズのアンチヒーローである「ダース・ベイダー」的な存在になろうとしている。その臆面もない覇権主義からみれば、東シナ海への進出も今後激しさを増すとみなければならない。
 このような中国の一国至上の覇権主義は、好むと好まざるとにかかわらず安倍政権時代に顕著なものへと発展し、極東における民主主義大国日本とダースベーダーに率いられる社会主義大国中国の政治的対峙の構図は強まるだろう。もちろん米国もやがてはこの構図に気付き、米ソ対決の冷戦時代に似た構図が東アジアで生ずる可能性も否定出来ない。幸い安倍はトランプと極めて親しい関係を築き上げており、日米で中国の膨張をけん制する流れが生ずるだろう。
 一方、経済面ではアベノミクスが絶頂期に入ろうとしている。安倍政権の12年12月に始まった景気回復は今年9月まで回復していれば、65年11月~70年7月までの57カ月間に及んだ「いざなぎ景気」を抜いているだろう。今後は2000年までオリンピック景気がこれに上乗せされるから、史上空前の「天孫降臨景気」も夢ではない。雇用は史上初めて1人に対して正社員の有効求人倍率が1に達した。希望すれば正規社員になれる時代となった。東京での倍率は2であり、全国的にも1.5と好調だ。しかし、ここに来て経済界に“慢心”とみられる不祥事が出始めた。神戸製鋼所や日産自動車で発生した品質管理をめぐる問題だ。安倍は22日「優れた日本のものづくり、失われた信用を取り戻すべく、政府と産業界一丸で取り組んでいきたい」と述べたが、蟻の一穴から崩れないとも言えない。徹底した行政指導が必要だろう。
 国会運営は「勝って兜の緒を締めよ」であり、「実るほど頭を垂れる稲穂かな 」でもあろう。慢心してはならない。とりわけ不祥事多発であった前二年生議員など若手議員の問題が気になる。昔は派閥が教育の役割を果たしたが、今後は党が議員のイロハからマスコミ対策まで徹底した教育を3か月にわたってし直す必要があるのではないか。改憲問題も、可能になったからこそ、一部でも野党が入る形で広い合意を目指す方がよい。原発問題は5回目の支持獲得であり、安全基準を達成すれば稼働を推進すべきであろう。

事実上の“ 殺人罪 ”を処罰せよ! 浅野勝人

事実上の“ 殺人罪 ”を処罰せよ!
安保政策研究会理事長  浅野勝人

「子どもを教える立場にありながら、自らが犯した、重大な責任に気付かず、悪いとも思わず、反省もしない。あの時の担任、副担任の教諭が一人でも違う先生だったならわが子は死なずに済んだ」
これは今年(2017年)3月、福井県池田町立池田中学校で自殺した2年・男子生徒(当時14才)の母親の手記です。息子を失った悔しさや学校への怒りが11枚にわたって綴られており、癒えない悲しみが滲んでいます。

3月14日、午前8時頃、男子生徒が校舎3階の窓から飛び降りて自殺した。池田町教育委員会は「担任と副担任から繰り返し強い叱責を受け、追い詰められた末の自殺」と発表した。担任は30代男性、副担任は30代女性という。
担任、副担任から大声で叱責されているところを目撃した同級生は、調査委員会に「(聞いている者が)身震いするぐらい怒鳴っていた」と証言している。しかもたびたびである。報告書が「度重なる厳しい叱責による精神的ストレスと孤独感が自殺の原因」と断定している背景だ。

更に許しがたいのは、母親が「自殺した日に自宅に来た校長は頭を下げることもなく、『家族が悪い』といわれているような言動だった」と堀口修一校長に対する不信感を語っている点である。
この男の子は、草むしりをする祖母のために椅子を手作りするような家族にやさしい少年で、生徒会役員としても申し分なかったという。
堀口校長は、自殺直後の記者会見で「そんな事態は把握していなかった」と述べ、保護者説明会で「問題はなかった」と説明していた。ところが、検証が進むにつれて校長、教頭とも叱責の現場を何回も目撃していることが判明している。責任感の欠片もない。

もっと情けないのは、生徒が自殺した後、原因を振り返るための職員会議で、担任、副担任の行き過ぎた叱責を指摘し、諫めた教員は一人もいなかった。こんな人たちが大切な子どもを教育しているかと思うと寒気がします。ここだけの例外であってほしいと念じますが、どんなものでしょうか。

事実を知れば知るほど、これでは事実上の殺人罪ではないかと思われてしまいます。担任、副担任は獄門、校長は殺人幇助で遠島、教頭は閉門蟄居です。わたしの孫が同じような扱いをうけて自殺したら、担任、副担任を刺し殺して、自首します。

その上、事もあろうに、有識者らによる調査委員会が作成した調査報告書から、「管理職(校長と教頭)としての職責を果たしたとは言えない」という文言を町教育委員会が削除して発表した。まさに学校と教育委員会がグルになって隠ぺい工作をしている醜態を見るにおよんで、怒りを通り越して情けなくなる。
町教育委員会・内藤徳博教育長は「管理職の責任に関する内容が省かれた理由は分からない」と取材に答えている。自分たちで削除しておいて「なぜ削除されたかわからない」とは盗っ人猛々しい。あなたは、その椅子に座っている価値は爪の垢ほどもない。即刻、引責辞任してはいかがでしょう。

マスコミ各社、とりわけ新聞各社には、1面トップで徹底的に追及する問題意識が求められる課題と考えるがいかがだろう。徹底した事実の解明と当事者の責任の明確化、厳しい処分が何よりも再発防止につながると考えるからです。マスコミの社会的使命です。

むかし噺になりますが、現職の時、自民党政策審議委員だった折、いじめによる少年の自殺問題を取り上げ「知りませんでした。遺憾ですというだけの教育委員会は、屁のツッパリにもならない。小・中学校の校長が委員会の長になり、委員も教職員が多い。いわば学校の先生の再就職口に過ぎない。だから教育行政を監視、注意すべき機関が学校の不始末をかばうことしか考えない堕落した存在になる。地方自治体の教育委員も公選制にして選出し、その中から委員長を互選したらいい」と指摘したことがあります。
「屁のツッパリにもならない」という発言がゲラゲラと笑われただけで、それっきりでした。
明後日投票の総選挙が終わったら、遅まきながら、政府・与党は立法措置も視野に真剣に取り組んでみたらどうだろう。(2017/10月20日、元内閣官房副長官)

◎俳談

◎俳談
【なりすまし】
吾は古希兄は十九の終戦日 産経俳壇一席
 古希の友人の兄が特攻隊で死んだ話を聞いた。お骨のない墓には十九歳と彫ってあるという悲しい話だ。掲句の場合誰が見ても自分のことように受け取れるが、実際にはそうではない。これに人から聞いた話だ。しかし五七五の中に、聞くところによるとなどと書き加えることは極めて難しい。こういう場合は自らが友人の心境になりきって作句すれば良い。俳句は一人で歩き出す。
空蒼き故の不安や終戦日 毎日俳談入選
 この句は蒼い空から敵機が来襲した記憶が作らせた。感性の句だ。

◎北の“貢献”で自民の選挙戦が有利に

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◎北の“貢献”で自民の選挙戦が有利に
  若年有権者層の反北感情も影響
 野党は時代錯誤の極み
 隠れて見えない「影」から衆院選で自民党を応援してくれる国がある。どんどん応援しても外国だから公職選挙法違反にならない。貧乏国だから資金援助はないが、トップや幹部の発言が全て票に結びつく。与党にとってこんなありがたい国はないのが北朝鮮だ。最近一番利いたのが外相李容浩が、「金正恩委員長が声明で言及した『超強硬対応措置』とは過去最大の水爆実験を太平洋上ですること」と言明したことだ。防衛相小野寺五典は「水爆を運搬する手段が弾道ミサイルであれば、日本上空を通過することも否定できない」と応じたが、これを聞いた有権者は自民党に投票しようと“決意”する。なぜかと言えば傍若無人にも日本を超えたミサイルで日本の庭の太平洋で水爆実験を行うなどと言うことは、国民感情の琴線に触れる最たるものだからだ。多くの国民は、野党、とりわけ立憲民主、共産、社民の各党は北朝鮮と同じ社会主義に根源を発していることもあり、北に関して何を言おうと信頼できない傾向がある。希望の党も大挙して元社会党の民進党から押しかけているから油断が出来ない。やはり頼りになるのは自民党ということになってしまうのだ。
 安倍も抜け目がない。歴代首相は、“ありがたい票田効果”が北朝鮮にあるのに気がつかず、手を付けなかった。しかし、安倍は国連総会で北朝鮮対策一色の演説をした流れをそのまま、選挙戦の演説に直結させた。安倍は北朝鮮のミサイル発射について「動きを完全に捕捉している。私たちは、しっかりと国民の命と幸せな暮らしを守り抜いていく」と訴え、米国とも連携していることに触れ、「強い外交力で核・ミサイル問題や拉致問題を解決していく」と主張。経済制裁を強化していることについては「しっかり圧力をかけ、政策を変えさせていく」と理解を求めた。聴衆の中からは批判勢力が秋葉原の例にならって「やめろ」のシュプレヒコールを繰り返すケースがあるが、最近では一般の聴衆が「選挙妨害だ」「黙れ」と憤りの声を上げる事例が相次いでいる。
 野党各党は、この最大の争点になっている北朝鮮問題には触れないようにして演説を展開しているが、これがまた信用がおけないということになる。安倍が強行突破した安保法制についても、今ほど必要とされている時はない。同法制に基づき政府は自衛隊の艦船で米軍の補給艦を守る平時の米艦防護や、補給艦による米軍イージス艦への給油を行っている。公式発表がないケースも増えてきているようだ。こうした政府の「日米共同作戦」に対して、批判すれば野党は不利になるとみて沈黙を続けている。確かに「給油反対」などと言える雰囲気ではないからだ。そもそも野党は安倍政権が成立させた安保法制には反対であり、共産、社民は「安保法制は憲法違反。廃止を求める」と選挙で主張することになっているが、公言はしない。しかし選挙民の選択は共産党を“マイナス成長”にさせようとしている。減りそうなのだ。一方立憲も「北朝鮮対策としては個別的自衛権で対応できる。領域警備法と周辺事態法の強化で対処出来る」としているが、今そこにある危機に対しては説得力がない。まさに北朝鮮問題で野党は時代錯誤の極みの状態にあるのだ。
 そもそも根本的に与野党が異なるのは、自民党が北朝鮮への圧力に重点を置くのに対して、野党は対話に重点を置く傾向にあり、その基本姿勢の差は大きい。具体的には自民党が「全ての核ミサイル計画を放棄させる」としているのに対して、立憲は「北をテーブルに着かせるための圧力を強める」としている。この主張は、空想的社会主義のからが抜けないのか、今そこにある危機に対して空想的で現実感が伴わない。話し合いに応じない金正恩に対して「話し合いを」という空々しさと無責任さを感ずる。
 一方、憲法改正への取り組みも、安保がらみで各党主張が異なる。与党も割れる。自民党が9条に自衛隊を明記する方向での改正を主張しているが、公明党は「多くの国民は自衛隊を憲法違反と考えていない」として消極的だ。安倍も「国会の議論を活発化させるために投じた一石」として、それほどこだわる気配がない。従って、総選挙の大きな争点として浮上しているとは言えないだろう。
 このように、最近では珍しく北朝鮮が、大きなテーマとなっているが、野党の主張が総じて現実性に乏しく、与党側を有利に導いている事は確かだ。とりわけ18歳選挙権で若い世代が選挙に影響を生ずる傾向が増えることが予想されるが、高校、大学生は北に対して「むかつく」と反応する傾向が強い。若い世代ほど右に寄っているのが世論調査でも如実に現れている。その作用が大きい気がする。

◎俳談  

◎俳談
【人生の黄金期】
恐ろしき昭和を見たり昼寝醒  朝日俳壇年間秀句
 何と言っても人生の黄金期は退職後にある。何しろ働かなくてもメシを食っていける。筆者の場合は連日、前人未踏の4000字に達するニュース解説をブログに書くことを自らに義務づけているから、ほっとするのは金曜と土曜だけだ。それでも開放感はすばらしい。退職後最大の醍醐味は昼寝だ。筆者は徹夜で執筆する関係から午前と午後の2度寝る場合がある。ほとんど夢など見ないが、見る場合もある。
 掲句は原爆や戦争の夢を見たわけではないが、昭和を回顧すれば「恐ろしき」と形容するしかない。実際に見たように嘘を言い切るのが俳句だ。ただし、たいていの嘘の句はばれる。嘘のつきかたが下手だからだ。達人芭蕉は蛙の飛び込む水の音がしようがしまいが、絶対にばれない。凡人は少なくともばれるかばれないかすれすれの嘘をつかなければならない。昼寝覚も昼寝も夏の季語。次の句は嘘ではない。
猫の舌仕舞ひ忘れて昼寝かな 産経俳壇入選

◎“進次郎節”が安倍顔負けの“集票力”

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◎“進次郎節”が安倍顔負けの“集票力”
 清新さを武器に“とどめの一撃”
 今更ながらびっくりしたのは今をときめく小泉進次郎の18日の演説だ。あまりに名演説なので録画を書き取った。少し長くなるが紹介する。小泉は沖縄県南風原町で、「自民党が優勢に戦いを進めているという報道もあるが、仮にそうだとしても、それは、野党が分裂して、お互い食い合っているだけであって、私たち自民党が皆さんから完全に信頼を回復できたわけでもない。8年前に失った私たち自民党の信頼は、まだまだ回復の道半ばにある。決して私たち自民党が、得点を挙げてきたわけではなく、野党があまりにもひどすぎた。ものごとに反対することは簡単で、言うことも簡単だ。しかし、それを形にするのはそう簡単なことではない。私たちは、諦めないで一つ一つ形にしてくことを、いくら時間がかかってもぶれずにその道をまっすぐ進んでいきたい」と述べた。この演説から分かることは、まず、明らかに全国向けの演説を意識していることだ。小さな自治体向けの演説ではない。NHKのカメラを意識して、“狙った”のだ。
 加えて 小泉は政局観がしっかりしている。自民党が、現在置かれている立場を十分すぎるほど理解しているのだ。置かれた立場とは「勝って兜の緒を締めよ」である。このままなら野党の体たらくで圧勝の流れだが、この流れはちょっとでも慢心が出ると崩れる。なぜなら、野党は民進党の瓦解で立憲民主党以外は総崩れだが、これは自民党にとって“敵失”による漁夫の利である。これを知り抜いた小泉が逆張りで「自民党が、得点を挙げてきたわけではなく、野党があまりにもひどすぎた」と謙虚に反省すれば、迷っていた有権者や、今回は自民党が有利だからバランスを取って野党に投票しようとしていたいいかげんな有権者も「そうか」と納得する。
 以前から小泉は街頭演説では「財政赤字は民主政権で悪化したが、もとをたどれば自民党の責任。しっかり反省しなければならない」などとまず反省を前面に打ち出して訴えている。この意図は、自民党内にも若い世代が存在し、旧態依然たる党幹部と異なり、自らを批判する謙虚さを持っていることを訴える必要があるからだ。新鮮さをフルに活用しているのだ。加えて「諦めない。いくら時間がかかってもぶれずにその道をまっすぐ進む」と決意を表明して、締めくくる。これにすがすがしささが加わって、NHKが報じた他党党首の演説は色あせた。食卓でテレビを見ていた家内が、リビングでやはり見ていた小生のところに飛んできて、「すごい」と宣うた。選挙終盤の夜7時のニュースの冒頭だから、自民党にとっては「とどめの一撃」とも言えるほどのスピーチだ。
 小泉の選挙戦術は演説内容ばかりではない。何と「無言作戦」まで展開している。スポニチなどによると、12日の千葉県松戸市で応援演説をしようとしたところ、50メートル先で立憲代表の枝野幸男が演説を開始してしまった。普通なら街頭で鉢合わせすればボリュームを上げてがなり立てるところだが、小泉は逆であった。街宣カーに上がった進次郎は、聴衆に向かってあいさつすると、2人の声が交錯することを知った。すると小泉は「みなさん、今、あそこで枝野さんがやってますから、終わるまで枝野さんの話を聞きましょう」と聴衆に呼びかけ、枝野の演説が終わるのを待つ余裕を見せたのだ。予期せぬ事態に聴衆からは驚きの声が上がったが、進次郎は10分以上にわたり、「無言」で聴衆に手を振り続けた。枝野の演説が終わろうとするころ、「立憲民主党の街頭演説を聞いているみなさんにも大変申し訳ありませんが、ぶつかる形になりますけども、今から短くやらせていただきます」と断り、ようやく口を開いたのだという。
 両陣営によるとお互いの演説場所が重なっていることを知ったのは10日夜。事前に知っていた小泉は、練りに練って“無言作戦”を取ったことになる。相当なテクニシャンでもある。いずれにしても、こうした小泉の態度からは、すがすがしさを感ずる国民が多いに違いない。テレビのニュースに露出するのは、首相・安倍晋三か小泉のどちらかであり、安倍はオーソドックスだ。首相としては当然だろう。一方“新次郎節”はその安倍もタジタジの貢献ぶりである。自民党は掛け値なしで大輪の花を咲かせ、集票に貢献をさせていることになる。まさに政界のサラブレッド、肝が据わって度胸のある男が登場したものだ。

◎俳談

◎俳談       
【着眼はちぬのしなり】
庄内竿ちぬのしなりを見せにけり 産経俳壇一席
 作家藤沢周平の「たそがれ清兵衛」の映画の中のワン・シーンに庄内竿でハヤを釣るシーンがある。庄内藩は藩士の釣りを奨励し、藩士は競って名竿(めいかん)を求めた。「名竿は名刀より得難し」と言われて、そのしなりや震えで即座にかかった魚の種類が分かるという。私の父は庄内竿を愛用していた。掲句のみそは「ちぬのしなり」と形容したところにある。釣り人の用語を拝借したのだ。

◎野党は立憲軸に再編の流れ

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◎野党は立憲軸に再編の流れ
 民進軸の再結集は潰れた
 江戸時代の刑罰には、重い順に火あぶり、磔(はりつけ)、獄門、打ち首、遠島、江戸所払い、百叩きがある。昔の政界では大失政をした議員を「火あぶり磔の刑だ」とよく言ったものだが、今は社会が緩やかになったから極刑はやめておく。さしずめ小池百合子は百叩きの上遠島。前原誠司は江戸所払いといったところか。
 小池は女だてらに丁半ばくちに手を出して「丁!」と張ったが「半」と出た。希望の党は小選挙区、比例代表で計235人を擁立し、野党再編の核を目指した。しかし、小選挙区では最大でも23議席程度しか見込めず、10議席台にとどまる可能性がある。比例代表と合わせても57議席の公示前勢力はとても無理の感じだ。小池自身の「排除の論理」がたたって、政治の本流から「排除」されつつあるのだ。前原の誤判断も大きい。希望の党がブームを呼ぶと見て、本当に希望を抱いて民進党をなだれ込ませたが、これが大失敗。希望どころか地獄の苦しみを民進党議員にあわせてしまった。この結果、小池と前原の双方に責任問題が発生する公算が大きい。両者は政治家としての判断力を問われる事態に発展しよう。小池は世論調査では「都政に専念を期待する」声が70%に達していたにもかかわらず、危ない“火遊び”に手を出した責任は免れまい。都民の信頼は地に落ち、都議会でも与党の公明党が反小池の色彩を強めることが予想され、都政の運営は困難を極めるだろう。
 それでは選挙後野党は一体どうなるかだが、社会党以来の左派系有権者のよりどころとなりつつある枝野幸男が率いる立憲民主党を核に離合集散を始めざるを得ないだろう。野党が国会で共闘を組む形が考えられるが、年末までに政党を組織しないと1月1日に国からの資金が入らないから、急ぐ必要があるが、早くも野党のコップの中に嵐が生じつつある。問題は勢力を温存している参院民進党から提起された。同党参院会長の小川敏夫がしゃしゃり出たが、与野党から「参院は引っ込んでいろ」(立憲幹部)と総スカンを食らって敗退した。小川は「民進党は解党しない。民進党を守り、再びリベラル勢力を結集する」と民進党の参院議員の一部が衆院選後、希望の党に合流せずに民進党に残り、民進党を党として維持する動きをみせた。民進党を軸に再結集して再出発しようというわけだ。小川にしてみれば民進党には全国組織も残っており、政党交付金も100億円ある。これを武器にすれば、再編が可能とふんだのだ。
 しかし、小川は甘かった。民進党を捨てて希望に合流した連中は発言権など全くない。一方、立憲を組織した枝野にしてみれば、「一か八か」の勝負に出た結果、ようやく40台後半の議席を獲得しそうなのに、参院ごときから、かっさらわれてはたまらないというわけだ。枝野は「選挙が終わったので元のサヤに戻るのではなく、立憲民主を軸に民進とどう連携が取れるかを考えてゆく」とはねつけたのだ。首相・安倍晋三も分かりやすい批判を展開。「当選するためにどこかの党へ行く。選挙が終われば元に戻るという話もある。一体どうなっているのか」と皮肉った。
 民進党員ながら無所属で立つという、わけの分からない立候補をした元党幹部らも行き場がない状態だ。苦し紛れか岡田克也が「選挙が終われば無所属を軸に大きな塊を作っていかねばならない」と発言したが、何でも「軸」になればいいというものでもない。無所属とはヌエのごとき存在であることを知らない。まるで噴飯物だ。
 こうして小川の“先走り構想”は、ぽしゃったが、小川は後になって「私は存続している民進党を軸に自民党に対抗するリベラル勢力を結集する必要性を述べただけで、民進党への再結集とは述べていない」と逃げの手を打った。こうしてコップの嵐は曲がりなりにも左翼バネで政党を立ち上げた枝野を軸に進む方向となった。希望の党は民進党からの離党組が、常に党存続の危機をもたらす傾向をおびるだろう。しかし、希望の党を装って安保反対をベールにかけて当選しても、国民からはそっぽを向かれるのが落ちだ。小池ポピュリズムにすがって当選しても末路は哀れだと言うことだ。

◎俳談

◎俳談
【意外性】
トレーラー降りしは女黄鶺鴒 俳句朝日入選
 あっと驚くものをそのまま詠むのも俳句の修業方法だ。掲句は
トレーラーの運転席からうら若き女性が降りてきたのを見て作った。季語の黄鶺鴒(キセキレイ)は秋の季語。若い女性と良く響くので使った。あらゆる事象を即座に俳句に写し取る技術を身につけることは簡単だ。毎朝10句作れば良い。
 国境のトンネル戻り小春かな NHK俳壇入選
猛吹雪の新潟から湯沢町を経て清水トンネルを抜けると、そこは小春日であった。川端康成の「雪国」の全く逆であった。その意外性を一句にした。日本人なら「国境の長いトンネル」と聞いただけで「雪国」を思い出し、また詩情を感ずる。掲句はその日本人共通の感性にあえて軸足を置いた。康成の作った心情を借用したのだ。

アンダードッグ効果が懸念材料

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◎アンダードッグ効果が懸念材料ー衆院選あれこれ
  民放テレビの「禅譲説」に慌てた岸田
 「時事放談」が放送法すれすれの不公平報道
 総選挙も佳境に入ると“敗者復活”を目指して与太情報が乱れ飛び、各党幹部もあの手この手の“秘術”を尽くして舌戦を展開するから面白い。
 与太情報の最たるものはなんと民放番組から飛び出した。フジテレビの報道2001で去る7月にに「安倍政権の支持率が下がったことで、全国の悪いやつらが喜んでいる」と発言した解説委員平井文夫が、またまたびっくり発言。今度は政調会長岸田文雄に「自民党が予想通りに勝てば安倍首相は岸田さんに禅譲するとの説が流れている」と爆弾質問。これにはさすがの岸田もオタオタして「安倍総裁の下で選挙戦を戦っている。安倍総裁の下で今の顔ぶれで政権を支えてゆくことで選挙を戦っている」と全面否定。「安倍総裁の下で」を2度も繰り返した慌て方は見物であったが、想定外の質問であった。選挙に圧勝しようとする首相が、事もあろうに選挙後に岸田に禅譲するだろうか。100%ない。来年9月の安倍総裁3選がますます濃厚になっているなかで、民放とはいえ放送のレベルが問われる発言であった。
 驚いたのが希望の党代表の小池百合子が大阪弁の応援演説をやったことだ。もともと兵庫県芦屋市生まれだから、流ちょうなものだが、どこか違和感を感ずるのはなぜだろうか。別に大阪弁の演説が悪いなどというつもりは更々ないし、大阪弁は大阪勤務で好きになった。しかし、党首の演説である。NHKの全国放送で放映されたから、東京や東北や九州の各県の有権者は違和感を覚える者も多いだろう。大阪の友人が電話してきて、「票欲しさが鼻につく。見え見えだ」と批判していた。たしかに小池は東北では東北弁で応援するのかと思いたくなる。貧すれば鈍するの破れかぶれの姿勢が垣間見えるのである。標準語の演説でも安倍に比べると具体性と“深味”を感じさせない。知識の浅さをより際立たせる小池戦略であった。
 概して民放の番組をつぶさに分析すれば、TBSなどが放送法すれすれの自民党批判を繰り返している。その象徴的な例がTBSの時事放談だ。大体この種の番組は公平を期するため自民党側と反自民を並べてしゃべらせるのが常だが、15日の時事放談では新党さきがけ代表だった武村正義と元民主党政調会長の仙谷由人という札付きの反自民人間にまくし立てさせた。司会の御厨貴は例によって中立を装いながらけしかけた。問題は自民党と希望の党を散々批判した上で、選挙の投票行為に触れて仙谷が「5年後10年後の日本を、日本人を考えて投票すべきだ」と強調したことだ。武村も負けじと「これまでの政治をだらだらと続けるのか変えようとするのか」と同調した。あきらかに有権者を野党の投票へとけしかけ、誘導する発言である。公職選挙法は新聞雑誌に関しては選挙の公正を害すれば二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に当たるとしているが、テレビ番組には規定がない。しかし、ひどいものは放送法による免許停止が可能だ。自民党は14年に①出演者の発言回数や時間に公平を期していただきたい②ゲスト出演者の選定についても中立公平を期していただきたい③テーマについても特定の出演者への意見が集中しないよう中立公正を期していただきたいーなどの要望書をテレビ各社に出している。放送法の免停を考慮した上でのことだ。そんなことは知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいる。
 ここにきて自公で300議席以上の流れが確実視され、安倍政権続投の方向が固まっているが、問題は「アンダードッグ効果」だ。直訳すると「負け犬効果」となるが「負け犬への同情効果」とすれば分かりやすい。負けそうな党や候補者への同情票が情勢を変える恐れがあるのだ。この効果は選挙で世論調査が実施されるようになった米国で戦後に指摘されたものだ。日本における顕著な例は森喜朗が2000年6月の衆院選挙での演説で、自民党優勢を伝える各報道機関の世論調査を評して「まだ決めていないとか関心がないとかいうのが40%くらいあり、これは大変大きい数字なんです。そのまま有権者が関心がない、と言って寝てしまってくれれば、それでいいんですけれども、そうはいかんでしょうね」などと発言した。この挑発発言が一挙に情勢を覆した。「自民が安定多数うかがう」と分析していた新聞の予想に反して、解散前271議席を233議席にまで減らしてしまったのだ。危ないケースも散見されはじめた。自民党幹事長二階俊博が14日大阪での街頭演説で、ヤジに反応してしまい「分かったから黙っておれ」と発言した。幸いにも新聞は大きく報じていないが、「黙れ」は軍部が議会を脅迫した戦前の「黙れ事件」を思わせる。二階は寡黙なくせに、ときどき舌禍間際の発言をする。終盤に向けて何が飛び出すか分からない寸前暗黒の事態を物語る。自民党は兜の緒を締めなおす必要がある。

◎俳談

◎俳談
【世界一の短詞に含まれる大きなもの】
子の腹に鉄棒の錆梅雨晴間 小澤
掲句で浮かぶ情景は紛れもなく鉄棒の練習をしている子どもの姿である。逆上がりの練習であるが、逆上がりという言葉は使っていない。「鉄棒」と「子の腹」ですべてを物語らさせている。「梅雨晴れ間」は夏の季語である。長雨で錆がついているのに、晴れたから「鉄棒やろう」と誘い合って校庭に出た姿だ。たった五七五の中身を語ればこれだけで120字となる。世界一の短詞に語らせれば、泉の如く解釈が湧く。芭蕉の俳句なら長編小説でも書ける。それが俳句の神髄だ。

◎自民優勢で安倍長期政権が視野に

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◎自民優勢で安倍長期政権が視野に
 261の絶対安定多数も確保か
 大衆迎合の小池新党は伸び悩み
 総選挙序盤の形勢は自民党が小選挙区、比例区の双方で優勢な選挙を展開しており、233議席の単独過半数を大きく上回りそうな情勢だ。このまま推移すれば公明党とともに、首相・安倍晋三の政権維持が可能となる。安倍の長期政権が視野に入ったとも言える。絶対安定多数の261議席も可能な情勢で、公示前勢力の284にも近づきそうだ。逆に小池百合子の希望の党は最初から「失速」状態であり、選挙後政局に関与出来る可能性は薄らいでいる。総じて有権者の多くが北朝鮮情勢などを考慮した外交安保重視の選択をしようとしており、浮ついたポピュリズムの象徴小池新党には「ノー」の判断を下しそうだ。よほどの無責任な有権者は別として、総じて堅実なる選択をしつつあるようだ。革新政党に先祖返りした立憲民主党は一定の支持を確保して健闘している。
 「ショボい」のはどちらだろうか。希望の党代表の小池百合子が、首相・安倍晋三の消費税の使い道を「ショボい」と形容した。安倍が表明した「増税分を子育て支援や教育無償化の財源に充てる」ことに噛みついたのだ。しかし、そんなにショボいだろうか。消費税の使い道は重要な争点であり、ショボいというなら対案を示してから言うべきだ。逆に小池新党が「消費増税凍結」などという無責任なポピュリズムを前面に打ち出したのはショボすぎるのではないか。小池のショボさの核心部分は、小池新党に民進党から現、元合わせて110人を公認したことだ。これは新党の実態が第二民進党となったことを意味する。安保法制反対のプラカードを掲げて委員会になだれ込んだ連中が、今度は安保法制賛成で入党する。当選すれば再び反対に回って、党を割るのは目に見えている。小池新党の欺瞞(ぎまん)性はプロなら簡単に見抜くが、有権者が見抜くのは時間がかかるが、今回は見抜かれた感じが濃厚だ。
 加えて小池は安倍政権に真っ向から反旗を掲げながら、党首討論では自民党との連立を否定しなかった。こんなご都合主義が通るだろうか。これまでに聞いたことがない。新党を結成するなら当然自分が衆院選に出馬して戦うべきだが、事もあろうに都知事職とかねて選挙戦を戦う。大阪などの地方都市と違って、東京都知事は片手間で出来るものではない。都知事職は失いたくないが、国会には議席を獲得して影響力を行使したいという「欲張り婆さん」の姿勢がありありだ。7割以上が都知事にとどまることを求める都民は、この二股膏薬知事の本質をやっと知る事になった。ショボさの極致のような知事を選んでしまったことに気付き始めたのだ。
 こうした有権者の傾向は世論調査の結果となった現れている。NHKの調査によると政党支持率は自民党が31.2%でダントツで、2位の希望の党は4.8%にとどまった。「希望の党」に期待するかどうかは期待するが36%、期待しないが57%に達した。こうした調査を勘案して、選挙区事情も考慮して筆者は議席数を分析した。その結果自民党270±15,公明党32±3、希望の党55±10,維新9±3,立憲民主党40±5、共産18±3と言う結果が出た。自民党は単独で過半数の233議席に達するのはもちろん、絶対安定多数の261議席も視野に入る。公示前勢力の284も夢ではないかもしれない。この結果小池新党が政権に介入できる要素はなくなった。従って、総選挙は当初から政権交代選挙の色彩が薄れ、安倍政権信任選挙の方向が強くなっている。要するに「小池失速」で、既存の政権や現職候補者に対する 信任・不信任を問う選挙となる傾向を示しているのだ。従って、石破茂を小池が切り崩すような事態には至るまい。石破にしてみても沈む「タヌキの泥舟」に乗る気は当初からない。
 さらに選挙は北朝鮮の核・ミサイル実験の影響が強く反応されたものとなりそうだ。読売新聞の世論調査では、重視したい政策として、「北朝鮮問題など外交や安全保障」を挙げた人が71%で最多となり、景気や雇用64%を抜いた。外交・安全保障が景気や社会保障を上回って最多となるのは異例のことだ。日本人の意識の変化を感じさせる。安倍は今回の選挙を北朝鮮の度重なる核実験や弾道ミサイル発射を踏まえ、「国難突破選挙」と位置づけたが、この判断が利いていることになる。さすがに小池も「リアルな安全保障が必要。北朝鮮の危機が迫る中でどうするのか。同じ方向性を持っていないと、党としての対応が揺れてはまずい」と発言して、安倍政権の方向性を認めざるを得ない状況だ。
 概して小池の演説は貧すれば鈍するで、長屋のおかみさんががなり立てるような調子であり、キンキン声のうるささが先に立つ。まるでどこかの県に昔いた騒音婆さんのようで品がない。自民党は池袋などで小池にぶつけて小泉進次郎を演説させているがこれがうまい。「小池さんに感謝する」と逆説論法で迫っている。「緊張感を与えてくれて有り難う」「希望という言葉を使って真の希望とは何かを考える機会をくれた」とやり返し、「有権者は選挙目当てを見抜いている」と小池ポピュリズムを切っている。このところ敗色濃厚のTBSやテレビ朝日などリベラル民放のトーク番組も、「小泉演説」を取り上げる場面が多い。安倍並みに露出度を稼いでおり、自民党幹事長・二階俊博などどこでないをやっているのか分からない状態だが、かえってこれがプラスに働いている。

◎俳談

◎俳談
【オタマジャクシ】
蝌蚪(かと)入れてペットボトルの黒くなる 東京俳壇入選
 蝌蚪はおたまじゃくし。最近は子どもの自由な遊びが珍しくなった。昔は一日中おたまじゃくし取りやザリガニ釣りに夢中になったものだ。最近森でそんな子にお目にかかった。飲み干したペットボトルにオタマジャクシをいっぱい入れて歩いていた。顔は日に焼けて、たくましさを感じた。掲句はその驚きをそのまま詠んだ。子どものころ川でシジミ取りに夢中になって、Tシャツの端を結んで袋にして、担いで帰ったこともあった。
空蝉(うつせみ)を付ければ泣いて取れば泣く 産経俳壇2席
 空蝉は蟬の脱殻。子どもの仕草を観察すれば俳句の題材には事欠かない。子どもは軟弱に育ててはいけない。

◎総選挙「小池失速」を軸に展開

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◎総選挙「小池失速」を軸に展開
  自公の過半数が見えてきた
 「コイケノミクス」は「小池のミス」に
 どうしてこう予想が当たるかといえば「頭がいいからだ」などというと、うぬぼれになるから、「動物勘が鋭いのだ」と言っておこう。筆者が小池新党について「早くも失速感」と報じたのは3日だ。9日になって読売がやっと追いつき「希望失速」。産経も「期待値に陰り」だそうだ。これくらいの政局は55年もやっているとすぐに読める。今日は公示日だから、22日の開票日までに失速は深まりこそすれ挽回することはないだろう。なぜなら、希望の党には致命的とも言える欠陥があるからだ。それは有権者欺瞞の構図だ。その最たるものは安保法制反対のプラカードをついせんだってまで掲げてデモをしていた革新系衆院議員を安保賛成の“踏み絵”をして入党させて保守新党を形成したという愚挙だ。日本の政治史上に残る前代未聞・驚天動地の数合わせであり、これが多くの国民のひんしゅくを買い始めたのだ。有権者を馬鹿にするのも休み休みにせよと言いたい。
 小池百合子の度しがたい権力欲は恥も外聞もかなぐり捨てて、議席を確保し、何が何でも安倍政権を覆したいという、一種の“民主主義クーデター”ともいえる側面がある。まるで徳川幕藩体制を覆そうとした由井正雪の乱だ。歌舞伎で、お堀の深さを石を投げて測った丸橋忠弥はさしずめ前原忠弥だ。石が底に当たる音から深さを測ったが、今度の堀は深くて音がしないのだ。そこには系統だった政策などなく、あるのは野望と政局のみである。高々と「コイケノミクス」として掲げるその政策の「消費税凍結、原発ゼロ」には、大衆に迎合するポピュリズムのみが存在する。原発ゼロで東京都の電力はまかないきれるのか。消費税凍結で国家の財政は維持出来るのか。小池にとってはそんなことはどうでもよい。議席を取って政権を覆し、自分の息のかかった者を担いで首相にして、裏で政権を牛耳ることだけが真の狙いだ。しかし、「コイケノミクス」はやがて「小池のミス」として嘲笑の対象になるだろう。
 小池の判断ミスはかっての福田赳夫の判断ミスと似ている。再選に臨むに当たって「全国津々浦々で『福田さん引き続きやってくれ』と言う声が満ちている。福田再選は天の声だ」と述べたものだが、予備選に敗退。「天の声にも変な声がたまにはある」とぼやいたものだ。小池も「全国津々浦々」と言う言葉をよく使うが、東京ばかりか地方の方がもっと冷めていることに気付かない。
 おまけに小池は、例えば自民党内反主流の石破茂の選挙区に候補を立てないなど、見え透いた自民党分断作戦も行った。石破にしてみれば悪い感じはしないだろうが、最近では小池の舟が「沈む泥舟」と分かって来て、後ずさりし始めた。石破の出番は自公が過半数割れした場合に、野党からの甘言に乗って自民党を割るケースだが、その気配はみられない。かって自民党を離れて辛酸をなめ、こりごりしたといわれており、慎重だ。田中角栄は中川一郎の立候補を評して「池から飛び跳ねた鯉は地面に落ちて干物になる。鯉の干物など誰も食わない」と述べたものだが、小池の鯉も跳ねまくっているからやがて地面に落ちかねない。
 さすがのテレビのコメンテーター達もリベラル丸出しの伊藤惇夫が最初は小池の立候補の可能性を「78%」と述べていたが、そのうちに「50%」になり、9日には「0%ではない」とまでに変節した。口から出任せのトーク番組の質の低さを如実に物語るものであり、いまや同番組がオオカミ少年となって邪道を歩いていることに視聴者は気付かなければならない。コメンテーターらの口からようやく「負け」の言葉が漏れはじめた。
 こうして大きな流れは「小池失速」を軸に展開しそうな雲行きとなって来ているが、読売の世論調査でもこの数字は如実に表れてきている。衆院比例選の投票先は、自民党32%でトップ。希望の党は13%で6ポイント下がった。重要なことは「下がった」ことなのである。有権者が気付きはじめたことを意味する。立憲民主党が7%で続いた。次いで公明党5%(前回6%)、共産党4%(同5%)、日本維新の会3%(同2%)などの順だ。希望の党に「期待する」は36%で、「期待しない」の58%を下回った。枝野幸男らが結成した立憲民主党に「期待する」は、全体の28%で、「期待しない」が64%に上った。小池が希望の党の代表を務めていることについては、「都知事の仕事に専念すべきだ」が71%(前回62%)に上昇した。朝日の調査もほぼ同様の傾向を示している。
 一方首相・安倍晋三は8日の日本記者クラブとの会見で勝敗ラインを「自公で過半数(233議席)」と設定した。「50議席減が退陣の一つのメドではないか」と問われた安倍は、「過半数を維持すれば、政権を継続していく。世界中そうだ。自公で過半数を追いかけて戦っている」と明確に否定した。これは自公は解散時に323議席あるから、両党で90議席近く減らしても続投できるとの認識を示したものだ。自民党内は政権を維持出来た場合には、議席数にかかわらず、安倍首班で行く流れが大勢だろうと思う。政権を維持したのに首相をひきづり降ろしたケースはない。来年9月の総裁選への動きは出るだろうが、それも獲得した数による。一にかかって政局の安定度は自公の獲得数による。街頭演説や党首討論で安倍は“衝突回避作戦”を展開しているが、大音響でがなり立てて選挙妨害をする左翼勢力の挑発に乗って誤解を生じさせた都議選の二の舞を避ける作戦で、巧妙だ。それにしても選挙妨害を当局が取り締まらないのはおかしい。問題があるなら法改正してでも取り締まるべきだ。

◎小生のブログが1000万を突破

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◎小生のブログが1000万を突破
  毎日が「瓦版狂老人」
 毎日知人に送る「今朝のニュース解説」は時事通信を退職後開始して10年余りとなる。メールと同時に掲載しているブログ「永田町幹竹割り」の総閲覧数累計が1000万を突破した。これにメール送信分や他の掲示板への転載分を加えると総閲覧数は10倍の1億近いのではないかと思われる。ソネットのニュース部門での読者数は6126ブログ中1位を続けている。若い頃から政治部に配属され、以後編集局長で退社するまでニュース一筋の人生であったが、なおも続いている。我ながらよく継続したと思う。
 ニュース評論といっても空想小説の類いと異なり、ファクトを抑えなければならないから、一本の記事を書くのに丸一日かかる。朝からネットのニュースやTVのニュース番組やトークショウなどを見てひっかかるものを全てメモにする。土日は原則書かないが、ニュースの収集を続ける。夕方5時には食事を取って、ビール一缶と焼酎かウイスキーの水割りを一杯飲む。食後電動「乗馬」を15分やり、一時間電気マッサージにかかる。午後7時には床につき、5時間ぐっすり眠る。この方式は田中角栄の仕事のやり方から学んだ。角さんも夜中に起き出して書類を読んだり仕事をするタイプであった。大平正芳の総裁選の時には投票依頼の電話を午前3時から明け方まで北海道から鹿児島まで全国各地の知人にかけたものだ。
 筆者は午前2時頃から執筆にかかり4時頃までには4千字の記事を書き上げる。取っている新聞5紙に目を通し、それから1時間仮眠を取る。原稿を最終チェックして午前7時頃までに送信する。昔1970年代のワシントン特派員時代に、評論家ジャック・アンダーソンが書く政治評論「ワシントン・メリーゴーラウンド」を読んでその読みの深さと裏からの切り口に感動して、いつか真似をしようと心に誓ったものだった。
 年末で77歳になるがまだまだ、政治判断力と洞察力は若い記者などには負けない。1760年から1849年まで生きた葛飾北斎は60を超えて天才の領域に達し、90歳で死ぬまで名作を数多く残している。「神奈川沖浪裏図」は1823年の作だ。小生もこの「画狂老人」の域に達さなければならないと思っている。確かに年を取ると見えないものが見えてくるのだ。縷々(るる)こまごまと、自ら築いた「その日に分かるニュース解説」のノウハウを教えたが、報道機関出身の優秀な政治記者なら誰でも可能だ。しかしほとんどの記者は退社すると疲れ果ててふぬけ老人状態に陥るから「瓦版狂老人」は無理かもな。第一無料奉仕など誰もしない。とばかりに煽る。(*^O^*)

T君への手紙 ― 「奢れるもの久しからず」浅野勝人

T君への手紙 ― 「奢れるもの久しからず」
安保政策研究会理事長 浅野勝人

東京都議選で自民党が惨敗した後、お目にかかってお昼に天丼食いながら、「都議選の小池百合子は怖かったが、国政選挙の小池は怖くない」と申し上げた私の見解が当たりそうな気配ですね。

都議選の折、多くのマスコミが世論調査、その他の情勢を分析して、自民党は減っても30議席台と踏んでいたのに、T君ご承知の通り、私が20議席そこそこと予測しました。結果は19議席でみんなびっくり仰天でした。
種明かしをしますと、「都民ファースト」が全員当選すると予測して、民進党も減る。共産党が増える。これを総合して逆算すると自民には20議席位しか残らない。結局、「都民ファースト」で落選したのは1人だけだったので、大当たりしたという仕掛け。

都議選で勝利の女神だった小池百合子が、国政選挙で輝くのは無理と推測した理由(わけ)は、
あの方は、どの選挙も「大統領選挙」と勘違いしているのではないか。だから、小池人気が、全国津々浦々、衆議院小選挙区に行き渡り、特に比例区では圧勝して、都議選の再現となる。総理大臣就任も夢ではないと錯覚してしまう。

自民党内では、外交・安保政策に関して右派の論客だったから、時間の経過とともにその地金が滲(にじ)み出る。そうなると、右派の安倍晋三と同質なことが改めてわかってしまうので、「政権選択選挙」という唯一の訴えが売り物にならない。小池を支える膨大な無党派層が失望して離反する。
その証拠に、党公認に際して民進党リベラル派を除外する表現を「全員公認するつもりはさらさらない」と失言して馬脚を現した。

つまりは、安倍自民党と対峙することによって人気を倍増するつもりが、まるで補完勢力と映って当初の意図がくれてしまいました。
だから、出馬の可能性を匂わしていた姿勢から一転して「不出馬」を明言して逃げました。与党をめざして「希望の党」を立ち上げた政党の代表・党首が選挙には出ない。国会の首班指名には加わらないという事例が憲政史上あったでしょうか。どなたか調べて教えて下さい。

これに比べて、安保法制、憲法9条改正に反対する基本姿勢を堅持して筋を通し、自民党との対決を鮮明にしている「立憲民主党」の候補者と「希望の党」への参加を避けて「無所属」で出馬する候補者が、非自民票の受け皿になる可能性が強まります。

T君、安倍自民党の不人気は、君の想像をはるかに超えています。私の周りでも、まさかと思う方が「今回は自民党には投票しない」と明言して驚かされます。
T君も当初は肝を冷やしていたでしょうが、小池百合子のおかげで、野党が「馬糞の川流れ」(政治勢力がバラバラになって求心力を失う様を金丸信らしい表現で言った)となりました。自民党が、近年、厳しく批判されている傲慢な政治姿勢を反省して、国家、国民の平穏と繁栄に真摯に取り組む姿を示せば、情況は好転します。

二階幹事長は、大軍の将ですから、自信を持ってもっとはっきり発言した方がいい。
T君、君から幹事長にアドバイスしたら?
「世の中のために政治家が要(い)る。政治家のために世の中があるのではない」(思いあがるなの意)と明確な小池批判をする。
「国会で戦争法案反対と言っていた人たちが、政党を変わったら賛成という。我が党は有り難いが、有権者の方々がそれを許すだろうか」とはっきり批判して、野党の中では一番強い「希望の党」の票を離散させる。

私は、来週から中国です。11回目になった北京大学での講義。それに北京外国語大学大学院、首都師範大学へ講義にまいります。選挙前に決まっていた日程ですからまいりますが、投票日前には戻ってまいります。
T君、加油! 加油! (元内閣官房副長官)

◎俳談

◎俳談
【見る・聞く・思ふは使わない】
地下鉄の出口夕立真つ盛り 毎日俳談入選
 例外はあるがまず「見る・聞く・思ふ」は言い回しがくどくなる。初心者はどうしても入れたがるが、間違いだ。例えば掲句を<地下鉄の出口を見れば夕立かな>としたら、確実に入選しない。わざわざ「見る」などという言葉はいれる必要がない。入れなくても意味は通ずるからだ。
 例えば<秋の日の煌(きら)めく如き窓辺見る>は<秋の日の煌めく如き窓辺かな>に。
<荒梅雨や全員無事のニュース聞く>は<荒梅雨や全員無事のニュースかな>に。
<あひ傘のうれしと思ふ梅雨の街>は<あひ傘のうれしや梅雨の交差点>にすべきである。要するに「見る・聞く・思ふ」を使うと回りくどくなるのだ。五七五の短詩の中に無駄な言葉は絶対に入れてはならない。あひ傘とは相合い傘のこと。

◎野党分裂で自民が漁夫の利の兆し

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  小池はまるで“野合選挙”
 立憲が意外と健闘か
 安倍政権が泰然自若としているのに対して、野党は小池新党に逆風が吹き始めており、民進党の分裂が液状化現象を生じさせている。民進系支持労組連合の混乱に波及している。公認決定で浮かび上がった希望の党による選挙戦略は、戦略というより行き当たりばったりの「野合選挙」の実態をあらわにしている。野党で堅調なのは苦し紛れに枝野幸男が結成した立憲民主党のみである。しかし、今のところ擁立候補は50人を上回る程度とみられており、リベラル系が主軸となって政権を左右する可能性は少ない。この結果自公連立が政権を維持できる公算が強まっている。
 安倍は野党の体たらくについて「新しいブームからは何も生まれない。政策こそが未来を切り開く。愚直に政策を訴える」と強調している。これは選挙戦の王道を行く姿勢であり、行き当たりばったりで野合を繰り返そうとしている希望などとの違いを鮮明にさせている。安倍の解散戦略は野党にくさびを打ち込み、そのうろたえぶりからいって成功の部類に入りそうだ。
 しかし、注目すべきは枝野の立憲民主党だ。革新であるはずの民進党の大勢が保守の希望の党へと臆面もなくひざまずくなかで、リベラルを屹立させている。泣きの涙で枝野が結成に結びつけたにもかかわらず、リベラル勢力の“核”となりつつあるからだ。リベラル系の希望への逆襲が立憲を軸に始まろうとしているのだ。社会党から連綿と続く左派勢力が西南戦争の西郷隆盛に集まった行き場のない浪人達のごとく、集まりだしたのだ。ツイッターでのフォロワーの数は2日間で10万人に達しており、12万人の自民党に迫る勢いだ。もっともツイッターのフォロワーは政党支持率ではないからそのままの勢いが出るわけではない。立憲は既に候補者を50人近く確保しており、まだ増える可能性がある。これに左翼総本山の共産党が“すり寄り”はじめており、枝野の選挙区埼玉5区の候補を降ろし、エールを送った。逆に同選挙区には希望が刺客を送るから行ってこいではある。しかし、左翼リベラルの結集といっても容易ではない。民進支持母体であった労組連合が共産党との共闘には反対の路線をとり続けているからだ。その連合は政党支持をどうするかで八つ裂きの刑を受けるかのようであり、特定政党は支持できず、結局、希望、立憲、無所属に票が分散する流れだ。
  一方小池の場当たり選挙は佳境に達しているようである。まるで好き嫌いで公認を決めているかのようだ。例えば、自らの都議会の与党勢力である公明党が立つ9選挙区では候補は立てない。都議会与党を維持したいのであり、ここからも小池自身の立候補はないのだろう。また同期当選で仲のよい自民党の鴨下一郎の地盤東京13区には立てない。民進の野田佳彦、岡田克也、安住淳、江田憲司らの選挙区には立てず、選挙後の連携の可能性を残す。そうかと思うと自民党の下村博文、萩生田光一の選挙区には30代の女性候補をぶつける。落下傘候補による空中戦だ。自民党との象徴的選挙に持ち込む戦略だ。この小池の公認作戦には主義主張に基づく整合性などあらばこそであり、なりふり構わず選挙に勝ちたいという「野望」だけが目立つ。小池の希望は9割くらいが議員バッジ欲しさに「議席」にすがりつく節操のなさをあらわにしている面々だ。小池の言葉も「排除の論理でリベラルは入れない」「民進党の全員受け入れなどさらさらない」と、まるでトランプに絶対勝つ秘策を知っているスペードの女王のように権勢をほしいままにしている。小泉進次郎が「小池さんは出ても出なくても無責任。出たら出たで都政を投げ出して無責任。どっちの無責任を取るかということ」と正論を述べたことがよほど口惜しかったと見えて「キャンキャン言っている」とこき下ろした。
  こうして小池には相当な逆風が吹き始めているのだ。さすがの民放のトーク番組も持ち上げてばかりはいなくなった。小池は都知事選や都議選の夢よもう一度とばかりに衆院選に打って出たのであろうが、衆院選で首班指名に誰に投票するかがあいまいなままというのは、政党政治のイロハを知らない。そこには3度目の夢とはほど遠い状況が展開している。
 こうした中で目立つのは自公の落ち着いた選挙戦だ。野党のようなしっちゃかめっちゃかな対応はなく、雑魚が一匹逃げただけで新党問題で動揺は見られない。5日付けの朝日の調査ですら比例区投票先は自民35%、希望12%で立憲、公明が7%だ。この段階で希望との差が大きく出ているのは、もうこのまま与党側に大失言でもない限り終盤戦に向かうということかも知れない、野党の分裂は自民党に漁夫の利をもたらしているのだ。

◎俳談

◎俳壇
【パンパカパーン】
遠足やパンパカパーンと弁当開け 読売俳壇1席
 俳句だって不屈の魂はある。過ぎし春<地震(ない)の子にパンパカパーンと花開く>が句会で1票しか入らなかったことを嘆いた。そして、表現を変えてあちこちの新聞にパンパカパーンを使った俳句を投稿した。そうしたら「超選句能力」のある読売俳壇様で採ってもらえた。森で遠足の少年達の昼餉を見て、思いついたのだ。頭の中に作った俳句を置き、心の「修正モード」を「オン」にしておく。すると“修正案”が向こうから来るから不思議だ。
【矢島渚男選評】遠足の楽しみの昼ごはん。どんなおかずが入っているのかな。中七は子供たちの期待そのままに明るい響き。きっと晴れた日だろう。

◎小池新党に早くも失速感

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◎小池新党に早くも失速感
 野党「細分化」で勢い喪失
 小池は「出ない無責任」を選択
 政界関ヶ原の朝霧が晴れようとしている。両陣営の姿が見え始めた。自公連合軍は徳川軍のように一糸乱れもない布陣だ。ところが野党軍は豊臣方がそうであったように、思惑が割れて動揺を隠しきれないざわめきがある。勝負は開戦前から着きつつあるかのように見える。淀君小池百合子は大阪城にこもって、出馬は100%ない。寄せ集めの西軍は殿ご出馬の馬印もしかと見えない。西軍の枝野幸男守の新党も、大きく形勢を動かす様には見えない。逆に失速感すら台頭している。むしろ西軍を分裂させて細分化して、東軍有利に導いている。その東軍の安倍家康は泰然自若として采配を振ろうとしており、格段の安定感を見せている。司馬遼太郎も息をのむ名文で書き始めたが、この勝負は自公連立政権の勝ちだろう。
 安倍は、決戦が迫る中で小池や枝野が新党結成に走ったことを揶揄(やゆ)して「急いで成功しようとする人は急いで失敗する」 と発言したが、的を射ている。安倍の主張も「如何にして国民の平和な暮らしを守り抜くかの選挙であり、誠実・愚直に戦う」と平易で分かりやすい。野党が分裂、再統合など敵前で右往左往しているなかで、安倍発言は落ち着きと訴求力がある。一方、小池は陣営とりまとめにやっきだ。そもそも小池は自らのカリスマ性を最大の武器として、希望の党を躍進させようとしているが、これはおそらく大誤算だろう。まずTBSやテレビ朝日など「集票能力」のある左傾化民放の様子がおかしい。都知事選や都議選で見せた、「小池仏」礼拝の構図が一変したのだ。礼賛だけでなく批判的な発言をするコメンテーターらを出している。トーク番組も元気がないのだ。「小池知事の出馬の可能性は72%」と意気軒昂だった左翼コメンテータの伊藤惇夫も「5分5分」 と語るに至った。これらのコメンテーターなるもののいい加減さは、自分の発言をくるくる変えても何ら恥じることがないことだ。公平中立などという概念はなく、テレビを使って臆面もなく“陰謀”を企てる連中が多い。小池が立たなければ勝てないことが分かっているから、無理にでも立たせようとしていたのだ。
 民放がこのざまでは「新党」と名がつけば飛びつく有権者の「衆愚」もさすがに今回ばかりは躊躇しそうだ。民進で食っていけなくなった連中が、希望を隠れ蓑にしようとしていることがバレバレだからだ。小池陣営も基本戦略で割れている。前衆院議員若狭勝がNHKで立候補者数について「次の次の選挙で確実に政権交代出来ればよく、233人が必要とは思わない」と、今回は政権交代を目指さない発言をしたのだ。正直に実情を述べたものだろうが、小池は慌てて「宝くじは買わないと当たらない」と発言、訂正に回った。233人擁立を宣言したのだ。この場合若狭の判断は、民進党の難破船から逃げ出した程度の低い連中を抱えるだけでも大変なのに、233人をどうやって集めるかというジレンマを背景にしている。新党からの合流組は130人くらいとしても、あと100人もの“候補”を集めるのは大変だ。小池新党がブームを巻き起こすならそれでもいいが、とてもその勢いはない。一気に小池ブームを作って選挙戦を有利に戦うはずが、逆に失速感のみが目立つ。自民党は敵失を待てばよいような立場に置かれはじめた。衆議院議員・小泉進次郎は35歳にしては急成長しているが、その発言もなかなか聞かせる。「小池さんは出ても出なくても無責任。出たら出たで都政を投げ出して無責任。どっちの無責任を取るかということ」だそうだ。どうやら出ない無責任をとることになるようだ。それにつけても小池は安保法制への賛否を入党の判断基準にするそうだが、民主党(民進党)、共産党、社民党は同法制を「戦争法」と称して反対した。判断基準そのものがおかしいのだ。
 希望の風が吹かない方向が世論調査にも出ている。選挙に関する世論調査は5000人を対象に出来るカネのあるNHKが一番信頼できる。その結果は各党の支持率が、自民党が30.8%、希望の党が5.4%、民進党が3.9%、公明党が3.8%、共産党が3.3%、日本維新の会が1.0%、自由党が0.3%、社民党が0.6%の順だった。この自民30.8%、希望5.4%という数字が物語るものは新党ブームが起きていないということだ。なぜ起きないかといえば、国際情勢の厳しさがまず第一に挙げられる。北朝鮮が狂ったように核・ミサイル実験を繰り返し、国民は戦時中のような防空訓練をしなければならない。この危機的状況下でさすがの有権者も海のものとも山のものとも分からない希望に投票するだろうかということだ。一方で枝野が結成した立憲民主党はリベラル系の前衆院議員10人程度、新顔を含めて80人程度を擁立したいようだ。立憲と共産党を併せて一極と数え、3極の戦いと見る新聞も多いが、褒めすぎだ。野党は細分化の傾向を示しているのであって、せいぜい2.5極の戦いだ。スケールに雲泥の差がある。

◎俳談

◎俳談
【笠智衆】
笠智衆ばかり集ひて新茶汲む 東京俳壇月間賞
 分かりやすく端的にイメージを表現することも俳句の重要ポイントだ。掲句はお年寄りの集まりを笠智衆を借りて表現した。笠智衆は「東京物語」など小津映画で日本のお父さんを演じ、山田洋次の『男はつらいよ』シリーズへで凛として好好爺の「御前様」を演じた。そのおじいさんのイメージを断定的に「笠智衆ばかり」と使って成功した。

◎「誠実・愚直」Vs「生き残りファースト」の戦い

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◎「誠実・愚直」Vs「生き残りファースト」の戦い
  小池は、早期に首相候補を決め、出馬するな
 はびこる民放イエロー・ジャーナリズム
 難破船「民進丸」から次々に人々が飛び込み、陸地を目指して泳いでいる。目指すは南海の孤島だがそこに希望はあるか。待ち構えているのは飢えと絶望と人食い人種ではないのか。生き残れるのは何人か。
 「生き残りをかけた決断」と代表前原誠司呼びかけた。政治家は切羽詰まると名演説をするが、前原は議員総会で「もう一度政権交代をするにはどうすべきかについて提案したい。名を捨てて実を取る。その決断を皆さんに理解していただきたい」と訴えた。民進党は公認候補を一切取り消し、全候補者は離党した上で希望の党に公認を申請する。まさに「捨て身の策」 である。諸葛孔明は天下三分の計だが、前原は自公政権と希望による天下二分の計である。しかし、驚天動地の希望ブームが生まれるかというと、生まれない。なぜなら議員バッジを付けたいが為に希望にあやかって、当選を狙うという政策なしの「野合」路線であるからだ。社会党時代からの伝統もくんで、民主党時代に政権を担った政党が、海のものとも山のものともつかない新党に身売りをしたのだ。そこには政治理念も、かくあるべしという政策もなく、あるのは「生き残りファースト」の邪道だけである。「選挙目当ての互助会」である。もののあわれすら感ずる政治劇である。
 これに対して沈黙を続けて来た首相・安倍晋三は、「選挙のために看板だけを変えた政党に日本の安全や子供の未来を託せない。そこから希望は生まれない」と切り返した。そして「誠実・愚直路線」 を打ち出した。「北の脅威、少子化対策の国難を乗り切るため、誠実に愚直に政策を訴える」 と述べたのだ。まさに総選挙は「誠実・愚直」Vs「生き残りファースト」の戦いの様相を示している。
 そこで焦点は小池が見栄も外聞も投げ捨てて、都知事を辞任して衆院選に参入するかどうかだ。希望の党を勝たせたいのか、マスコミも毎日、TBS、テレビ朝日が小池を出馬させるべく、懸命の報道を続ける。特にTBSとテレ朝は、放送の公平を規定する放送法などあらばこそで「小池出馬」を臆面もなく断定的に報道し続け“既成事実化”を図る。コメンテーターらも野党の代弁者丸出しで、聞くたびに不快感を残す伊藤惇夫が「72%出馬」と断定。しかし小池自身が否定している。「テレビは朝から晩まで小池出馬で賑わっている。都知事の後継は誰になるまで報道しているが、私は今の国会が変わらない限り都政でしっかり頑張る」と完全否定した。新聞は毎日が28日朝刊で「小池氏が出馬も、『受け皿』で高まる待望論」と報じたが、朝日は29日朝刊で毎日よりおとなしく「小池氏の出馬も焦点」と慎重な報道ぶりだった。
  どうしてこのように反自民系マスコミが小池を出馬させたがるかというと、希望の党がまさに我楽多の寄せ集め状態であり、小池が代表として出馬しない限り勝てないという判断がある。政治に介入する偏向報道の最たるものだが、偏向報道が国を誤るのは古くは戦前の御用新聞の例を挙げるまでもない。新聞読者は購読をやめるという方法があるが、テレビは向こうから飛び込んでくるから、影響力に格段の差がある。放送法による免許停止も可能だが国会議員は仕返しが恐ろしくて手を付けることをしない。まさにやりたい放題の民放の扇情的なイエロージャーナリズムがはびこっているのが実態だ。自民党も“けん制”くらいはして脅かした方がいい。
 朝日が慎重なのは29日の社説に如実に表れている。全体としての右傾化を警戒しているのだ。社説は「新党には右派色の強い議員が目立つ。憲法改正や歴史認識などで、自民党よりさらに『右』に位置する可能生もある。リベラルな議員の多い民進党とは明らかに立ち位置が違う」と分析している。これは左傾化新聞として総選挙が保守2党の争いとなることが嫌なのに違いない。希望が政権を奪取することはまずあり得ないが、自民、公明、維新の3党に加えて保守色の強い希望が存在感を強めれば、後は共産党、社民党の極左しかいなくなる。この国は全体として右ウイング寄りとなり、朝日のこの国を左傾化させようとする社是に全く反対の結果となるからだ。
 そもそも都知事選には50億円の費用がかかる。出馬は小池が掲げるバター臭いいやらしい表現の「ワイズスペンディング」に全く矛盾する。都議会の最終日は10月5日だから、それを待って立候補するとの見方があるが、小池は自らの発言の通りに、自己都合の出馬はすべきではない。小池は首相指名について「山口さんがいい」 と公明代表の名前を冗談のように挙げたが、政権選択選挙にした以上は、もっと真面目になるべきだ。選挙公示の10月10日前には首相候補を決めるべきだ。

◎俳談

◎俳談
【生身魂】 
反戦で張りのある声生身魂  朝日俳壇1席
 盂蘭盆会には故人の霊を供養するばかりではなく、生きている年長者に対しても礼を尽くす。年長者を敬い一族の健康を祝うことを意味する。年寄りもある一定の年齢に達すると生身(なまみ)の霊魂のように見えるからだ。俳句にしては珍しく敬語を使うケースが多い。
生身魂ひよこひよこ歩み給ひけり 細川加賀
といった具合だ。掲句は老いてなお反戦を唱え凛とした声でしゃべる元記者の生身魂を呼んだ。昔は90歳以上の人を指したが、今では100歳以上くらいでないと生々しさが消えない。
帽子屋を今も守りて生身魂 毎日俳壇入選

◎虚飾の「小池劇場」を切る

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◎虚飾の「小池劇場」を切る
  口から出任せの政策欠如
 “究極の野合”に追い込まれた前原
 小泉純一郎直伝の「小池劇場」の幕が上がった。焦点は小池の人気が都知事選、都議選なみに継続するかだが、紛れもなく小池は「都民ファースト」の公約を裏切って国政に走った。都民がいくら衆愚でも三度だまされるかということだ。少なくとも知事選で小池が290万票獲得したムードはない。ばかな民放トーク番組のコメンテーターらも持ち上げてばかりはいない。さすがに支持不支持が割れる傾向にある。東京ですらそうだから、全国規模ではもっと厳しい傾向を示すだろう。一方で民進が雪崩のように離党者が続出して、代表になったばかりの前原誠司が党運営を投げ出した。事実上の民進党瓦解である。前原は「1対1の戦いにするためには何でもありだ」と臆面もなく「究極の野合」路線を選んだが、党内からは「党を売る行為」との批判が噴出している。首相・安倍晋三は今日解散するが、直感では自公政権は継続するだろう。国民は早く極東情勢がどうなっているかに気付き、女賭博師の甘言に踊らされてはならない。
 マイナス1×マイナス1は1になるが、2にはならないのだ。逆に1-1はゼロでもある。新党と旧党の「野合」というのは過去の例から見ても曲折の経過をたどって最後には瓦解する。新自由クラブはもちろん日本新党や新政党の末路を見れば明白だ。大衆迎合路線というのはそういうものだ。今朝の朝刊の朝日新聞の世論調査によると政党支持率は自民32%なのに対して希望13%で、一定数は確保しそうだがブームというのにはほど遠い。毎日の調査でも投票先は「希望の党」が18%で、自民党の29%に次いで多いが、ブームとは言えない。多くの有権者は見るところを見ているのだ。苦肉の策とはいえ、民進党議員は本当に党籍を維持して希望の党から出馬するのだろうか。有権者にしてみれば希望の党と思って投票するが本当は民進党員だったという、狐の七変化にだまされるのだろうか。民進党県連によっては独自の動きが生じている。熊本県連は共産党候補に一本化しようとしており、地方県連の思惑は必ずしも中央とは同じではない。県連によっては「地域政党を作っても戦う」という動きが出ている。
 それにつけても小泉は悪い。仮にも自民党から選ばれた首相経験者が「雌ダヌキが化けた」(自民党幹部)ような女をけしかけて、党や首相に後ろ足で砂をかけるような動きをした。小池に「原発ゼロ」 と「消費税先送り」という“究極のポピュリズム”の入れ知恵したのは小泉だ。とりわけ原発ゼロについて小泉は「原発ゼロが焦点になれば希望の党はかなり議席を伸ばす」 と語るに落ちた発言をしている。小池は飛びついたが、東京都は全国一の電力消費地であり、ゼロにして東京への安定的な電力供給が途絶えてもいいのか。小泉は小泉劇場の“快感”が忘れられず、小池をけしかけて小池劇場を開幕させようとしているが、仮にも首相だった者が75歳にもなって“老醜”をさらけだしてどうするのだ。もう枯れた方が世のためだ。
 そもそも小池は二足のわらじをはく能力があるのか。二足のわらじは大阪府知事の松井一郎が既にはいているが、地方都市に毛が生えたような大阪と東京では規模が桁外れに違う。おりから2020年のオリンピックが控えているし、豊洲移転問題は就任後1年たっても結論が出ぬままだ。小池は「都政を前に進めるためには国政も変える必要がある」と述べたが、豊洲問題一つかたづけられないで、まるでそれを国政のせいにするのか。だいいち国政選挙で政党の指揮をする者が都政だけを考えて、他の道府県の問題は捨てておくのか。
 小池は安全保障に関しても認識のなさを暴露している。「国の国防政策をリセットしなければ安全を守れない」 と発言したが、たった2か月でも防衛相を経験した者の発言だろうか。国の安全は安倍が狂った北朝鮮の指導者に対して日米に韓国も加えて万全の態勢を築いている。「安全を守れない」などと思いつきの、はったり発言をして国民を惑わしてはいけない。小池はスローガンが選挙公約だと思っているフシがあり、安倍は党首討論で徹底的にその矛盾を突くべきだろう。小池に甘い顔を見せてはならない。戦うべき時だ。
 小池の新党は姥捨山ではなく“爺捨て山” の色彩を濃くしていたが、民進瓦解で雪崩を打って人数だけは集まる方向となった。小池にしてみれば一人800万円の供託金を持参して出馬してくれるのだから、旧社会党左派のような左翼議員以外は受け入れるのだろう。まさに政策などそっちのけのいい加減さは「野合の駆け込み寺」と呼ぶのにふさわしい。民進党議員は供託金800万円持参でやってくるから、小池にとっては鴨が葱下げてくるようなものだ。
 場当たりの極致は特別国会での首相指名選挙で公明党代表・山口那津男の名前を挙げたことだ。山口は一瞬「恐縮している」とまんざらでもない表情であったが、はっと気付いたか「都知事の職責は重い。国政との二足のわらじで務まるほど生やさしくない。懸念している」 と突っぱねた。山口を「支持する」と言えば都議会公明党をなだめられると思ったのか。場当たりの思いつきの極みで甘い。
 こうしてしっちゃかめっちゃかの小池劇場が幕開けとなったが、有権者、とりわけ浮動層には高学歴な者も多いはずだ。小池を是とするか非とするかを、真剣に考えることが今ほど必要なときはない。

◎俳談

◎俳談
【難しい漢字】
孑孑を食べる仕事の金魚かな 読売俳壇3席
 孑孑を読める人はきっと俳人であろう。ぼうふらだ。俳句には難しい漢字が出てくるが無理に使用する必要は無い。漢字は少ないほど俳句らしい。しかし孑孑にユーモアを感じたら使えば良い。
花街の昼は鬼灯鳴らすかな 杉の子
 鬼灯(ほおずき)も難しい部類だが、赤提灯の花街とは文字が響き合う。永井荷風の世界だ。
 昔は記者家業で忙しかった。
歯を磨きながら薔薇(ばら)見て出勤す 東京俳談入選
 という日日であったが、いまは退職して出勤はない。しかし、今は日日の原稿書きで頭がいっぱい。材料があるときはいいが、ないときは七転八倒だ。
今日もまた筋書きなしの心太    杉の子
 心太はところてん。昔からところてんの材料であるテングサの異称を心太(こころぶと)と称した。これから派生したのだろう。
注文の二転三転心太
 そば屋の注文は店に入る前から決めよう。

◎米紙「金体制孤立化のターニングポイント」


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◎米紙「金体制孤立化のターニングポイント」
 金融締め付けが効き始めた
 北朝鮮「弱まる」兆候も
 昔料亭で江戸の端唄を聞いた。「背戸のなぁ段畑(段々畑)で茄子と南瓜の喧嘩がござる」 と、人間のけんかを茶化したものだが、北朝鮮とトランプの「口撃合戦」はまさに佳境に達している。トランプが北朝鮮を「破壊する」、金正恩を「ロケットマン」と呼んで「小さなロケットマンの考えに共鳴するのなら彼らは長く続かない」と脅迫。負けじと外相李容浩は「宣戦布告だ」と反論、宣伝サイトは「先頭に立ってみろ。先頭に立った順番が墓に行く順番だ」。実に北はうまいもんである。茄子と南瓜はどっちもどっちだが、北の発言の激しさは、やはり朝鮮民族が「恨」の民族であることを象徴している。恨んで恨んで千年恨んで、それをエネルギーに周辺大国に抵抗してきた歴史が「口撃力」 を養ったのだ。日本人のように恨みは恥として水に流す民族ではない。だから北発言で常に感ずるのは違和感のみである。
 従って、李が唱える「太平洋での水爆実験」も、話半分に聞いた方がよい。太平洋のどこに打ち込むか知らないが、撃ち込めば北半球は放射能汚染だ。お返しにトランプが平壌で水爆実験をしかねない。一方で政治的な訓練の経験ゼロのトランプは、自らの発言やツイッターへの書き込みの影響力を測りがたい。止める側近もいないから野放し状態だ。トランプは8月8日に記者団に「これ以上脅迫を続ければ世界が目にしたこともない炎と怒りに直面する」と言い切った。ニューズウイーク誌は、トルーマンの原爆投下演説に似ていると報じた。さっそくトルーマン演説をネットで聴いてみたが「炎と怒りに直面する」という表現はなかった。ただし、日本がポツダム宣言を受諾しない場合について「この地上にはじめて破壊の雨が空から降る」と述べている。また「太陽がその源としているエネルギーが、極東に戦争をもたらした者たちに向かって放たれる」とも述べている。これをトランプは誰かから聞いた可能性がある。
 さすがに民主主義国だ。米議会でもトランプへの批判が台頭しはじめた。米上院軍事委員会委員長のジョン・マケイン(共和党)は「炎と怒り」発言の翌日に「私はトランプ大統領の発言に反対だ。大統領は、自分がやると言ったことを確実にやれる状況になるまで、それを口にするべきでない。私がこれまでに見た偉大な指導者たちは、行動する準備が整っていない限り相手を脅さなかった。トランプ大統領に軍事行動の準備ができているのか、私には分からない」と言明した。また民主党下院議員のホアキン・カストロも、「まだ32歳の金正恩とツイッターで怒鳴り合っても、得るものはない。むしろ緊張をエスカレートさせている。北朝鮮に対する対応は、外交や軍事の専門家に任せるべきだ」と批判している。
 こうしたトランプと北の「口撃合戦」とは別に、実施されている金融制裁の効果が生じ始めているとウオールストリートジャーナルが報じている。 「北朝鮮への制裁、やっと本腰」 とする25日の社説で「米国の当局者は長年、北朝鮮の核危機に突破口が開かれると予測し、そのつど誤ってきた。だが、先週はその風向きが変わったことがいずれ証明されるかもしれない。金体制をようやく孤立させるターニングポイントになったかもしれない」との見通しを述べている。同紙は「トランプ大統領が発表した追加制裁の結果、金体制は米ドル通貨による決済からようやく締め出されるだろう。北朝鮮と取引をするどの金融機関も、米国金融システムへのアクセスを失うことになる」と警告。一方で肝心の中国について「中国の規制当局は18日、自国の銀行に対し、北朝鮮との貿易上の取り扱いを中止するよう求めた。中国の銀行の多くは北朝鮮の口座を既に凍結している」と報じた。これを裏付けるように財務長官スティーブ・ムニューシンは、「今や外国金融機関は、米国との取引を選ぶか、北朝鮮との取引を選ぶかの二者択一が通告された。両方と取引することはできない」と述べた。取り引きすればテロの回避と阻止を目指す2001年愛国者法に基づいてテロリストへの資金提供者を対象に科されるものと同等の処罰が行われる。
 こうした金融面での締め付けに加えて米政権内部では国防総省を中心に様々な作戦が練られているようだ。米紙によるとまず大規模な戦力を組織的に運用し相手に宣戦して行う戦争とは異なる「不正規戦争」だ。サイバー攻撃によってミサイルや核開発を不可能とし、通信機能を麻痺させる作戦だ。次に「心理戦」だ。北の幹部はみな携帯を所有しているから、その携帯に向かって情報を流したり、“戦後の優遇”を保証して工作をさせる方式。さらには実験で発射するミサイルを片っ端から撃墜して、金正恩を心理的に追い込む。これらの作戦は既に机上で固まっており、後はトランプの指示を待つばかりであるようだ。
 こうした中で北は、「弱り始めた兆候」を見せ始めている。北朝鮮外務省北米局長崔善姫(チェ・ソニ)のモスクワ入りだ。ロシア外務省幹部と会談して、何事かを頼み込む様子だ。また労働新聞は「最高人民会議外交委員会が各国議会に書簡を送り「トランプ大統領の不法、無道な妄言により、朝鮮半島に核戦争の危機が刻一刻と迫る厳しい状況が作られている」と訴えたと報じている。さすがに世界中を敵に回してはまずいと感じ、プロパガンダを始めているかのようである。

◎俳談

◎俳談
【雨のジルバ】
黒揚羽雨のジルバを踊らうか  産経俳壇入選
 ジルバは第二次世界大戦の終戦とともにアメリカ駐留軍によって日本にもたらされた。軽快でリズミックなこのダンスは戦後の開放的な雰囲気の中で一般大衆に受け入れられ全国に広まった。アランドロンに似た慶応ボーイの筆者は、背が低いからダンスパーティーの壁の花であったが、うまかったので時々踊ってもらえた。黒揚羽は夏の季語だが、イメージとしては濃厚な年増女を連想させる。単にジルバだけでは単調だが「雨のジルバ」とした途端に詩情と物語性が出た。

◎安倍、「国難突破解散」で賭け

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自公維プラス希望で改憲勢力維持か
 最大の争点は北朝鮮問題 
  佐藤栄作は「解散はするほど総理の力は高まる」 とうそぶいたが、首相・安倍晋三も全く同じだろう。過去4回の国政選挙大勝の経験から選挙こそ政権維持・強化の要と考えているのだ。解散・総選挙の決断をこの時点で行った背景には北朝鮮問題が国民に投げかける安保上の危機感をくみ取るという強い意思が感じられる。まさに「国難突破解散」である。今後1年余りの衆院議員任期の中で、選ぶとしたら今しかないという政局判断も強く作用した。自らの目指す政治信条実現のためもっとも適切な時期を選んで解散に踏み切るのは憲法が裏付ける首相の特権であり、今回の決断も政権担当者として当然であろう。
 おりから民進党は離党者続出だ。小池百合子の「希望の党」も“落ち武者”かき集めの「野合の党」か、都知事職そっちのけで国政に食指を伸ばす「野望の党」 の色彩が濃厚で、全国的な小池百合子ブームなどは生じまい。北の狂った指導者の核・ミサイル実験もとどまることを知らないが、当面は軍事衝突といった事態ではない。その間隙を縫っての解散・総選挙の判断はまさに絶好の機会であったことが後々分かるだろう。朝日新聞は社説で北朝鮮問題があるのに「衆院を不在にする解散より、与野党による国会審議こそ必要」と主張しているが、政治空白などは出来ない。そのための二院制度である。
 解散は28日の臨時国会冒頭に行われる。冒頭解散の例は過去に佐藤による「黒い霧解散」、中曽根康弘による「死んだふり解散」、橋本龍太郎による「小選挙区解散」 の例がある。黒い霧解散は安定多数を確保して長期政権の道を開いた。死んだふり解散はダブル選挙に結びつけて圧勝。小選挙区解散は28議席を増やして政権安定につながった。今度の冒頭解散は、最低の場合でも自公で政権維持に必要な過半数の233議席以上獲得することは確実であり、安倍政権は維持される方向だろう。もちろん野党の体たらくからみれば安定多数以上の議席を獲得する可能性が大きいだろう。
 希望の党を立ち上げる小池の記者会見を聞いたが、失礼ながら「嫌な女」感がますます強まった。記者団が「東京五輪、豊洲移転問題が途切れるのではないか」と質したのに対して、小池は「ぷっつんするものではなく、アウフヘーベンするものだ」とヘーゲルの哲学用語を持ち出して煙に巻いた。しかし、小池の場合は「止揚」ではなく、単に「重要課題の先送り」にすぎない。2足のわらじで都政もオリンピックもおろそかにするものにほかならない。戦後の新党なるものは新自由クラブに始まって、維新の党や嘉田由紀子の「日本未来の党」にいたるまで、全てが同じ運命をたどって国民からそっぽを向かれている。日本のこころ代表の中山恭子も25日、離党届を提出、希望の党に移籍する。ばかな反自民系民放テレビがもてはやすが、これも一過性だろう。自民党に3回も比例当選で衆院議員にしてもらった福田峰之は、一度も選挙区で勝ったことがない。こんどは内閣府副大臣にしてもらった恩も忘れて希望に移籍。民進を離党した松原仁といいまさに希望の党は寄せ集めだ。小池は「医師や弁護士が手を上げている」というが、医師や弁護士上がりはろくな政治家はいない。政治的判断力に欠ける衆愚が投票するのはせいぜい1-2回だけであり、我楽多政党の末路は目に見えている。
 こうした小池の姿勢に対して安倍は対決姿勢を打ち出すかと思いきや「希望というのは、いい響きだと思います」と余裕のアピール。「安全保障の基本的理念は同じだろう」との認識を示すとともに、「小池知事とは、東京オリンピック・パラリンピックを成功させなければならないという共通の目標を持っている。選挙戦はフェアに戦いたい」と述べた。安倍の基本姿勢は、選挙後に小池新党を取り込もうとしている気配が濃厚だ。連立参加政党の数を増やす可能性がある。今回の総選挙は定数改正で465議席の争奪戦となる。安倍が宿願の改憲を目指すには定数の3分の2の310議席が必要となるが、自公維だけでは足りなくなる可能性があり、その場合は希望の議席が視野に入る。これを狙っているのかも知れない。
 選挙でアピールする政策のポイントについて安倍は北朝鮮問題に加えて全世代型の社会保障を争点にする構えだ。解散の理由についても19年10月の消費税10%への引き上げにともなう増収の使途変更を挙げている。これまで借金返済に充てる予定だった2兆円を子育て支援や、教育無償化などに充てる構想だ。北朝鮮については「選挙で信任を得て、北朝鮮の脅かしには屈せず、力強い外交を進める」と言明した。この2大争点は野党も反論をしにくいことは確かだ。だいいち前原も消費税の使途で安倍と同様の提案をしている。安倍は解散名を「国難突破解散」と命名して、危機感を煽る戦術に出た。北朝鮮が10月10日の朝鮮労働党創建70周年に合わせて、核実験か弾道ミサイルの発射を実施すれば、まさに「神風」になる可能生もある。国民の危機感は高まり、これが自民党票に直結するからだ。逆に政府や党幹部の失言などがあれば、一挙に崩れる。「寸前暗黒」とみて用心するにこしたことはない。

◎俳談

 ◎俳壇
【月見草】
海を見て決まりし墓地や月見草 東京俳壇入選
 友人にもらった月見草が咲いた。7日午後6時半つぼみがふくれているので咲くなと直感して、急いでカメラを用意すると数秒後開花を始めた。わずか2分間で満開となった。月見草といえば夢二に
有名な失恋の歌がある。
待てど暮らせど来ぬ人を 
宵待草のやるせなさ 
今宵は月も出ぬさうな  
太宰治も『富嶽百景』で「富士には月見草がよく似合ふ」と述べている。花を詠むときは賛美してはならない。既に読者が賛美しているからである。他の事象や感情と2物衝撃的に対峙させると成功する。
月見草逢魔が時に咲きにけり 杉の子
 翌日の朝は花が赤っぽくなり、午後にはしぼんだ。