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◎俳談

◎俳談
【忙しいと遊びが楽しい】
 老の過ごし方は「忙しいと楽しい」の原則を守ることだ。それはどういうことかと言えば、必死になって何か“仕事”をすれば、その最中に「明日あれして遊ぼ、これして遊ぼ」という思いがめぐるということだ。筆者の場合深夜の原稿書きが自らに課した仕事で、きつい時には、その最中に「遊び」を脳裏に浮かべて、自らを慰める。だから人生には遊びが欠かせないのだ。人間「遊びせんとや生まれける」なのだ。 
 筆者の場合、遊びとは30年やっている超望遠カメラでの野鳥撮影だ。とりわけ近ごろは、カメラが進歩して1秒に12枚撮影が可能だ。飛んでいる野鳥を撮影できる。野鳥にレンズの焦点が合うと食いついて離さないのだ。接近しようと離れていこうと焦点が合い続けるのだ。飛ぶ鳥を見事に“射止めた”時ほど、スカッとすることはない。
トレーラー降りしは女黄鶺鴒(きせきれい) 俳句朝日入選
 翡翠(かわせみ)の写真を撮っていたら、公園工事のトレーラーの運転席からGパン姿の目の覚めるような美女が降りてきた。カメラを向ける勇気はなかったが、びっくりして一句作った。

◎日米韓による北包囲網は弱体化

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 文の対北融和の早期実現は疑問
 青年層の期待はやがて困難に直面
 自らの国を「地獄」と呼び、「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「就職」の7つを諦めざるを得ない「 ヘル朝鮮七放世代」の投票行動が、革新系文在寅の当選に大きく影響した。これらの青年層は反朴槿恵闘争の中心になった世代であり、朴を退陣に追い込んだ余勢をそのまま駆って、文を圧勝、政権交代へと導いたのだ。北朝鮮に融和的な親北路線をとる文の登場は、北の金正恩にとってまさに思うつぼの大統領であり、日米韓による対北包囲網に打撃、弱体化となりかねない要素を帯びる。南北関係は改善へと動くが、これが北の核・ICBM開発断念につながる可能生は少なく、結局朝鮮半島の緊張緩和にはなりにくいだろう。米国による対韓圧力は厳しいものになることが予想され、文が公約通りに動けるかどうかは疑問だ。日米との関係を毀損してまで北との融和路線を推し進めるかどうかは微妙であり、急テンポでは進まない可能性がある。対日関係は昨日詳しく述べたとおり公約では反日を明確に打ち出しており、日韓慰安婦合意の継続が困難になる兆しも出てきた。
 9年ぶりの革新政権の登場は、極東の勢力地図に大きな影響を与えるものとみられる。まず公約からみれば10日就任する文は早期に金正恩との会談の実現を唱えている。これまで南北首脳会談は、2000年に金大中が、また2007年に盧武鉉が行っている。いずれも金正日との会談だ。このうち盧武鉉には文が秘書室長(官房長官)として同行している。公約では「米国より先に北に行く」としているが、ワシントンポスト紙には、「私が大統領になれば、トランプ大統領に先に会って北朝鮮核問題について深く話し合って合意する。金正恩労働党委員長とは、核問題を解決するという前提があってこそ会える」と述べており、衝撃的な会談をすぐに実行するかどうかは疑問がある。10月には2回目の会談から10年の節目となり、この辺を狙う可能生もある。
 しかし、もし文が対北独自路線を展開する場合は、米国が中国を通じて行っている秘密交渉にも影響が生ずる恐れがある。米国はこのほど秘密裏に北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄した場合に「4つのノー」を約束すると北に打診した。その内容は(1)北朝鮮の体制転換は求めない(2)金正恩政権の崩壊を目指さない(3)朝鮮半島を南北に分けている北緯38度線を越えて侵攻することはない(4)朝鮮半島の再統一を急がないである。トランプが「環境が適切なら(金氏と)会ってもいい」と将来の米朝首脳会談の可能生に言及した背景にはこの接触がある。いずれの提案も、中国が北を日米など海洋勢力が大陸進出を阻む橋頭堡と位置づけていることに配慮したものだろう。つまり中国にとっては悪くない提案だ。しかし金正恩が自らの命と同然と位置づける核兵器と引き換えに4項目をやすやすと受け入れる可能生は少ないとみなければなるまい。交渉は端緒に就いたままの微妙な段階にある。8日から始まったノルウェーでの米朝接触もある。従って文がこうした動きを無視して北との外交交渉を推し進めることは困難だろう。
 しかし、金正恩は別だろう。冒頭述べたように文の登場は北にとって絶好のチャンスである。日米韓の結束への揺さぶりの好材料となるからだ。金正恩が日米韓連携に「隙」が生じたとばかりに、あの手この手の接近策をとることが予想される。いきなりトップ会談が困難なら北は政策面での改善を先行させる可能生がある。スポーツ交流、韓国による人道支援の再会、離散家族の再会などを経てケソン(開城)工業団地の再稼働などを促す。北は見返りに観光地金剛山をオープンにする。こうした動きはいったん始まったら急テンポで進展する可能性があろう。
 金正恩にしてみれば対中関係は戦後最悪の状況に置かれていることでもあり、文の“活用”は願ってもないことなのだ。実際に最近の中国と北のやりとりはすさまじい。北が労働新聞で「中国は朝中関係のレッドラインを乱暴に越えて来た。中国はこれ以上我々の限界を試そうとするべきではない」と初めて中国を名指しで非難。これに対して中国は「北にレッドラインがどこにあるかを分からせる必要がある。もし核実験を強行すれば前例のない懲罰が下される」と、米軍の核実験場への限定爆撃も容認する可能性すら示唆している。中国には朝鮮戦争を通じて固められた「血の友誼(ゆうぎ)」の証である中朝友好協力相互援助条約の改定論まで台頭している。
 さらに文の政治姿勢は、朴政権の「財閥との癒着」否定に貫かれており、ただでさえ不況に見舞われている経済面での成長維持は財閥との連携なしでは容易ではあるまい。北との関係改善が北を潤すことはあっても、韓国経済に好影響をもたらす可能生は少ない。財閥否定を貫けば、早ければ半年を待たずに経済的に行き詰まる可能生も否定出来ない。従って「 ヘル朝鮮七放世代」の期待どおり就職難を改善し、豊かな生活を達成するのは容易ではあるまい。
 こうして文の登場は、大国によるせめぎ合いの場となりがちな朝鮮半島の地政学的な状況を如実に反映して、極東情勢を激動含みにしている。日本としては首相・安倍晋三はまず文との個人的な関係を築く必要があろう。とりあえず早期に電話会談をするのはいいことだ。同時に、日本は日中韓首脳会談の議長国でもあり、同会談の東京での早期実現を促す必要があろう。しかし、日韓慰安婦合意など譲歩できない問題については、はっきりと釘を刺すべきであろう。文は8日の段階でも「日韓合意は間違っている。堂々と伝える」と演説しているが、堂々と伝えられても受け入れ可能なものでもあるまい。また1年ごとに延長されることになっている軍事情報包括保護協定(GSOMIA)も、極東の安全保障上重要であり、維持継続をダメ押しする必要がある。