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◎俳談

◎俳談
【俳句と政治家】
 政治家の俳人で本物は大野伴睦と藤波孝生だろう。俳号「万木」の大野が保守合同の立役者三木武吉を詠んだ句が
三木武吉涼しく痩せて眉太し  万木
人物描写の句は珍しいが、秀逸である。「涼しく痩せて」はなかなか言えるものではない。
 政治家には運不運がつきものだが、中曽根康弘と死んだ藤波孝生ほど際だつものはない。藤波の俳号は孝堂(こうどう)。
両人とも俳句をやるがその作に如実に現れている。
暮れてなお命の限り蝉時雨 康弘
控えめに生くる幸せ根深汁 孝堂
 中曽根は首相になって藤波は官房長官にとどまったが、ライフスタイルが天と地の開きがあった。
 俳句の通りに中曽根は日がとっぷり暮れたのにもかかわらず、あちこちでうるさく鳴き続けた。まさに「生き強い」人間の典型である。しかし俳句の方は中曽根の創作ではあるまい。芭蕉の
やがて死ぬけしきは見えず蝉の声
のパロディーと言ってよい。プロならその類想性をすぐに看破する。それでも中曽根は
したたかと言われて久し栗をむく
だそうだ。藤波は中曽根の俳句をよくチェックして修正していた。
 一方、藤波はリクルート事件の波をもろにかぶった。一部に総理大臣候補だとされていたと言うが、盟友竹下登のリップサービスが作った虚像の色彩が濃い。本人はその意欲もなく、能力もあったかどうかは疑わしい。控えめに生きて中曽根の補佐をするのが幸せな部類の政治家であった。しかし俳句だけは政界では大野と並ぶ一流だろう。

◎米国と北が“寸止め”の対決

◎米と北が“寸止め”の対決
 緊張状態長期化か
  金正恩はその「隙間」でミサイル打ち上げ
 北朝鮮による弾道ミサイル発射実験が16日に続いて29日も“失敗”した。“失敗”とチョンチョン括弧で表現したのは技術的な原因による失敗の可能性が高いものの、意図的な失敗や米国のサイバー攻撃による失敗の可能生も残されるからだ。サイバー攻撃は先に書いたように輸出の途中でチップに加工すれば失敗させることは可能だ。また民放コメンテーターが「北にネットがないから侵入は不可能」という愚論を述べていたが、いくら北でも外国に侵入出来るようなネットを、軍事利用しているわけがない。いずれにしても金正恩が米国による圧力の「隙間」を見いだしてミサイルを打ち上げたことは確かであり、その狙いは空手でいう“寸止め”であろう。致命傷になる打撃を控えて、寸前で止めるのだ。致命傷が核実験かICBM実験に踏み切ることだと分かっているのだ。一方米国は空母カールビンソンを朝鮮半島海域に到達させ、これまた“寸止め”の状態においた。事態は両者がこの“寸止め”状態のまま当分推移する。しかし戦争がこの極限状態を経て突入することは歴史が証明している。1937年7月7日夜に発生した盧溝橋事件がその例だ。北京郊外の盧溝橋近くで演習していた日本軍に何者かが発砲したことが発端で、翌朝から日本軍が北京周辺の中国軍への攻撃を開始し、日中は全面戦争に突入した。
 こうした状況を背景にして、日本政府がこのところ急速に国民への危機対応を求めるようになったのは当然だ。何でも反日に結びつける韓国メディアが「東京メトロ運転見合わせは過剰対応」(聯合ニュース)などと書いているが余計なお世話だ。北の攻撃に対して地下鉄への待避は重要な手段だ。今はもう誰も知らないだろうが、国会周辺では千代田線をものすごく深く掘って通しているが、これは建設当時から「核シェルター」といわれている。しょっちゅう砲弾を撃ち込まれている韓国と異なり、日本は避難意識が欠如しているから、少しでも国民を慣れさすためには、北のミサイル実験のたびに地下鉄を10分くらいストップさせてもよい。
 現在の状況を俯瞰すれば、日米中露4か国は朝鮮半島非核化では一致している。しかしその対応は別れている。北が核実験かミサイル実験に踏み切れば米軍は攻撃を開始する可能生が極めて高い。それを百も承知なのであろう。金正恩は、全面対決を避けるかのように、湿った線香花火のようなミサイルの打ち上げに興じているのだ。こうした中で朝鮮半島をめぐる大国の対応に、亀裂が見え始めてきた。中国とロシアが温度差があるが「対話」を主張。日米は「圧力による解決」に傾斜し始めている。まず首相・安倍晋三とプーチンとの会談で北朝鮮への対応をめぐって食い違いが生じた。プーチンは共同記者会見で「朝鮮半島の状況が悪化していることについて安倍総理大臣は懸念を表明した。レトリックに陥ることなく落ち着いて対話を続けていくべきで、6か国協議を再開することが必要だ」と述べた。2008年の協議を最後に中断している6か国協議を再開させることの重要性を強調したのだ。これに対して安倍は英国での会見で「対話のための対話は解決につながらない。むしろ国際社会が北朝鮮に対する圧力を一致結束して高める必要がある」と反論した。たしかに6か国協議が何を残したかといえば、結局北による核開発の進展でしかなかった。北は経済援助に加えて核開発の時間的余裕をもらい、結果として核兵器製造は完成間近の段階に至ったのだ。
 中国も国連安保理閣僚級会合で外相王毅が「北朝鮮と米国は対話の再開を真剣に考えるべき時だ。」と主張した。トランプが中国に対して北への制裁を強く求めていることについても王毅は「中国は問題の中心ではない。問題解決のカギは中国にはない。」とまで言い切った。それでもトランプは27日、習近平が北朝鮮に経済・外交的な圧力をかけているといわれることについて、「習主席は一生懸命努力していると信じている。彼は混乱や破滅を見たくないはずだ」と延べ、期待を表明している。
 しかし、北の首根っこを握る石油の供給制限をどこまでやっているか、または今後やるかはまだ疑問がある。北はテレビで平壌がガソリン不足になってガソリンスタンドが閉鎖されている状況を報道しているが、中国と北の結託の上での芝居かとも思いたくなる。まさに事態はらちがあかなくなることを予感させる手探りの状況となりつつある。トランプは「最終的に北朝鮮との大規模な紛争になる可能性がある」とも発言しているが、米国の閣僚発言を見る限りは軍事行動が切迫しているようには見えない。中国の環球時報も社説で「核実験やICBM実験をしない限り希望が持てる」と論じている。しかし別の社説では「北朝鮮政府が断固として核プログラムの開発を続け、その結果として米国が北朝鮮の核施設を軍事攻撃した場合、中国はこの動きに外交チャンネルでは反対するが、軍事行動には関与しない。米国と韓国の軍隊が北朝鮮の政権を壊滅させる直接的な目的で非武装地帯を地上から侵略するならば中国は警鐘を鳴らし、直ちに軍隊を増強するだろう。中国は、外国の軍隊が北朝鮮の政権を転覆させるのを座視することは決してない」と主張している。核施設攻撃は容認するが、米韓の侵攻は座視しないと明言している。金正恩が大誤算をして核かICBMの実験をしない限り、状況は緊張のまま当分推移してゆくことになろう。
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◎俳談

◎俳談
 大和市にある泉の森公園は野鳥が多く、カメラに超望遠レンズをつけて撮影に行くと必ずなにがしかの収穫がある。今日は野生のハトの群れが飛ぶのを撮影していたら、急降下して筆者の頭上すれすれを猛スピードで飛び過ぎた。何事かと思ったら大鷹だった。大鷹が群れの中の一羽を狙って襲いかかったのだ。絶好のチャンスとばかりにレンズを大鷹に向けたが、フォーカスできなかった。ハトは皆無事であった。
 写真には撮れなかったが、網膜写真にはちゃんと写っている。
その刹那鳩大鷹を躱(かわ)しけり 杉の子
野鳥撮影は瞬間だから、反射神経が物を言う。筆者のカワセミ写真には決定的な瞬間をとらえたものが山ほどある。
 俳句で春がそこまで来ていることを「春隣」という。冬の季語だ。「春遠からじ」も同じ意味で冬の季語。この春隣ほど好きな季語はない。春の足音が確実に聞こえだしたようで心が浮き立つ季語である。毎年数知れないほどこの季節に春隣の句を作っている。拙句の場合食べ物との取り合わせで作るケースが多い。
ざつざつとバターを塗りて春隣 杉の子
といった具合だ。ぱんにバターを塗る音に春の近さを感じるのだ。
何にでもマヨネーズかけ春隣 東京俳壇入選
もある。旺盛な食欲と春を響かせた。
さくさくと羅紗切る音や春隣 毎日俳壇3席
三越で背広を作ったときに羅紗バサミで布地を切る音に春を感じだ。諧謔(かいぎゃく)味がある句が
春隣娘の彼の力こぶ   杉の子
娘の彼氏のたくましさに圧倒されて作った。

◎安倍は政権の緩みを引き締めよ

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◎安倍は政権の緩みを引き締めよ
  ダメージコントロールは水際立った  
 野党は集中審議を北朝鮮情勢でせよ
 「東北でよかった」という投稿がツイッターで受けている。青森ねぶた祭や仙台の七夕の写真が添付され、美しい東北の桜や紅葉も満載だ。すがすがしいツイッターにエールを送りたい。それにつけても辞任した復興相今村雅弘の異常さはどこから来ているのだろうか。筆者は新入社員の面接の際は東大法学部というと身構えたものだ。どうも経験値からいうとマスコミの場合は外れが多い。もちろん東大法学部卒は政治家でも岸信介、佐藤栄作など超大物がいて、極めてバランスがとれた政治を行ったが、当たり外れが多いのだ。今村は見事に外れた例だろう。どうも勉強しすぎの人間には人間性の幅がない。のりしろがなくて遊び、ゆとりが感じられない。それが発言に出でてしまうのだ。そういう政治家は、閣僚どころか政治家にも不向きだ。
 今村の発言の危うさはその性格から見ても、いつかかは危険水域に到達するものであった。被災者が故郷に帰れないことを「本人の責任」と言ったころからこれはおかしいぞと感じていたが、ついに東日本大震災について「まだ東北で、あっちの方だったからよかった」と発言してしまった。ひとえに、こういう人物を任命してしまった首相・安倍晋三に責任があるし、本人もこれを認めている。政権の緩みを引き締め態勢を立て直す必要がある。しかし、安倍のダメージコントロールは水際立っていた。25日夜の二階派のパーティーでの発言を安倍が聞いたのは経済財政諮問会議終了後だ。発言を知ると、官房長官・菅義偉と協議の上、直ちに会場に駆けつけて「今村大臣の講演で東北の方々を傷つける極めて不適切な発言があったのでおわびする」と陳謝した。そして事実上の更迭に踏み切った。これだけスピード感のある対応は、半世紀の政治ウオッチで初めて見た。即断即決の危機管理が動いている証拠である。
 ところが、自分の派閥で党に迷惑をかけながら幹事長・二階俊博 の対応は月とすっぽんであった。なんと記者会見で今村の発言をめぐる一連の報道について、「政治家が何か話をしたら、マスコミが、余すところなく記録を取って、1行悪いところがあれば、『これはけしからん、すぐ首をとれ』となるが、なんということか。言葉の誤解はないほうがいいに決まっているが、いちいち首をとるまで張り切らなくてもいいのではないか」とマスコミ批判に転じてしまったのだ。ばかも休み休み言えといいたい。「マスコミが、余すところなく記録を取って」記事にするから、今の安倍政権があることを分かっていないのだ。マスコミが総じて民主党政権の有り様を否定したから、自民党に政権が戻ったのだ。二階にはどうも政治の見方に対する厳しさが足りない。マスコミは何でも政府・与党を支持するべきだという甘さがある。国会議員の活動の基本は言論であって、問題はすべて言論によって決定されるのが国会の有りようなのだ。言論の府の政治家はその発言が全てであり、その表現力には自らの政治生命がかかっていると思うべきなのだ。
 安倍は土日返上で被災地を訪れ、被災者に寄り添ってきた。それにもかかわらず、こうした浅薄なる党内の発言が、まるでコツコツと積み上げたさいの河原の石を突き崩すことになることを自民党幹部は肝に銘ずるべきだ。一方、民進、共産など野党が鬼の首でも取ったように欣喜雀躍しているが、民主党政権のていたらくを思い出さざるを得ない。安倍政権は5年間で5人が辞めているが、民主党政権は3年間でなんと8人が辞任している。これに鳩山由紀夫と菅直人の辞任を加えれば10人が辞めている。鳩山はワシントンポスト紙に、「気が狂う」とか「頭が変な」という意味の「ルーピー」と名付けられたように、失言を繰り返し、首相を辞めてからはなんと「尖閣列島は係争地である」と宣うた。防衛相・小野寺五典が「国賊という言葉が一瞬頭をよぎった」とあきれたものだ。菅直人も福島原発であらぬ指示を頻発させて、へりで視察した結果、ベントを遅らせると言う致命的なミスをした。不倫報道されて「一夜を共にしたが、男女の関係は無い、こんなことに説明責任は無い」と発言したこともある。野党は他人の失言を追及している暇があったら、緊迫感が募る北朝鮮情勢の対応策でも提言してみてはどうか。この国難に野党はまるで知らぬ顔の半兵衛だ。野党は自らを省みて対応すべきであり、ゆめゆめテロ対策法などを人質に取って、国会審議を遅らせるような対応をすべきではない。集中審議などは本来北朝鮮情勢で行うべきだ。

◎俳談

◎俳談              
【年寄りはわくわくせよ】
 二十四節気は一年を二十四に分けたもので、立春はその一つ。節分の翌日にあたり、新暦の二月四日ごろ。暦の上ではこの日から春になる。寒気のなかにもかすかな春の兆しが感じられる。とりわけ日差しが濃くなって、人の気持ちもわくわくしてくる。年をとると辛気くさくなってわくわくなどしない爺さんが多いが、首相・安倍晋三もかつて新年冒頭に「わくわくしながら1年送る」と宣言した。だいいちわくわくしなければ俳句など出来ない。
徹夜明け立春の日のまぶしけれ 毎日俳壇3席
夜中に政治評論を書いていると、悪戦苦闘をして夜が明けてしまうこともしばしば。雨戸を閉めているから外の様子は分からない。書き終わって雨戸を開けると、日矢がまぶしい。
ふりむかぬ大勢に射す春の日矢 桂信子
日矢とは俳句で強い太陽光を指す。掲句は「大勢の人は日矢を知らないまま通り過ぎているが、私は日の光で季節の移ろいが分かっている」という詩人の心を詠んだものだ。
早蕨を干せば日差しの濃かりけり 毎日俳壇入選


◎日露首脳は「半島非核化」で合意せよ

◎日露首脳は「半島非核化」で合意せよ
  対北で「日露協調」を目指すべきだ
 G7に対露制裁で食い違い
 金正恩が米空母艦隊の攻撃を恐れ核実験もICBM実験もちゅうちょし始めたなかで、首相・安倍晋三は明日27日からロシア、イギリス訪問に出発する。17回目のプーチンとの会談では北方領土問題が主議題になるが、安倍は25日「少しでも前進させたい」と発言した。これは、既に合意した「4島での共同経済活動」を平和条約締結に向けての一里塚と位置づけて、現地調査の実施などでの合意を目指す構えだろう。ただ極東の極度の緊張を反映した北朝鮮問題や、欧州に「制裁疲れ」が見え始めた対露制裁問題も協議の対象となる公算が高い。筆者は北朝鮮問題では日露首脳が「朝鮮半島非核化」では一致し得る環境が整いつつあると思う。一致すれば北は日米露中に非核化を迫られる形となり、金正恩が聞くかどうかは分からないが、外交的には大きな成果となろう。
 日米韓と中国が対北圧力を強める中で、ロシアは対日密輸や工作員の潜入で悪名高きマンギョンボン号の定期航路での運航を決めた。月6回にわたり北朝鮮北東部の羅津港とウラジオストク間を往復するが、ロシア側は国連安保理決議の制裁品目を輸出はしないとしており、日用品が中心となるようだ。北朝鮮が四面楚歌の中でのロシアが融和策とも受け取れる行為に出たのはなぜか。筆者は背後にプーチンの狡猾なる戦略があるものとみる。それは金正恩を“手なずけ”て、最終的にはロシアの影響力を世界に示そうというものだろう。核実験を諦めさせるための迂回作戦ではないか。
 ロシアのドミトリー・ビリチェーフスキー駐日公使は民放番組で「ロシアは北朝鮮の核武装を支援することはない」と明言するとともに、北とは次官級の会談を行い、核実験やICBM実験を抑える動きをしていることを明らかにしている。一方中国は朝鮮半島問題特別代表武大偉が韓国を訪問して「中国はいかなる場合でも北朝鮮を核保有国として認めない」と発言している。武大偉は25日来日、4日間滞在して外務省アジア大洋州局長の金杉憲治と会談する。半島非核化を主張するものとみられる。こうした中での安倍訪露は、朝鮮半島非核化合意に向けての大きなチャンスとなるだろう。安倍はプーチンに金正恩説得を勧めるのもよいかもしれない。ロシアはまだ金正恩との首脳会談を行っていない。接触は次官クラスにとどまっている。
 対露制裁に関してEUでは、昨年末に制裁を半年延長することを決めた。しかし、EUの中では、期限切れを控えて変化ともみられる流れが生じている。もともと欧州はイギリスが対露強硬論であるものの、ドイツ、フランス、イタリアは柔軟姿勢をとりつつある。中でも注目すべきはドイツ首相メルケルのロシア訪問だ。既にメルケルは2015年5月にモスクワでの対独戦勝70周年記念式典に欧米諸国首脳でただ1人出席している。ウクライナ情勢を巡ってロシアと対立する欧米諸国の首脳らは出席を見送った。今回のメルケルのロシア訪問は5月2日に予定されている。
 これまでのところ欧州による対ロ制裁が解除される見通しは立っていない。ただ、メルケルはロシア訪問で、プーチンと制裁問題を協議する用意があるようだ。メルケルの訪問に先だった安倍のロシア訪問で制裁解除問題が話し合われるかどうかだ。しかし、日本の対露制裁はもともと欧米との協調に主眼が置かれたものであり、日本が主体的に解除することは難しい。とりわけイギリス首相のメイが強硬論を維持している。メイは1月の演説でトランプに対し「プーチン大統領と関わるのはいいが、注意すべきだ」と警告している。これに対して在英ロシア大使館はツイッターで「冷戦はずっと前に終わったはず」と不快感を示した。英国とロシアの対立が一番厳しいようだ。安倍はメイとの会談で欧州連合離脱に際して、在英日系企業が不利益を受けないよう配慮を要請することになるが、対露関係是正のアドバイスをしてもおかしくない。米露関係もトランプの選挙公約とはうらはらに、大統領補佐官マクマスター、国務長官ティラーソン、国防長官マティスらによって伝統的な対露警戒路線に回帰してきている。
 こうした状況から、5月26、27日に開かれるシチリア・サミットは対露制裁をめぐってG7内部が割れる危険性を帯びている。とりわけ米、英、仏、伊が初参加であり、出席通算6回目の安倍と、12回目のメルケルが果たす役割は大きい。またプーチンが安倍やメルケルを利用して分断の動きに出るかもしれない。警戒はしなければなるまい。いずれにしても朝鮮半島の緊張感を解除するためにはサミットの団結は不可欠であり、安倍の“橋渡し”と“調整”が極めて重要になる。G7とロシア、中国が足並みをそろえて、北に核開発の中止を迫る構図は日本にとっても極めて重要であろう。

◎俳談

◎俳談
【ノスタルジア】
 最近は乳幼児を背負う母親が少なくなった。ベビーカーかだっこ型のベビーキャリーが流行っている。銀座通りには最新ファッションの女性がこれまた高級ブランドのベビーカーとハイヒールで闊歩しているが、ノーテンキそうで子育てが大丈夫か心配だ。電車の中ではベビーカーのブレーキをかけないままで、危険極まりない。いざというときはだっこよりおんぶだろうと思うがどうだろうか。大空襲も大震災もおんぶだった。両手が使えるし身動きが自由だ。
ねんねこの中の粉雪払わねば 毎日俳壇入選
 ねんねこは赤ん坊を背負う際に用いた防寒用の子守り半纏(ばんてん)。なぜか夕焼けの中の五木の子守唄を思い出す。ちなみに 「おどま 盆ぎり 盆ぎり」の「おどま」は、自分のこと。「盆ぎり」は「盆限り」と書いて、「ぼんぎり」と読ませるから、お盆までのこと。「お盆が過ぎたら私は、もうここにいない」と歌っているのだ。子守りは嫌だったのだろう。子守り半纏の欠点は赤ん坊のクビがうしろにかっくんとなり、座らないことだが、最近では「クビかっくん防止型」も売られている。
わら草履はける昭和よ冬の星 東京俳壇2席
ノスタルジアは俳句になる。

◎民共は国際的「テロ戦争」に目を向けよ

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◎民共は国際的「テロ戦争」に目を向けよ
   法相の首など狙っているときか
 「草」とは忍者で敵地に住み込み、敵地の住民と同化して、2代、3代に渡って破壊テロのチャンスを狙う者を指す。その北朝鮮の「草」が、いざ朝鮮動乱ともなれば新幹線や原発を狙って大がかりなテロを行いかねない時である。ところが民進、共産両党は、これを未然に防止するテロ等準備罪法案の国会審議で、法相ごときの“斬首作戦”を展開している。この国の野党の国際感覚のなさは今に始まったことではないが、すぐそこにある危機ですら見えない。野党は戦前の治安維持法による監視社会に戻ると言うが、もし、オリンピックで未曾有のテロが成功すれば、日本は間違いなく監視社会に逆戻りする。極右が台頭して、警察国家になるかもしれない。それこそ本当の危機ではないのか。大義は政府・与党にある。テロ法案は早期に成立を図るべき時だ。
 共産党の田村智子は「国会周辺を歩くことが花見なのか、組織犯罪のための下見なのかどうして分かる」と質問した。愚問の最たるものだ。狙いは平和に花見をする一般国民が捜査の対象になるとこじつけたいのだろうが、花見の国民1億2千万人を捜査するほど警察は暇ではない。花見であろうが何であろうがテロリストが集まれば、捜査当局が動くのは当然だ。そのような捜査は江戸時代からあった。由井正雪によるテロ未遂事件だ。歌舞伎では丸橋忠弥が千代田城のお堀の深さを小石を投げて図ろうとしているのを、松平伊豆守が見とがめて、忠弥の“内心”を読みとった。その場の逮捕ではないが捜査を進めて一網打尽にした。皇居や周辺の花見で刑事が勘を働かせて、怪しいとわかれば逮捕につなげる。これは捜査の常識ではないか。内心が読み取れなければ、敏腕な刑事とは言えない。
 民進党は「保安林でキノコを採る行為を処罰することがテロ対策なのか」と、これまた愚問を提示した。277本の対象法案には、森林法の森林窃盗罪が含まれることを「理由が分からない」と鬼の首を取ったように追及するが、日本は憲法31条の罪刑法定主義をとっていることすら理解していないのか。人を犯罪者として処罰するためには、法律によって、 あらかじめ罪(構成要件)と罰を明確にしておかなければならないという原則だ。これがなければ、逮捕も起訴も出来ないのだ。なぜ森林法かと言えば、仮に松茸を3000本盗めば、十分テロ資金になる。ましてや鉱物資源などを盗めばテロ資金は潤沢だ。
 自民党政調会長茂木敏充はNHKで「犯罪組織が水道水に毒物を混入した場合、その毒物を準備しても現行法体系では処罰できない」と述べた。テロ等準備罪法案の端的、明快なる説明である。野党は、早くも地下鉄サリン事件を忘れたのかと言いたい。犯罪組織オウムがサリンを製造し保有しているのをキャッチしておりながら、それだけでは逮捕に踏み切れなかった結果が死者13人、負傷者多数という未曾有の事件になったのだ。
 野党による政府追及の手本となるのが、テロ法案を「共謀罪法案」と誤報し続ける朝日の社説だが、この社説も法相が愚鈍だから法案を通してはならないという、驚くべき反対論を展開している。4月22日の社説では「法相が自分の言葉で説得力のある説明をし、国民の理解を得る。それが法案に責任を持つ立場としての責務だ。それができないなら閣僚の資格はないし、法案は通してはならない。」と主張している。朝日は法案の中身ではなく、1法相の資質で、法案の可否を決めるのか。社説子は、自ら議会制民主主義を否定していることが分かっていない。さらに社説は「野党の反対を押し切り、刑事局長を政府参考人として出席させることを委員長の職権で採決し、賛成多数で決めた。参考人の出席は全会一致で決めるのが慣例で、それを踏みにじったのは現行制度で初めてだ。」とも批判した。しかし朝日は出先記者の原稿をデスクが直さないのだろうか。専門性が要求される法案においては、専門家である刑事局長の答弁が当然必要とされる。その方が質問者と答弁者が「知らぬ同士のチャンチキおけさ」にならなくて審議がスムーズに進むではないか。本末転倒の社説とはまさにこのことだ。
 世論調査を見ても朝日の“偏り”が際立っている。朝日が15、16日に実施した世論調査では「テロ法案」に対する賛否が賛成35%、反対33%と拮抗(きっこう)した。しかし、読売のほぼ同じ時期の調査では、賛成が58%で、反対25%を大きく上回った。産経・FNNでも法案に賛成57・2%、反対32・9%だった。毎日の調査では賛成49%が、反対30%を上回った。明らかに聞き方や質問者の態度による違いが生じている。
 今は間違いなく「テロ戦争」の時代だ。幸いにも日本にはISやアルカイダによるテロは発生していない。しかし、これらの組織が存在する限り、オリンピックは絶好のチャンスである。現にISは日本名指しでテロ実行を宣言している。国際的なテロの高まりに対して米欧は警察力の強化によって社会秩序を守るべきとする思想が台頭している。これはややもすると、社会の安全のためにはプライバシーの自由や個人の権利を制約されても仕方がないという動きに直結しかねない。フランスでは極右のルペン支持者が増え、米国では移民の入国を制限するトランプイズムが多くの国民に支持されている。全てがテロ戦争対策である。野党は目先の重箱の隅を突っつく前に、この世界情勢に目を向け、テロ法案反対を撤回すべきである。国民への風評戦術が秘密保護法や安保法制で大失敗して、支持率が低迷している原因となっていることを想起すべきである。

◎俳談

 ◎俳談
寒雀餌やる母のいまは亡し 杉の子
 野鳥撮影が趣味なのが読売新聞グループ本社主筆の渡辺恒雄さんだ。普段から骨太の言論人としてもっとも尊敬すべき人と思っている。政府の情報保全諮問会議の座長として活躍した。秘密保護法をめぐっては戦前の治安維持法と言わんばかりの朝日の風評垂れ流しに、読売が毅然(きぜん)とした論調を張って、世論の正確なる誘導に努めた。諮問会議は政府が独走するのを外部から目を光らせる役目だった。
 そのナベツネさんは庭に鳥の餌台を作って超望遠レンズで撮影するそうだ。超望遠レンズを駆使した野鳥撮影は一種の狩りのような爽快感を覚える。日日の仕事のストレス解消にはもってこいだ。
 だいいち狩猟のように生命を遊びで殺傷しないのがよい。ナベツネさんにカワセミ撮影を教えたら、確実にはまる。しかし年も年だし底なし沼に落ちないように、庭に来る野鳥で我慢してもらった方がよい。筆者の庭の餌台にも雀はもちろん、メジロ、シジュウカラ、ツグミ、ハト、ムクドリ、ヒヨドリなどがひっきりなしに来る。近頃はオウムまでやってくる。カワセミ撮影に行かないときはもっぱらこれらの鳥を撮っている。
群れ雀寒夕焼を追ふごとく 杉の子

◎米、北へのサイバー攻撃実施の可能生

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◎米、北へのサイバー攻撃実施の可能生
 16日のミサイル発射失敗が怪しい
   NYTやCNNが報道
 サイバー攻撃などは宇宙戦艦ヤマトの専売特許かと思っていたが、なかなかどうして米軍では実戦に配備されているかのようだ。とりわけ16日の湿った花火のような北朝鮮のミサイル発射実験失敗は怪しい。発射後数秒で爆発している。ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙によるとやはりその可能性が高いようだ。もともと米軍にはオバマ時代から「Left of Launch作戦」(発射寸前作戦)があり、時々北のミサイルにサイバー攻撃やレーザー攻撃を仕掛けているようだ。もちろんトップシークレットである。サイバー兵器問題を漏らした米軍幹部が処分されている。サイバー攻撃が米軍によって採用されているとすれば、すでに北との“暗闘”が宣戦布告なしに展開されていることになる。この重大な事態を日本の全国紙が掌握していないのか、ほとんど報道しないのにはあきれた。

 NYTは米軍から最近までサイバー攻撃について書かないように要請されていたが、15日付の同紙は「北朝鮮と米国の間では、過去3年にわたり、ミサイル計画をめぐる隠密の戦争が行われてきた」と暴露した。確かに16日の実験の失敗はアメリカによるサイバー攻撃が原因である可能生がある。NYTはこの種の攻撃は少なくとも過去3年にわたって展開されてきた「Left of Launch作戦」だという。北朝鮮は今年2月から3月にかけて北極星2型およびスカッドERの発射に成功したが、3月以降、ミサイル発射は3回連続で失敗した。今月5日には、新浦から弾道ミサイルを発射したものの、飛行距離は60キロにとどまっている。16日に新浦から発射した弾道ミサイルは、発射後わずか4-5秒で墜落した。

 さらにNYTは、北朝鮮が使用しているロシア製ミサイルの発射成功率が低いのは、アメリカが北朝鮮のミサイル関連ソフトを操作したり、北のネットワークを妨害しているからだという。同紙によると、北朝鮮の失敗が多いのは、ミサイル関連インフラがロシアのそれには及ばないという事情はあるものの、北朝鮮のミサイルがベースとしている旧ソビエト時代のミサイルの発射失敗率が13%だったのに対し、北朝鮮のミサイルは88%もの確率で失敗していると指摘している。この失敗の確率の高さは、米国が部品の輸入段階でのサプライチェーンを使って欠陥を生じさせている可能性もあるようだ。

 16日の実験失敗の経緯について米CNNは来日した副大統領ペンスに空母ロナルド・レーガン上でインタビューしている。サイバー技術などを使った可能性について質問されたペンスは、「我が軍の電子およびIT能力についてはコメントできない」と発言。「私に言えるのは、(北朝鮮のミサイル発射が)失敗したということだ。あれはさらなる挑発だった。そしてそれは終わらせなければならない」と強調した。「ノーコメント」として否定も肯定もしなかったのだ。
 サイバー攻撃は人工衛星や、U2やグローバルホークなど有人無人偵察機、ドローン、スパイ情報、通信情報などを通じて得た情報をクロスチェックしたうえで実施されるようであり、戦時には針の落ちる音すら見逃さない精度があるという。従って新浦での動きは掌握されているのであろう。新浦に接近しているイージス艦などが攻撃の役割を果たすものとみられる。ひょっとしたら16年には実戦配備されているはずのレーザー兵器を使っている可能生も否定出来ない。レーザー兵器は、2010年にイギリス国際航空ショーで軍艦に設置された米レイセオン社製レーザー兵器が、約3.2キロ先を時速480キロで飛行する無人飛行機4機を破壊している。最新の技術情報によれば、ポーランドで遠距離到達も可能な極めて高出力のレーザー衝撃波を生成する技術的なブレークスルーがあり、小型艦船・迫撃砲弾・ロケット弾などへの攻撃・迎撃にも使用可能となっているといわれる。

 従って今後北朝鮮の核実験にもサイバー攻撃やレーザー攻撃が行われる可能生も否定出来ない。既に核施設へのサイバー攻撃はイランに対して行われている。2009年にイランの核燃料施設を破壊したサイバー攻撃プログラムは、NSA(米国家安全保障局)のサイバー集団がイスラエル軍と共に作り上げたものだ。このサイバー攻撃作戦は、大統領ジョージ・W・ブッシュの下で立案され、オバマに引き継がれて決行され、成功している。北は衛星写真向けに、核実験場前の広場で職員にバレーボールをやらせて、「実験はまだしない」と訴えているかのようだが、する兆候が察知されれば攻撃されると覚悟した方がよい。

◎俳談

◎俳談
【読者に分かるか】
春眠に続ける狸寝入りかな NHK俳壇入選
 NHK俳壇は応募者数が極端に多いこともあって、入選は宝くじに当たるより難しい。掲句は初めて入選した句だが、炬燵で寝ていたら家人の話が佳境に入っているので、目覚めぬ振りをして聞いている場面を描写した。
 問題はこの情景を読者が理解するかどうかだ。家族が集まった茶の間の風景と分かれば成功だが、分からなければ失敗だ。俳句は短い単語を並べて情景を描写する世界最短の詩だ。したがってこの表現で読者が理解するかどうかの戦いでもある。ところがNHKの選者は「茶の間の炬燵で寝ているところでしょう」と述べていた。見事に分析してくれたのである。

◎踏んだり蹴ったりの韓国外交

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◎踏んだり蹴ったりの韓国外交
 米中双方からこけにされる
  善意の安倍発言まで曲解
 大統領という政治の核を失った韓国が“漂流”し続けている。対米、対中、対日外交で明確な指針を失い、これに北朝鮮のどう喝が加わる。マスコミは相変わらずの対日批判に終始し、近頃は、首相・安倍晋三の発言を曲解して報道、国民を煽る。今こそ米韓同盟と日米同盟を基軸に対北朝鮮政策で団結力を示さなければならないときなのに、まるで大局観を喪失したかのようである。こうした中で韓国のマスコミの間で、脱北した超エリート外交官韓進明による金正恩の心境分析が的確であると評判を呼び、しきりにインタビューが行われるようになった。日本でもTBSが放映した。これらの報道によると金正恩は先制攻撃に出る可能性はないという。         


 韓国はまさに踏んだり蹴ったりの様相である。まず信頼すべき米国のトランプが米メディアに、なんと韓国を「中国の一部」と発言してしまったのだ。誇り高き朝鮮民族の神経逆なで発言である。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューによると、トランプは「習主席が(6~7日の米中首脳会談で)中国と朝鮮半島の歴史について話した。数千年の歴史と数多くの戦争についてだ。韓国は実は中国の一部だった」と述べたのだ。おそらく習近平がそのように受け取れるレクチャーしたのを請け売りしたのであろう。聯合ニュースによると韓国の外交部当局者は「一考の価値もない」と強く反発した。同当局者は「報道内容が事実かどうかと関係なく、数千年間の韓中関係の歴史で韓国が中国の一部ではなかったことは、国際社会が認める明白な歴史的事実であり、誰も否認できない」と反論した。しかし、これは歴史的事実を知らない発言だ。例えば元によって支配されている。モンゴル帝国による高麗侵攻は1231年から始まり、1259年高麗はモンゴル帝国に降伏、属国的な扱いを受けて日本侵攻に協力させられている。文永の役(1274年)、弘安の役(1281年)の蒙古襲来では、戦艦の漕ぎ手として朝鮮人が使われているのだ。


 また「中国による露骨な韓国外しだ」とメディアが騒いでいるのが、来月開催される一帯一路首脳会議に韓国首脳が招待されなかったことだ。習近平の一帯一路構想にもとづくアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、日米が主導するアジア開発銀行(ADB)の向こうを張ったものだが、韓国も参加している。中央日報によるとこの会議に首相にも閣僚にも招待状が来なかったというのだ。韓国政府当局者は「THAAD配備問題で韓国政府代表を意図的に招待しなかったようだ」との見解を示している。これに関連して、中国の外交部報道官陸慷は、「来月、韓国の新しい大統領が決まったら招待する意志はあるか」との質問に「仮説的な状況については答えることはできない」と述べている。


 韓国メディアは安倍の国会答弁にもかみついている。安倍が17日、朝鮮半島有事の際に避難民が流入した場合について、「避難民の保護に続いて上陸手続き、収容施設の設置および運営、わが国が庇護すべきものに当たるか否かのスクリーニングといった一連の対応を想定している」と述べたことが、気にくわないようだ。マスコミにせっつかれるがままに外交部報道官の趙俊赫が「朝鮮半島状況と関連し、仮想的な状況を前提として誤解を招き、平和と安全に否定的な影響を与え得る言及は自粛する必要がある」と批判したのだ。ネットも炎上し「日本が地震で滅べば避難民を受け入れるものの、選別的な受け入れ基準を設けるべきだ。朝鮮半島の核戦争よりは日本の大地震のほうがより近い未来だ」といった反発が乱れ飛んでいる。しかしこれも実態を掌握していない感情論だ。安倍が善意で言っていることを曲解している。朝鮮戦争では韓国軍が敗走を続け、北朝鮮軍に釜山周辺にまで追い詰められたことを忘れている。この経験から言えば韓国からの避難民が海を越えて流入することも考えられる。しかし北の工作員などが原発や新幹線爆破などの目的で紛れ込む可能性があり、そのチェックは当然必要だ。


 まさに度しがたい感情論が目立っている。こうした中で脱北した北朝鮮の元外交官・韓進明の発言が注目される。15年に亡命した韓進明は平壌出身で、超エリート校金日成総合大学卒業後、08~13年まで外務省で勤務し、13~15年までベトナム大使館で書記官を務めた人物。韓によると、北朝鮮の外務省のスローガンは「即時受付、即時実行、即時報告」で、直ちに仕事を処理しなければならない。特に金正恩の指示はその日のうちに実行、報告するように義務づけられている。ちょっとしたミスが命取りになり、金正日時代とは緊張感がまるで違うという。また出先の大使館は「信じられないほどカネがなく、自動車を秘密裏に購入し、転売して資金を分配していた」という。


 さらに韓進明は金正恩の心境を読み取って「金正恩は単なる暴君ではない。自らの行為を1歩踏み間違えると大変なことになることが分かっている」と分析した。また金正恩が先制攻撃に出るかどうかについて「政策決定の過程をよく知っているが、北の国民性から言っても絶対に発砲(ミサイル発射)して開戦の火蓋を切ることはない」と言い切った。北の外務次官韓成烈らが、「アメリカが先制攻撃を企てるなら我々は核の先制攻撃で応ずる。全面的な戦争になる」などと吠えまくっているのとは別の見方である。


◎俳談

◎俳談
【知らぬ間に楚楚(そそ)と咲く】
臘梅(ろうばい)は知らぬ間に咲くならひかな 毎日俳壇入選
  早春、我が家の庭に咲く花は臘梅。だそして暫くたつとまんさくの花へと続く。この臘梅のおかしいのはいつももう咲いている頃かと思って、見に行って初めて咲いたと分かることだ。桜のように待たれることもなく、独りで楚楚と咲くのだ。それだけ目につかない花なのだろう。春先になにも彩りがない庭で咲く花は貴重だ。それも臘梅は黄色で名前の通り、ろうのように透きとおっていて宝石のようにきらめく。
 春先に咲く花が黄色いのはなぜだろうか。これは虫が花粉を運んで受粉させる虫媒のシステムに原因があるようだ。早春にいち早く活動を始める昆虫にはアブやハエの仲間が多いのだが、これらの虫は黄色い色に敏感だといわれている。そういえば、まんさくがかすかながら魚の腐ったような臭いがするのも、ハエを引きつけるためなのだろう。
臘梅に薄日のありて無口なる 杉の子

◎日米会談、謎の35分は霧の中

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◎日米会談、謎の35分は霧の中
 北への軍事圧力強化では一致
 安倍・ペンス会談を一言で形容すれば、中国の北朝鮮への働きかけを当分見守るというところにあるのだろう。従って米国が当面軍事行動に出ることはまずあり得ない。会談からは、軍事行動が迫っているような雰囲気は感じ取れなかった。しかし、禁止用語を避ければ「クレージーマンに刃物」を持たせたような金正恩が、突如核実験に踏み切れば事態は軍事衝突へと一変する。米国務省高官は「金正恩政権の転覆は求めない」とまで言い切っているが、これも筆者が前回指摘したとおり中国との「密約」の急所だ。これがなければ中国は金正恩を説得する手段がない。したがって米空母打撃群は、北と中国をにらんだ脅迫材料として朝鮮半島周辺に存在し続けるだろう。

 会談での注目点は、首相・安倍晋三が「米国が全ての選択肢がテーブルの上にあるという考え方で対処しようとしていることを評価する」と軍事行動への支持を正式に表明したことだろう。ペンスにしてみれば安倍発言は願ってもない支持表明であり、日米の一致した軍事行動も辞さない構えは、北への抑制効果を一段と増幅されることになる。ペンスは「戦略的忍耐の政策は終わった」と、優柔不断のオバマの政策からの決別を明言した。また「国際社会が団結して北に圧力をかければ、朝鮮半島の非核化達成の好機が生まれる」と日米韓の中国との結束の必要を強調した。両者の口ぶりからは、北への圧力をひたすら強化しなければならない現状が分かる。この方向を公表しなければ、ペンスの同盟国歴訪の意味がないからだ。

 しかし、ソウルが甚大な被害を受けかねない韓国が、ペンスに軍事行動への慎重論を説いたといわれるように、北の攻撃にさらされる恐れがある日本も、むやみやたらに主戦論に傾いているわけではあるまい。北のミサイルにはまだ原爆は搭載されていないが、サリンなど化学兵器をイタチの最後っ屁のように一発でも撃ち込まれてはたまらない。従って会談では公表以外のきわどいやりとりがあった可能性がある。会談は一時間の昼食が終了した後、人数を絞って35分間行われている。そこでの話し合いは、機密事項であり推測するしかないが、あえて推測すれば、まず中国がどこまで本気で北朝鮮を説得するかが話し合われたのではないか。米中両国はこのところ頻繁な接触を繰り返しており、ペンスは米国の感触を伝えたはずだ。

 また公表されていないが、米国が攻撃に踏み切る場合の日本との事前協議についても話し合われた可能性がある。安倍は15日の参議院予算委で、朝鮮半島有事の際について「米国海兵隊は日本から出て行くが、事前協議の対象になるため、日本が了解しなければ韓国を救援するために出動できない」と述べている。既に日本政府は米政府に対し、北朝鮮への軍事行動に踏み切る場合には事前協議を行うよう求めているといわれる。こうした方向を安倍がペンスにも再確認することはあり得るだろう。政府高官は「北が核実験を行った場合の対応については、今日のやりとりはなかった」と述べているが、既にトランプは「核実験=軍事行動」を明確にしており、ここの“急所”が話し合われなかっただろうか。米側から何らかの見通しの説明があってもおかしくはあるまい。

 こうした中で、北朝鮮の“口撃”は佳境に達している。日朝国交正常化担当大使宋日昊は「我々はアメリカだけでなく日本軍国主義も主たる敵だ。戦争になったら一番の被害を被るのは日本だ」と毒づいている。既に北は3月に、金正恩が在日米軍基地を攻撃する任務を負った部隊による4発のミサイル発射実験を指揮しており、露骨な嫌がらせを展開している。日米の離反を目指す戦略が見え見えだが、こうした言動が繰り返されるたびに、眠っていた日本国民の国防意識を目覚めさせていることが分かっていない。日本の極端な右傾化が、朝鮮半島にとっては、米国より怖いことは歴史が証明している。これを知らない金正恩の挑発と火遊びはいいかげんにしないと、火の粉は自分に降りかかることを肝に銘ずるべきだ。いずれにしても、すべては中国の対北外交の成り行き待ちだが、金体制を崩壊させないことを前提条件としていることは、金正恩をいよいよつけあがらせるだけとも言える。中国が原油ストップなどよほどの強硬策をとらない限り、水面下での中朝交渉はラクダを針の糸に通すくらい困難であろう。


◎俳談

◎俳談 
【人間の疎外】 
 人間が作ったものが人間から離れ、逆に人間を支配するような疎遠な力として現れることや、人間があるべき自己の本質を失う状態を人間の疎外と言う。戦後に一時流行った思想だ。年配の人は学生時代にマルクス主義とからめて新宿の喫茶店あたりで議論したケースも多いだろう。
 疎外と言うほど大げさではないが、現代社会にも通ずる要素があり、これも俳句のネタになる。例えば
外套を着れば巷の人の顔 日経俳壇入選
外套を着て外に出れば、人間らしさを喪失する外の世界の厳しさがある。ちなみに作句に当たっては古い用語が一句を引き立てる。外套だから俳句になるのであってコートでは様にならない。
マスクして表情消して街の人 杉の子

◎米中結託で北朝鮮説得に動く

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◎米中結託で北朝鮮説得に動く
 北の体制維持で“米中密約”か
  金正恩に軟化の兆候も
 まるで北朝鮮をめぐって米中結託の様相である。トランプは「習近平主席を気に入った。尊敬する。素晴らしい人だ。どうなるかを見ていよう。努力をしてくれると思う」と臆面もなく秋波を送った。脅したうえで、なだめすかすトランプ流の「手口」が垣間見える。これに対して中国は「対話による平和的解決」(外務省報道官)と応え、水面下で核実験、ICBM実験中止へと動く。中国の対北政策は一変したかのように見える。中国の北に対する基本政策は、米国への防波堤としての存在価値を利用する点にあったが、トランプ・習近平会談がこれを微妙に変化させたのだ。北の体制維持を米国が認めたとされる「密約」があることが大きく作用していると言われる。しかし、中国の北への説得工作が短期的には奏功しても、北が核とミサイルを永久に放棄することはあり得ないだろう。したがって、金正恩体制を崩さない限り、極東の緊張緩和は達成できない。
 米中間の接触は極めて頻繁である。6,7日の首脳会談に続いて、12日には電話首脳会談。16日には国務委員楊潔チと国務長官ティラーソンが電話会談している。こうした会談を通じて、米側は「中国がやらなければ米国がやる」(トランプ)を基本姿勢に、習近平を揺さぶった。空母カール・ビンソンを朝鮮半島に近い西太平洋に展開、中東でシリアへの巡航ミサイル攻撃、ISへの大規模爆風爆弾(MOAB)使用など、明らかに北朝鮮と中国をけん制する軍事行動に出た。これが中国の尻をたたいた。こうしたムチに加えて中国のアキレス腱である対米貿易黒字に関しても、為替操作国指定を見送るなどのアメも提供した。
 トランプ政権の狙いは、とりあえず北の核とICBMの実験を中止させるところにある。こうして中国は水面下での対北説得工作を展開し始めたのだ。その説得材料は、現体制を潰さないとする密約をもとに、場合によっては原油パイプラインを止めることや、中朝友好協力相互援助条約の「中国参戦条項」の不履行をほのめかしながらの脅しだろう。原油パイプラインのストップは環球時報が「中国は北への原油供給を制限するなどかつてない制裁を考えている」と報じた。一方、中朝条約不履行は有事における北の壊滅を意味するだけに大きい。同条約第2条は「一方の国が戦争状態に陥った場合、他方の国は全力で軍事援助を与える」と規定しているが、第1条では「両国は世界平和を守るためあらゆる努力を払う」と規定されている。中国は北の核開発は1条に反しているという立場だ。さらに中国にしてみれば、北の核を認めれば、日本や韓国の核武装へと極東情勢が誘導される可能性があり、そうなれば中国一国が極東で「核優位」に立つ戦略上のアドバンテージを失うことになる。これも避けなければならないという事情がある。
 中国による最大限の圧力に北がどう反応しているかは定かではない。その一挙手一投足から推理するしか方法はない。一つは金日成生誕105周年記念式典で、西側の記者団を人質に取るかのように招待して、米国のピンポイント攻撃を回避したうえで姿を表した金正恩が、軍服ではなく背広姿であったことだ。精一杯の「平和志向」のシグナルと解釈できる。さらに党副委員長崔竜海は15日、式典での演説で「全面戦には全面戦で、核戦争には我々式の核打撃で対応する」と述べた。その一方で、「我々は平和を愛する」とも付け加えたのだ。こうした北の反応は、一見強気にみえる金正恩が、相当な圧力を感じていることを物語る。米国と全面戦争をすることは避けたいというのが本音であろう。
 問題は中国と米国が現在予定されている核実験や、ICBMの実験を中止させることに懸命であるかのようであることだ。米中が唱える朝鮮半島の永続的な非核化は現実問題として極めて難しいといわなければなるまい。なぜなら、北朝鮮の伝統的な基本戦略は核ミサイル保有国として米国と対等の対話が出来る国になることであり、その戦略に何が何でもしがみつこうとするからだ。韓国に亡命した元駐英北朝鮮公使太永浩が昨年12月「1兆ドル、10兆ドルを与えると言っても北朝鮮は核兵器を放棄しない」と述べたが、まさにその通りであろう。これまでの6か国協議が結局失敗に終わったのは、何をしようと北の核ミサイル願望は消滅しないのだ。従って極東の危機は米国が金正恩を“除去”するまで続かざるを得ないのだろう。


◎俳談

◎俳談
【分かりやすさ】
名句は小学生でも分かるし、感動する。芭蕉の名句はすべて分かりやすい。
古池や蛙飛び込む水の音
を理解できない子供はいない。直感で分かってしまうのだ。専門家の理論づけは子供の直感の域を超えることはない。
分かりやすさでは小林一茶の右に出るものは無いだろう。
一茶の俳諧俳文集「おらが春」にある
我と来て遊べや親のない雀
名月を取ってくれろとなく子哉(かな)
は、分かりやすい句の筆頭だ。本来俳句は難しい用字用語とはなじまない。難しい言葉を武器として生きてきた職場人間が俳句に熟達しようと思ったら、その習癖をかなぐり捨てる必要があるのだ。芭蕉は「俳諧は三尺(さんせき)の童にさせよ」と述べたが、言い得て妙である。ちなみに小学生でも分かる拙句を挙げれば
秋の日に考へているゴリラかな 産経俳壇入選


◎トランプ、対中改善に大きく前進

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◎トランプ、対中改善に大きく前進
  対露関係は機熟さず「史上最悪」
 安倍訪露は好機か
 日本や西欧など同盟国との関係を構築した米大統領トランプは、オバマが悪化させたロシア、中国との関係再構築に取りかかっている。しかし、対中関係改善が大きく先行したのに対して、対露関係は自ら「史上最悪」と言い切るほど好転していない。トランプは選挙中にロシアに大接近したものの、その先兵となったマイケル・フリンを国家安全保障補佐官から外した。大統領就任前にロシア大使と接触した疑惑が理由である。代わりに就任させたマクマスターらに主導権が移りシリア攻撃など、ロシアの神経逆なでの行動に出た。米政権内部の主導権争いも作用したのだ。国務長官ティラーソンをモスクワに派遣したがシリアをめぐる亀裂だけが際立った。
 トランプと習近平との関係は驚くほど好転している。習近平がトランプに気軽に電話するような関係になったのだ。おまけに12日の電話会談の中身たるや、出来るだけ早期の訪中を望む習近平に、トランプは快く応ずるという蜜月ぶりだ。会談でもっとも注目されるのはトランプが習近平に国連安保理におけるアサドの化学兵器使用を非難する決議への配慮を求めたことにどのような対応をするかであった。これに対して、習近平は「棄権」という対応に出たのだ。拒否権を行使したロシアは完全に孤立した。6年にわたるシリア内戦中にロシアが拒否権を行使したのは8回目。同じく常任理事国で過去に6回拒否権を行使している中国が棄権、ロシアに同調しなかった事は外交上大きな意味を持つ。トランプは「素晴らしい。だが棄権したことに驚きはない」と得意げに自らの根回しをほのめかしている。「習近平氏とはケミストリーが合う」とまで言いきっている
 しかし対中関係も北朝鮮の核ミサイル開発問題をめぐっては、さらなる制裁を求めるトランプに対して、習が石油の供給制限などドラスティックな対応をするかどうかの問題もありまだ予断を許さない。こうしたトランプ外交も身内の進言に左右されることが分かって来た。 夫ジャレッド・クシュナーとともにその絶大な影響力からトランプの「秘密兵器」とも呼ばれているイバンカは、シリアへのミサイル攻撃にまで影響を及ぼしている。実弟エリック・トランプは英テレグラフ紙に「イバンカは3人の子供を持つ母親で、大きな影響力を持っている。彼女はきっと『聞いてお父さん、こんなのひどすぎる』という具合に言ったと思う。父(トランプ)は、そういう時には動く人だ」と証言している。
 こうした内情が反映して中国とは対照的に、対露関係は「険悪」ともいう事態になっている。しかし、筆者はシリアへの一回限りの攻撃で関係悪化が長期に継続するとは思えない。ティラーソンが外相ラブロフと5時間、トランプと2時間も会談したことの意味は、両者がそうとう突っ込んで様々な問題を語り合ったことを物語っている。両外相は冷戦後最悪と言われるほど悪化した米ロ関係の改善に取り組む必要性では一致している。加えてプーチンは、アメリカ軍による空爆が過激派組織ISなどのテロ組織を対象にする場合、いったん閉鎖した連絡窓口の運用を再開する用意があることを確認している。就任後初めてロシアを訪れたティラーソンに対し、ISとの戦いでは、トランプ政権と協力していく姿勢を示して、花を持たせたものとして注目される。報道官ペスコフも「非常に建設的な会談だった。さまざまな問題の解決策を探るため、対話を維持することが必要だという指摘があった」と述べている。
 米露会談で重要な点は対露制裁問題が話し合われたかどうかだ。合計7時間もの会談の中で、すくなくともロシア側が言及しないことはあるまい。ウクライナ問題に端を発して対露制裁措置を講じている主要国は米国と欧州連合(EU)であり、カナダ、豪州、日本は独自の制裁を発動している。トランプは政権に就く前は対露制裁解除に前向きであった。更迭されたフリンはその意を受けて駐米ロシア大使と対露制裁について協議していたのであろう。EUは昨年末の首脳会議で対露経済制裁を1月の期限から半年延長することで合意した。欧州諸国はイギリスが強硬論であるのに対して、ドイツ、フランス、イタリアなどには「制裁疲れの様子」が見え始めているようだ。5月のシチリア・サミットでも話し合われる公算が強いが、問題の焦点はやはりトランプがどう動くかに絞られよう。
 こうした情勢の中で首相・安倍晋三の訪露は4月下旬行われる予定だ。安倍はロシアとの共同経済活動を先行させて領土問題につなげるという大きな方針転換を行った。この経済活動によって日露の信頼関係を深め、主権の問題を解決しようという試みは、世界的に見ても前例のないアプローチである。四面楚歌のプーチンに対して譲歩を迫る好機とも言える。一方で、るる述べてきたような激動する世界情勢を大局的な見地から話し合うこともまた重要だろう。


◎俳談

◎俳談 
【俳句と諧謔味(かいぎゃくみ)】
 簡単に言えば重いテーマを軽く語るというのが芭蕉の言う「軽(かろ)み」であろう。例えば
秋深き隣は何をする人ぞ
秋が深まり、山野が寂しい風情になってくると、隣の物音も気になる。今何しているのだろうかと人恋しい気持ちにもなる。筆者は芭蕉が隣人の職業を気にしているというよりも、親しい隣人が何をしているのだろうかと気遣っているように句意を読み取りたい。平明な用語で全く気取っていない。「俳諧は3尺(さんせき)の童にさせよ」と芭蕉は述べているが、まさにその言葉を地で行っている。この「軽み」をさらに推し進めると「諧謔味」になることが多い。一茶は
春雨や食はれ残りの鴨(かも)が鳴く
と詠んだ。今は鴨が池にあふれているが、昔は見つければ捕って食べていたと考えられる。運良く食べられなかった鴨が春雨の中で鳴いている風景を詠んだが、みそは「食われ残り」。なかなか言える言葉ではない。
筆者もユーモアのある句は好きだ。
玄関開けて「受かったよ」と大声を上げた子供がずっこけた。
合格子(ごうかくし)上がり框(かまち)でずつこける 杉の子
雑草の中で高さ20~30センチくらいのスカンポがニョキニョキと立ち上がっているのが面白いと感じて
すかんぽのぽつぽつぽつの余生かな   杉の子

◎中国、北への原油供給制限を検討かー環球時報

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◎中国、北への原油供給制限を検討かー環球時報
 習近平は米に抑制的対応を求める
  米の攻撃は核実験とICBM次第か
 韓国が「朝鮮戦争以来最大の危機」(中央日報)と焦燥感を強めている中で、中米、日米の外交的接触が活発化している。中国は習近平が2日のトランプとの電話会談で「平和的解決を」と抑制的対応を求めれば、日本は米国に対して攻撃する場合には事前協議をするよう要求した。こうした中でトランプが北への攻撃に踏み切るかどうかを判断するポイントが、北の核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の2点に絞られつつある。中国もいずれかの実験をすれば、米国の攻撃を傍観する可能性すら生じている。ひしひしと迫る米国の重圧の中で、金正恩が予定通り早期の核実験とミサイル実験に踏み切るという「自殺行為」をするかどうかだ。韓国では新月の4月27日を狙って爆撃を開始するとの情報がネットで拡散しているが、筆者はおそらくトランプは、北が核かICBMの実験をしない限り攻撃を先送りするかもしれないと思い始めている。

 中国は昨日書いたように大きくその姿勢を変化させている。習近平は電話会談でも厳しい口調はなく、説得調であったといわれる。その証拠に習近平はトランプの年内訪中を再確認している。もちろんトランプがこれに応じたのは言うまでもない。習近平の「平和的解決」要請にトランプがどう応じたかは霧の中だが、少なくとも中国の北への圧力強化を求めたことは間違いあるまい。トランプが原油供給問題に言及した可能性もある。北への圧力強化は、既に中国が実施に移している石炭の輸入1年停止では足りまい。最大の焦点は中国が北の首根っこを押さえている原油の供給停止か供給制限に踏み切るかどうかであろう。北朝鮮は原油の9割を中国に依存しており、原油が止まれば北の経済は崩壊する。金正恩体制も危機に瀕することは自明の理だ。
 
 原油は豆満江をわたるパイプラインで供給されているが、驚くことにその中国に石油供給を制限するという説が台頭し始めた。読売によると中国共産党系のタブロイド紙環球時報は、12日の社説で「北朝鮮が今月、追加の核実験やICBMの発射に踏み切れば、中国が原油の供給の制限に踏み切る可能性」を示唆したという。環球時報は共産党機関誌『人民日報』の国際版とも言えるが、人民日報ほど高級志向ではなく、大衆的だ。しかし、中国首脳が環球時報を使って観測気球を上げるケースが多く、今回もその可能性が強い。北に対して「禁じ手をあえて使うぞ」というどう喝に出たのであろう。

 一方、日本政府も米国に対して攻撃の場合には事前協議をするように求めている。官房長官菅義偉は否定しているが、ありそうな話だ。
北は日本の米軍基地を名指しで攻撃すると言っており、突然米軍に攻撃されてはたまらない。事前協議は、60年に安保条約を締結した際の交換公文で在日米軍が戦闘作戦行動をする際に事前協議をするよう規定されている。今回のケースはカールビンソンを使う場合には在日米軍基地は使用しないから適用外だが、横須賀で点検整備中の空母ドナルド・レーガンが北に向かって攻撃のための出撃する際には当然対象となる。

 各社報道していないが事前協議の対象は、もう一つある。それは沖縄返還時に日米間で交わされた、米軍による有事の際の日本への核兵器の持ち込みに関する密約のことだ。米国政府は核兵器の所在について否定も肯定もしない政策をとる一方、沖縄返還に当たってはいったん撤去した沖縄の核を再持ち込みする事がありうるとの立場を強硬に主張した。日本政府は「核兵器を持たず・作らず・持ち込ませず」を“国是”としており、これと矛盾するが、米国の強い要求に佐藤内閣はこれを認めた。しかし、密約として公表されなかった。従って国会でも社会党の追求の的となった。どちらのケースかは状況によるのだろう。いずれにしても北が核でどう喝するという、異常事態の発生である。有事寸前の事態でもある。米軍の核持ち込みが必要とされるケースはあり得るのであり、事前協議を経てこれを認めるのは日本防衛の要であり、当然であろう。
 もっとも、簡単に米軍による北攻撃が行われると見るのは早計であろう。米統合参謀本部議長ジョセフ・ダンフォードが昨年3月の議会軍事委員会で「北の軍事力は世界第4位だ」と発言している。しかし軍事分析会社グローバル・ファイヤーパワー(Global Firepower)による「世界の軍事力ランキング2016年版」では上位10位は米国、ロシア、中国、インド、英国、フランス、ドイツ、トルコ、韓国、日本の順で北朝鮮は36位となっている。ダンフォードの指摘は陸上の白兵戦を意味するのかもしれない。いずれにせよ北を叩くといってもそう簡単ではない。第一次朝鮮戦争では3万6000人の米軍人が戦死しており、空爆だけで北が降伏すれば簡単だが、地上戦ともなれば甚大な被害が予想される。シリアの空爆などとは比べようもない。本格戦争を覚悟しなければなるまい。また極度に緊張が高まれば米国の先制攻撃どころか、北が誤判断などから先制攻撃に出る可能性すら否定出来ない。従って、軍事行動を示唆して最大限の圧力を行使し続けるものの、北が核実験の実施やICBMを発射しない限り、トランプといえどもそう簡単に全面戦争に踏み切れるものでもない。


◎俳談

◎俳談
 吉井勇作詞・中山晋平作曲の《 ゴンドラの唄 》は森繁久弥が哀調があっていい。しかし黒沢明監督の映画「生きる」のなかで、末期がんの市役所の課長・志村喬が公園でブランコに乗って歌った姿も印象的だった。
いのち短し 恋せよ少女(おとめ)
朱(あか)き唇 褪(あ)せぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日の月日は ないものを
今は胃がんくらいでは早期発見すれば滅多に死なないが、戦争直後までは死に至る病だった。だから往年の名画のなかで「明日の月日はないものを」が利いてくる。
今公園に行くと老夫婦の散歩ばかりが目立つ。皆仲睦まじい感じだ。朝の散歩だから“訳あり”の散歩はまずない。
冬麗の二人ここには誰も来ぬ 産経俳壇入選
という感じの散歩を1度はしてみたいものだ。しかし怖くて出来ない。 

◎中国、朝鮮半島沈静化に動く

◎中国、朝鮮半島沈静化に動く
 北の核保有を認めず
  金正恩は外交・安保で孤立
 読売が12日付社説で北朝鮮の核・ミサイルによる挑発行為について「中国の実質的関与を促したい」と間の抜けた主張をしている。なぜ間が抜けているかと言えば、中国が、北朝鮮の非核化に向けて本格的に動き始めたのを見逃している。中国外務省の朝鮮半島問題特別代表武大偉が10日訪韓して外務省韓半島平和交渉本部長金ホン均と会談、「中国はいかなる場合でも北朝鮮の核保有国としての地位を認定、黙認しない」と金正恩をこれまでになく強く批判したのだ。中国は、ICBMの打ち上げや核実験をやれば見捨てると言っているのだ。これは明らかにトランプが習近平との会談で「中国が役割を果たさないなら我々が単独でやる」と“説得とどう喝”で「行動」を促したことを反映している。空母カールビンソンと横須賀停泊中のロナルド・レーガンに取り囲まれ、中国まで離反して外交・安保両面に渡り北は完全に追い込まれて孤立化した。こうした米中の方針は韓国の大統領選の帰趨に大きな影響を及ぼしつつあり、トップを走っていた親北の「共に民主党」の文在寅が失速しつつあり、戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)容認など保守票を意識した中道・国民の党の安哲秀が世論調査で劇的な逆転となり有利となっている。

 習近平はよほどこたえたとみえる。米中首脳会談から3日後に武大偉を派遣している。それに首相李克強も10日、北京で元衆院議長河野洋平らと会談し「北朝鮮情勢は緩和すべきだ。中国もやるべきことがあるし、中日でも共にできることがある」と日本との連携すら示唆している。明らかに中国は対北政策で金正恩への圧力をかけ始めるという重大な北朝鮮政策の方向を転換した。一面トップ並みの動きだが、日本のマスコミの多くがこの動きを見逃している。韓国中央日報によると武大偉は「北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射のような『戦略的挑発』を敢行する場合、国連安全保障理事会の決議に基づき強力な追加の措置があるだろう」と発言した。両者は①北が追加で挑発すれば、よりいっそう強力な安保理決議はもちろん、制裁と圧力を持続的に強化するべきである②北の非核化のために韓中協力と5カ国(韓・米・日・中・露)の連携が重要だ③韓中は核問題の緊急性・厳重性に対する評価を共有し、北の挑発を懸念して反対するという立場で一致した。
 
 こうした中国の動きは、ひしひしと朝鮮半島に迫る「4月危機」に対して、とりあえずは緊張緩和に動かざるを得ない状況に立ち至ったことを意味する。習近平はトランプとの会談で韓国へのTHAAD配備に懸念を表明しているが、その基本的な立場は維持しつつも、今後金正恩が核実験やICBM実験、さらにはICBMへの核搭載に踏み切れば事態は抜き差しならぬ戦争に突入しかねないという危機感を抱いたのであろう。もともと習近平は金正恩を毛嫌いしているといわれており、就任以来朴槿恵とは会談しても金とは会談していない。しかしこのまま放置すれば第2次朝鮮戦争、ひいては第3次世界大戦まで誘発しかねない事態へと発展しかねない。朝鮮戦争ともなれば最終的には米国主導で韓国による半島統一に向かう事は必定だ。これはなんとしても防がなければならないという考えに立ち至ったのであろう。

 それで武大偉を韓国に派遣したのであろうが、こうした動きは北に対して極めて厳しい威圧になる。問題は中国がこうした動きを背景に北への説得に動くかどうかだ。金正恩を説得するには包囲網だけでは足りない。武大偉は韓・米・日・中・露5か国の連携の必要を提起しているが、これがかつて堂々巡りを繰り返した6か国会議と同じことになる可能性は否定出来ない。やはり中国自らが石油の禁輸などドラスティックな制裁をかけることで北を脅し、金正恩を外交的に屈服させるしか方法はあるまい。習近平がそこまで踏み込むかどうかが当面の焦点となる。
◇大統領選は安哲秀がリードの情勢
 一方で韓国の大統領選はこうした極東情勢を強く反映したものとなりつつある。5月9日の投開票に向けて事実上文在寅と安哲秀の一騎打ちの様相を呈してきた。先月には8.4の支持率しかなかった安哲秀がここ1週間で急速に支持率を上乗せして文在寅を逆転した。8~9日に聯合ニュースが実施した世論調査の結果によると、候補者5者への調査で安の支持率は36.8%で、文の32.7%より4.1ポイント高かった。また候補を2人に絞った場合も安は49.4%で、文の36.2%を13.2ポイントの差でリードした。テレビ朝鮮の調査も安候補が34.4%、文候補が32.2%。2人に絞っても、安が51.4%で、文の38.3%より13.1ポイント高かった。

 この結果がなぜ導かれたかと言えば朴槿恵への反発から「当選したらまず北へ行く」と述べる親北朝鮮の文在寅へと流れた支持が、北による半島危機によって限界を示し、逆に中道とはいえ米国との連携に大きく舵を切った安哲秀に支持が向かったといえよう。とりわけ安哲秀がこれまで反対してきたTHAAD配備を支持する方向に転換したことも、行き場がなかった保守層の支持を獲得し始めたものとみられる。こうした状況は1か月後の投票に向けて加速するような気がする。安哲秀が勢いを付けたまま投票に突入する公算が大きい。しかし、最近の選挙はトランプ当選を誰も予想しなかったように「魔物」が潜んでいる可能性もあり、断定は出来まい。


深読み = 電光石火のシリア・ミサイル攻撃

深読み = 電光石火のシリア・ミサイル攻撃
軍事戦略はトランプの手を離れた?
安保政策研究会理事長 浅野勝人

アメリカの外交政策を陰で牛耳っているのは、国務省、国防省、各情報機関の首脳級経験者に極く一部の新旧国会議員を加えた数十人からなるエスタブリッシュメントとみられています。共和党主流派が中心ですが、民主党にまたがって構成されており、ソ連の怖さを知り尽くしている「反ロ路線」が共通項です。もちろん、今でも主要官庁に手足となる有能な現役を多数持っています。

大統領選挙では、反ロ強硬派のヒラリー劣勢が伝えられた折からトランプに対する警戒感を強め、とりわけトランプ側近のロシア接近情報に神経を尖らせていました。

イスラエル紙「イェディオト・アハロノト」は、テルアビブで開かれたアメリカとイスラエルの諜報機関の秘密会議の席上、(2017/1月)アメリカ側が「トランプ大統領がロシアとの不適切な関係を結ばないことが立証されるまで」という条件付きではありますが、「イスラエルの入手した機密情報をホワイトハウスと国家安全保障会議(NSC)に提供するのは中止してほしいと要請した」と報じました。イスラエル側も「対ロシア政策の変更に伴う、ロシアやイランへの機密情報の漏洩」に懸念を示し、双方からトランプ大統領のホワイトハウスに対して異例ともいえる不信感が表明された模様とのことです。(月刊誌・選択)

まもなく大統領側近の国家安全保障問題担当マイケル・フリン大統領補佐官がロシア要人から金品を受け取った廉(かど)で更迭されました。後任には共和党主流派の信任の厚い、ハーバート・マクマスター陸軍中将が送り込まれました。湾岸戦争の英雄、マクマスターはトランプとは一面識もない軍首脳の切れ者で、なんでも大統領執務室の隣室にオフィスが用意されたと伝えられています。まるでエスタブリッシュメントから送り込まれた外交・安保政策に関するトランプの監視役みたいです。

さらに4月5日、トランプ最側近のスティーブ・バノン首席戦略官兼上級顧問が外交・安保・軍事政策の最高決定機関、国家安全保障会議(NSC)の常任メンバーから外されました。
トランプは、1月、バノンをNSCの常任メンバーに加えた際、オバマ時代にはメンバーだった統合参謀本部議長(ジョセフ・ダンフォード前海兵隊総司令官)、国家情報長官を除外しましたが、右腕のバノン外しと入れ代わりにダンフォード議長とコーツ長官は復帰しました。どうやら軍官僚の経験がなく、軍事戦略知識に乏しいトランプ大統領は、この流れに乗らざるを得なかったものとみられます。

この状況から判断すると、アメリカの安保・軍事政策は、軍最高の実力者だったマティス国防長官とマクマスター大統領補佐官を軸とする戦闘実戦を体験してきた軍首脳陣が仕切る体制になったものとみて間違いないでしょう。

従って、シリア政府軍の化学兵器空爆に対するシャイラット空軍基地へのミサイル攻撃の手際のいい、且つ、自制の効いた決断(4/4日、化学兵器空爆。6日、ミサイル報復攻撃)はプロの判断と推測されます。
☆禁じ手の化学兵器を使って、サリンを撒き散らしたアザト政権に巡航ミサイルを60発叩き込んでも、同盟国の支持は得られる。むしろ評価される。
☆ロシアとイランに対する絶妙な警告の機会になる。
☆北朝鮮への牽制と厳格な北朝鮮対策を中国に促す効果がある。

おそらくトランプは、プロの判断を即刻承認し、攻撃の時期について、習近平との米中首脳会談の最中にぶっ放す政治ショーを提案して、大統領主導による攻撃決定を演出したデモンストレーションだったはずです。

余談ですが、私は、2006年6月、外務副大臣の折、第一次安倍内閣の方針に従ってダマスカスを訪れ、アサド大統領と70分間会談した経験があります。
シリアの政権は、イランと同じシーア派の仲間のアラウィ派です。アサド大統領はイランと手を組んで中東における反米・親ロの強固な基盤を築いてきました。日本からゴミ収集車を60台無償援助する機会にアサドと会って、パイプ作りのきっかけにするのが目的でした。
バッシャール・アサドは、ロンドンで眼科医をしていましたが、後継者のお兄さんが交通事故でなくなったため、呼び戻されて大統領になった人です。話しながら絶えず笑みがもれ、反米一辺倒の路線修正に触れても聞き耳を立ててくれました。眼科医らしい温和な人柄に好感が持てました。

今日、TVインタビューで視たアサド大統領の顔つきは、目が吊り上がって、サリンを無差別爆撃に使った醜悪な人相に映り、私には別人のように見えました。アサド家2代、半世紀に及ぶ独裁支配の強権体制の維持が人相を変えてしまったのでしょうか。

シリア・ミサイル攻撃に関連して、日本にとって重要な事柄はアメリカの北朝鮮に対するビヘイビアです。
私は、アメリカは北朝鮮には軽々な軍事行動はしない。むしろ極めて慎重に対応するとみています。
シロウト大統領と異なり、プロは戦闘の怖さと損傷の実態を熟知していますから、北朝鮮の中距離ミサイルを1基残らず瞬時に破壊できる情報管理と実戦体制が整わない限り、韓国、日本の安全確保が危ういことを承知しているからです。
その意味では、マティス~ダンフォード~マクマスター軍首脳ラインの見解で決まるSECは、総合的勝算を優先して無謀な行動は避け、安定的に機能すると私は安心感を持っています。


ただ「北」は、何をするかわからない無法者の坊ちゃんが相手です。
「シリアは核を持っていないからやられた。我々はシリアとは違う。さらに核攻撃能力を磨いて、アメリカを返り討ちにする」と談話を発表しています。
北朝鮮の狂気が収まるまでの期限付きで、造らず、持たずの非核2原則への転換が必要かもしれません。緊急事態の核の持ち込みに厳格に限定すれば、「日本の核武装警戒論」が根底に存在するアメリカ・エスタブリッシュメンの虎の尾を踏むことにはならないでしょう。(元内閣官房副長官)

◎俳談

◎俳談
【黄昏レンズ】
三夕(さんせき)の歌とは『新古今和歌集』に並ぶ「秋の夕暮れ」を詠んだ三首の和歌をいう。日本人なら「三夕」と聞いただけで、そこはかとなき哀愁を感ずる名歌だ。寂蓮(じやくれん)の
寂しさはその色としもなかりけりまき立つ山の秋の夕暮れ
西行の
心なき身にもあはれは知られけり鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮れ
藤原定家の
見渡せば花も紅葉(もみぢ)もなかりけり浦の苫屋(とまや)の秋の夕暮れ
の三首。『新古今和歌集』の代表的な名歌である。今年も夕方の俳句に挑戦しようと思う。
鳧(けり)の子のけりつと鳴ける日暮れかな 東京俳壇入選
既に画壇には三夕どころか、「無数の夕刻」を表現した版画家がいた。川瀨巴水(はすい)だ。別名「黄昏(たそがれ)巴水」と呼ばれたほど、郷愁の日本の夕刻を表現し続けた。これを筆者は写真で成し遂げようと、「黄昏レンズ」を入手した。ニコン58mm F1.4だ。フラッシュなど不要の「黄昏専門レンズ」と名付けている。これで黄昏の東京を撮って歩くつもりだ。俳句も黄昏、写真も黄昏。人生の黄昏時にふさわしいテーマの追求だ。
日の落ちてとっぷり暮れて十三夜 産経俳壇入選
写真は破水の版画と写真とのコラボ。破水の版画にも傘を差している人が見られる。

◎トランプは韓国への核配備に本気のようだ

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◎トランプは韓国への核配備に本気のようだ
  日本は非核三原則論議再燃か
 米中会談はきわどいやりとり
 日本の報道では何やら歯切れが悪く平行線をたどった米中首脳会談であったように見えるが、トランプと習近平の間では北朝鮮の核ミサイル対策でかなり激しいやりとりがあったようである。より深刻な対応を迫られている韓国の報道を見れば、トランプは戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)配備について習近平に対して「韓国に対して報復措置を取らないように求めた」(東亜日報)という。これに対し習近平はTHAAD配備に反対するとともに、米韓軍事演習について「軍事的圧力を停止すべきだ」と逆襲している。かなりきわどいやりとりである。一方、トランプが「中国がやらなければ米国が独自の行動について準備が出来ている」と伝えたことについて、軽佻(けいちょう)浮薄なる民放テレビのコメンテーターらが「すわ軍事行動」とばかりに騒いでいるが、そうとは限るまい。軍事行動の前に行いそうな最大の一手は、韓国への戦術核配備であろう。韓国に核配備する以上、トランプが日本にも有事の際の核持ち込みを求める可能性がないとは言えまい。極東情勢の激変で非核三原則の是非について、国会での議論が再燃する可能性もある。
 首脳会談を経て米国はここ当分は中国の北への動きを注視することになるだろう。会談のポイントはトランプが習近平の尻をたたいたことにあるからだ。米中首脳会談を狙ってシリアへの巡航ミサイル攻撃を断行、国家安全保障会議(NSC)に韓国への核配備を提言させるなどどぎつい対中圧力を展開したトランプは、中国がこれに促されて北に対して行動を起こすかどうかを見守るのだろう。起こさなければ、矢継ぎ早に対策を打つだろう。既に下院が可決した北のテロ支援国家再指定を実行に移し、北と取り引きする第3国の企業・個人への制裁、同盟国のミサイル防衛網の整備などをちゅうちょなく打ち出すであろう。そしてその白眉とも言えるものが韓国への戦術核の再配備である。
 トランプは就任後国家安全保障チームで韓国に核を配備して北への“劇的な警告”を行うことを検討してきた。これを習近平の訪問を待っていたかのようにNBCテレビにリークして「米国家安全保障会議(NSC)が在韓米軍への核兵器の再配備をトランプ大統領に提案した」と報じさせた。グアムに配備している戦略核はミサイルや爆撃機でいつでも使用できるから、韓国への配備を検討するのは戦術核であろう。戦術核とは局地戦で使用するもので、戦場単位で通常兵器の延長線上での使用を想定した核兵器である。かつて在韓米軍は核弾頭を装着できる地対地ミサイル「オネスト・ジョン」と280ミリ核大砲、空中投下核爆弾、超小型破壊用特殊核爆弾などを搬入した。しかし、冷戦終了への流れがはっきりしてきた1991年、ジョージ・ブッシュが軍縮計画に添って、これらの戦術核兵器を朝鮮半島から撤収した。現在、北大西洋条約機構(NATO)では、5ヵ国の米空軍基地6ヵ所に戦術核兵器約150~200個が備蓄されている。核兵器の再配備先としては、ソウル南方にある烏山(オサン)空軍基地が候補に挙がっている。タイミングとしては金正恩が6回目の核実験をやった直後かもしれない。
 トランプのNSCは、金正恩の臆面もないミサイル打ち上げと核開発で、極東が核危機の状況になりつつあると見ており、韓国への核配備は戦略上も欠かせなくなってきたと判断したようである。韓国内は5月9日の大統領選挙に向けて保革伯仲の戦いが展開されているが、この戦術核配備が争点になりつつある。「核武装」すら主張する与党保守勢力は歓迎しており、文在寅など野党候補は反対している。選挙結果は配備に影響するかもしれないが、トランプは選挙に関わりなく配備する構えのようだ。
 こうして昔懐かしい核の傘論や非核三原則論が日本でも活発になるだろう。「造らず、持たず、持ち込ませず」の非核3原則は佐藤内閣時代から「国是」となっている。佐藤栄作は1967年衆院予算委員会で「核は保有しない、核は製造もしない、核を持ち込まないというこの核に対する三原則のもとにおいて日本の安全はどうしたらいいのか、これが私に課せられた責任でございます。」と答弁、非核三原則を表明した。2006年には安倍が衆議院予算委員会で「我が国の核保有という選択肢は全く持たない。非核三原則は一切変更がないということをはっきり申し上げたい。」と堅持を表明している。
 重要なのはこの非核三原則があるかぎりアメリカは安心であるということだ。なぜなら「造らず」「持たず」があるかぎり日本の核武装はなく、米国の世界戦略は安泰であるからだ。経緯を知らないトランプが「持ち込みくらいいいだろう」と言い出さないとも限らない。しかし非核三原則は一体であり、持ち込むとなれば大きな反核闘争を巻き起こし、死に体のようになっている民進党と、共産党を利するだけということになる。よほどの有事になれば別だが、今のところは平時だ。平時に波風を立てる必要はない。有事にはどさくさに紛れて持ち込むことも可能だ。


◎俳談

◎俳談
【駄句の山にはダイヤが光る】
 「子規は自分の俳句をおろそかにしなかった。『金持ちは一銭でも無駄にしない』と言ってね。どんな句でも捨てないで書きとめていましたよ」。子規の高弟・高浜虚子の言葉である。
子規がいかに自らが生み出す俳句のすべてを愛(いつく)しんでいたかを物語る。確かにそうだ。拙句もその名の通りつたないものがほとんどだ。しかし、パソコンには駄句が「俳句命」のフォルダーに山ほども蓄えてある。新聞に採用されなくても一年後には作り直して投句するのだ。
恐ろしき昭和を見たり昼寝覚(ひるねざめ) 朝日俳壇1席
は当初
恐ろしき昭和を見たり明易し
だった。明け方の夢を詠もうとしたのだ。しかし昔日の日本兵がテレビで「昼寝をしてもビルマのジャングルの夢を見る」と述べていたのを聞いて、打座即刻に「昼寝覚」とした。駄句がダイヤモンドに変わった瞬間である。
 恐らく子規も書き留めておいた句を、時々引っ張り出して推敲していたに違いない。今はパソコンにしまっておけば、「検索一発」で昔の駄句が出てくる。

◎度肝を抜かれた習近平、プーチン、金正恩ーシリア空爆

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◎度肝を抜かれた習近平、プーチン、金正恩ーシリア空爆
  トランプ起死回生の世界戦略に成功
 北への戦略応用は容易ではない
 一挙に米国のリーダーシップを回復させ、四方八方に目配りしたこの見事な世界戦略は、トランプの立案とは思えない。おそらく国家安全保障担当大統領補佐官マクマスターが国家安全保障会議(NSC)をリードして成し遂げたに違いない。解任されたマイケル・フリンの後を継いだマクマスターは政権のダークベイダー・スティーブン・バノンをNSCから追い出したが、この“政変”もシリアをめぐる中東政策の違いが原因ではないかと思えるくらいだ。シリア空爆をあえて「見事な世界戦略」と形容するのは、フロリダで会談中の習近平、シリアに存在感を増すプーチン、増長の極みの黒電話の受話器ヘアの金正恩の度肝を抜いたからである。加えて35%まで落ちたトランプ支持率を大きく押し上げる効果も生じよう。なぜならアサド政権への攻撃は道徳的な側面が強く、米国民の好きな正邪の戦いでもあるからだ。まさに八方にらみ、一石四鳥の世界戦略である。朝日は8日付け社説でミサイル攻撃を「無責任な単独行動」と相変わらず唯我独尊的に批判しているが、放置すればアサドは図に乗って毒ガスをばらまく。それでいいのか。首相・安倍晋三がトランプの決断を支持したのは全く正しい。読売も社説で安倍を支持している。
 度肝抜かれのナンバーワンは習近平であろう。華麗で和やかなる晩餐会は東部時間午後8時から9時半まで続いたが、事もあろうにトランプはその最中の午後8時40分にトマホーク巡航ミサイル59発をシリアのシャイラート飛行場へと発射するよう指示していたのだ。トランプがこれを習近平にささやいたかどうかは分からないが、おそらくささやいていないだろう。なぜなら空爆の成功を確認できないうちに、言えることではないからだ。トランプが発表したのは空爆成功を確認した食事後であり、習近平はその前後に知らされた可能性が高い。もともとシリア政府軍攻撃は急ぐ話ではなかった。2日や3日遅れても問題が生ずる話ではない。従ってトランプは“わざと”晩餐の時を狙った可能性が高い。まさに巧妙なる“作戦”に、習近平はこけにされたことになる。トランプのアッパーカットを食らって、今日の米中首脳会談までに態勢を整えるのに懸命の有様が目に浮かぶ。
 次に度肝を抜かれたのはプーチンだ。プーチンはトランプを大統領選挙で陰から助けたといわれており、対露強硬路線のクリントンが政権を担わないでほっとしていたところだろう。イランとともにシリア内戦に介入して、冷血動物のようなアサドを支持し、アサドがサリンのような神経ガスや塩素ガスなどの化学兵器を使ったことを否定してきた。プーチンはトランプが親露である以上、一挙に攻撃には出まいと誤算していたのだ。しかし、プーチンの主張とは逆にミサイル攻撃が、化学兵器による爆撃の拠点となったシリア中部のホムス空軍基地に限定されたのは、米国が空撮などの動かぬ証拠を握っているからだという説が強い。米国務長官ティラーソンは来週訪ロするが、これに先立って「米露関係がどのような方向に進むかはロシア側から聞く内容次第」とすごんでいる。ニューヨークタイムズはティラーソンがプーチンに会うと報道しているが、外相ラブロフだけとなるかははっきりしない。いずれにせよプーチンは、あくまでアサドをまもるか、米国との関係を考慮するかの選択を迫られる形だ。米露が対立すれば内戦はより複雑化して長引くだろう。
 一方、超度肝を抜かれたのは北の黒電話ヘアだろう。ヘアが逆立ったかもしれない。金正恩は、「戦略的忍耐」と称して優柔不断だったオバマしか知らないから、トランプになってからもミサイルの打ち上げを続け、6回目の原爆実験も準備している。金はトランプが安倍に「全ての選択肢がテーブルの上にある」と、軍事行動示唆の発言しても実感を伴って理解出来ないでいたのだろう。しかし、巡航ミサイル59発の威力を映像で目の当たりにして、金正恩は隠れ家の地下壕をより深く掘れと命じたかもしれない。自民党副総裁・高村正彦はNHKに「『無法国家』にアメリカの決意を知らせることになり、『無法』ができなくなるということが考えられる。その反面、北朝鮮が、『シリアは核を持っていないから攻撃された』と、ますますミサイルや核が必要だと考えるかもしれない。トランプ政権はオバマ政権と違い、レッドラインを越えたと思えば思い切ったことをやるというメッセージが、『無法国家』を抑制させる効果が出ればいい」と述べ、看破している。高村の言うとおり国内的には核開発の口実になり得るが、実体的には相当の抑制効果となる可能性が大きい。
 しかし、トランプの世界戦略がマクマスターによって動かされている限りにおいては、米国がアサド政権に対するように北朝鮮への奇襲攻撃を軽々に断行するかについては疑問がある。なぜならマクマスターの戦略のプロとしての思慮分別が強く働くからだ。というのもソウルは北の報復砲撃によって火の海になるし、傲岸不遜にも金正恩は日本の米軍基地をミサイル攻撃の標的にすると公言している。特に東京周辺の基地にサリンを積んだミサイルで攻撃をかけられれば、被害は甚大だ。日本国内でトランプに対する怨嗟の声が澎湃(ほうはい)と起こり、野党は鬼の首を取ったように矛先を安倍政権に向けるだろう。ただまだ核ミサイルを保持していない現段階での北朝鮮攻撃は最後のチャンスとも言える。その場合も、北の反撃が出来ないように一挙に800カ所もの拠点を壊滅的に攻撃しない限り、日本がミサイル攻撃を受ける可能性がある。問題はそれを米国が出来るかどうかだ。外交的にはカギを握る中国が、シリア攻撃を目の当たりにしてトランプに同調するかどうかだが、習近平はしたたかであろう。まるでキューバにソ連が核ミサイルを持ち込もうとした「キューバ危機」のような様相が北東アジアで展開されるかもしれない。その場合秋田での避難訓練が大都会でも行わなければならなくなる可能性がある。


青森県に初の女性首長が誕生! 浅野勝人

青森県に初の女性首長が誕生! Name:浅野勝人 NEW! Date:2017/04/03(月) 12:16 
 
家系の血は争えぬ!
青森県に初の女性首長が誕生

安保政策研究会理事長 浅野勝人

青森県の外ヶ浜町といっても見当がつかないでしょう。
石川さゆりのヒット曲「津軽海峡冬景色」に「ごらんあれが竜飛岬(たっぴみさき)北のはずれと、見知らぬ人が指をさす」と唄われた竜飛岬(正式には龍飛崎)のある町といえばおおよそ土地勘とイメージが浮かぶでしょう。

人口6,600人、3,000世帯余りの半農半漁の町に県内現職首長最年少の女性町長が誕生しました。女性首長は青森県では初めての“春の珍事”だそうです。

何が起こったかといいますと、3月26日(2017年)投票、即日開票の東津軽郡外ヶ浜町長選挙で、直前に会社員を辞めて出馬した、35才、無所属新人の山崎結子(ゆいこ)候補が、4選をめざした79才の現職町長との一騎打ちに大差で勝利しました。

有権者  5,855人
投票率  78.91%
山崎結子 2,891票
現職町長 1,700票

人口の90%近くが有権者の若者不在の町で1,191票の差ですから、
多くの年寄りが35才を支持した結果です。
山崎結子を支持したパート女性(70)が「このままではいけないという町民の危機感が票にあらわれた」と述べたと河北新報は伝えています。

選挙戦は、町議会議員11人のうち7人が現職町長支援議員団を結成し、建設業者の団体、町職員組合などを結集させた組織戦 vs 個人戦の争いでした。もっともシロウト集団の山崎選対に、町政刷新に共鳴した町長派の中心的存在だった地元選出県議会議員、自民党青森県連幹事長が後援会長として加わりました。現職町長の側には、長男の県議会議員、自民党青森県連総務会長が陣取っていますから、保守分裂選挙の様相となりました。どこの地方にもしばしば見られる光景です。

町政の継続か、刷新かの争いは、山崎候補の「しがらみのない町民ファースト」の訴えが、ベテランによる長期政権を嫌った有権者に入れられて組織選挙体制を寄せ付けませんでした。
新町長は「覚悟と重責を感じ、身が引き締まる思い」と述べていますが、選挙中の公約、例えば、町の基幹産業である水産業の立て直し。
養殖ホタテの貝殻やウロ(内臓)の処分などに具体的な解決策を提示する責任を負っています。

実は、山崎結子は前参議院議員、元総務副大臣、山崎力の次女です。新町長の父親、山崎力は安保政策研究会の理事で、わたしたちの仲間でもあります。
私がNHK政治部記者の頃から懇意だったのは祖父に当たる山崎竜男参議院議員でした。環境庁長官(大臣)になったのですが、国会議員を振り切って青森県知事選挙に出馬し、落選して政治生命を失いました。当時、私は電事連(電気事業連合会)を敵に回して勝ち目の薄い選挙に出るのを思い止まるよう懸命に説得したのですが、原子力発電の推進と核燃料サイクルの確立をめざす電事連が県政に癒着するのを許容できず、無所属で出馬して討ち死にしました。

知事選挙にこだわったのは、青森県知事だった父親の山崎岩男への強い思いがあったからでした。山崎岩男は、新町長の結子さんの曽(そう)祖父(そふ)(広辞苑:ひいじじ)に当たりますが、知事2期目の途中、志し半ばにして病気により退陣のやむなきにいたった無念を晴らしたかったのではないかと察せられます。

教員あがりの曽祖父・山崎岩男は、34才で県議選に出て惜敗します。戦前のこととはいえ、リヤカーを選挙カーに仕立てて戦ったそうですが、お金がなくて法定はがきを有権者に配れなかったのが敗因でした。
2度目の挑戦で県議となり、戦後初の第1回衆議院議員選挙(1946/4月)に駒を進めて当選。5期連続当選しましたが6期目に落選。知事選挙の公認が得られず、県内8人の国会議員を敵に回して無所属で立候補。見事に当選して戦後2人目の民選青森県知事となりました。

医師だった祖父・山崎竜男は、参議院青森地方区、衆院選青森1区と2度落選したのに諦めず、3度目の挑戦で当選し、末は大臣になりましたが、無謀な知事選挙に敗れて引退しました。

読売新聞の父・山崎力は、参議院青森地方区で2勝2敗。去年夏の選挙に惜敗しました。一族の負け数の多さは、私の現役時代と同じです。
山崎力が落選して、もう選挙とは縁が切れたと思っていた矢先に4代目の登場です。
山崎力から「次女が竜飛崎のある町の町長選挙に出る。準備の最中」と連絡をいただき、選挙に憑(つ)かれた山崎一家の伝統を継ぐ人材の存在を知ってビックリしました。
「家族に選挙やるような子がいるなんて知らなかった。何をしていた娘さん?」
「青森の水産会社の社員。35才です」
「町長選挙の相手はどんな人」
「4選を目指す79才の現職町長。最初に選挙しただけであとは無競争。結子は無風選挙を断つ。生き生きとした町政を実現すると意気込んでいます」
「オヤジよりしっかりしている。そりゃ、お嬢が勝つ。しかも圧勝するねぇ」

その通りになりました。
血は争えないとはよく言ったものです。脱帽!
(元内閣官房副長官)