So-net無料ブログ作成

アマゾンで定価販売が始まりました

DSC_3554.jpg

*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°

【アマゾンで定価販売が始まりました】

 皆様、いつもご愛読有難うございます。ご健勝のこととおよろこび申し上げます。さて私ども、このほど「新聞俳句入選のコツ」を所属の安保政策研究会より出版いたしました。日々の「俳壇」をまとめたものでございます。所属する安保研の5周年記念として上梓しました。元官房副長官・浅野勝人氏から「新しい随筆の分野」とご高評をいただいております。ご一読をお願い申し上げます。中古本を倍以上の高値で販売していたアマゾンでもようやく1944円の定価販売が始まりました。品薄で若干遅れるかも知れませんが、注文は可能になりました。
                     杉浦正章拝


◎杉浦正章理事の 「新聞俳句入選のコツ」 を推薦します。
まさに現代版「徒然草」の面白さ!
安保研理事長 元内閣官房副長官   浅野勝人
  安保研理事・杉浦正章元時事通信編集局長による「新聞俳俳句選のコツ」は、新聞俳句入門書であると同時に現代版「徒然草」とも言うべき高度の随想録としての特色を持っています
通常年寄の作った句集は正直言って「犬も食わない」で、そっぽを向かれる類いが多いのですが、杉の子の俳号を持つ杉浦理事は句歴30年、新聞投句は20年、入選句は何と1000句余り。
その俳句を挿入しつつ、「心にうつりゆくよしなし事を」生き生きした文体で書き留めた随筆は、実に説得力があり、人の琴線に触れる文章力があります。「ついつい徹夜で読んでしまった」という友人がいるほど面白いのです。
例に引く芭蕉や蕪村らの俳句も、随想に見事にマッチし、新しい随筆の分野を創出しております。新聞俳句を志す人は、楽しく読んでいるだけで、投句力が身につくこと請け合いです
既に杉浦理事は日々の政治評論で見事な洞察力を見せており、知る人ぞ知る政治評論家です。是非ご購読をお勧めいたします。 2016年5月22日 19:00  浅野 勝人
☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°・°☆:*:・°


◎俳談

◎俳談
【外来語対古語】
片蔭のデジャビュの辻を曲がりけり     朝日俳壇選一席
   フランス語のデジャビュとは未体験の事柄であるはずが、過去にどこかで体験したことがあるかのような感覚を覚えること。日本語の既視感である。大学生への調査では72%が経験があると答えた。訪れた経験のない浅草のある曲がり角をどうしても過去に見た気がして作った。片蔭は夏の季語で、夏は影を選んで歩くことから派生した。この句のポイントはデジャビュウという洒落た外来語に「辻」という古い余韻のある言葉を合わせたこと。「角」では絶対に入選しなかったであろう。

◎THAADと判決で中国一段の孤立化

3ren3ww.jpg

【筆者より明日から第1次夏休みに入ります。都知事選前には浮上する予定です】
◎THAADと判決で中国一段の孤立化
 極東は日米中Vs中露北の冷戦構図
 矛盾の語源は韓非子にある。「どんな盾も突き通す矛」と「どんな矛も防ぐ盾」を売っていた楚の男が、客から「その矛でその盾を突いたらどうなるのか」と問われ、返答できなかったという話に由来する。しかし米韓両国が13日韓国南部の星州郡に配備すると公表した「盾」の「THAAD(サード)」は北朝鮮ミサイルの「矛」を通さないばかりか、レーダーで北京を飛ぶカブトムシすら見える透視能力を持ち、ミサイル撃墜の「矛」となる。ただでさえ日米韓が優位に立っていた極東の軍事情勢を、圧倒的な有利に導くものでさえある。北の核ミサイル第一撃をTHAADでかわせば、後は北の滅亡があるのみと言う戦略上の激変を極東にもたらす。
 さらなる米国の戦略的目標は、中国・ロシアを念頭に置いた極東の軍事バランスの優位確立にある。とりわけ南シナ海で仲裁裁判所判決によって中国封じ込めへの「矛」を入手した米国は、THAADにより東シナ海、極東でも封じ込めを可能とした。この結果南シナ海→東シナ海→日本海と続く第一列島線で対中、対露封じ込めの構図が描けることになるのだ。
 こうした図式を察知した中国はロシアを巻き込んで猛反発の連打を打ちまくっている。まず習近平とプーチンは先月25日の会談における共同声明で「THAADは地域の国々の戦略的な安全と利益に深刻な害をもたらす」と噛みついた。外相・王毅も「サードの配備は朝鮮半島の防衛上の需要を遙かに超えるものであり、どのように弁明しても無力だ」と発言した。
 それではこの高高度防衛ミサイルシステムの能力はどのようなものなのだろうか。従来、韓国も日本もパトリオットPAC-3などのミサイルに頼っていた。しかしパトリオットのシステムは、比較的小規模で展開しやすいかわりに、射程が短いため、高速で突入してくる中距離弾道ミサイルなどへの対処が難しかった。このため、パトリオットよりも高高度、成層圏よりも上の高度で目標を迎撃するために開発されたのがTHAADである。在韓米軍に配備されるTHAADは1個部隊で、発射台6基とミサイル48発などで構成される。高度150キロでの迎撃も可能だ。注目点はTHAADで配備されるXバンドレーダーである。通常は600㌔、機能を拡大すれば1800キロの範囲まで探知が可能とされる。このレーダーは、すでにグアムや京都府と青森県にも配備されている。
 興味深いのは当初は対中関係を考慮してTHAAD配備をためらっていた朴槿恵が、なぜ習近平を捨てるかのように導入に踏み切ったのだろうか。その第一には北への恐怖心がある。北の最近の核・ミサイル実験はすさまじく、とりわけ中距離ミサイルムスダンの実用化が間近になってきている。にもかかわらず中国は、事実上国連決議などは無視して北の開発を野放しにしており、朴はようやく習近平が頼りにならないと分かったのだ。
 次に経済関係で中国に大きく依存してきた韓国は、最近の中国の長期経済低迷で拡大が期待できなくなった事があげられる。貿易も日米を軸に多様化した方が良いと考えたのだろう。こうして朴槿恵は昨年末の慰安婦合意で対日関係を是正し、対中蜜月を放棄して対米関係復活に大きくかじを切ったのだ。米国にしてみればもともとTHAADの配備は、韓国と中国を分断する絶好の道具としての意味もあり、朴槿恵に“踏絵”を迫り続けたのだ。今後は日米韓の一層の連携強化に向けて米国はリードするだろう。
 こうしてTHAADは来年末までに配備されることになった。米国の狙いは対中、対露戦略が絡む。THAADは北京やハバロフスクはもちろん遠くは西安から南は上海までXバンドレーダーでお見通しとなる。軍隊の動き、人員配置などが手に取るように分かってしまうのだ。この相手に見られているが相手の様子は分からないという状況は、国の安保防衛にとって極めて不安感を強くする。このため極東のパワーバランスの変化に対応するため中国、ロシア、北朝鮮の3国は接近せざるを得ない状況に立ち至った。
 とりわけ習近平は北の刈り上げ頭のあんちゃんを毛嫌いしているが、今後は関係改善に動く可能性が強い。観測筋の間では7月27日の、朝鮮戦争休戦協定署名63周年に向けて接近の動きが生ずるとの見方がある。北のあんちゃんは、自分への中国のニーズが生ずる事になって、笑いが止まらない状況かも知れない。自分が行っている、核とミサイルの実験の効果が思わぬところから出てきたと愚鈍にも鼻高々かもしれない。実際にも、金正恩体制は早期崩壊がないことにもなる。こうして日米韓と中露北の対峙は、筆者が前から指摘している極東冷戦の構図を一層深めてゆくものとみられる。


アマゾンで定価販売が始まりました

*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°

【アマゾンで定価販売が始まりました】

 皆様、いつもご愛読有難うございます。ご健勝のこととおよろこび申し上げます。さて私ども、このほど「新聞俳句入選のコツ」を所属の安保政策研究会より出版いたしました。日々の「俳壇」をまとめたものでございます。所属する安保研の5周年記念として上梓しました。元官房副長官・浅野勝人氏から「新しい随筆の分野」とご高評をいただいております。ご一読をお願い申し上げます。中古本を倍以上の高値で販売していたアマゾンでもようやく1944円の定価販売が始まりました。品薄で若干遅れるかも知れませんが、注文は可能になりました。
                     杉浦正章拝
DSC_3554.jpg
 ◎杉浦正章理事の 「新聞俳句入選のコツ」 を推薦します。
まさに現代版「徒然草」の面白さ!
安保研理事長 元内閣官房副長官   浅野勝人
  安保研理事・杉浦正章元時事通信編集局長による「新聞俳俳句選のコツ」は、新聞俳句入門書であると同時に現代版「徒然草」とも言うべき高度の随想録としての特色を持っています
通常年寄の作った句集は正直言って「犬も食わない」で、そっぽを向かれる類いが多いのですが、杉の子の俳号を持つ杉浦理事は句歴30年、新聞投句は20年、入選句は何と1000句余り。
その俳句を挿入しつつ、「心にうつりゆくよしなし事を」生き生きした文体で書き留めた随筆は、実に説得力があり、人の琴線に触れる文章力があります。「ついつい徹夜で読んでしまった」という友人がいるほど面白いのです。
例に引く芭蕉や蕪村らの俳句も、随想に見事にマッチし、新しい随筆の分野を創出しております。新聞俳句を志す人は、楽しく読んでいるだけで、投句力が身につくこと請け合いです
既に杉浦理事は日々の政治評論で見事な洞察力を見せており、知る人ぞ知る政治評論家です。是非ご購読をお勧めいたします。 2016年5月22日 19:00  浅野 勝人
☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°・°☆:*:・°

◎俳談

◎俳談
【台所俳句】
玉葱に涙などして暮らしゐる 産経俳壇1席
 男といえども退職すれば厨房に入ることも多い。時には本格的な料理にも手を出す。従って台所は句作の材料に事欠かないのだ。掲句はタマネギを切って涙が出たのをとらえた。中村汀女(なかむらていじょ)の句に
秋雨の瓦斯(ガス)が飛びつく燐寸(マッチ)かな
がある。マッチの火にガスが「飛びつく」と表現できるのは並大抵の力量ではない。皆飛び付くのは分かっていても、表現に結びつかないのだ。季語を秋雨と置いて、昔の薄暗い台所の情景を思い起こさせる。男子厨房に入り大いに俳句を作るべし。

◎判決でスカボロー礁の駆け引き激化へ

6F1S6250.jpg

◎判決でスカボロー礁の駆け引き激化へ
 中国の南シナ海「面支配」は阻止すべきだ
 中国の「牛の舌」と呼ばれる薄気味悪い独自の境界線「九段線」は「根拠なし」、人口島は「法的な意味なし」では中国の完敗だ。常設仲裁裁判所判決の最重要点は、米中戦略の要衝スカボロー礁をに関して「スカボロー礁周辺のEEZ(排他的経済水域)はフィリピンに属するものであり、オーバーラップしない」と断定したことだ。フィリピンを初め米国や日本の主張を100%認めたことになる。今後埋め立てようとする中国と、これを阻止しようとする米日との間で激しい外交・安保上の駆け引きが展開されるだろう。
 この仲裁裁判所の判決内容には日本が裏側で大きく関与している。中国がこれを事前に察知して外務次官・劉振民が「国際海洋法裁判所の柳井俊二所長(当時)が「意図的」に中国の立場に反対する仲裁人を任命した」と共産党理論誌「求是」に論文を掲載した。国連海洋法条約の規定では、双方の当事者が仲裁人を選定できるが、今回の仲裁裁判には中国が参加を拒否。このためフィリピンが選んだ仲裁人を除き、柳井が任命した。柳井が選定に当たり判決を意識しない人事を行うはずはない。中国が最初から裁判を否定するからこうなったのであり、文句は筋違いだ。このところ国連機関などの従軍慰安婦問題への見解などで負けが込んでいた日本だが、判決に関しては、今後の中国包囲網への最大の根拠となるだけに快挙と言える。
 判決について中国はすでに5日に前国務委員・戴秉国が米ワシントンでの講演で、「ただの紙くずだ」と批判しているが、そのどぎつい表現から逆探知すれば、いかに中国が追い込まれているかを物語っている。中国は弱虫オバマが手をこまねいている間に、向かうところ敵なしのごとく南シナ海での領土拡大を進めてきた。ところが、判決は国際社会から見れば中国に対する頂門の一針であり、これ以上の痛切な戒めはない。しかし中国は表向きは蚊が刺したほどにも感じないそぶりを続けるだろう。国内的に見れば民主主義国と違ってまず問題は生じないだろう。資本主義国の裁判所が我が国の領土領海にいちゃもんをつけているという逆宣伝が中国国民には利くからだ。今後習近平は国内のナショナリズムを煽り、自分の海洋覇権への行動を正当化させようとするし、それは一定の効果を生じさせるだろう。
 しかし国際社会はそうはいかない。むしろ手痛い孤立化の道をたどらざるを得なくなるだろう。日米は機会あるごとに国際世論に訴えると同時に、安全保障上の見地からも一致して対中けん制行動に出ることが予想される。その焦点が冒頭指摘したスカボロー礁をめぐる攻防だ。そもそも中国の南シナ海進出は米国がフィリピンの基地を撤退するという大誤算をした事により発生した。南シナ海に生じた真空地帯を埋めるかのように中国の進出が始まったのだ。既に中国は南シナ海の西方のパラセル諸島と南のスプラトリー諸島を埋め立て、最後にスカボロー礁に食指を動かし始めている。この正三角形になる3点を確保すれば、これまで2か所を線で結んでいた支配海域を面で確保出来ることになる。軍事目的の滑走路はこれを空から強化するためのものに他ならない。
 そうなれば習近平の海洋戦略が成功したことを意味し、三角形が実現すれば中国はここに躊躇(ちゅうしょ)なく防空識別圏を敷設して、南シナ海の実効支配を完成させるだろう。これに待ったをかけつつあるのが、ようやく中国の戦略に気付いた米国だ。第七艦隊による南シナ海へのプレゼンスを強めており、日本も最新鋭潜水艦を派遣するなどけん制行動をとっている。日本にしてみれば南シナ海を中国が抑えれば、その食指は東シナ海、尖閣諸島に向かうことは自明の理であり、スカボロー礁への進出阻止は戦略上不可避のものとなるのだ。
 しかし、判決を紙くずと見る中国がこの戦略を容易に転換させるわけはない。したがって南シナ海は米中軍事対決の様相を一層深めながら推移してゆくだろう。判決は拘束力はあっても強制力はないのである。しかし、判決が中国を「犯罪者」と認定したことは間違いなく、その「犯罪者」に対する行動が、国際世論によって正当化されるという効果は大きい。その効果を一層高めるのが日米を中心とした国際世論での対中包囲網の結成であろう。国際会議の場には困らない。7月末のASEAN地域フォーラムを皮切りに、9月に杭州市で開かれるG20首脳会議と国連総会、秋の東アジアサミットなどで中国の膨張政策への批判を展開して、習近平に自分の行動が世界的にひんしゅくを買っている現実を見せつけなければなるまい。とりわけ中国が初の議長国となるG20の場は注目される。少なくとも習は首脳会議を成功裏に終わらさせるために、当面は融和的に動くだろう。スカボロー礁で居丈高に出れば、主要国首脳が会議をボイコットする事態もあり得る。そうなれば習が一番大事にする沽券に(こけん)に関わるからだ。
 ここで問題になるのがフィリピンの新大統領・ロドリゴ・ドゥテルテの存在だ。国内的には麻薬犯罪人を射殺せよなど、トランプに似て威勢がいいが、外交・安保に関してはど素人だ。アキノに比べて勘所を押さえておらず、対中国外交でも“融和政策”に転じようとしているかに見える。下手をすれば領土主権を放棄してでも中国の援助を選びかねない。指導者としては“卑しい性行”を示している。ここは日米が一致してドゥテルテの説得と取り込みに全力を傾注する必要がある。中国側に取り込まれれば、スカボロー礁は風前の灯となりかねない。 


アマゾンで定価販売が始まりました

*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°

【アマゾンで定価販売が始まりました】

 皆様、いつもご愛読有難うございます。ご健勝のこととおよろこび申し上げます。さて私ども、このほど「新聞俳句入選のコツ」を所属の安保政策研究会より出版いたしました。日々の「俳壇」をまとめたものでございます。所属する安保研の5周年記念として上梓しました。元官房副長官・浅野勝人氏から「新しい随筆の分野」とご高評をいただいております。ご一読をお願い申し上げます。中古本を倍以上の高値で販売していたアマゾンでもようやく1944円の定価販売が始まりました。品薄で若干遅れるかも知れませんが、注文は可能になりました。
                     杉浦正章拝
DSC_3554.jpg
◎杉浦正章理事の 「新聞俳句入選のコツ」 を推薦します。
まさに現代版「徒然草」の面白さ!
安保研理事長 元内閣官房副長官   浅野勝人
  安保研理事・杉浦正章元時事通信編集局長による「新聞俳俳句選のコツ」は、新聞俳句入門書であると同時に現代版「徒然草」とも言うべき高度の随想録としての特色を持っています
通常年寄の作った句集は正直言って「犬も食わない」で、そっぽを向かれる類いが多いのですが、杉の子の俳号を持つ杉浦理事は句歴30年、新聞投句は20年、入選句は何と1000句余り。
その俳句を挿入しつつ、「心にうつりゆくよしなし事を」生き生きした文体で書き留めた随筆は、実に説得力があり、人の琴線に触れる文章力があります。「ついつい徹夜で読んでしまった」という友人がいるほど面白いのです。
例に引く芭蕉や蕪村らの俳句も、随想に見事にマッチし、新しい随筆の分野を創出しております。新聞俳句を志す人は、楽しく読んでいるだけで、投句力が身につくこと請け合いです
既に杉浦理事は日々の政治評論で見事な洞察力を見せており、知る人ぞ知る政治評論家です。是非ご購読をお勧めいたします。 2016年5月22日 19:00  浅野 勝人
☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°・°☆:*:・°

◎俳談

◎俳談
【選句能力】
遠足のパンパカパーンと弁当開け   読売俳壇1席
 句会などではこれほどの句をどうして採らないのかと首を傾げることが多い。掲句の元句は<地震(ない)の子にパンパカパーンと花開く>であったが、1票しか入らなかった。選句能力のある人の1票だった。他は中七の「パンパカパーン」に抵抗があったのだ。筆者も冒険だとは思ったがあえて投句してみたが案の定であった。それではとあちこちの新聞に「パンパカパーン句」を投句した。そうしたら読売が1席で採ってくれた。
芭蕉の<古池やかわず飛び込む水の音>すら修正しようとした弟子がいた。宝井其角にが、「山吹や」がいいのではないかと主張したという。名句が一挙に駄句になる。
 近くの森で遠足の子供たちと出会った。「おはようございますと」礼儀正しかった。150人くらいの行列だった。日本にもまだいっぱい子どもがいるとおもうと、元気が出た。

◎増田Vs小池は91年の鈴木Vs磯村に酷似

0420wwww.jpg

◎増田Vs小池は91年の鈴木Vs磯村に酷似
  謹厳実直と劇場型の戦い
 一見複雑に見える都知事選挙を俯瞰した場合、やはり増田寛也対小池百合子の戦いに収れんするだろう。構図は1991年の自民党分裂選挙である鈴木俊一対磯村尚徳の戦いに似ている。よく言われる1999年の明石康対柿沢こうじの自民党分裂選挙は石原慎太郎が後出しじゃんけんで割って入り当選しているから参考にならない。増田対小池の構図はあらゆる意味で好対照をなしている。組織力対知名度、謹厳実直型対劇場型、組織票対浮動票の戦いの様相だ。6月に自民党が行った世論調査では増田、小池が拮抗し、小池が頭だけ勝っていたが、増田が立候補表明した現在ではどうなっているか興味深い。民主党が突如出した鳥越俊太郎は、4野党で一致すれば台風の眼になり得るが、当選は困難だろう。
 とにかく小池は民放のニュース・キャスター出身だけあってテレビへの露出がうまい。推薦状提出でテレビ、取り下げでもテレビ、記者会見でもパネルを出して訴え分かりやすい。ところが民放テレビは、連日取り上げるが、告示前は一種の小池ネガティブキャンペーンの様相が色濃い。コメンテーターらも小池のパフォーマンスを苦々しげにコメントする。コメンテーターは自らが知的であることを競争で見せ合っているから、「小池劇場」も否定して頭のいいところを見せようとする訳だ。この風潮は小池の狙う浮動票の獲得を困難にするものだろう。
 昔、都知事・美濃部亮吉を選挙で自民党がいじめると、山の手の婦人層が「お可哀想に」と同情して美濃部支持に回ったものだが、自民党はこれに懲りて都知事選では悪者にならない方法を身につけているのだ。その第一が官邸も自民党首脳も都議会も参院選を妨害した小池に、はらわたが煮えくりかえっているにもかかわらず、これを表面に出すことだけは避ける傾向がある。11日も小池が幹事長・谷垣禎一に「自らの処分は党の判断に任せる」と事実上の進退伺いをしたが、谷垣は除名には直ちに踏み切らなかった。なぜかと言えば除名すれば劇場型の仕掛けに、はまってしまうからだ。首を切られれば小池はあのにっくき自民党から首を切られた「可憐な婆さん」を演ずることが出来る。悲劇のヒロインになろうとする作戦なのだ。除名すれば都知事選を左右してきた浮動層、悪く言えば衆愚が反応する。
 小池は当選した場合の公約で都議会解散を打ち出したが、これが大間違い。自治体の長は首相と違って突如伝家の宝刀を抜くことは出来ない。不信任案が議会から上程された場合には解散で切り返すことが可能だが、当選してすぐに不信任案が出るわけがない。小泉純一郎の入れ知恵と言われている。真偽は定かでないが、ありそうな話だ。しかし、無知も甚だしい。
 これに対して増田は意識して謹厳実直さを前面にだした。これまで増田はコメンテーターとして頻繁にテレビに露出しており、露出度は小池より圧倒的に多い。しかし地味であり、派手な言動はしない。その発言は実にバランスがとれており、ハチャメチャなコメンテーターが多い中で、際だって知性的で、本筋を突いた意見を述べる。東大法学部卒にしては、珍しく平衡の感覚を持ち合わせている。したがって増田フアンは多く、組織票に加えて浮動票も増田に流れる可能性が否定出来ない。とりわけ、政治家都知事の醜態で、謹厳実直な官僚型は小池へのアンチテーゼとして作用するものとみられる。自民党は増田以外の候補を応援した自民党員を除名にするという異例の通達を出した。明らかに小池の地元議員が小池に動くのを止めることを目的としている。
 かつてパリ仕込みのキザで売った磯村は、都知事選で銭湯に行って年寄の背中を流すという一大パフォーマンスを演じた。小池の場合は女湯だからカメラを入れるのは難しいが、恐らく似たようなパフォーマンスがないか現在準備中というところだろう。都民にはパフォーマンスをパフォーマンスと感じない民度の層がいて、これが勝敗を決めるということが小池には分かっているのだろう。しかし磯村の場合は逆目に出た。太った素裸が醜悪だったのかかえって女性の反発を買った。鈴木俊一が229万票で、磯村は143万票と大差が開いたのだ。みえみえのパフォーマンスは、三流歌舞伎役者が六法を踏むようで醜悪だから、民衆もすぐに見破る。
 具体的な票分析は世論調査が出ない限り困難だが、参院選挙の自民投票は2人で155万票、これに公明党の74万票が加われば229万票になる。鈴木の取った票の構図と似ている。民進党の参院2人の票は155万票だが、蓮舫の圧倒的な人気に支えられており、民進候補にはここまで出ないだろう。宇都宮健児も根強い支持層があるが、過去2回の100万票近い票は困難だろう。こうして増田と小池を軸に都知事選は展開するが、12日になって民主党がジャーナリスト鳥越俊太郎を擁立する方針を突如明らかにしており、予断は許さない状況だ。 


アマゾンで定価販売が始まりました

*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°

【アマゾンで定価販売が始まりました】

 皆様、いつもご愛読有難うございます。ご健勝のこととおよろこび申し上げます。さて私ども、このほど「新聞俳句入選のコツ」を所属の安保政策研究会より出版いたしました。日々の「俳壇」をまとめたものでございます。所属する安保研の5周年記念として上梓しました。元官房副長官・浅野勝人氏から「新しい随筆の分野」とご高評をいただいております。ご一読をお願い申し上げます。中古本を倍以上の高値で販売していたアマゾンでもようやく1944円の定価販売が始まりました。品薄で若干遅れるかも知れませんが、注文は可能になりました。
                     杉浦正章拝

DSC_3554.jpg

 ◎杉浦正章理事の 「新聞俳句入選のコツ」 を推薦します。
まさに現代版「徒然草」の面白さ!
安保研理事長 元内閣官房副長官   浅野勝人
  安保研理事・杉浦正章元時事通信編集局長による「新聞俳俳句選のコツ」は、新聞俳句入門書であると同時に現代版「徒然草」とも言うべき高度の随想録としての特色を持っています
通常年寄の作った句集は正直言って「犬も食わない」で、そっぽを向かれる類いが多いのですが、杉の子の俳号を持つ杉浦理事は句歴30年、新聞投句は20年、入選句は何と1000句余り。
その俳句を挿入しつつ、「心にうつりゆくよしなし事を」生き生きした文体で書き留めた随筆は、実に説得力があり、人の琴線に触れる文章力があります。「ついつい徹夜で読んでしまった」という友人がいるほど面白いのです。
例に引く芭蕉や蕪村らの俳句も、随想に見事にマッチし、新しい随筆の分野を創出しております。新聞俳句を志す人は、楽しく読んでいるだけで、投句力が身につくこと請け合いです
既に杉浦理事は日々の政治評論で見事な洞察力を見せており、知る人ぞ知る政治評論家です。是非ご購読をお勧めいたします。 2016年5月22日 19:00  浅野 勝人
☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°・°☆:*:・°


◎俳談

◎俳談
【固有名詞を効果的に】
捕虫網立てればスーパーあずさ発つ 東京俳壇入選
 むかし子どもと上高地に行ったときの懐旧句。座席に捕虫網を立てて、蝶々を捕るぞと勇ましく出発だ。固有名詞のスーパーあずさは関東地方では知らない人はいない。日本全域でも結構通用している。だから違和感が感じられないだろうと思って使った。全然通用しない固有名詞を使う句が散見されるが、これは最初から論外だ。普遍性のある言葉が俳句の一番重要ポイントだ。

◎改憲派2/3超の歴史的圧勝

731.jpg

◎改憲派2/3超の歴史的圧勝
 安倍、“9条改憲”「短兵急にやらぬ」
 共産の「自滅発言」が改憲勢力にプラス
 自民党が27年ぶりの単独過半数には届かなかっものの、改憲勢力が戦後初めて憲法改正を発議できる3分の2議席を突破したのだから、これはどう見ても自民党にとって歴史的圧勝であろう。紛れもなくアベノミクスの勝利であり、同時に3年3か月にわたり大失政を繰り返した民主党政権に対するアレルギーが依然根強いことを物語っている。首相・安倍晋三は改憲を選挙の争点にしないまま、改憲に向けての“通行手形”を獲得したが、「短兵急にやるものではない」といきなり「9条改定」に取り組むことはない方針を明らかにした。政権はアベノミクスの仕上げに全力を傾注することになろう。民進共産の野党共闘は一定の成果を上げており、今後総選挙に向けて共闘が持続する可能性は高い。内閣改造は8月にも断行されるだろう。
 単独過半数は辛うじて届かなかったが、改憲3分の2は驚きの結果であろう。安倍は選挙期間中一切改憲には言及せず、自民党も公約には目立たないように掲げ、あえて論争を避けた。自民党の基本戦略はアベノミクスの推進と民共共闘の批判に集中させ、この“2点集中戦略”が奏功した。改憲を前面に出せば必ず票は減るという読みが前提にあったが、これは戦略としては成功した。朝日が11日付社説で「後出し改憲に信はない」と歯ぎしりして悔しがっているが、野党も肩透かしを食らって、改憲批判ものれんに腕押しにとどまった。NHKの出口調査ではアベノミクスを大いに評価8%、ある程度評価48%で合計56%が支持していたことが判明、比例区での投票先の57%が自民党であった。やはり事実上の完全雇用と大企業、中小企業の利益が史上最高という現実が、野党の批判するGDPの不振よりも大きく作用したものとみられる。
 加えて選挙冒頭までは躍進基調であった共産党の幹部が、防衛予算を「人殺し予算」と形容したことをきっかけに、勢いをそがれた事が、改憲3分の2に大きく作用した可能性がある。6月26日の発言後7月上旬の産経の調査では5.7あった共産党支持率が4.5%に急落している。数字は小さいが躍進していた政党が22%の支持率減少となったのは痛い。発言がなかったら3分の2は阻止できていた可能性がある。共産党の目標議席は比例区9議席であったが、比例区、選挙区合計で6議席にとどまった。前回の8議席にも及ばなかった。早くも共産党の躍進に限界が見えてきた。
 それでも民進党が前回の参院選1人区では2議席しか取れず、共闘が実現する前の情勢では数議席しか自民党と互角の勝負が出来ないと予想されていたにもかかわらず、11議席を獲得出来たことは一定の共闘効果があったことを物語る。代表・岡田克也は地元の三重で負けたら責任をとる旨発言した。これは三重選挙区候補の選挙を自らの選挙ににしてしまって当選させるという、苦肉の策だが、結果的には成功した。それでも党内は9月の代表選に向けて混乱が続きそうだ。一方、共産党委員長・志位和夫は「バラバラだったらもっと厳しい結果となっていた。衆院でも持続していきたい」と共闘持続を表明した。岡田は党内右派を念頭に共闘への明言を避けているが、結局独自の戦いでは党勢が弱すぎて勝負にならないことから、衆院でも共闘に乗らざるを得ないものとみられる。共産党は庇を貸して母屋を取る戦略だ。 

 改憲勢力3分の2議席を得た安倍は、「9条改憲」に関しては極めて慎重な姿勢を鮮明にさせた。「この選挙では憲法改正の是非が問われたわけではない」と正直に争点化を避けたことを認め、「今後憲法審査会で議論し、国民的理解が深まる中で、改正する条文が収れんしてゆくことを期待したい」と述べた。これは国論を2分する上に、国民投票で敗れれば政局に直結する「9条改憲」を当面は“主導”しないことを明らかにしたものだ。野党とりわけ第1党の民進党を論議に引き込みつつ、当面は対決姿勢でなく与野党合意のもとで改憲の方向を探ってゆく方針なのであろう。
 改憲勢力が衆参両院で3分の2議席を獲得したことにより、安倍は内政外交でおごらず、重心を低くして「勝って兜(かぶと)の緒(お)を締めよ」の長期政権路線を行くだろう。自民党総裁の任期も2期6年までを3期9年までに延ばす動きが出てくるだろう。国政選挙に4回連続して圧勝した首相は希有の存在であり、国会議員や党員を問わず延長に異論は出にくいだろう。アベノミクスはまさにこれからが正念場である。安倍は選挙結果について「アベノミクスを力強く前に進めよというのが国民の声」と言明した。大型補正など大胆な財政出動も不可避の経済情勢となっている。自民党内では10兆円規模の補正予算を求める声が強い。さらに中国、北朝鮮という軍国主義国家に隣接して、一触即発の状態が長期に続くことも予想される。外交・安保では気の抜けない状況が続く。
 自民党の圧勝で公明党との関係は一層強化されるだろう。公明党票あっての自民党躍進の構図は衆院選挙でも変わりようがないからだ。内閣改造は官房長官・菅義偉と財務相・麻生太郎の処遇が焦点となるが、とりわけ菅は余人を持って代えがたき仕事をしており、余人に代えては内閣がバランスを失って失速しかねない。まだ当分代えない方が得策と思える。


アマゾンで定価販売が始まりました


*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°

【アマゾンで定価販売が始まりました】

 皆様、いつもご愛読有難うございます。ご健勝のこととおよろこび申し上げます。さて私ども、このほど「新聞俳句入選のコツ」を所属の安保政策研究会より出版いたしました。日々の「俳壇」をまとめたものでございます。所属する安保研の5周年記念として上梓しました。元官房副長官・浅野勝人氏から「新しい随筆の分野」とご高評をいただいております。ご一読をお願い申し上げます。中古本を倍以上の高値で販売していたアマゾンでもようやく1944円の定価販売が始まりました。品薄で若干遅れるかも知れませんが、注文は可能になりました。
                     杉浦正章拝
DSC_3554.jpg
◎杉浦正章理事の 「新聞俳句入選のコツ」 を推薦します。
まさに現代版「徒然草」の面白さ!
安保研理事長 元内閣官房副長官   浅野勝人
  安保研理事・杉浦正章元時事通信編集局長による「新聞俳俳句選のコツ」は、新聞俳句入門書であると同時に現代版「徒然草」とも言うべき高度の随想録としての特色を持っています
通常年寄の作った句集は正直言って「犬も食わない」で、そっぽを向かれる類いが多いのですが、杉の子の俳号を持つ杉浦理事は句歴30年、新聞投句は20年、入選句は何と1000句余り。
その俳句を挿入しつつ、「心にうつりゆくよしなし事を」生き生きした文体で書き留めた随筆は、実に説得力があり、人の琴線に触れる文章力があります。「ついつい徹夜で読んでしまった」という友人がいるほど面白いのです。
例に引く芭蕉や蕪村らの俳句も、随想に見事にマッチし、新しい随筆の分野を創出しております。新聞俳句を志す人は、楽しく読んでいるだけで、投句力が身につくこと請け合いです
既に杉浦理事は日々の政治評論で見事な洞察力を見せており、知る人ぞ知る政治評論家です。是非ご購読をお勧めいたします。 2016年5月22日 19:00  浅野 勝人
☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°・°☆:*:・°

◎俳談

◎俳談
【意味不明の季語】
鷹化して鳩となる日の朝寝かな 杉の子
 俳句で訳の分からない3大季語は「鷹化して鳩と為る」「亀鳴く」「雁風呂」だろう。いずれも春の季語だ。
新鳩よ鷹気を出して憎まれな 一茶
は季語を崩して使ったものだ。一茶らしく人間にも当てはまる風刺に満ちている。亀は鳴かないが、俳人には春になると亀の鳴く声が聞こえるのだ。聞こえなければ俳人とは言えない。拙者にも聞こえた。だから作った。
この昼は四天王寺の亀鳴けり 毎日俳談2席
 「雁風呂」の由来はややこしいが哀愁のある話だ。
青森県では日本に秋に飛来する雁は、木片を口にくわえ、または足でつかんで運んでくると信じられていた。渡りの途中、海上で水面に木片を浮かべ、その上で休息するためであるという。日本の海岸まで来ると海上で休息する必要はなくなるため、不要となった木片はそこで一旦落とされる。そして春になると、再び落としておいた木片をくわえて海を渡って帰っていくのだと考えられていた。旅立ちの季節が終わりもう雁が来なくなっても海岸にまだ残っている木片があると、それは日本で死んだ雁のものであるとして、供養のために、旅人などに流木で焚いた風呂を振る舞ったという。
雁風呂や海あるる日はたかぬなり 高浜虚子
 海が荒れている日は雁が必要となるから雁風呂は焚かないという心情を詠んだ。

◎2/3獲得でも「9条改憲」の選択はない

04373ww.jpg

◎2/3獲得でも「9条改憲」の選択はない
  国民投票で負ければ政局に直結
 参院選挙の結果は憲法改正に必用な3分の2を自民、公明など改憲勢力が達成する可能性を強めている。達成しなくても3分の2に迫る勢いであることは確実だ。首相・安倍晋三にとっては宿願の改憲に大きく前進することになるが、実際に最大の焦点の「9条改憲」へと動くかどうかは疑問がある。9条を持ち出せば国論は完全に2分され、そのまま国民投票にかければ反対派が勝つ可能性が強い。これはイギリスのEU離脱の国民投票と同じであり、政局を直撃して安倍政権を退陣か解散・総選挙に追い込むだろう。あえて言えばいくら自民党の悲願であるにせよ、明日のメシが食えなくなるわけでもない「9条改憲如き」に政権の命運をかける価値があるかということだ。既に集団的自衛権の限定行使で事実上の解釈改憲は成り立っている。天の与えた衆参3分の2議席は、アベノミクスの完成とデフレ完全脱却、緊迫する極東情勢を前にした外交・安保に全力を傾注することに活用すべきである。
 安倍が参院選で改憲のかの字も言わなかった背景には安倍の描く大戦略がある。まず改憲しようとしまいと3分の2の議席を獲得して、政局運営のカギを握ることである。カギさえ握ればあとの料理は鯛の刺身だろうが、スッポンの雑炊だろうが政治の腕次第と言うことになる。政権基盤もこれまで以上に固まり、自民党内では4回の国政選挙に連続して勝った未曾有の首相への任期延長論が台頭するだろう。3年2期で18年9月で終わる任期を、あと3年延期してオリンピックをまたぐ21年9月までとする可能性が高い。
 こうした基盤が出来た後改憲問題にどう取り組むかだが、残り2年と残り5年では対応の仕方が大きく異なる。2年では改憲という大事業を達成できるかどうかは疑問だが、5年あればかなりの改憲が可能となる。安倍も出だしから脱兎のごとく駆け出すことはしないだろう。まず3分の2に達さない場合は、民進党内にある改憲勢力に手を入れようとするだろう。公明党代表・山口那津男が「社民と共産以外の改憲を否定していない勢力は既に3分の2を越えている」と述べているとおり、“民進分断”が可能だからだ。3分の2に達した場合でも野党の協力も求めつつ粛々と衆院の憲法審査会を始動させるだろう。ちなみに憲法改正の手続きは、改正案を憲法審査会の過半数の賛成を経て衆参本会議にかけ、同本会議がそれぞれ3分の2の多数で発議。周知・広報期間を経て国民投票にかける。国民は改正の条文ごとに賛否の判断をして過半数あればその条項の改正が決まる。
 問題は改憲の中身だが、いきなり9条改憲には向かわないだろう。同改憲は瀕死の野党にカンフル剤を与えてしまって元気づかせ、やがて来る解散・総選挙に決定的な影響を及ぼしかねないからだ。いきなり9条となればNHKの世論調査で「憲法を改正する必要がある」が27%、「ない」が34%という数字がそのまま出てしまうだろう。「平和憲法」の意識は国民の間に根付いており、これを共産党や民進党左派があおれば、乗せられやすい体質があるからだ。その場合の国民投票は、いくら国会で議席が3分の2あっても関係ない。大阪の住民投票で大阪都構想反対が僅差で勝ち、市長・橋下徹が辞職表明。イギリスの国民投票で下院で離脱支持が147議席、残留が454議席と圧倒していても、僅差で離脱が勝ち、キャメロンは辞任表明。直接民主主義は極めて危ういのである。
 こういう事情を安倍は認識しており、民進党代表・岡田克也の「首相は憲法の平和主義をねじ曲げ、憲法9条2項まで変えようとしている。許していいのか」という発言は、まさに自民党副総裁・高村正彦が指摘したように「デマ」である。岡田はどうも代表になって以来「徴兵制が施行される」とか、オオカミ少年的なデマの発生源になっており、貧すれば鈍するを地でいっている。安倍自身も「自民党だけでなく与党、さらにはほかの党の方々の協力をいただかなければ難しい」と国会答弁している。ほかの党の方々とは民進党右派のことである。
 こうした安倍の気構えは当然憲法審査会の論議にも反映されるだろう。与野党が一致できるテーマ、例えば私学助成金は現行では89条に抵触するという違憲論が強いが、これを是正するといった具合の問題処理だ。与党と大多数の野党が一致する項目を国民投票にかけた場合は、過半数で改憲が成立する可能性が高い。こうしたテーマを数点掲げて国民投票にかけ、国民の改憲意識を“成長”させ、“場慣れ”させる必要があるのだ。共産党あたりはそれでも9条改憲に道を開くとして反対する可能性が高いが、逆に孤立化は避けるかも知れない。いずれにせよ本丸の9条はこうした手続きを経たうえで改正すべきであり、最初から岡田の指摘するように9条改正に手をつけるという政治の選択はあり得ないと見るべきであろう。


アマゾンで定価販売が始まりました

☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°

【アマゾンで定価販売が始まりました】

 皆様、いつもご愛読有難うございます。ご健勝のこととおよろこび申し上げます。さて私ども、このほど「新聞俳句入選のコツ」を所属の安保政策研究会より出版いたしました。日々の「俳壇」をまとめたものでございます。所属する安保研の5周年記念として上梓しました。元官房副長官・浅野勝人氏から「新しい随筆の分野」とご高評をいただいております。ご一読をお願い申し上げます。中古本を倍以上の高値で販売していたアマゾンでもようやく1944円の定価販売が始まりました。品薄で若干遅れるかも知れませんが、注文は可能になりました。
                     杉浦正章拝
DSC_3554.jpg
◎杉浦正章理事の 「新聞俳句入選のコツ」 を推薦します。
まさに現代版「徒然草」の面白さ!
安保研理事長 元内閣官房副長官   浅野勝人
  安保研理事・杉浦正章元時事通信編集局長による「新聞俳俳句選のコツ」は、新聞俳句入門書であると同時に現代版「徒然草」とも言うべき高度の随想録としての特色を持っています
通常年寄の作った句集は正直言って「犬も食わない」で、そっぽを向かれる類いが多いのですが、杉の子の俳号を持つ杉浦理事は句歴30年、新聞投句は20年、入選句は何と1000句余り。
その俳句を挿入しつつ、「心にうつりゆくよしなし事を」生き生きした文体で書き留めた随筆は、実に説得力があり、人の琴線に触れる文章力があります。「ついつい徹夜で読んでしまった」という友人がいるほど面白いのです。
例に引く芭蕉や蕪村らの俳句も、随想に見事にマッチし、新しい随筆の分野を創出しております。新聞俳句を志す人は、楽しく読んでいるだけで、投句力が身につくこと請け合いです
既に杉浦理事は日々の政治評論で見事な洞察力を見せており、知る人ぞ知る政治評論家です。是非ご購読をお勧めいたします。 2016年5月22日 19:00  浅野 勝人
☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°・°☆:*:・°

◎俳談

◎俳談
【記憶から引きだす句】
金魚屋を漁師ら囲み秋祭り 読売俳壇1席
 港町の秋祭りで屈強な漁師らが金魚屋を囲み冷やかしている場面に出会った。金魚屋も冗談を言って混ぜ返す。極めて印象的で忘れられない風景であった。何と40年前の風景である。それがふと脳裏によみがえって俳句となった。俳句は眼前のものを観察して詠めと、偉い俳人はおっしゃるが網膜写真に残った風景で十分であると言いたい。人間馬齢を重ねても、大事な風景は脳裏に刻まれている。
年を取ると言うことはそれが強みだ。
これきしはジュラ紀の冬と炎天下 読売俳壇3席
 恐竜の天下であったジュラ紀の平均気温は現在より10度以上も高かったと考えられている。北極圏でも平均気温は15度くらいあった。掲句は記者時代小生が、夏の背広を買うカネがないから冬の背広を着て「何だってんだい。これくれいはジュラ紀の冬だ」と炎天下を取材に歩いている姿である。深い科学的な知識(?)に裏付けられた俳句も時には詠むのだ。人の意表を突く意外性と機知がポイントだ。

◎安保論争で民共真田丸陥落の危機

4waww.jpg

◎安保論争で民共真田丸陥落の危機
  自公の攻撃に受け身のまま
 選挙最終盤に至って新聞に「改憲4党3分の2に迫る」 とか「自民は単独過半数視野」といった見出しが躍っている。大河ドラマを待たずに野党の真田丸は陥落状態に陥った。論戦を見るとアベノミクス論議は野党が完敗、憲法論議は肩透かし、最後に残った安保法制をめぐる論議は共産党が防衛予算を「人殺し予算」と形容して、集中攻撃を受け完膚なきまでに叩きのめされた。選挙の論争は言い訳に転じたら負けなのだ。こうして戦後初の民共共闘は、とても自公共闘を制圧出来るようなものではなかった。
 なぜアベノミクスで野党が完敗かと言えば、民主党政権時代と比較して失業率が格段に低下して人手不足が物語るように事実上の完全雇用が実現している実態が挙げられる。大企業のトリクルダウンで中小企業も史上最高の利益。この現実には野党がGDPがどうのこうのと言っても始まらないのだ。野党が意気込んだ憲法論議も、首相・安倍晋三はうまいのかずるいのか、何と街頭演説では改憲のかの字も口にしなかった。幹事長・谷垣禎一も「改憲は野党第1党との合意で」などと、トーンを弱めた。傑作なのは自民党副総裁・高村正彦が「岡田氏がこの選挙選で、改憲勢力が3分の2をとったら安倍首相は必ず憲法9条を変えると言っているが、デマの類いだ」発言。民進党代表・岡田克也がかんかんに怒って「全くの誹謗(ひぼう)中傷で、選挙妨害と言われても仕方がない」として、自民党に発言の撤回と謝罪を文書で要求した。しかし選挙での発言で謝罪を要求しても同情する者はいない。言われ損だ。的確に言い返せば良いことだ。
 残る野党にとっての真田丸が外交・安保論争であったが、自公の攻撃は民共共闘の弱点を突きに突いた。それも「天の時地の利」をフルに活用しての戦法を駆使した。天の時は極東を取り巻く環境の激変。地の利は大災害と自衛隊との関係だ。1番分かりやすいのが安倍の街頭演説だ。「共産党は自衛隊が憲法違反であり解散するといいながら、災害があったら出動せよと言う。急迫不正の侵害には命をかけよと言う。ひどいじゃありませんか」 。これは分かりやすい。共産党は「問われているのは自衛隊が合憲か違憲かではない。自衛隊を海外の戦争に派遣していいのかということだ」(書記局長・小池晃)と反論。しかしこの反論は北朝鮮のミサイル実験や中国艦船による領海侵犯、中国機の自衛隊機への急接近など緊迫した現実を無視して、「海外派兵」などという誰も考えていない観念論にすり替えようとしているのが弱い。
 そうこうするうちに共産党でまるで自爆行為のような発言が発生した。政策委員長・藤野保史が防衛費を「人を殺すための予算」発言したのだ。もともと左翼勢力にはこの思想があった。かつて社民党の福島瑞穂が、「自衛隊を国防軍と改称し集団的自衛権を与えたら、彼らは人殺しをする」と断言。民主党政権時代には官房長官・仙谷由人が「自衛隊という暴力装置」と発言している。慌てて共産党は藤野を政策委員長から外したが後の祭り。絶好の攻撃目標にされた。公明党代表・山口那津男の発言が1番クリアカットだ。「地震や災害で1番人の命を助けたのは自衛隊であった。それを『人殺し予算』などと言う血も涙もない共産党には、人命や財産を任せるわけにはいかない」と切りつけた。中盤から終盤戦にかけて自公がこの「人殺し予算」を街頭演説やテレビ党論でフルに活用したのはいうまでもない。
 これに対する野党の反論は、言えば言うほど言い訳めいて説得力に欠けた。小池が辛うじて「自衛隊を違憲だとしている社会党の村山富市氏を首相に指名した自民党に言われたくない」と切り返したのがうまかったくらいで、後は押されっぱなしだ。民共共闘を進めた岡田が「共産党は自衛隊が違憲だから直ちに廃止するということではない。現状では認めている」と加勢に出たが、共産党の過去の歴史から見て説得力に欠けた。共産党はかつて憲法を改正して人民の軍隊を持つことを党是とした時期があり、まるで中国共産党傘下の中国人民軍をイメージするかのようであったからだ。それより安倍が「共産党が目指すのは自衛隊の解散、日米安保条約の廃棄だ」という発言が1番分かりやすい。
 噴飯物は幹事長・枝野幸男が「安保法制が出来た後の方が北のミサイル開発が進み、中国の艦船が領海に入ったりするケースが多い」と発言したことだ。この論理から言えば民進党政権時代に、明らかに中国軍の指図で漁船が領海に侵入して巡視船に体当たりをしたにもかかわらず、船長をすぐに釈放したケースを忘れている。中国はこれをみて、尖閣を奪取できると判断したかも知れないではないか。民主党政権が続いていれば尖閣は間違いなく危機に瀕した。安保法制の抑止があるからこそ、北も中国もこの程度で抑えている事が分かっていない。指導者が度し難ければ選挙に負けるのだ。民進は改選議席43を大幅に割り込み30前後となりそうだ。


アマゾンで定価販売が始まりました

☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°

【アマゾンで定価販売が始まりました】

 皆様、いつもご愛読有難うございます。ご健勝のこととおよろこび申し上げます。さて私ども、このほど「新聞俳句入選のコツ」を所属の安保政策研究会より出版いたしました。日々の「俳壇」をまとめたものでございます。所属する安保研の5周年記念として上梓しました。元官房副長官・浅野勝人氏から「新しい随筆の分野」とご高評をいただいております。ご一読をお願い申し上げます。中古本を倍以上の高値で販売していたアマゾンでもようやく1944円の定価販売が始まりました。品薄で若干遅れるかも知れませんが、注文は可能になりました。
                     杉浦正章拝

DSC_3554.jpg

◎杉浦正章理事の 「新聞俳句入選のコツ」 を推薦します。
まさに現代版「徒然草」の面白さ!
安保研理事長 元内閣官房副長官   浅野勝人
  安保研理事・杉浦正章元時事通信編集局長による「新聞俳俳句選のコツ」は、新聞俳句入門書であると同時に現代版「徒然草」とも言うべき高度の随想録としての特色を持っています
通常年寄の作った句集は正直言って「犬も食わない」で、そっぽを向かれる類いが多いのですが、杉の子の俳号を持つ杉浦理事は句歴30年、新聞投句は20年、入選句は何と1000句余り。
その俳句を挿入しつつ、「心にうつりゆくよしなし事を」生き生きした文体で書き留めた随筆は、実に説得力があり、人の琴線に触れる文章力があります。「ついつい徹夜で読んでしまった」という友人がいるほど面白いのです。
例に引く芭蕉や蕪村らの俳句も、随想に見事にマッチし、新しい随筆の分野を創出しております。新聞俳句を志す人は、楽しく読んでいるだけで、投句力が身につくこと請け合いです
既に杉浦理事は日々の政治評論で見事な洞察力を見せており、知る人ぞ知る政治評論家です。是非ご購読をお勧めいたします。 2016年5月22日 19:00  浅野 勝人
☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°・°☆:*:・°


◎俳談

◎俳談
【二物衝撃の句】
真夜中の天井裏に青大将 毎日俳談入選
 意外な二物の取り合わせの句を二物衝撃句という。真夜中の天井裏とネズミでは日常的。しかし天井裏と青大将となるとゾクゾクとする恐怖感をもたらす。そしてよく考えてやっと旧家には青大将が住みついていることに考えが至る。
露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す 西東三鬼
 妻を亡くした隣人のロシア人が、長いサオを持ち出し叫び声と共に手当り次第にザクロをたたき落していたのを三鬼が描写したものだ。事情を知らない読者はロシア人と石榴の取り合わせの意外感から、様々な空想の世界へといざなわれる。

◎結局増田が都知事候補に最適だろう

2wa68ww - コピー.jpg

◎結局増田が都知事候補に最適だろう
  小池は孤立、政治資金疑惑が痛い
 江戸城の盟主になるのだから、政治家は皆血湧き肉躍るのだろう。驚いたのは、筆者がもう死んだと錯覚していた昔新自由クラブ旗揚げで名をはせた山口敏夫までが5日手を挙げた。しかもその発言たるや、1番いい。オリンピックの競技場やエンブレム問題で国税を無駄遣いした組織委と森喜朗を公然と非難して訴求力がある。小池百合子は「なりたいなりたい」が先行して、全く政策を語らない。その点老いたりとはいえ山口は急所を突いている。しかし、実体は泡沫候補に毛が生えた程度だろう。本人も、まだ生きていることの証しのように立候補したのかもしれない。
 驚いたことに小泉純一郎と細川護煕が記者会見したから、これまた血湧き肉躍ったかと思ったがそうでもなかった。細川は小池を政治家にし、小泉は閣僚に抜擢した張本人だが、小池にはエールを送ったに過ぎなかった。それはそうだろう前回14年の都知事選で、2人はタッグを組んで細川の「殿ご乱心出馬」を演出し、3位に終わって大恥をかいたのだから。2人とも都民からは足元を見られて認知されていない。それでも「度胸がある」(小泉)「いい勝負勘」(細川)と小池を褒めるあたりは、小池をけしかけた2人の張本人という説を裏付ける。とりわけ、ことあるごとに大舅(おおじゅうと)のように安倍につらく当たる小泉が、けしかけた形跡が濃厚だ。
 今後の流れは、首相・安倍晋三が参院選を控えて自民党が分裂選挙に陥ったような印象を避けるよう厳命を下していることの一点から見れば分かりやすい。安倍にしてみれば、せっかく参院選圧勝実現を眼前にして、都知事選での分裂の印象が広がり、マイナスに作用することは何が何でも回避したいのだ。官邸も都議会自民党も、小池の党を裏切るような立候補に激怒しているのが実態であり、増田擁立をためらっているわけではない。既に都議会自民党は増田擁立で固まっており、これに棹さすことは極めて困難だ。
 とりわけ自民党は最近実施した同党の世論調査で増田有利と見たのだ。小池と増田が拮抗し、小池が頭だけ出ている事が分かったことが大きい。なぜ増田が負けているのに有利と判断するかと言えば、調査の実施が増田が候補になっていない時点であり、候補になって自公が組織的に応援を開始したら浮動票だけに頼る小池には容易に逆転できるという判断が背景にある。したがって小池の実態は政治的には孤立の色彩が濃厚なのである。小池は石原伸晃との会談後、自民党の推薦がなくても「出馬の意思は変わらない」と強気な一方で、出馬取りやめの可能性を聞かれて「低い」と答えた。普通なら「ゼロ」と答えるところだが、「低い」は気になる。たとえば人事で優遇などのおいしい話があるのかないのか、微妙だからだ。
 マスコミは小池と増田の「分裂選挙」とはやし立てるが、分裂とは党を2分した選挙であり、自民党内で孤立した小池が無理強いで選挙に出るだけのこと。党内分裂の戦いとは言いがたい。小池も出馬すれば反自民の旗幟を鮮明にさせて浮動票を狙うしかあるまい。自民党内に同情票はほとんど存在しないと言ってよいからだ。おまけに、小池が代表の政党支部が、支援者の所有するビルの1室を相場より安く借りているという政治資金規正法抵触問題が浮上、「政治家都知事は駄目」の印象を強くしている。小池は否定しているが、ここで弁明を強いられることは選挙対策上きつい。
 一方民進党は、蓮舫に逃げられて有力候補がゼロと言った感じだ。一部に蓮舫が参院に当選した後、都知事選に鞍替えするというウルトラC情報がまことしやかに流されているが、これは参院で蓮舫に投票した有権者への裏切り行為であり、民進党にとっては“邪道の選択”というべきものだろう。いくら追い詰められたとはいえ、そこまで都民を欺いてはなるまい。自民党が増田を出せばこれに相乗りする考えもあったが、岡田らの強い反対で消えた形だ。今出ている候補は長島昭久だが、この候補も知名度がないうえに、必用な浮動票を取れるカリスマ性もない。加えて党内右派に属しており、共産党票も逃げる。したがって、集票力のない「出るだけ候補」の色彩が濃厚だ。
 こうして消去法で見てくると、長年コメンテーターとしてテレビに登場、その外連味(けれんみ)のない発言で、誠実な人柄を感じさせてきた元岩手県知事・増田が、東京都にとっても自民党にとっても現段階で最良の候補ではないかと思える。


アマゾンで定価販売が始まりました


 【アマゾンで定価販売が始まりました】

 皆様、いつもご愛読有難うございます。ご健勝のこととおよろこび申し上げます。さて私ども、このほど「新聞俳句入選のコツ」を所属の安保政策研究会より出版いたしました。日々の「俳壇」をまとめたものでございます。所属する安保研の5周年記念として上梓しました。元官房副長官・浅野勝人氏から「新しい随筆の分野」とご高評をいただいております。ご一読をお願い申し上げます。中古本を倍以上の高値で販売していたアマゾンでもようやく1944円の定価販売が始まりました。品薄で若干遅れるかも知れませんが、注文は可能になりました。
                     杉浦正章拝

DSC_3554.jpg

 ◎杉浦正章理事の 「新聞俳句入選のコツ」 を推薦します。
まさに現代版「徒然草」の面白さ!
安保研理事長 元内閣官房副長官   浅野勝人
  安保研理事・杉浦正章元時事通信編集局長による「新聞俳俳句選のコツ」は、新聞俳句入門書であると同時に現代版「徒然草」とも言うべき高度の随想録としての特色を持っています
通常年寄の作った句集は正直言って「犬も食わない」で、そっぽを向かれる類いが多いのですが、杉の子の俳号を持つ杉浦理事は句歴30年、新聞投句は20年、入選句は何と1000句余り。
その俳句を挿入しつつ、「心にうつりゆくよしなし事を」生き生きした文体で書き留めた随筆は、実に説得力があり、人の琴線に触れる文章力があります。「ついつい徹夜で読んでしまった」という友人がいるほど面白いのです。
例に引く芭蕉や蕪村らの俳句も、随想に見事にマッチし、新しい随筆の分野を創出しております。新聞俳句を志す人は、楽しく読んでいるだけで、投句力が身につくこと請け合いです
既に杉浦理事は日々の政治評論で見事な洞察力を見せており、知る人ぞ知る政治評論家です。是非ご購読をお勧めいたします。 2016年5月22日 19:00  浅野 勝人
☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°・°☆:*:・°


◎俳談

◎俳談
【写生句の難しさ】
海峡の流れの速し海月過ぐ   東京俳談入選
 関門海峡で潮の流れを眺めていたら、海月が浮遊して流れているのがみえた。海月の流れていくスピードで海峡の流れの速さに気付いたのである。このように自然を描写した句を写生句というが、句作の中でも写生句が一番難しい。子どものお絵かきのような写生句では様にならない。写生の後に残る深みが不可欠だ。海月は夏の季語。

◎森五輪委員長に感じる“危うさ”

3wawwww.jpg

◎森五輪委員長に感じる“危うさ”
  鼓舞すべき壮行会で誤解の叱咤
 森喜朗は面白い政治家で好きなタイプだが、現在78歳。東京オリンピック開催時は83歳。過去最年長の五輪組織委員長だが大丈夫か。組織委は競技場設計見直し、エンブレムの白紙撤回と大失態が続いたまま誰も責任を取らない。おまけに競技場に聖火台がないことに気が付かない。そうこうするうちに森は3日に東京・代々木の体育館で行われたリオデジャネイロ五輪の代表選手団の壮行会で、見当違いの大演説をたれた。「国歌を歌えない選手は日本代表じゃない」と300人の選手たちに延々と説教したのだ。ところが会場のアナウンスは国家斉唱でなく「国歌独唱」であり、壇上のモニターも「独唱」とあった。独唱なら普通は大声出して歌わない。森の早とちりに勘違いが加わった大失態だ。こうケチが続いては東京オリンピックそのものが危うく感ずる。自由と規律と民族のやる気と熱気を感じさせた前回の東京五輪と比較して全く気合いが入っていない。
 新聞は森の“誤解”をろくろく報道しない。ネットには批判が炎上状態だ。朝日だけは森が苦言を呈した記事で「場内ではみんなで声を合わせて歌う「斉唱」ではなく「国歌独唱」とアナウンスされ、ステージ上のモニターにも『国歌独唱』と表示されていた」と正確に伝えている。読売は「森氏は口をもごもごしているだけではなくて、国歌を歌ってと注文もつけた」とだけ報じ本質を突かない。産経も「森喜朗会長が『国歌を歌えない選手は日本の代表ではない』と苦言を呈する場面があった」とだけ。両紙ともこの場合は「誤報」に等しい扱いだ。
 森の発言はまず「先ほど国歌の斉唱をやってくれました」と根本的に誤解している発言。次いで「どうして皆国歌を歌わないのか」に始まって「サッカー女子は優勝したとき涙を流しながら君が代を歌った」「ワールドカップラグビーでも歌った」と過去の例を挙げた。次いで「選手の皆様にお願いしたいのは口をもごもごさせるのではなく声を大きく上げて国歌を歌って欲しい。日本国民が見ている。国歌を歌わないような選手は日本代表ではない」と叱咤したのだ。この発言から見ると森は場内アナウンスが「独唱」と明言し、陸上自衛隊中央音楽隊陸士長・松永美智子
が独唱に入った事実関係を聞き逃したか知らなかったことになる。恐らく事務当局は森に式次第くらいは説明していたと思われるが、紙だけ渡したのかも知れない。いずれにしても「独唱」のアナウンスがあり、独唱が開始された後の演説だから、森の「斉唱」判断は大きく間違ったことになる。
 かつて、テレビで米スーパーボウルにおけるレディー・ガガの国歌独唱を見たことがあるが、選手は口をもごもごさせる者、胸に手を当てて歌う者、瞑目する者と多様な対応をしていた。それでいて国歌に敬意を払っている様子はありありと分かり、感銘を受けるものがあった。また日本においても国歌の斉唱ほど、会場の一体感を生み、すがすがしさを感じさせるものは無い。壮行会の場合は、もちろん「斉唱」のアナウンスがあれば歌うべきだが、選手たちの様子を見れば、「独唱」の邪魔にならないように口をつぐむか、口をもごもごするしかなかったであろう。国歌に敬意を表さないような振る舞いなど全く見られなかった。それを「国歌を歌わないような選手は日本の代表ではない」などといきなり怒鳴りつけられては、立つ瀬がないのは選手の方だ。しらけたムードが会場全体を漂った。壮行会は選手を元気づけ鼓舞するためにある。それを委員長から無体な怒られかたをしては、意気も消沈する。全く場違いな発言であった。
 どうも森は過去の発言を見ても問題が多すぎる。生きている坂田道太をテレビで「亡くなられた坂田さん」と発言したり、IT革命を「イット革命」。2014年にはソチオリンピックで浅田真央が転倒したことに関して、「見事にひっくり返った。あの子、大事なときには必ず転ぶ」と切り捨てた。坂田やITのケースはご愛敬だが、真央批判には日本中が憤った。永田町では失言や愚行を繰り返す政治家を「ダダ漏れ」というが、森はそれほどではないにしても、競技場とエンブレム問題をみればどこか漏れているのではないかと思いたくなる。
 歴代委員長を見ても年齢は東京オリンピックの安川第五郎の78歳が最長老。総じて40代後半から70代前半までだ。年齢より本人の能力が重要なことは言うまでもないが、こう不祥事が続くようでは、オリンピックが順調に行われるかどうか心配になってきた。


  

 1  


心ない政治の犠牲はまっぴらだ! Name:浅野勝人

[4927] 心ない政治の犠牲はまっぴらだ! Name:浅野勝人 NEW! Date:2016/07/04(月) 10:23 
 
民意くむ真摯な努力と貧困層の底上げ以外にない!

安保政策研究会理事長 浅野勝人

イスラム過激派の武装グループによる日本人7人の殺害は、怒りを通り越して怒髪天をつきます。親日的なバングラデシュで起きた事件だけに、むしろ問答無用の虐殺と断定できます。遺族の方々のくやしさを思うと「許しがたい」などという穏やかなことばでは表(あらわ)しきれない切ない涙でTV画面が霞みます。

ダッカ駐在の渡辺正人大使は、知り合いの外交官の中でもとりわけ親しい男なので、どれほど無念の思いに苛(さいな)まれているか、胸が張り裂ける思いです。声をかけるのは、事件が一段落してからの方が適当と察しています。

イスラム過激派武装集団のイスラム国(IS)やアルカイダに加わる戦闘員は中東、中央アジア、欧州各地のモスレム(イスラム教徒)からアジアの国々に拡大しています。一部には思想的背景を理由に加わる者がいますが、大方、将来に希望の持てない貧困層の若者です。一生、懸命に働いても貧しい暮らしから抜け出せる見込みのない絶望感が、彼らを過激派武装グループの戦闘員に駆り立てています。

ひと握りの独裁者とその一族、側近グループが、富を一身に集めて、国の政治を思いのままに操っている独裁政治体制は、いまでもイスラム圏の中東や中央アジア、アフリカの一部に見ることが出来ます。これではISやアルカイダの戦闘要員を養成しているようなものです。

警察力、軍事力を増強して取り締まりを強化しても、鼬(いたち)ごっこです。
もちろん、武装集団によるテロ排除、武装集団掃討のために国際協力を強化して、情報の共有、武力の有効な行使につとめることは必要ですが、テロ、とりわけ自爆テロに対抗するには軍事力だけでは限界があります。

政治が、貧困層の底上げと真剣に取り組み、教育の機会均等の原則を徹底して、若者が生きる価値を実感できる社会をめざすことです。そして、先進国がその努力を従来以上に物心両面から支援する。今更、当たり前の寝言を言っても始まらないとおっしゃるのは理由(わけ)知りに過ぎます。当たり前のことが出来ていないのですから、政治が愚直に当たり前のことを実現するための努力をスピードアップさせるしかありません。世界の為政者は、せめて日本に学んでほしい。

ただ、今回のバングラ人・イスラム過激派武装グループは、高い教育を受けた高学歴の富裕層の子弟です。貧困層の底上げ論では説明がつきません。

バングラは、人口1億6,000万人。9割がモスレムです。一人当たりのGDPは約1,200米ドル(12万円)ですから、世界の貧困国のひとつです。その意味では、2013年からバングラでイスラム過激派のテロ事件が急増している背景に“貧困”がありますが、今回のケースは違います。

バングラでは、ハシナ首相(女性)率いる与党・アワミ連盟とジア元首相(女性)のバングラデシュ民族主義党(BNP)、イスラム系の政党「イスラム協会」などの野党との確執が深まっています。

ハシナ首相は、大昔のパキスタンからの独立戦争(1971年)の戦争責任を裁く戦争犯罪特別法廷を設置(2010年)して、BNPやIJの野党幹部に死刑判決を下し、次々と処刑しました。死刑判決を受けたイスラム協会の元党首は今年5月に処刑されました。

9割のイスラム教徒は、ハシナ政権の強権・弾圧政治に反発して、不満を強めています。欧米の大学を卒業したインテリ青年の今回の犯行は、ハシナ首相の圧政に対して、世界の注目を集めるために日本人を含む外国人をねらった苛烈な犯行だったと私は思います。

自分本位で、貧困層の救済、向上に努力しない政治。まるで民意を無視し続ける政治の犠牲に、あなたの国のために貢献しようとしている有能な日本の青壮年が生贄(いけにえ)になるのはまっぴらです。

無辜(むこ)の民を殺害するのが聖戦と誤った思想を刷り込まれたモスレムの若者たちに「自分は間違っていた」と気付かせる、「自由で、公平な、未来に希望を抱かせる政治」の姿を明確に示す以外に特効薬はありません。どれほど時間がかかってもです。ほかに即効薬があったらご教示ください。(元内閣官房副長官)

出たい人より、出したい人!

出たい人より、出したい人!

安保政策研究会理事長 浅野勝人


東京都知事選挙の告示が迫りました。
有力候補では、小池百合子衆議院議員が名乗りを上げましたが、世論の反応はパットしません。有能な人ですが、今回、有権者が求めているのは、若いか、年配かという年齢や比較的クリーンな人が多い女性議員ではなくて、「政治家ではない行政手腕のある新鮮な人」です。
ですから、今回は、既存の現職政治家と有名タレントは避けた方がよろしい。

東京都知事が内閣総理大臣以上に厚遇されるクセを植え付けたのは、石原慎太郎元知事が元凶です。海外出張ともなると、一泊何十万円もする超一流ホテルのスイートルームに宿泊するのを習わしにしてしまいました。都庁の職員も、有力閣僚を経験した首相候補でしたから、何千万円もの大名旅行に違和感を麻痺させられてしまいました。

「海外出張はエコノミ―です」という地方の知事の談話を聞くと、「フアーストクラスは及びもないが、せめて乗りたやビジネスクラス」とむしろ同情します。思えば、私も現職の折の海外出張はファーストクラスでしたから慙愧に耐えません。

この際、桜井パパを強く推薦いたします。

理由は、

☆総務省事務次官として行政手腕に実績があります。総務省は地方行政を統括する官庁です。

☆何万人もの職員の鏡となる中央官庁のトップは、高い見識と倫理観、重い責任感が求められます。

☆政治家ないしは業界人の贅沢に慣れていません。従って、いわゆる「手垢(てあか)」に染まっていませんから、質素な役人ペースの継続が自然体です。

☆TVのインタビューに答えて「私は出ません。そんな器ではありません」という本人の姿勢が好ましい。

☆短期間の大型選挙に勝つためには、高い知名度が求められます。
幸い「桜井パパ」の名は全国区になっています。「へぇー、嵐の父親なの!そりゃいいねぇ」と多くの人が言います。

親の七光りはいただけないが「子の七光り」は結構! 結構!
安倍さん、出番の時期ですよ。(元内閣官房副長官)

アマゾンで定価販売が始まりました

☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°

【アマゾンで定価販売が始まりました】

DSC_3554.jpg

  皆様、いつもご愛読有難うございます。ご健勝のこととおよろこび申し上げます。さて私ども、このほど「新聞俳句入選のコツ」を所属の安保政策研究会より出版いたしました。日々の「俳壇」をまとめたものでございます。所属する安保研の5周年記念として上梓しました。元官房副長官・浅野勝人氏から「新しい随筆の分野」とご高評をいただいております。ご一読をお願い申し上げます。中古本を倍以上の高値で販売していたアマゾンでもようやく1944円の定価販売が始まりました。品薄で若干遅れるかも知れませんが、注文は可能になりました。
                     杉浦正章拝

◎杉浦正章理事の 「新聞俳句入選のコツ」 を推薦します。
まさに現代版「徒然草」の面白さ!
安保研理事長 元内閣官房副長官   浅野勝人
  安保研理事・杉浦正章元時事通信編集局長による「新聞俳俳句選のコツ」は、新聞俳句入門書であると同時に現代版「徒然草」とも言うべき高度の随想録としての特色を持っています
通常年寄の作った句集は正直言って「犬も食わない」で、そっぽを向かれる類いが多いのですが、杉の子の俳号を持つ杉浦理事は句歴30年、新聞投句は20年、入選句は何と1000句余り。
その俳句を挿入しつつ、「心にうつりゆくよしなし事を」生き生きした文体で書き留めた随筆は、実に説得力があり、人の琴線に触れる文章力があります。「ついつい徹夜で読んでしまった」という友人がいるほど面白いのです。
例に引く芭蕉や蕪村らの俳句も、随想に見事にマッチし、新しい随筆の分野を創出しております。新聞俳句を志す人は、楽しく読んでいるだけで、投句力が身につくこと請け合いです
既に杉浦理事は日々の政治評論で見事な洞察力を見せており、知る人ぞ知る政治評論家です。是非ご購読をお勧めいたします。 2016年5月22日 19:00  浅野 勝人
☆*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°★:*:・°☆:*:・°・°☆:*:・°


◎俳談

◎俳談
【俳句の極め言葉】
干し飛魚(あご)の飛ぶがごときを送り来る 産経俳壇入選
 俳句の生命は表現だ。掲句は中七の「飛ぶがごとき」ですべてが決まった。俳句は短いフレーズの中で印象を残さなければならない。従って時に大げさになる。干し魚が飛ぶわけがないが、新鮮で飛魚が今空を飛ぶような印象を受けた。それをそのまま句にした。魚介類で「活きているようだ」という表現があるが、「活きているような」ではありきたりで俳句にならない。飛魚が飛ぶから俳句になるのだ。夏の季語。

◎「離脱」は極東安保にも波及する

2wa - コピー.jpg

◎「離脱」は極東安保にも波及する
 G7弱体化阻止で日本も積極関与を
 Britain(英国)とExit(離脱)を合わせた新造語ブレグジット(Brexit)が早くも完全定着した。そのブレグジットをめぐって首相・安倍晋三がイギリスのキャメロン、ドイツのメルケルと30日夜電話会談した。サミット議長国首相としての安倍の動きは、選挙中であるにもかかわらず早い。米大統領オバマのレームダック化が必至であることから、今後、ブレグジットで発生したG7のほころびと紛れもない弱体化の動きを安倍は何としてでも食い止めなければなるまい。責任は重大である。既に中露は6月25日首脳会談で結束を確認、ブレグジットを自国に有利に活用するかのような思惑を露呈させている。国際情勢は英国の愚挙をきっかけに目まぐるしい展開を見せようとしている。
 思い起こすのは伊勢志摩サミットにおける世界経済の認識で、「危機に直面している」とする安倍に対して、メルケルは「世界経済の現状を危機(crisis)とまで言うのは強すぎる」と反論、当のキャメロンも財政出動より構造改革を主張したことだ。安倍はサミット文書に「イギリスのEU離脱が世界経済のリスク」と書き込んだ。野党は散々この安倍の主張を批判したが、一連の「安倍イニシアチブ」は、完璧なほどに当たった。国内的にも消費増税を予定通り実施していたら、このブレグジットで日本経済は相当手痛い打撃を被ることになったかも知れない。
 キャメロンとの電話会談では、東・南シナ海情勢を念頭に、「法の支配」に基づく秩序維持での協力で一致した。ここは会談のキーポイントの一つである。なぜなら中露がブレグジットをチャンスと見て今後攻勢に出る可能性が強いからだ。安全保障面にも影響が及ばざるを得ないのだ。中露にとってEUのほころびはまさに「隣りの不幸はカモの味」なのである。欧州の弱体化はウクライナ問題で経済制裁を受けているロシアにとって、圧力がそがれるチャンスである。プーチンはここをせんどとEU分断に向けての謀略をめぐらす可能性が高い。
 中国にしてみれば東・南シナ海への世界世論の圧力が減殺されると見ることが出来る。既にこの動きは東南シナ海における艦船や航空機の動きとして顕在化しつつある。中国は米大統領選でオバマのレームダック化のすきを狙うかのように軍事攻勢を強める可能性が強いのだ。これら安全保障上の問題についても安倍の果たすべき役割は大きい。
 また世界経済の側面から見ても、ブレグジットの影響を最小限に食い止める必要がある。ブレグジットがリーマンショックと異なる最大のポイントは、見通しが立たないまま未知の領域に進んでいることだ。安倍は5月の訪英でキャメロンに「離脱が決まれば、日本の投資先としての魅力を失うだろう」と強調、日本は明確に英国のEU残留を望むという見方を示し、「世界にとって、強いEUに英国がある方が良い」と指摘している。しかし、次期首相有力候補で残留派だったテリーザ・メイも、残留の可能性を否定しており、国民投票再実施にも否定的だ。流れは離脱を前提として、交渉の長期化に持ち込み影響の軽減を図る方向に向かいつつあるように見える。
 30日夜の会談で日・EU間の経済連携協定(EPA)交渉について、安倍と英独首脳は年内の早期妥結に向けて連携していくことを確認しあった。これは、世界経済分断化の動きを食い止めることを意識したものである。これをさらに進めて欧州との間で環太平洋経済連携協定(TPP)への連携を進めることも重要だ。TPPは「環太平洋」にこだわらず、英国の参加を求めてもおかしくないかもしれない。旧宗主国イギリスとしては、かって支配した国々が参加しているのであり、違和感はない。
 一方国内については延期に成功した消費税が、2年半の延期で済むかどうかが浮上するかもしれない。凍結の方が良いのではないかと思われるが、もう少し様子を見るべきであろう。問題は円高基調が続いた場合にいかに歯止めをかけるかだ。100円を割る事態になれば介入が考えられるが、米国との調整が大きな課題だ。大統領選挙を控えてドル高は不利に作用するから協調介入はハードルが高い。その場合は日銀による金融緩和で円安に導く方が容易に見える。これも日銀伝家の宝刀であり、たびたび抜けないからチャンスを見定める必要がある。さらに加えて自民党はゼロ金利活用の「超低金利活用型財政投融資」を実現させる方向に動いている。今後5年間で30兆円をめどにインフラ整備などへの事業規模を確保する方向で秋の臨時国会での補正予算に盛り込む構えだ。