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◎俳談

◎俳談
【子供の観察句】
 子供を観察することほど句材になるものはない。子を観察して作れば新聞俳壇にはよく採ってもらえる。観察と言ってもじろじろ見つめればいいというものでもない。親としての感性で過去の記憶を切り取ることも大切だ。
子の腹に鉄棒の錆梅雨晴れ間 東京俳壇入選
長梅雨で鉄棒に錆びが生じた。母親が「やれやれ」と嘆く。
下校の子八重撫子に触れてゆく 毎日俳壇入選
家の前の通学路で花に触れてゆく子を詠んだ。
優しき子使へば優し蠅叩 日経俳壇入選
優しい子はハエを叩くのも優しい。
落第の子にはきらきら星のあり 産経俳壇入選
落第しても上を向こう。キラキラ星があるじゃないか。
白息を吐きてもの言ふ使の子 毎日俳壇1席
賭けてきて親からの言づてを息せきって話す子のかわいらしさ。
雛の夜の舌の長さを子の競ふ 東京俳壇入選
子供の遊びは奇想天外。
拝むこと覚えたる児の花祭り 東京俳壇入選
子は親の仕草を見て育つ。

◎トランプの本質は“幼児的攻撃性”の小商人

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◎トランプの本質は“幼児的攻撃性”の小商人
  「対牛弾琴」だが反論する
 なんともはや米大統領選はとんでもない“化け物”を生んでしまったようだ。本選挙では民主党のクリントンが勝つだろうが、米国社会の歪みを見る上で極めて興味深いのが、共和党候補が実業家のドナルド・トランプになりそうなことだ。その発想たるやすべてを自分の不動産業の経験から割り出す、「経費削減至上主義」だ。最近では日本への軍事経費を削減するため、日本の核武装を勧めるに到っている。すべてが安全保障への無知から来る“小商人(こあきんど)”の発想であり、成り上がりの財界人にみられる「幼児的攻撃性」の権化のようでもある。北朝鮮にも金正恩という幼児的攻撃性の権化が存在しており、まさに世界の2大奇人が太平洋をへだてて向き合っている。いずれも論語の「小利を見れば大事ならず」で、常に小さな利益を重視して、大きな事業ができるような政治家ではない。
 幼児的攻撃性は専門家によると先の先まで読むことが出来ず、常に敵を作る傾向がある。自分の目的や願望を拒むものは両親ですら敵という精神状態だ。最近のトランプは移民に対する差別発言ばかりでは票にならない事に気づいたか、矛先を日本に向け始めた。最大かつ最良の同盟国を敵に回す発言だ。牛に琴を弾いて聞かせても意味がないことを「対牛弾琴」というが、ここは反論せざるを得ない場面でもある。
 まずトランプは「米国が日本を守っていることをほとんどの米国人が知らない。日本に金を払わせる。負担を大幅に増やさなければ在日米軍を撤退させるべきだ」と、自分の無能なる尺度を丸出しにして発言した。これは無知から来る愚者の理論だ。日本が世界で唯一「思いやり予算」として今後5年間に9465億円を払う約束をしたことを知らない。年間1848億円であるが、それとは別に基地周辺対策費、施設の借料、土地の賃料などを加えると年間なんと6710億円の支払いとなる。人種差別主義者だけあって、北大西洋条約機構(NATO)には何も言わないが、NATOが思いやり予算を払っているなどと言うことは聞いたことがない。湾岸戦争の際にも130億ドル、約1兆5500億円もの戦費を負担しており、現在の中東危機に対する経済的貢献も大きい。日本のカネがなければ米国の世界戦略は成り立たないのだ。「その無知を恥じよ」と言っても馬耳東風だろうが。
 さらにトランプは「日本は北朝鮮から自分の国を守った方が好都合だ。北朝鮮が核を持っている以上日本も核兵器を持った方がいい」と日本核武装論を展開した。これは日本に核武装させないというのが米国の極東安保の基本であることすら知らない。なぜなら日本が核武装すればだいいちに「核の真珠湾」が怖い。信長の昔から奇襲攻撃に長けた民族であるからだ。トランプの居るホワイトハウスに正確に命中する核ミサイルなどすぐにでも完成できる。第2の理由は世界第3の経済大国の核武装は日本が軍事大国化することを物語っており、単に極東のみならず世界の勢力バランスが大きく崩れる。したがって世界の安全保障は常に動揺する。核不拡散条約は崩壊し、世界の政治・外交・安保の秩序も予測不能の事態となり、もともと機能を発揮しない国連はさらなる弱体化を招く。米国の地位は相対的に低下して、小商人が目指す「米国の復活」などは絵空事となるのだ。
 トランプは格好づけか「外交政策チーム」なるものを作ったが、そのトップに据えたのが上院議員・ジェフ・セッションズ。共和党では最右派に属し、不法移民問題に熱心に取り組んでいる議員だが、共和党本流からは馬鹿にされている。ブレーンとして機能するわけがない。さすがに国務省のカービー報道官は、荒唐無稽(むけい)の対日発言に「ケリー国務長官も当惑している。アメリカは日本や韓国との条約を真剣に守るという考えに変わりはない」と、しごく当たり前の発言で沈静化に懸命だ。しかしただでさえ日本の一部にある核武装論を刺激してしまった。大阪府知事・松井一郎は29日核保有の是非も含め安全保障政策の議論を進めるべきだとの考えを示した。松井は「日本はどうするのか政治家が真剣に議論しないといけない。完璧な集団的自衛権の方向か、自国で軍隊を備えるのか。そういう武力を持つなら最終兵器が必要になる」と述べた。まともな核武装論としては最初のものだ。
 こうして米国内にとどまらず、世界中に迷惑をもたらす奈良騒音傷害事件の騒音おばさんのように、騒音老人がかしましいが、日本のマスコミ、とりわけ民放テレビは、今にも大統領になるような面白半分の報道を繰り返さない方がいい。予備選で大統領候補になっても本選挙が物事を決める。共和党も分裂するかも知れない。まだ曲折があるうえに世論調査は冷静な傾向を示している。CNNの最新の世論調査でも全体の56%がクリントンが本選を制するだろうと回答。トランプの勝利を予想したのは42%にとどまっている。トランプの大衆催眠術にかかった米国民も、やがては目覚めると思う。


生き仏の講話:シリーズ⑤ Name:浅野勝人

生き仏の講話:シリーズ⑤ Name:浅野勝人 NEW! Date:2016/03/30(水) 08:44 
 
『親鸞』と『酒井友哉』
生き仏の講話:シリーズ ⑤ ― 酒井友哉
安保政策研究会理事長 浅野勝人

気がついたら下から冷たい風が入って来て、夜露かなんかでピューと冷たい感覚が来て、じっと見たら足の周りが血の海になってる。それでも生きているんですヨ。
人間、一遍やり損(そこ)なっちゃうと、もう一遍やろうと思ってもなかなか出来ないもんでネ。それでいつ自分が死んでもいいように顔を隠す手巾(しゅきん)ってのがあるんで、それを裂いて包帯にして足にまいたんです。
その時も、無意識のうちに刀をこうやって抱えてるわけ。あん時に重心が狂って刀が下に落ちちゃったら、ここらへんに刺さって、そのまま死んでた。
ところが、よっぽど僕は前世でもって悪いことしてたんだと思うんだネ。仏さんにしてみたら、こいつこんなに簡単にお終いにしてやるわけにはいかん。こんな生易しいもんじゃないんだ。もうちょっと生かしておいてひどい目に合わさなかったら、性根が直らないじゃないか。だから、もうこの辺で引き返そうてんで、仏さんに引き返されちゃったんだと思うんだよネ。

それで40分か50分位遅れて赤山まで行って、お参りして帰って来るんですが、赤山まで行ったら、いつも参拝の人がそんなにいないんだけど、その時に限って30人位岐阜の方から団体がお参りに来てくれていた。
いつもは3時半頃には着くんだけど、私が現れないもんだから、住職が心配して見に来てたんだネ。そこへ僕がのこのこ帰って来たもんだから、住職大きな声で怒鳴りだして、怒り出しちゃった。
「こらぁ、行者。そこで何してんだ! 皆んな寒いのに1時間も待ってるのに、お前なにしとったんだ」
怒鳴られたけれども、返事が出来ないですよネ。「すいませーん」って言うてネ。「昨日部屋を掃除してもらった時に、おばさんが時計を1時間も遅れてセットしちまったもんで時間を間違えました」なんてウソばっかりついちゃった。
「本当は、ついさっき短刀を突き刺して、失神して死にかかってたから遅れちゃったんです」とも言えないものネ。

和尚が怒鳴って「皆さんがさっきから待ってるんだから、お堂の中をお参りするのは後でいい。まず、この人達にお加持をしてあげて帰ってもらいなさい」って言うんだ。
堂入りが終わった次の年の初めての赤山苦行ですから、そんなに大勢の人に急にお加持したことはないんです。そのうえ、頭の中は真っ白になってる。お加持しろというけれども、こっちの方があんたさんにお加持してもらいたいわい。こっちは動けなくなって困ってんのって。その人達の前で一生懸命お加持するんだけど、何言ってんのかわからない。頭の中が真っ白になっちゃってるんだから無理だよネ。

なんとか決まり通りにお加持を終わってお堂を回って出て来た。普通だったら寒いから皆んな帰っちゃうのに,そんな時に限って帰らないでじーっと待っててくれるんですネ。僕がずっと赤山の裏道の方へ向かって歩いて行きながら、後ろ振り向いたら、誰も帰らないで手を振って「行ってらっしゃい」「頑張って来て下さい」なんて言ってる。
ここでへたるわけにはいかないわネ。ちょっと行ってまた後ろ向いたらまだ帰らない。やっと姿が見えなくなって安心したと思ったら、電気にポタポタポターと打たれたみたいになって腰が抜けちゃって、うえなくなった。(動けなくなった)
うえなくなったって、そこで10分休んだら10分、1時間休んだら1時間、それだけあしたにしわ寄せするだけですよネ。どんなことがあっても自宅へ帰らなきゃならない。びっこ引きながらずっと歩いて帰って行ったが、傷は縫ってないでしょ。お医者さんに見せたわけではないんだから。

だから、うちに帰ってからお手伝いのお姉さんに「すいませんけどクリーム貸して下さい」って言ったら「何するの」って言われて「ちょっと薬にする」って言ったら、「クリームは薬じゃないから駄目だ」って言うんですヨ。そんなこと言ってられないから、クリームを傷口にベターとつけて包帯まいて、あしたの出番を待っている。そうすると足がズキンズキンして寝られない。あとはずっと足を抱えながら痛みに耐えて出発する時間を待つしかない。これが不思議に出発の時間になるとぴしっとして歩き出せるわけヨ。
ところが、歩き出すと体が水を欲しがってしようがないんで、水溜りだろうが、水屋だろうが、水が流れている所に足を突っ込んで冷やすの。だけど歩きはじめると5分も経たないうちに体がからからになっちゃうんです。

あの時は不思議と破傷風にならなくてすんだ。リンパ腺も腫れなかった。
そのうちに雨が降ってくると坂道だからしゃくれてしまう。濁流が流れてくるわ、石ころがゴロンゴロン落ちてくるわ、それでも傷口を縫わないまま行ったり来たりしてたんだけど、全然痛みがないんだネ。普通だったら破傷風になっちゃうのにならないんだヨ。
だから、そんな時に初めてお堂入りの時のことを思い出した。これは自分以外の自分がもう一人いるのと違うか、まさしくこれが神様とか仏様といわれるものに違いない。神様とか仏様が居るとか居ないとかいうのは、このことを言ってるに違いないと思ったの。< 明後日に続く >

◎俳談

 ◎俳談
【絵画からヒント】
シャガールの宙浮く二人春一番 東京俳壇1席
感動した絵画は模写をすると理解が深まると信じている。だから古今東西の画家による感動した名画を模写している。パソコンを駆使してワコムの大画面の電子カンバスに描く。原画は大画面のテレビに映すから細部も分かる。 マルク・シャガールは、20世紀のロシア(現ベラルーシ)出身のフランスの画家。ユダヤ人で迫害を逃れ米国に亡命している。男女が抱き合って空を飛ぶ絵は模写に1週間かかった。左手で抱き抱えているのは愛する妻ベラ。眼下に展開するのは恐らく古里ロシアの村であろう。陰うつな空と風景が実にマッチして、細部を模写するほど発見があって楽しい。窓に架かるはしごなど、生活を実感させる。空を飛ぶのはあらゆる制約からの解放なのであろう。とりわけユダヤ人としての自らの解放であろう。
 春は風の季節でもある。立春の後初めて吹く強い風を春一番と いう。<春一番競馬新聞空を行く>という俳句を詠んだ人もいるが、やはり、春一番はシャガールを飛ばすのに限る。同じ春の強風、または突風に春疾風(はるはやて)がある。これも好きな季語だ。いつかまたシャガールを飛ばしたい。
春疾風一湾の帆の斜傾せり 杉の子

ナイヤガラ瀑布は誰も止められない

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◎ナイヤガラ瀑布は誰も止められない
  同日選へ与野党が雪崩を打って走り出した
 ナイヤガラ瀑布の流れは誰に求められない。だいいち誰も止めようとしていない。首相もだ。予算成立で政局は雪崩を打って衆参同日選挙に向けて走り始めた。29日の記者会見は首相・安倍晋三が衆参同日選挙を止める最後のチャンスであったが、「頭の片隅にもない」と述べるにとどまった。本当は「やるかやらないか」と「やるにはどうするか」で頭の中が98%いっぱいなのに「片隅にもない」とは傑作だ。しかし会見ではそのいっぱいの頭の中の傾向をちらりと垣間見せた。それは「予算の成立こそ最大の景気対策と申し上げてきた。早期に執行することが必要だ。可能なものから前倒し実施するよう麻生財務相に早速指示する」という発言だ。明らかに選挙を意識した景気対策である。安倍はサミットを前に予算とは別に秋にも補正予算の編成も含めた経済対策を打ち出すことを考慮しているようであり、サミットでは財政刺激策の必用で一致する流れとなってきている。
 こうした状況を見れば、走らせておいて参院選だけの選挙を選択する余地は極めて少ない。シングルで参院選に敗北した場合、久しぶりの“政局”が待っているからだ。首相の姿を読んでか、こっそり首相からささやかれたからか、これまでダブルに反対だった公明党代表・山口那津男が、筆者が「反対論の公明はしょせん“転ぶ” 」と予言したとおりにすぐ転んだ。山口はダブル選挙について「解散権を持っているのは首相だ。安倍が決断すれば、受けて立たざるを得ない立場だ」と述べ、安倍の判断尊重に大きく転換した。やっと支持母体の創価学会のダブル容認論が伝わったかのようである。山口は「仮に打診があれば、その理由や勝てる可能性、国民に説得力があるかを真摯(しんし)に相談したい」とまで述べたのだ。しかし未練たらしく「ダブル選は望ましくないと言ってきた。(自民党との)選挙協力がしづらくなるし、政権すら失ってしまうリスクが高い」と付け加えたが、引かれ者の小唄のように見える。
 一方、幹事長・谷垣禎一も変わった。これまで谷垣は参議院議員会長・溝手顕正が正直にも「ダブルに賛成」と述べたことに対して「参議院側の願望も含めての話ではないか。ばらばらに、いろいろな発言が出てくるのはいかがか」と苦言を呈するなど慎重だった。ところが29日の記者会見で、衆参同日選に関し「同日選や衆院選については現在、口をきかないことにしている。幹事長が『こうだ、ああだ』と言い出したらしようがない。私は慎重だから今は発言を差し控える」と述べた。口を利かないというのは党内が走り出すことを認めるということなのだ。
 こうした与党幹部の言動を固唾をのんで観察している野党が「すわ解散」と踊り出さないわけがない。民進党の岡田克也代表に到ってはもはやとどまるところなきがごとく選挙一色の様相だ。結党後の記者会見で「衆参ダブル選の可能性があるので、候補者擁立をさらに進めていきたい。新しい党になったので公募も新たに行いたい」と言明。両院議員総会でも「結党の勢いを衆院補選や参院選につなげたい。とにかくしっかり結果を出していこう」とハッパをかけた。「出戻り新党」と揶揄(やゆ)され、共同通信の調査でも、民進党について「期待する」が26.1%、「期待しない」が67.1%。「結党の勢い」が何処にあるのか分からないがとにかく括弧付きの「結党の勢い」なのだ。しかし民進党には大きなジレンマがある。
 政策上のジレンマだ。共産、社民と共同で安保関連法廃止法案を提出して、これを軸にダブルを戦おうとしていることだ。シールズなどという何も知らない若い衆をだまして動員し、国会前を占拠して、「安保反対が国論」とばかりに示威行為をするのが基本戦略だ。これが成り立つかどうかだが、極東情勢を展望すれば時代錯誤もいいところである。 
 筆者は安保法制の抑止力がなければ北朝鮮が本気で露呈させる「極東の危機」を乗り越えられないだろうとみる。そしてその危機は今そこにあるのだ。安倍が記者会見で「先般、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際、従来よりも日米はしっかりと情報を共有しており、体制整備も、以前より格段に進歩した。これはハリス太平洋(軍)司令官もそう述べている。まさに助け合うことのできる同盟は、その絆を強くした、その証左であろうと思う」と言明したが、まさにその通りである。日米の信頼関係、とりわけプロである制服組のそれは法制により大きく進歩した。
 これに異論を唱えて選挙に勝てるだろうか。今後北は31日からの核サミットに合わせて狂気の核実験をしかねない状況があり、ミサイルも狂ったように撃ちまくる。民主党は一部で臆測されているように金正恩が核サミットに合わせて核実験をやりかねない状況を何と見ているのだろうか。日米協調で北の暴挙を阻止する安保法反対で日本の安全は確保出来ると見ているのだろうか。まさに反対論は国民の生命財産無視の観念論に過ぎない。
 こうして流れは滔滔(とうとう)とダブル選挙に向かっているのだ。自民党幹部の中には総裁特別補佐の下村博文のように「4月24日の北海道5区の衆院補選で自民党が敗北した場合は、ダブルは困難になる」などと若い記者をだます発言をする向きがいるが、気は確かかといいたい。同補選はまず現在リードしている自民党が勝つと思うが、負けてもダブルの流れには影響は出ない。そもそも小局が大局を左右したためしがない。木の葉を見て森を見ない浅薄なる“読み”であろう。


◎俳談

◎俳談
【作句のこつ】
 芭蕉は俳句上達の秘訣について「師を頼りとせず、自らの力量を当てにしても仕方がない。結局、句を多数作る人こそ上手になる」と述べている。要するに多くを作句し、常に前向きに思考する人が成功すると言うのだ。
 これは多作多捨の作句方法であり、芸事全てに通用する普遍の原理だ。ゴルフでも格闘技でもダンスでも場数を多く踏むほど、上達は早い。多くの句を作って、それを捨てる。これを繰り返すことによって、風景や人間の事象を俳句にする回路が脳内に成立するのだ。そうなれば写真を撮るように俳句ができるようになる。筆者は毎朝10句作っている。過去に作った句も発想のよいものは推敲してまた使う。句会の前日になってやっと一句作るようでは、いつまでたっても上達は望めない。
先生の顔見て逃げし軒燕  産経俳壇入選

◎安倍外交が内政密着型で再始動する

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◎安倍外交が内政密着型で再始動する
  米露にらんだウクライナ大統領来日
 予算成立と安保法施行により首相・安倍晋三がその姿勢を大きく外交へと転換させる。伊勢志摩サミット(G7)を軸に対欧米外交、対露外交、対中韓など近隣外交を展開、この成果をもとに夏の国政選挙で国民の信を問う形となる。サミットでは世界経済を牽引してきた新興国経済の低迷で、G7が再び世界経済のリーダー役を演じなければならなくなり、サミットはテロ対策と並んでかってなく経済重視型となり、議長役としても安倍のリードが極めて重要になる。そして財政出動で景気を刺激すべきとの世界の潮流は、安倍に消費増税再延期の決断をしやすくする。まさに外交が内政に影響し、内政が外交を動かすという状況へと突入する。
 外交日程は激動の世界情勢を反映して極めて立て込んでいる。31日から米ワシントンで開かれる核安全サミットを機会に安倍はオバマや朴槿恵と会談する。4月は5日から3日間の日程でウクライナ大統領・ポロシェンコが来日する。中旬には露外相・ラブロフが来日して外相・岸田文男と会談する。5月26日・27日のG7に先だって安倍は4月下旬からの大型連休中に欧州のG7諸国を歴訪する。安倍は訪欧に合わせて、ロシアを訪問、プーチンと会談する方向で調整している。
 サミットはもともと75年石油危機からの建て直しを目指して仏ランブイエで行われ、筆者は三木武夫が出席した同サミットを取材している貴重なる骨董品である。以来G7は経済が中心だが冷戦を反映して対ソけん制の意味合いも濃厚であった。今回のサミットも欧州におけるテロの頻発で政治サミットの色彩も強いが、同時に待ったなしの対応が迫られるのが新興国経済の低迷で、世界経済の牽引役としての役割である。2月の上海における20か国財務相・中央銀行総裁会議(G20)は財政刺激策を各国に求めており、この潮流は変わらないものとみられる。日本は8%への引き上げで生じた経済不振からの脱却を明示しなければならず、その方策として安倍が消費増税再延期と財政出動を選択する公算は大きい。G7全体としては財政出動による国際協調の構築を打ち出すものとみられる。テロ対策は当然盛り込まれるが、極東におけるサミットであるからこそ「核テロどう喝国家」北朝鮮の存在についても安倍は警鐘を鳴らし、非難して対策に盛り込むべきであろう。もちろんこれに先立つ核サミットでも同様の主張をする必要がある。
 安倍はサミットに向けて主催国トップがそうしたように、参加国を廻って事前の調整をすることになる。問題はこれと合わせてソチでプーチンと会おうとしていることに米国が渋っている点だ。オバマは2月の安倍との電話会談で訪露をサミット後にするよう要望したが、安倍は対露外交の重要性を指摘して断った。ホワイトハウスはカチンときているに違いないが、安倍は国家安全保障局長・谷内正太郎をワシントンに急きょ派遣、3月1日に大統領補佐官・ライスと会談させたが内容は一切漏れていない。しかしその後22日になって、ウクライナのポロシェンコの来日が発表されたのは怪しい。
 ポロシェンコは4月5日から3日間公式訪問する。日本ではウクライナ問題など関心が薄く、新聞はまだ気が付いていないが、これがオバマ説得のカギではないかと思う。支持率わずか17%で国内でぼろくそに言われている大統領でも利用価値があるのだ。というのも米欧諸国に対して日本もウクライナ問題ではG7と歩調を合わせているというアリバイになるからだ。恐らく安倍は歓待して何らかの経済援助を行うであろうし、ロシアが併合したクリミア問題でもウクライナ支持を表明するだろう。逆にポロシェンコが北方領土に対する日本の主張を支持する可能性も高い。ネットによるとロシアの高等経済学院の専門家、アンドレイ・フェシュンは「プロシェンコ大統領の訪日で安倍氏は米国の激しい怒りを和らげ、自らの政治的柔軟性をそれとなくアピールしようとしているのかもしれない。ほらね。私はやっぱりロシアに行きますけど、その代わりウクライナ大統領を招きましたよ、ということなのではないだろうか」と看破している。
 こうして安倍は米ロ両国を意識した、巧みといえば巧み、見え見えといえば見え見えの外交を展開する流れのようだ。ここに来て、早くもロシアはけん制に出た。北方領土に海軍基地を設営するなどと言い出したのだ。安倍はプーチン来日を実現して領土問題を一歩でも前進させたい考えのようだが、ここはアメリカが怒ろうがどうしようが、「根回し済みの自主外交」を貫くべき時ではないかと思う。
 一方、安保法施行は安倍の外交的ポジションを強化しこそすれ弱めることはあるまい。日本が集団的自衛権の行使に前向きになれば欧米諸国にとってこれほど力強いことはない。しかし、よほどのことがない限り中東派兵などあり得ないことははっきりさせる必要がある。当面はもっぱら北朝鮮対策に集団的自衛権は行使されるべきであり、中東やアフリカに自衛隊を派遣して戦死者などを出そうものなら、この国のマスコミは気が狂ったように安倍批判を展開する。南スーダンなどへの自衛隊派遣に新法適用などは金輪際行うべきではない。北朝鮮の核ミサイルへの備えとしては安保法は極めて強い説得力があり、選挙対策には持ってこいだ。野党の安保法破棄の動きは今後5月9日の朝鮮労働党大会に向けて暴発を続ける金正恩を利することになり、これを批判すれば願ってもない選挙対策になる。


生き仏の講話:シリーズ ④ Name:浅野勝人

生き仏の講話:シリーズ ④ Name:浅野勝人 NEW! Date:2016/03/28(月) 08:36 
 
『親鸞』と『酒井友哉』
生き仏の講話:シリーズ ④ ― 酒井友哉
安保政策研究会理事長 浅野勝人

そして、その次の年にはもうひとつ、赤山苦行というのがあるんだよネ。行者として、お堂入りを終わった直後だから、ちょっと勇ましい時ですネ。だもんだから何が起きても怖いことはない。わしはそれだけのことはしたんだ。生き延びたんだ。矢でも鉄砲でも持って来やがれ、なんて気持ちになってがんばってる時ですからネ。
その頃、うちのお寺は、川から水を引いて、それで自分たちの飲料水に使っていたんです。
ところが、初夏の頃とか、雪が降る頃になると渇水状態になる。そう
すると、水が乏しくなってくるので、水源に行ってなるべく水をこっちへ集めるように棹を手直しするんです。

ある時、2月でしたか、山へ登って行ったら、せっかく直した水路を猪が潰しちゃったもんだから直さなきゃならない。直してたら、山の中なのに親指くらいのミミズが出てきたり、こんな大きな真っ黒い蟹がいるんです。
猪はそれを好物にして食べに来るんです。
その時、偶然、猪が現れたんで杖を猪の方へボーンとぶつけたんです。猪は急に棒が飛んできたもんだから驚いてパァーと逃げて行っちゃったんで、安心して直していたら、また戻って来たんです。
猪にしたら気持ちよく自分がミミズとったり、蟹とったりして食べてんのに、後から入り込んで来やがって、人間が何で俺の所場(しょば)を荒らさなければならないんだって、ブツブツ言いながら私の方をにらんでる。
その猪と正面衝突しちゃったはずみで2メートル位下へ落っこっちゃった。一緒に落っこちても、猪は四っ足があるからひょっと立ち上がって行っちゃった。けれども、僕は2本しか足がないからびっこひきながら家へ帰って来たんです。

ところが寒い時だったので、自分の怪我に気がつかなかったんですが、内出血してたんです。3月になって気候もよくなり、体の動きも
よくなってきたので『行』に精を出そうとしたところが、今まで死んでた傷口が体の内側でどんどん発達しちゃって、親指が2倍ぐらいになっちゃった。人差し指が親指ぐらい。
わらじをはいても、草鞋がきまらないんですヨ。いよいよ歩けないほどになって来たんで、行者としての約束事をどうするかということになってきます。仏様から責任をとりなさいと言われる。自分で責任を取りなさいってことは、山から姿を隠して逃げて行くか、そうでなかったら死んでしまうか、どっちかの道を選べと教えているんです。


自分の足で動けなくなっちゃたんだから、昔の言い伝えでもって切腹するよりしょうがないやネ。
行者には、死ぬんでもちゃんと約束があって『行』をする道で死ぬことは許されない。そこからちょっと離れた、隠れた所でもって自分で命を落としなさい。
だから行者は、そうゆうことに直面しても(切腹しても)誰かが見つけてくれるだろうから、その時、死体を始末するのに迷惑がかからないようにしておかなければならないんです。
そのために毎朝山を出発する時に、頭をつるつるに剃っちゃうわけ。
これ皆さんの前に来るから、おしゃれでもってお坊さんらしく見えるだろうなんて頭剃ってると思われるけれども、そうじゃないんです。これは『行』の時からずっと習慣になっちゃてるんです。
朝起きたら頭剃らないと気がすまないんです。いつどこで自分が倒れても恥ずかしくないように、みんなの手を煩わせるようなことがあっても、みっともない姿を晒(さら)さないようにしておくためです。


うちの先代の頃は1万円お金を持ってたんですが、今の時代は1万円じゃとてもじゃないが、動きがとれない。それで僕はいつも10万円を懐に入れてます。経袋っていってお経入れるところに入れてる。例えば、さっきみたいに谷に落ちて死んじまうような時に備えて、
そのお金でもって体を片付けて下さいって書いたメモを持って歩いてるんです。


いつも歩いてる所からちょっと上に、千種忠顕って人が、建武中興の時に足利尊氏と一戦を交えて、根本中堂に撤退して来た後醍醐天皇を守るために尊氏と戦ったところがある。
その人が、比叡山の入り口の水呑地蔵ってところでいつも防戦するんです。道が狭いから攻めて来てもいつも足利軍がやられちゃう。
そこで、足利軍は迂回して、後ろへ回って挟み撃ちにしたもんだから、忠顕軍は壊滅状態になって、忠顕は数人の者とやっとの思いで逃げたんです。忠顕は、僕が歩いている道の5分位で行ける丘のところまで撤退してきて、そこでもって割腹して討ち死にした。そこには千歳城っていうお城があって、今でも碑が立っています。
それをおもいだしてネ、この上に、むかし、建武中興の武将が侍として立派に命を落とした所がある。わしも行者のはしくれだし、いよいよ死ぬんだったら変なところへ行かないで、千種忠顕さんにお願いして、石碑の前でもって足でも頭でも切って逝(い)こうと決心して登って行った。
そこまで普通だったら5分位で行けるのに、15分位足を引っ張りながら上がって行って、そこでもって短刀で突き刺して切ったらネ、どす黒い血がぴゅーって飛び散った。
北海道へ行くとマリモっていう羊羹があるでしょ、あれに匙を刺したと同じようにぴゅーっと開いた足の処から血が噴き出した。
もうひとつここも切って、両方、ふたつ切り裂いちゃった。そうしたら、スーといい気持になっちゃってネ、それで失神しちゃったの。 < 明後日に続く >

生き仏の講話:シリーズ③ Name:浅野勝人 

生き仏の講話:シリーズ③ Name:浅野勝人 NEW! Date:2016/03/25(金) 09:03 
 
「親鸞」と「酒井友哉」
生き仏の講話:シリーズ ③ ― 酒井友哉 
安保政策研究会理事長 浅野勝人

それから、夜中にお水取りに行かなきゃならない。200メートル位離れた井戸まで行くのに、最初の頃は7分位で往復できる。ところが、時間が経つにつれて体力が消耗してきて何十分もかかるようになる。おいしいもん食べて休養して、リズムをつくって、リズムに乗ってやればうまいこといくんだろうけれども、リズムを狂わしちゃって、ただひたすら自分が枯れてくるのを待ちながらやっていくやつだから、どうしようもない。
そんなことやってるうちに、自分の体がまたしんどくなってくる。しんどくなってくると、なんでこんなことになっちゃたんだと、もう一人の自分が出て来ちゃう。そんなに辛いんだったらもう止めちゃって、どうにでもなればいいんじゃないのと思いはじめる。

その頃になると体が貧血状態になってくるのに、その時は貧血状態だなんて気づかないわけですヨ。だから立ち上がると、ふわーと目まいがして、暗くなるような感じがする。自分の体の体重の重心が狂ってるもんだから、踏ん張りがきかなくて、揺れてるわけ。
それがネ。雲の上に乗ってるような感じがするわけ。ふわーふわーと、なんとも言えない綿の上に乗っかってるような感じ。それに吸い込まれるような、何か知らないけれど遠い所からスーと滑空しているような感じがするわけ。それでもってどこまで行くのかな、もし行くとこまでいったらどうなるのかなと思いながらやってるうちに、パッとまた自分に引き戻される。
そのくり返しの中でお経をあげ続けていると、死んじゃうのかなと思えてくる。こんなに辛いんなら死んじゃおうかなと思って、それなりの決心がつくと、今度は行くとこまで行かせてもらおうと腹決めて、そのつもりでお経をあげるようになるんです。

そうするとやっぱりうまいこと出来ててネ。トントントントンと合図の音が聞こえてきて、今まで閉じこもっていたのがふっと自分に戻る。そうだ、お水取りに行かなきゃならないと我に返って、お水取りに行くわけです。
背中に桶をかついでそろそろと下へ出て行くのが夜中の2時頃なんです。10月の比叡山の夜中の2時頃っていうと、もう寒いんですヨ。
それにもかかわらず、その時間になってくると下の方から皆んなが上がってきてくれて、行者の無事を祈ってくれたり、昨日あんなに細くなっていたが、今日はどの位になってんだと思って、私の体を心配して大勢の人が出てきてくれるんです。

その人達がお数珠でお不動さんの真言を唱えてくれる。この音が耳に入って来ると不思議とぴしっとします。「ナンマンダ」って言ったり、「ノウマクサンマンダ」と言ってる声が聞こえてくると、これはがんばらなくちゃいけないな、へたっちゃいけないなと思うのネ。そう思った途端に、もう一人の違った自分がのこのこと出て来て、「ここでもうひと踏ん張りして、男を上げなかったら行者じゃないヨ。」なんて言われちゃう。それじゃ頑張りましょうと思って、ふらふらになってんだけども元気があるような顔をして、お水を取って帰って来る。
お堂へ戻って来て、その勢いで一生懸命お経を唱えているうちに、いつの間にか、また吸い込まれるように滑空状態に入っていく。


結局考えてみたら、死のうか生きようかスレスレなんだよネ。大勢の人のお数珠の力だとか、応援団の真言などの念仏の声聞きながら、みんなの前で無様(ぶざま)な格好は出来ないからがんばりましょう。いい格好しよう。俺はこんなになってもまだ元気があるところを見せなきゃならないって、必死で歩いてる自分がいる。もう一方、スーと吸い込まれて行っちゃって、全てのことを忘れて、これが本当の桃源郷ならこれでいいじゃないの、死んでもいいよっていうもうひとりの自分がいる。詰まるところ、2人の自分の競り合いになってる。
耐えようか、楽しもうか。死のうか、生きようか、生きようか、死のうかという時になって、ハッと気がづくんだネ。何のために自分は行者になったのかとネ。


もうひとつはここまで誰が育ててくれたのか、比叡山へのこのこやって来て、『行』をさせてもらう、『行』をするんでも何もなくて出来るわけじゃありません。
細かいお金がいっぱいいるんです。草鞋(わらじ)を用意しなきゃならないとか、行者の衣類を作らなければならないとか、細かい目に見えないものがいっぱいある。
応援団の人たちが一人増え、二人増えて、みんなが寄進してくれて、これだけの軍資金があるからがんばって下さいって、『行』をしやすいように仕向けてくれてるわけですからネ。そのお金のおかげでお堂入りの時まで漕ぎつけたのに、お堂入りの最中に自分の都合でこのまま行っちゃったら(死んでしまったら)とんでもないことになる。そうゆう人たちに何をもって報いるべきかということを考えますネ。

そうすると絶対どんなことがあっても、この『行』だけは成し遂げなければならない。お堂から出て行った後で、この人たちのために力を十分と発揮しなければいけない。自分がここまでくる間には、身内ばかりか、大勢の知人、友人が亡くなっておいでになる。そうゆう人たちに対して何をもって報いるか。やっぱり自分が生き延びて、その人たちの供養、回向をすることが行者の務めではないか。


また、元気な人達や幸せな人達には、幸を持続していただき、落ち込んでいる人にはこうゆう生き方があるんだヨということを体で見せてさしあげる。その人達が、ああそうか、あれだけのことがやれるんだったら俺もがんばって生きてやろうじゃないかって、そうゆう気持ちを汲んでいただければええんじゃないか。
そんな思いが先行してきて、どんなことがあっても、この『行』はやり遂げなければならないと決心してやり直すんです。そんな思いと考えでもって、成功するということは不思議だけれども、とにかく無事に満(まん)ずることが出来るわけです。 <月曜日に続く>―

◎俳談

◎俳談
【一茶のリフレイン】
 一茶はリフレインの名手である。ただでさえ短い俳句の中で言葉を繰り返すのだから無駄のように見えるが、当たるとリフレインほど訴求力のある俳句はなくなる。一茶はかなりの確率で当てているのである。まず人口に膾炙(かいしゃ)した句は
やれ打つな蝿が手をする足をする
雀の子そこのけそこのけお馬が通る
の二首であろう。「する」を重ねることでハエの情景がクローズアップで見えてくる。「そこのけ」の繰り返しは、威張っている武士階級を茶化して見事だ。
一つ蚊のだまってしくりしくりかな
もちろん蚊は刺しますと言って刺さない。黙って刺すが、しくりしくりであちこち刺された様子が浮かぶ。
千の蟻一匹頭痛の蟻がいる 東京俳壇入選
庭で蟻を見ていて直感であの蟻は頭痛に違いないと思った。
鳧(けり)の子のけりつと鳴ける日暮かな 東京俳壇入選
本当に鳧は「けりっ」と鳴くのだ。だから鳧という名が付いたに違いない。
ときめきてすぐあきらめて石鹼玉 読売俳壇1席
日の落ちてとっぷり暮れて十三夜 産経俳壇入選
リフレインではないが「て」という助詞を二度利かせることによってリフレイン効果とリズム感を出した。これも一種のリフレインだろう。

◎F35配備で敵基地攻撃能力を実現せよ

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◎F35配備で敵基地攻撃能力を実現せよ
  議論より高度の政治判断のときだ
 要するに天から核ミサイルを降らす狂気の指導者が近隣にいるのに、天から平和が降ってくるなどという専守防衛一点張りの思想など成り立たなくなったということだ。どの国もが持つ敵基地攻撃能力をミサイル迎撃能力と併せ持って、初めて北朝鮮の核から国民の生命財産を守ることが可能となる。これは北がミサイルに原爆を搭載したか、しつつあるとかにかかわらず必用な戦略である。北が迎撃力を上回る大量のミサイルで「飽和攻撃」を仕掛けた場合、例え1、2発でも日本に核ミサイルが到達したらどうなるかを考えてみるべきだ。おりから日本で組み立てている敵基地攻撃能力のあるステルス戦闘機F35が11月に完成、米軍も来年1月には岩国に配備する。政府・自民党はこれと連動して高度の政治判断を下すべきであろう。
 自民党は、24日国防部会を開いて敵基地攻撃能力確保の問題について議論を開始したが、イロハのイからのスタートである。選挙を前にして穏便にという自民党執行部の方針は分かるが、今頃こんな議論を繰り返しているときかといいたい。席上、防衛省の担当者が「従来から法制上は、ほかに手段がないと認められるかぎり、基地をたたくことは自衛の範囲に含まれ可能としている。ただ、自衛隊は従来から敵基地攻撃に適した装備体系は有しておらず、必要な装備の検討もしていない」と現状を説明。これに対し、出席した議員からは「北朝鮮は複数のミサイルを同時に発射する能力を持っており、『撃たせないようにする』とか『撃つ前にたたく』ということは当然考えなければならない」という意見が出された。また「敵基地攻撃能力の保有を議論することが北朝鮮に対する抑止力になる」といった指摘が出され、引き続き議論していくことになったという。
 しかし既に同国防部会は09年の北朝鮮によるミサイル実験を受けて「座して死を待たない防衛政策としての策源地(敵基地)攻撃能力が必用」との結論に達している。こうした意向を受けて13年の防衛計画大綱には、「ミサイル発射手段への対応の在り方を検討し、必要な措置を講ずる」と初めて敵基地攻撃能力について間接的に言及しているではないか。もう議論の段階は過ぎた。対応が遅れれば遅れるほど、北の核戦略を利することになる。ただしこの問題は、安保法制のように政権与党だけで進めず、野党も含めて国論を形成する努力も必用だ。幸い民進党右派には元外相・前原誠司のように確信的な敵基地攻撃論者がいる。これらを巻き込んで実施に移す必要がある。
 北の核ミサイルの現状は定かではないが、防衛省によると18日に発射した中距離弾道ミサイル「ノドン」は、「ロフテッド」と呼ばれる通常よりも高い軌道を描いていたという。おそらく弾道ミサイルの性能向上に必要な大気圏への再突入実験などを意図した可能性があるとみられる。しかし米韓軍事演習に対抗して実施した上陸演習や、ミサイル再突入実験は、まさに噴飯物もいいところだった。米上陸用舟艇を真似したのかゴムボートのうえに張りぼてのような被いをつけて上陸したまでは良いが、降りる兵士は皆シャベルを持っていた。よほど古色蒼然の銃器など見せたくなかったかのようである。再突入実験も先進国では高熱を出せる特殊な風洞を作って行うが、ガスバーナーを集めてレンガ製のの弾頭に炎を吹きかけるという「前代未聞の装置で行った」(専門家)という具合だ。
 恐らく金正恩が思いついて急きょ映像を準備させたのだろうが、世界中の専門家によっていっぺんに見抜かれることまで考えが及んでいない。金の知識と判断力のレベルがうかがえるパフォーマンスだった。まさに精一杯背伸びする「弱者の選択」に懸命なのだろうが、馬脚が現れるとはこのことだ。北はミサイルの発射が液体燃料注入でばれると判断してか、固体燃料の開発に成功したと発表したが、これも眉唾ものだ。しかし核兵器を開発しだして10年になる。先進国の開発は小型化に5,6年で成功しており、かなりのレベルに達していないとは言えない。日本を狙うノドン200発に核を搭載すれば、まさに極東の戦略を左右する重大事態となる。冒頭述べたように飽和攻撃をかけられたらイージス艦や地上配備の迎撃ミサイルをすり抜ける公算が高い。核兵器を搭載した200発のノドンが日本に向けて発射されれば、迎撃が利かない飽和状態となり、必ずすり抜けるミサイルが出てくるのだ。
 こうした狂気の行動にでかねない金はまさにルールを知らない指導者であり、彼による予測不能の事態に対処するには万全の対応をするのが国家戦略のイロハだ。国の安全保障は常に最悪のケースを想定して行われるべきものなのだ。こうした事態に直面してマスコミにも敵基地攻撃を重視する論調が出始めた。産経が社説で「敵基地攻撃能力の保有検討を始めよ」と主張しているのはあり得ることだが、読売も加わった。社説で「迎撃システムだけで、すべてのミサイル攻撃を防ぐのは事実上不可能だ。巡航ミサイルなど、敵基地攻撃能力の保有についても本格的に検討する時期ではないか」と強調している。
 安倍は昨年夏の安保国会では「武力行使の新3要件を満たせば法理上は認められる」との認識を表明したものの、「我が国は敵基地攻撃を目的とした装備は保有しておらず、想定していない」と語っている。しかし次期戦闘機F35は敵基地攻撃が可能である。米軍が岩国へのF35配備を決めたのも北への先制攻撃を意識したものとみられる。これまで米国は日本の独走を警戒するあまり、敵基地攻撃能力を日本が持つことに消極的であったが、北は米本土を攻撃するミサイル開発に成功しつつある。事態は大きく変わってきているのであり、ここは日米韓協調の態勢確立へと急ぐべきであろう。


◎俳談

◎俳談
【老犬】
老犬の盲(め)しひゆくらし冬の山 産経俳壇入選
 どうも飼っているホワイトテリアが目が見えなくなったり、耳が遠くなったりしているらしい。大声で怒鳴るように呼ばないと顔を上げない。しかし、めしをやる食器の音だけは聞き逃さない。ことりと音を立てただけですぐに起きてくる。食い意地だけは張っている。掲句は季語の冬の山と目が見えなくなりつつある老犬を響かせたものだが、一般の人には何で冬の山か分からないだろう。それはこのエッセイを読んでいる内に分かるようになる。俳句の要諦だ。
 食事も亭主は粗食なのに、犬は牛刺しだ。牛刺しをやるようになってから、犬は胆石の痛みも起きなくなったようだ。ドッグフードがいかに駄目かの証明となった。犬の牛刺しを食べたくなって、こっそり冷蔵庫を開けてつまむと、結構いける。ビールのつまみにいい。犬の食事を盗み食いするようになってはおしまいだが、今度女房の留守に肴にして一杯やるとしよう。犬めにはアジの頭しかやらない。
初嵐犬吠えカラス横っ飛び 東京俳壇入選

◎小沢・共産の「野合路線」が早くも空回り

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◎小沢・共産の「野合路線」が早くも空回り
 安保反対も北の暴挙で共感呼ばず:野党戦略
 まるで関ヶ原決戦を前にした西軍の分裂のような状態を野党が呈し始めた。生活の党代表の小沢一郎は共産党委員長・志位和夫との対談で「共産党とは組めないとか小沢は嫌いだと言っているようでは、安倍さんになめられる。その他の野党の器量の問題だ」と発言、民主党代表・岡田克也を暗に“器量”が無いと批判した。確かに岡田は西軍の将・石田三成のように狭量なところがあり、野党全軍の将の器となれるか疑問だ。一方東軍の将・安倍晋三は選挙を「自公対民共の戦い」とクリアカットに位置づけ「決して負けるわけにはいかない」と旗幟を鮮明にさせた。加えて注目すべきは政府が22日共産党を「現在においても破壊活動防止法に基づく調査対象団体である」「共産党の『いわゆる敵の出方論』に立った『暴力革命の方針』に変更はない」と改めて指摘する答弁書を閣議決定したことである。あきらかに共産党に接近する民主党に打撃となるうえに分断を狙った決定である。若い人は知らないだろうが、共産党が1950年にスターリンの指示と資金を受けて事実上武装蜂起して火焔瓶闘争を展開したのは有名である。これを再びむしかえし、指摘したのだから、誰が見ても東軍の戦略の方が「家康風」で狡猾である。西軍は小沢がやきもきするように安保関連法や消費増税といった重要政策で分裂の傾向を呈している。とりわけ小沢の「消費税延期先取り戦略」は、狡(こす)っ辛さここに極まれりであるのみならず、野党内に亀裂を生みかねない側面がある。
 昨年夏の安保法制審議などをきっかけに小沢・志位会談は水面下でこれまでたびたび行われているが、雑誌の対談はその内容が分かる意味で貴重だ。この中で小沢は志位の参院選改選1人区で候補を取り下げるなど野党共闘を推進する姿勢を「日本の歴史を変えるきっかけになる」と褒めちぎった。まさに“一大よいしょ”を展開したのだ。何としてでも共産党の集票力を確保して、政権交代の夢よもう一度と言う策略であり、目的のためには「悪魔」とでも組むという、なりふり構わぬ野合路線の露呈だ。政局見通しについても「多分ダブル選挙になる」との見通しを述べ、志位も同調した。そして争点を「国民の多数が反対している」(志位)安保法破棄に絞ることでも一致した。この場で目立ったのは小沢が、安倍の検討している消費増税再延期について「安倍政権より先に延期を打ち出すべきだ」と“延期先取り”を主張したことだ。大衆受けする政策ならなりふり構わず、生き馬の目を抜くがごとくに先手を打とうとする「小沢ポピュリズム」の面目躍如たるところが見える。  
 27日に結党大会を開く民進党は他の弱小政党にも働きかけて、合併を促す方針だが、小沢に対してはどうも入党を拒否する流れが強まっている。小沢アレルギーが依然として根強く、岡田が党内をまとめられないからだ。前首相・野田佳彦に到っては去る3日の連合の春闘決起大会で「方針が決まってもゴチャゴチャ言うのが民主党の悪いクセだ。一番ゴチャゴチャ言ったのは元代表だ」と名前こそ出さなかったが小沢批判を展開。それでも言いたりないのか野党糾合問題について「一番(私の)足を引っ張った(小沢)元代表さえ来なければ、あとは全部のみ込もうと思っている」とまで述べた。露骨なまでの小沢外しだ。さらに党内では右派を中心に共産党アレルギーも根強く、元外相・前原誠司は共闘について「あり得ない。逃げる票の方が多い」と全面否定。京都選挙区で共産党と戦ってきた前原は「共産党の本質はシロアリ」とテレビで発言、侵入を放置すれば屋台骨ががたがたになることを強調した。小沢・共産の野合路線がまさに空回りの図である。
 いまや共産党賛美の小沢はこうした民主党内の空気にしびれを切らしたと見えて、23日夜には何と民主党抜きで野党4党党首の会合を主催した。この場で小沢は志位との対談で持ち出した消費増税凍結法案の今国会提出を提案、会合は民主党に持ちかけることで一致した。既にこの小沢の凍結案は民主党に吸収される維新の党でも代表・松野頼久が党内で、野党共同で国会提出する方針を表明している。しかし民主党内は安倍の検討している消費増税延期の方針について、政調会長・細野豪志らが既に「財政規律を重視する立場を打ち出し、延期を批判した方が戦いは有利」とする立場から「先延ばしするのであれば、安倍政権そのものが退陣するのが筋ではないか」と反対論を展開している。幹事長・枝野幸男も慎重論であり、松野が復党して主張しても受け入れられる雰囲気にはない。早くも合流を前にして政策のずれが表面化する兆しを示している。
 また安保法破棄を旗印とする路線が国民の共感を呼ぶかどうかも疑問だ。なぜなら安保法の正しさは北朝鮮の何をするか分からないトップの動向が日々立証しているからだ。狂ったようにミサイルを撃ち続ける姿を目の辺りにして国民は安保法がなかった場合の日本の姿に思いをいたさざるを得ないだろう。簡単に言えば米国に向かうミサイルを無視したら、日本に向かうミサイルを米国が打ち落とさない可能性があったのだ。この緊迫した極東情勢下で、共産、民主に扇動された“安保天降り病”患者がまだ日本にいる方が奇跡だ。政局の焦点である消費税延期をめぐる思惑の相違も、野党の選挙共闘の柱となる政策が成り立たなくなる恐れがある。加えてダブル選挙となった場合、野党は数々の選挙区で衆参のまた裂き状態に置かれることになる。一方で協力し一方で反目する混乱だ。政策で混乱した揚げ句のまた裂きでは、野党統一の選挙戦略そのものが根本的な打撃を受けかねない状態でもある。


生き仏の講話:シリーズ② Name:浅野勝人

[4786] 生き仏の講話:シリーズ② Name:浅野勝人 NEW! Date:2016/03/23(水) 09:45 
 
「 親鸞 」と「 酒井友哉 」
生き仏の講話:シリーズ ② ― 酒井友哉 
安保政策研究会理事長 浅野勝人

やはり一番の難行はお堂入りですネ。山を毎晩、毎晩ぐるぐるぐるぐる歩いているうちに700日終わると、休憩なしで、その足でもってお堂に入らなきゃならない。9日間、断食、断水と、不眠、不臥の『行』です。
水は飲まないわ、ご飯は食べられないわ、眠れないわでネ。じゃ
横になってればいいでしょうっておっしゃるが、横になってもいけない。ただただ、座禅をしている姿でいるんです。その間に法華経を全部読み上げなきゃならない。それから、お不動産の真言を10万遍唱える。
ですから、お堂に入る時にはいつ帰って来られるか、出て来られるかどうかわからないなと思いますよネ。もしかして、お堂から出ることが出来なかったら( 『行』の途中で死んでしまったら )、全部ゼロになっちゃうでしょう。
そうすると、自分でお小遣い持ってたって何の役にも立たないんで、全部はたいて、縁故のある知り合いの人たちを招いて、自分でもってお葬式の宴を開くんです。それを俗に「生き葬式」と呼ぶんです。それをやってお堂に入ります。

お堂にはいると、まず゛108遍お不動さんの真言を唱えて礼拝します。ぺこぺこぺこぺこやるでしょう。それをやってるうちに50回位になると、お招きした親族の人達や昔お世話になった学校の先生とかが、お堂から出て行く。その人達が出てしまったら、お寺の高僧とかお坊さん達もみんな堂から出ていっちゃう。自分ひとりになっちゃいます。
お堂の中では、内陣というお勤めする場所で、まず108遍唱え終わると、席を一段下の方の下陣へ移します。そこの所に一畳の畳が置いてあって、屏風が逆さ屏風、そこで真言あげたり、法華経あげたり、ずっとお経をあげ続けるんです。

そうすると、2日位経つと、脱水状態がだんだん出てきて、こういうところにヒビがいって裂けてくるんです。治(なお)そうと思っても『行』をしている最中だからお堂を出るまで治せないんです。水は飲めませんから、どんどんどんどん脱水状態が進んでくる。
呼吸をするのに、普通だったら口でこうゆうふうに呼吸したり、今みたいにおしゃべりしてると口が動くでしょう。そうすると傷口がどんどん開いていってしまうんで、それを防ぐために鼻で呼吸するようになるんです。

鼻でもって呼吸していると、のどに痰が詰まってきます。痰でもって、窒息しちゃいそうになるから、それを防ぐため5日目になると「うがいの水」を許してくれる。
器にいっぱいお水を入れてきてくれるんで、グルグルグルグルってうがいをして、空っぽの器にあけるわけです。それをくり返しているうちに、つい、うがいのお水を飲んでお腹の中に入れちゃうことがあります。そうすると、その『行』はこれでお終い。失格です。そうゆう風に厳しい約束があって、少しも気は抜けません。
人間ってのはネ、不思議なもんで、粋がって、「わしは行者です」って、全て忘れて一生懸命がんばってやるんです。

真言を10万遍唱えるのにどうやってやるかというと、1回唱えるごとにお数珠をひとつずつずらしていく。最初は108遍なんだけれども、時々上の空でやりかねないから8回分上乗せさせられる。108回唱えて100遍と計算する。
こうやって、我を忘れてお経をあげ続けているうちに、痰が詰まって窒息しちまったら、せっかくの努力が水のアワになっちゃうから、うがいの水を持ってきてくれるのでしょう。

いままで脱水状態になって、水の「み」の字も忘れていた人間が、器に入った水をくっと見ちゃったら、途端にいままでの気持ちがスーとどっかへ行っちゃうんです。
それでもって、うがいのお水は1日に1回しか持ってこないんだから、ずいぶんと罪なことなんですよネ。
いままでは水を飲みたいという余分なことを考えてなかったから、時間の経つのが流れるようにずっといってた。ところが、今度は口の渇きがどんどんどんどん強くなってくるから、今まで忘れてた感覚がよみがえってくるでしょう。
だから、今度は時間が長く感じるんだ。まだ1時間位しか経ってないのに、もう3時間位経ったはずだと思ってしまう。集中力でもって時間が経っちゃた時と違って、とにかく水が欲しい。24時間経ったら水が来るってんで、早く時間が経たないかってそっちの方が先行しちゃう。水のためにリズムが狂ってくるんです。

追い込まれると人間いろんなことを考える。なんとかして、この水を長くもたせる方法はないものかということを考える。それがまた行者のくせにネ。病人が氷を一片ずつ口に入れてもらってうまそうにクチュクチュやる時があるでしょ。それを思いだしちゃってネ。
その水をいっぺんに使っちゃうと、2回位うがいしたら無くなっちゃう。本当にのどが渇いて潤そうと思ってクーとやったら、それ1回でなくなっちゃう。ガラガラとやったら、本当にものの10秒か15秒位で1日お終いだからネ。
それでなんとか長く水と親しんで、長く持たせる方法はないかと考える。舌の上に水を一滴のせて、舌の中でくるくるくるくるかき混ぜてんだよネ。すると冷たい水が生ぬるくなってきて、ドロドロの粘っこい水になって出てくるんです。そんなことやってるとだいたい2分くらいもつんです。それがだんだん慣れてくると3分とか4分位もつようになります。
水を知ることができてくるんです。
そうゆうことをやってるうちに、今度は集中力が切れてくる。集中力がある間は、そんなこと考えながらでも一生懸命お経あげたり、決められた修行をやってるんですが、集中力が切れると自分に戻ってくる。要するに生身の自分に帰るんです。
腰が痛くなってくるし、肩は張ってくるし、身の置き場がなくなってくるんです。

そうなってくると、今まで一生懸命やっていたのに、なんでこんなことまでやんなきゃならないのか、いくらなんでもここまでやることはないだろうなんて、自分と違うもう一人の自分が出てくる。最初にお堂に入った人間は一生懸命がんばって、なんとかやり遂げようとそれ一筋に進むんです。ところが、今でいう煩悩というやつが現われる。
もう一人の自分が後ろから現われて、指図してくるんです。 < 明後日に続く

◎俳談

◎俳談
【桜を詠む】
桜を詠むときは、季語のイメージが強すぎるので状況を素直に捉えるにかぎる。あれこれ考えすぎたり、技巧を凝らすと墨絵に油絵の具を塗るようになって、桜の爽やかさが出ない。
芭蕉の
さまざまのこと思ひ出す桜かな
が良い例だ。実際にはこれだけの俳句を詠むには、相当な技巧が必要だが、芭蕉はそれを感じさせない。読む者の気持ちの中にすっと入り込んで、いったん入ると忘れないフレーズとなる。
たましひが先に近づく桜かな 産経俳壇入選
桜へと急ぐ身体より心が先に桜へと到達することを詠んだ。
遙かなる桜吹雪に急ぐかな  東京俳壇入選
桜吹雪がまだ終わらないように祈るような気持ちで急ぐ心境だ。いずれも感じたままを読んだ。技巧はない。
夜桜や学舎の窓の闇深し 毎日俳壇入選
夜桜の明るさに学校の窓の暗さを対比させた。
今生に一睡すれば花吹雪 産経俳壇入選
庭のしだれ桜を前に花見酒に酔い、一眠りしたら花吹雪だった。

◎サミット終了会見で「増税延期」表明か

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◎サミット終了会見で「増税延期」表明か
 反対論の公明はしょせん“転ぶ”
 政界も財界も市場も消費増税先送り・衆参同日選挙をすべての前提として走り出した。この流れを止められるのは首相・安倍晋三一人だけだが、本人は「今年は大切な年になる。あえて申し上げないが皆様大体想像つくのではないか」と思わせぶり発言で、逆にあおっている。自民党内各派は既に資金調達パーティーで同日選に向けた選挙資金調達に躍起になっている。各政治家たちも資金は会期末には底をつき、早く解散をの声は悲鳴に近くなる。安倍はサミット後に決断をするとしているが、国際経済情勢の流れは増税になく財政刺激策にある。筋書きは、議長国として最終日5月27日の記者会見に日本としても増税延期と財政で国際経済好転に貢献すると表明、解散断行を最終的に表明することになりそうだ。これが筋書きだろう。
 新年早々の原稿で増税延期で麻生太郎と財務省幹部の首を切らざるを得なくなる可能性を指摘したが、麻生が18日閣議後の記者会見で見せた醜態が財務省と首相官邸の確執を物語る。何と麻生は消費税先送りと衆参同日選挙で紙面を全面展開した読売新聞の記者に向かって「お前、勝手に自分の話を作るな。いかにも政府が言っているような話に書き換えている。読売の得意とするところだけど、あんまり上品なやり方じゃないな。そろそろやめた方がいいぜ」と斜に構えて、まるで山口組幹部でも最近はしない口ぶりで脅しにかかったのだ。学習院出身にしては余りの品位の無さにあっけにとられたが、読売は1面、2面、3面、4面、社説を使った全面展開をしており、明らかに社の全力を挙げた取材に基づく記事である。それをたかが財務省担当の一記者を「お前」呼ばわりしたうえに「やめたほうがいいぜ」はない。文句なるならナベツネに言うべきことだろう。麻生発言は言論出版妨害の最たるものである。
 読売の記者も社への侮辱に黙って見過ごすことはなかった。「受け止めを」などとコメントを求めず、麻生発言の非を突くべきであったが、突然の攻撃に即対応することは難しいことも確かである。もっともこの発言はテレビカメラの前で行ったのであり、読売批判と同時に読売に情報を流した官邸への当てつけとも受け取れる。それでは麻生は開き直った以上、延期になったら辞職覚悟で発言しているのだろうかと言えば、そうでもあるまい。財務省向けに俺は怒っていると言うポーズを見せたのでもあろう。事々左様に軽いのである。
 こうして消費増税実施派は追い込まれて、逃げ場を失いつつある。テレビを見ても発言は筆者が新年以来指摘してきたことを、さも自分の意見であるかのように発言するコメンテーターばかりだ。目明き千人、めくら千人と言うが、いまではめくらは約1人だけとなった。政局が苦手と見えるコメンテーターだが、その1人が「延期すればアベノミクスの失敗を認めることになる」と民進党と同様の発言をしている。冗談ではない。アベノミクスがなければ史上最高の企業利益や完全雇用は実現していなかった。大成功だ。その大成功を維持、発展させるために、世界中どの国もやったことがない民主党政権の負の遺産である消費税倍増などというとてつもなく馬鹿げた方針を遅らせようとしているだけなのだ。あくまでアベノミクスを完成させ、デフレからの脱却を達成することにある。解散の大義はまずここにある。コメンテーターは「増税の収入を国民に給付金で全額返せば良い」などと荒唐無稽なことを言ったが、芸人の司会者から「それなら最初から上げない方がいい」と言われ失笑を買う始末。とにかく反対論には国際経済情勢の無知からか、国内政局ばかりを見ている発言が多い。
 公明党がいい例だ。公明党代表・山口那津男は22日「不確定なことを軽々に言うべきではない」と真っ向から否定。さらに「政府・与党ともに、日本経済の基礎的条件はしっかりしているという認識を持っており、経済状況を理由に先送りするという判断には、今のところならない。社会保障のさきざきを見据え、中長期的に安定的な財源を確保するという大局的な意義を見失ってはならない」と発言したが、これこそ国際情勢の大局を見誤っている最悪の事例だ。国際経済はノーベル賞学者のスティグリッツが今年は最悪の去年より悪化すると述べている。またクルーグマンも22日の国際金融経済分析会合で、消費税をやるべきでないと主張、財政刺激の必用を強調した。これで会合の大勢はほぼ決した形だ。山口は経済がデフレに戻れば、社会保障がもろに打撃を受ける危険を知らない。山口はせめてG20の共同声明くらい読んだらどうか。「機動的な財政政策を進めよ」と強調していることくらいは勉強すべきではないか。
 筆者は公明党の反対はこれまで同様ぎりぎりで方向転換すると見ている。だいいち増税延期と連動する同日選挙に関しては支持母体の創価学会幹部の間から、「1回でやる方が2回やるより楽だ」という声が出ている。知らないのは山口だけだ。公明党は何より「自公政権命」なのであって、いくら超重要テーマでも連立解消を覚悟で最後まで押し通す度胸はあるまい。
 こうして流れは決まりつつあるが、段取りとしては自民党議員の“勘”が大きく作用する。言い換えれば動物本能である。フツーの代議士なら「安倍はダブルに踏み切る」と判断して全力疾走するのであり、この潮流は誰も止められない。愚かな代議士だけが「選挙はない」などと言い続けて落選するのだ。幹事長・谷垣禎一は増税延期を否定しているが愚かではなく過熱を冷やしているだけだ。官邸が「最終判断をサミット後にする」としているが、これには訳がある。サミットを俯瞰すれば、G20の通り各国首脳が財政刺激策の必用で一致することになろう。これはとりもなおさず増税路線とは真逆の方向であり、日本は財政出動を約束することになる公算が大きい。安倍は議長国としてまとめ役にならざるを得ず、日本1国だけ消費増税を断行するという選択肢はない。これが本稿冒頭のサミット終了記者会見での発言につながると予想される根拠なのだ。


生き仏の講話:シリーズ① Name:浅野勝人

生き仏の講話:シリーズ① Name:浅野勝人 NEW! Date:2016/03/22(火) 09:54 
 
『 親鸞 』と『 酒井友哉 』
安保政策研究会理事長 浅野勝人

 私も人生の先が短くなってきました。ピッチを上げて読書しないと間に合いません。
 書店で目に映った吉川英治著「親鸞」(1万年堂出版)を読もうとした矢先、半世紀前、NHKで同期の記者だった著者ご子息の吉川英明氏から「新平家物語を読む方が先決」といわれて「新平家」(新潮文庫)20巻を年末年始に読破しました。ところが、「親鸞」を読む前に、やはり書店で目にとまった故大平正芳元首相のお孫さん、渡邊満子著「祖父、大平正芳」、葉室麟著「はだれ雪」(角川書店)が間に挟まりました。前者は貴重な政治史的資料。後者は、随所に涙を誘う「外伝―赤穂浪士」。いずれも感動の書です。
やっと3月(2016年)早々「親鸞」4巻を読み終えました。


弥陀(みだ)は、人間になし難いことを強いた。5戒の約束がそれである。求法(ぐほう)の僧(そう)衆(しゅう)が、最も苦しみ闘うのは、そのうちでも「女色禁」の一戒であった。女に対して、眼をつぶることは、生まれながらの盲人でさえもなし難い。(2巻、146頁)
範(はん)宴(えん)(親鸞、最初の法名)は、月輪(つきのわ)禅閤(ぜんこう)の末娘、玉(たま)日(ひ)姫(ひめ)との恋におち、僧として許されない叛逆の心に苦しみます。
相反している二つのものが、範宴という一個の肉体をかりて、心のうちで、血液のうちで、すさまじく戦っているのが(範宴には)わかる。(2巻、214頁)と著者は書いています。
 
「親鸞」を読みながら、なぜか、比叡山延暦寺北峯大行満・天台宗大阿闍梨・酒井雄哉師の講話が想い出されました。三度の山籠りから最後は比叡山を去った親鸞と酒井友哉師とでは微妙なパズル合わせですが、「極限の行の人」という共通項が私の五感を覚(さ)まさせたみたいです。
酒井師は、7年かけて4万キロ歩く荒行「千日回峰行」を2回満行した不世出の行者です。ちなみに赤道の周囲が、40,075 km ですから、ぴったり地球1周です。酒井師は2回達成していますから、地球をふた回り歩いたことになります。
信長によって比叡山が焼き払われた天正以来400有余年の間、生涯に2回満行した行者は3人だけです。酒井師は、そのうちの1人です。師が生き仏と慕われた所以です。

酒井師には、生前、懇意にご指導いただき、そのご縁で「浅野勝人政経塾」にお運び願って、豊川市と名古屋市で2度講話をしていただきました。酒井師は、滅多なことには下山して娑婆の会合には出ないと聞いていましたが、何故か、わたしを気に入っていただき、御山を下(くだ)ってくださいました。
講話を聴かせていただいて、これは後世に記録として残す義務があると思い立ちました。師も「講話を後(のち)の世に伝えるのは願ってもないこと」と賛同して下さいましたので、自著「成熟」(時評社)に収めました。今回、ご紹介するのは、2005年6月10日、名古屋市で行った浅野勝人政経塾セミナーで2,000人に語りかけた講話です。

酒井師が、「千日回峰行」を80年、87年にそれぞれ満行したのをきっかけに酒井雄哉を素材にした著書が登場し始めました。私が承知している範囲では、1988年が最初です。その後、酒井師のことばを寺田みのる氏が描いた絵を添えた色紙に仕上げ、細溝高広氏がコメントした「ただ自然に ― 比叡山千日回峰行 酒井雄哉 画賛集」(小学館文庫)があります。ただ、酒井師単独の著書は、2008年10月発刊「一日一生」(朝日新書)以来、亡くなられた( 酒井友哉師が逝去されたのは、2013年9月23日、87歳の大往生でした)1か月後に出版された「この世に命を授かりもうして」(幻冬舎ルネッサンス新書)までの間に10冊余の出版が集中しています。私の手元にあるだけで6冊あります。ですから、2005年発刊の「成熟」に収録させていただいた講話は、酒井師ご本人単独のものとしては、もっとも旧(ふる)い貴重な記録ではないでしょうか。

そんな意味合いもあって、今回、改めて、「成熟」に掲載した講話をご紹介いたします。何度も読み返していただくと、読むたびに新しい発見に出会います。そして、ことも無げに語られている数々のエピソードに「行」の凄みと不思議な心の安らぎを見出していただけると存じます。
酒井師のひと言、ひと言にどれほどの勇気をいただいたか、わたしは道に迷うと読み返して諌めていただいています。

師は、1991年、中国山西省の五台山を巡礼して、3千メートル級の山々を踏破しています。94年には西安を訪れ慈覚大師が仏法を学んだ足跡をたどりました。また、孔子のお墓がある山東省を巡礼して孔子文化大学の客員教授に迎えられて名誉博士号を贈られており、日中仏教界の交流に貢献しています。
酒井師とは食事をともにさせていただいた貴重な機会がありました。その折々に、中国観をじっくりお聞きすればよかったとそればかりが悔やまれます。もったいないことをしました。
向こうへ行ったら、改めて門を叩くのが楽しみです。(元内閣官房副長官)

<註> 酒井友哉師と合意のもと、浅野勝人の著書「成熟」(時評社)に掲載された「浅野勝人政経塾セミナー・酒井雄哉講話」の転載については、生前の酒井師から「この講話は、記録にして後々(のちのち)まで残してほしい。そして、1人でも多くの方に伝える努力をしてもらいたい」という要請を直接いただいていることを付記しておきます>


生き仏の講話:シリーズ ① ― 酒井友哉 
こんにちは。比叡山で回峰行という『行』をさせていただいているお陰で、まだこうやって生きているんです。皆さんから、なんのためにそんな苦行をするのか、なに考えながらやってるんだって言われるんですけれども、ホントはなんにも考えてないんです。ただひたすら、一生懸命生きてるってことだけなんです。

千日回峰行というのは、7年間かかって延べ1000日修行するんです。( 堂塔、霊蹟、野仏、草木などを礼拝する『行』で、雨の日、嵐の日、雪の降る日でも行われる。病気や怪我をしても休むことは許されない。もし、『行』に失敗すれば、山を去るか、自害するかの掟があり、まさに決死の難行 )
最初は毎日32キロ位の山道を歩き、5年目に入って700日終わると「 お堂入り 」( 無動寺谷・明王堂に篭り、9日間、断食、断水、不眠、不臥で不動真言と法華経全巻を唱える荒行。途中で死ぬ人もいる )というのがあるんです。
お堂入りが終わると、今度は赤山苦行ってのがあります。それが終わった翌年、7年目に入ると、京都の大廻りといって、毎日、毎日84キロ歩くんです。それで最後の100日は最初の1日、32キロに戻ってお終いになるんです。 < 明日に続く >

◎俳談

◎俳談
【昼ビール万歳】
落花生両手で砕きビール汲む 杉の子
 藤沢という街は湘南ムードもあって明るくて洒落た街だ。駅前の地下街に日本一うまい中華そば屋がある。「古久屋」という名前だが、なぜ日本一かというと、特に理由はない。他にうまいところを知らんからだ。江ノ島水族館でクラゲの写真を撮ったあとは必ずこの店に寄る。クラゲの撮影を10時45分で切り上げると、ちょうど開店の11時に間に合う。なぜ知ったかというと娘が高校時代しょっちゅう通って「特焼きそばにお酢をどばっとかけるとおいしい」と言っていたからだ。
 この店で気付いたのは湘南というのは昼からビールを飲むことだ。私のような上品な白髪の老人が、一人手酌で焼きそばを前に一杯飲んでいるかと思えば、老夫婦が湯麺を啜りながら一杯飲んでいる。昼ビールのうまさは格別なことを知っているから、一度真似してみたいと思っていたが、気が弱いから一年ばかりちゅうちょ。昨日思い切って決断した。決断だから注文の仕方も並大抵ではない。つい「ちょっと、ビール」とかん高い声を出してしまうのだ。店員は何で興奮しているのか分からないから、怪訝な客だと思っても顔に出さずに「はい」と受け止める。こうして決死の覚悟の昼ビールがのどをごっくんと通過したのだ。現役時代に一所懸命に働いて、今は自由の身。「世間よざまあみろ」と内心思うのだ。そして小粋なる湘南っ子の顔を装って、大和市のイモ爺さんが、またとくとくとくとビールを注ぐのだった。
ひたすらにビールを思ひ庭仕事 杉の子

◎核をもてあそべば北は自滅の道

DSC_1962.jpg◎核をもてあそべば北は自滅の道
  金正恩は核戦略のイロハを知らない
 オオカミ少年の寓話は子供の自滅だが、一国の指導者の自滅の話が面白い。昔、周の幽王(ゆうおう)が全く笑わない絶世の美女褒姒(ほうじ)を溺愛していたが、あるとき手違いで敵襲を知らせる狼煙(のろし)が上がってしまった。すると空振りを食わされて慌てた諸侯の様子を見て褒姒が笑った。これに喜んだ幽王は度々嘘の狼煙を上げた。その後、実際に敵襲があったが誰も狼煙を信じる者がなく、幽王は褒姒ともども殺されてしまったというものだ。まさに北朝鮮の核ミサイルをもてあそぶがごとき発言をくりかえす金正恩と、これに盲従する軍幹部の言動がこの運命を物語るかのようである。北の狙いは“心理戦”であろうが、金正恩のヒトラーやスターリンに通ずる狂気の全体主義者的体質が、あり得ない話をあり得るものとしかねないところがまさにポイントなのだ。
 たしかに北からは気違いじみた発言が続く。金がミサイルの大気圏突入実験に成功したと発表し「アメリカが我々の生存権を核で襲おうとするときは容赦無く核で先手を打つ」と核先制攻撃を明言。ついで国防委員会声明は「米本土を標的とする強力な核攻撃手段が常に発射待機状態にある」と威嚇する。加えて人民軍参謀部声明に到っては「侵略者を射程圏内に入れた吾が軍隊は懲罰の発射ボタンを押す時刻だけを待っている」のだという。最新の大陸間弾道ミサイルKN08に核爆弾を登載して今にも発射するぞという、“やくざ国家”の脅しが続いている。専門家によるとこれを実行に移す場合は第一ターゲットが韓国大統領府。第二ターゲットが在日米軍基地とワシントンなのだそうだ。
 こうした脅迫を裏付けるかのように、金は「核弾頭の爆破実験と様々な種類の弾道ミサイルの発射実験を断行する」と言明した。その時期がいつになるかだが、金日成や金正日と異なり金正恩のやることは、常々異常性がみられるが故に予測が極めて難しい。4月いっぱい続く米韓軍事演習の最中でもやりかねない気配がある。現に10日午前、日本海に向けてスカッドミサイルとみられる短距離弾道ミサイル2発を発射している。3月31日からはワシントンで核サミットがあり、2014年の核サミットの際は直後にノドン2発を日本海に発射している。また2012年のソウル核サミットの際も、ミサイルを発射している。
 しかし金の言う核弾頭の爆破と弾道ミサイルの発射実験については、専門家の大方の見方は5月上旬ではないかというものが多い。いくら金でも史上最大の米韓軍事演習の最中に実験をやって、米軍の攻撃に結びつくことは避けたいという“理性”が働くであろうというわけだ。5月上旬である理由は、金が指導権確立を目指す36年ぶりの朝鮮労働党大会が上旬に予定されているといわれ、それに先だって行われる可能性が高いというのだ。
  今度は金の言う核と弾頭の両方の実験となりかねない側面もあるようだ。金の狙いはかねてからの金王朝の理想がそうであったように、核弾頭登載の大陸間弾道ミサイルを入手することにより、米国に脅しをかけて韓国を放棄させ、朝鮮半島の統一を図るというところにある。しかし先祖はこの構図による統一など信じていないところがあったが、金はこれを信じ切っているところに危うさが存在するのだ。しかし戦略核の使用について、これまで核大国が実行できなかった法則があることを金はまだ“学習”していないかのようである。それは核には核の報復があり自らも存在し得なくなるという単純明快な法則である。これが広島・長崎以来、どんなに情勢が緊迫しても核の使用がなかったことが物語る。金はイロハを知らないで騒いでいるのである。
 考えてもみるが良い。北が核ミサイルを発射しかねないような緊迫した状況下において、発射台にミサイルが準備されれば確実に米国は核による先制攻撃を断行するだろう。移動式発射台の場合は発射をとらえ難い側面があるが、それでも発射されればミサイル防御網を突破しようがしまいが、北は核攻撃にさらされるのだ。この場合中国もロシアも手を出すことをためらう可能性が高い。発射の場所を特定しにくければ北朝鮮全土に絨毯爆撃的な核攻撃が断行されるだろう。韓国大統領・朴槿恵が「北朝鮮が挑発を続ければ自滅の道をたどることになる」と述べているのはそういう事なのだ。だれか刈り上げ頭のドンにこの核戦略のイロハを教えてやって欲しいものだ。

◎俳談

◎俳談
【鳰(にお)の浮巣】
鳰の消え浮き名の一つ残りけり 杉の子
鳰(カイツブリ)が水中に消えて本当は水輪が残るのだが、それにかけて浮き名とした。 鳰は冬の季語。どこの公園にでもいるあの可愛いやつである。鳩よりやや小さく、水中に巧みに潜って魚を獲(と)る。数日前水中の写真が撮れたが、水面ではずんぐりしているのに、水中ではまるで矢だ。細長く体を伸ばして一直線に進む。フィリリリなどと鳴く声は美しい。
芭蕉は
五月雨に鳰の浮巣を見にゆかん
と詠んだが、「見に行かん」と言ってもこの場合江戸にいて、琵琶湖の浮巣を見に行くというのだから風流も極まれりだ。もっともこの時は別に用事があってのことで、まあ「さて近江にいくか」くらいの気持ちであろう。
 そのかわいらしい鳰が、今朝泉の森に行くと張ってある網に引っかかって、がんじがらめになり、断末魔の表情でもがいていた。余りのむごさに公園の係員に言って外させたが、一晩中もがいていたと見えてぐったりとなっていた。網は魚類調査のものだというが、池は鳰がしょっちゅう潜っている。そこに思いが行かなかった管理者は無能としか言いようがない。

◎米教授、首相の設定課題を次々クリア

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◎米教授、首相の設定課題を次々クリア
  増税“先送りカード”へ理論武装
 民進党幹事長の枝野幸男が16日、「スティグリッツ氏から指摘されるまでもなく私も言っている」と得意げに発言しているが、カラスがライオンの吠え声を真似しても説得力は無い。首相でもないのに公明党の政調会長・石田祝稔が「今のところ予定を変える環境にない」と僭越にも発言しているが、これも超高度な経済判断が出来ないことを自ら露呈しているだけの話だ。事々左様にノーベル経済学賞を受けた“権威”の発言というのは重いのだ。その重い発言をジョセフ・スティグリッツから引きだした首相・安倍晋三は、着々と消費増税“先送りカード”を切る準備に着手したかのようである。そうでなければわざわざ「国際金融経済分析会合」などを設置する必要も無い。歴代首相と比較しても実に巧みな「政局運営」をするものである。急がば回れの政治手法なのである。
 安倍の設定した消費増税再延期へのハードルが、次々に除去されたのが16日の会合だ。まず「リーマンショック並みの事態が起きない限り延期しない」は、スティグリッツが「2015年は08年の金融危機以降最悪の状況だったが、16年はさらに弱体化する」と述べた事によりクリアされた。08年はリーマンショックのその年であり、現状は「リーマンショック並み」なのである。さらに安倍の条件「世界経済の大幅な収縮」についてはスティグリッツが「大低迷」と表現してクリアだ。さらに重要なのは安倍が会合の冒頭で「伊勢志摩サミットでは世界経済情勢が最大のテーマになる。議長国として各国首脳と突っ込んだ議論を行い、世界経済の持続的な力強い成長に向けて明確なメッセージを発出したい」と発言した問題だ。この「議長国の責任」は新たに設置したハードルだが、これもスティグリッツは「日本は非常に強い金融政策を実施して景気を刺激してきたが、それはもう限界に達しており、次に財政政策を取るということが重要だ。問題の根本的な原因の1つが総需要の不足であり、伊勢志摩サミットでは需要を刺激するような政策について各国で議論してほしい」と述べた。
 これは財政出動の勧めであり、発言は2月に上海で開かれた主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議(G20)の共同声明に沿ったものといえる。同声明は「金融政策のみでは均衡ある成長につながらない。機動的に財政政策を実施するべきである」と強調している。このスティグリッツ発言も、安倍にとっては、消費増税再延期を決断する後押しになるものに他ならない。消費税引き上げはまさにG20の声明に逆行するものになるからだ。サミット議長国としては世界経済の潮流を無視することはできまい。
 スティグリッツは「現在のタイミングで消費税率を引き上げるのは間違った方向になる。世界経済がこんなに弱くなることを予想できていた人はおらず、経済情勢が変わったなら、政策もその変化に対応していかなければならない」と言明したが、これも安倍にとっては我が意を得たりの発言に違いない。安倍は「景気が失速したら元も子もなくなる。日本を含めて世界の需要を作って行くことが重要だ」と応じている。毒づき枝野が増税再延期を「自らの経済運営の大失敗だと認めること」と批判しているが、民進党幹部は世界情勢の変化を度外視して、自ら想定すらしていなかったデフレからの脱却を安倍が成し遂げつつあることを、無視してはいけない。誰も想定外の経済情勢なのであり、民主党政権でデフレ脱却、企業の史上最高の利益、事実上の完全雇用を実現出来たかということだ。野党は派遣と正社員の格差を突くが、派遣すら雇用できなかった自らのふがいなさを恥じるのが先決だろう。
 こうして筆者が新年早々予言した政局展開、つまり増税再延期と衆参同日選挙に向けて安倍が着々と布石を打っている形が濃霧の中から浮き出るようになってきた。もちろん分析会合には慎重論も出ることが予想されるが、22日にはスティグリッツと同様にノーベル経済学賞受賞者で14年の消費増税延期決断に決定的な役割を演じたポール・クルーグマンが延期論を展開することになろう。これで分析会合の流れは決まる。どこかの半可通記者が増税延期と同日選挙を「憶測」と書き立てているが、臆測とは「物事をいいかげんに推し量ること」であり、今の政治状況で使う用語ではない。教えてやれば少なくとも「観測」であろう。朝日も読売も産経も用語に注意する新聞は「観測」としている。 


文科省ー学校長、教育委員長を即刻、引責辞任させよ!


[4778] 文科省ー学校長、教育委員長を即刻、引責辞任させよ! Name:浅野勝人 NEW! Date:2016/03/12(土) 13:51 
 
文科省 ―
学校長、教育委員長を即刻「引責辞任」させよ!

安保政策研究会理事長  浅野勝人

広島県の町立中学校で、3年生の男子生徒(15)が自殺しました。
生徒同士のいじめが原因ではありません。担任の先生に追い詰められて死を選びました。
1年生の時に「万引き」をしたと誤認されたことを、高校受験に必要な推薦状に関して、先生から「万引き」を断定され、推薦状の発行を拒否されたのが原因でした。少年の生涯に係る重大事の確認に「廊下で立ち話」で一方的に独断とは許しがたい。

男子生徒は「いくら言っても、先生は聞いてくれない」と言っているではないですか。少年を死に追いやった学校の校長をこのまま放置できますか。

こんな悲惨な事態を起こしておいて、全校生徒に緊急集会で謝罪したから、それで済むのですか。事実を知っていたか、知らなかったかは問題ではありません。けじめ、責任の問題です。「ご免で済むなら警察は要らん」と昔の人は言っている。

町教育委員会は、ひたすら「学校に落ち度はなかった」と弁明をしているだけだ。こんな教育委員長は要らない。

私は、衆議院議員の折、党の政策審議委員をしていたことがあります。政審の席上、文部科学省の責任者がずらりと居並ぶ前で、虐めによる中学生の自殺事件に関連して、問題点を指摘したうえ、「教育委員会が役に立ったためしがない。もともと地元の学校となぁなぁの教育委員会制度は改革しないとダメだ。どこもかしこも、今のような教育委員会は屁(へ)の突っ張りにもならん」と発言しました。出席者がどっと笑ってお開きになりました。

私は、外交・安保が専門分野で、文教政策はシロウトでした。あの時、素人の情感でもっともっと深追いをしておけばよかったと慙愧に堪えません。

馳 浩文科大臣と文部科学省!
当該 学校長と教育委員長を即刻、引責辞任させよ。
担任の教師は、自分で自らの進退を決めることを許容したい。

私は、関係者が憎くて言っているのではありません。
このまま、いつも通り、愚にもつかない報告書で許して、放置してしまったら、虐めによる児童、生徒の自殺は、エンドレスに繰り返されるだけだと言っているのです。(元内閣官房副長官)

◎俳談

◎俳談

【俳句と笑い】                   
あの子規が
山の花下より見れば花の山 
という句を作っていたかと思うとほほ笑ましい。言葉遊びのように見えるが一度読んだら忘れない句はいい句だ。一茶は笑いとペーソスの達人だ。まるでチャップリンのようである。
故郷は蠅まで人を刺しにけり
古里の冷たさをばっさりと切っている。筆者も負けてはいない。
湯湯婆(ゆたんぽ)と書けば笑へるなあ婆さん 読売俳壇1席
は、自慢ではないが、俳句史上に残してもらいたいユーモア句だ。
まだある
合格子上がり框で転びけり 産経俳壇入選
「合格したよ」と言ってづっこけた。
遠足やパンパかパーンと弁当開け 読売俳壇1席
パンパカパーンは横山ノックの専売特許ではない。
クソ暑い夏。
これきしはジュラ紀の冬と炎天下 読売俳壇3席
ジュラ紀は知らんが相当暑かったらしい。頑固じじいが炎天下を歩いている。


◎エネルギー政策を崩す「暴走裁判官」は左遷せよ

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◎エネルギー政策を崩す「暴走裁判官」は左遷せよ
  最高裁は司法の内部分裂を引き締めよ
 下級審が常軌を逸した判断で原発の運転を差し止め、別の裁判官や上級審でこれを正常軌道に戻す。まさに原発稼働をめぐって司法が割れるという醜態を示している。やっと動き始めた3号機は10日夜全面停止した。今回の大津地裁の停止命令は、稼働中の原発をストップさせるものであり、悪質極まりない。原子力規制委員会による世界最高水準の厳しい基準をクリアして、やっと稼働し始めた原発を、科学的知見ゼロの法匪の如き裁判長がストップさせる。国家のエネルギー政策の根本概念のみならず、原発事故以来二酸化炭素を排出し続けて来た環境問題までも無視する決定だ。大津地裁裁判長・山本善彦による独善的な暴走判断といわざるを得まい。これは司法の暴力に他ならない。人事権を握る最高裁は恐らく山本を左遷させるであろうが、はじめから原発問題を抱える地域への人事を慎重に行えば済むことである。
 メディアの報道ぶりを分析すれば、判決大歓迎の朝日、毎日と極めて批判的な読売、産経にくっきり2分された。とりわけ昔から放射能アレルギーとも言うべき朝日は鬼の首を取ったような紙面展開をしている。我が意を得たりの気持ちは分かるが、この仮処分決定はまず100%覆される。朝日が喜ぶ決定は必ず、否定されるのが運命なのだ。古くは四国電力伊方原発訴訟で原告側を全面支持した朝日の主張は1992年の最高裁判決で完膚なきまでに否定された。判決は以後の原発裁判を左右する重要なもので、その内容は「原発問題は高度で最新の科学的、技術的な知見や、総合的な判断が必要で、行政側の合理的な判断に委ねられている」としている。高度な専門性が求められる原発の安全性の判断は政府に任せて、科学的知見のない司法がかかわりすぎるべきではないとしているのだ。全国で起きている原発訴訟で、大半の地裁はこの判例に基づいた決定を下している。
 山本の決定もこの最高裁判例に言及はしているものの。出した結論は「停止命令」で真逆だ。最高裁判決を事実上無視している。とりわけ噴飯物なのは決定の核心部分で「関電は説明責任を果たしていない」と断定していることだ。愚かにも規制委の対応を根本から見誤っている。規制委は2年3か月もかけて関電が出した10万ページにもわたる申請書を詳細に検討して、ゴーのサインを出したものである。これを山本はたった4回の審尋で結論に到っているが、逆に「審査責任」を果たしているのかということになる。あまりにも軽い判断なのである。
 全く同じ例は福井地裁が出している。福井地裁裁判長・樋口英明によるものだ。樋口は高浜3,4号機の「運転再開差し止め」を命じており、これが原因で4月1日付で名古屋家庭裁判所に左遷された。しかし継続審理のため職務代行が認められて再び「再稼働など認めぬ」という決定を下したのだ。まるで今回同様に最高裁の判例に楯突くような決定である。その8か月後に裁判長・林潤が決定を取り消した。 今回の大津の決定で地裁が原発稼働を差し止めたのは3回になり、そのうち2回は樋口が行った。この例から見て「原発停止」判断は多分に裁判長個人の特異な性格が反映されたものという見方が成り立つ。地裁の判事のレベルの低さ、大局観の無さをまさに露呈したものとなった。最高裁は過去にもこうした判事を左遷してきている。最も良い例が自衛隊の合憲性が問われた長沼ナイキ訴訟だ。一審の札幌地裁は初の違憲判決で処分を取り消したが、札幌高裁は一審判決を破棄、最高裁も上告を棄却した。この事件の裁判を担当していた地裁の裁判官は最高裁事務総局によって他県の家庭裁判所へ左遷されている。判決が上級裁判所の意向にそぐわなければ裁判官本人も高確率で下位の勤務地へ左遷されるのが通例だ。家裁への転勤が司法の場では左遷の相場になるのだ。
 一見権威の象徴のような司法もどろどろとした、人事をめぐる確執があるのだ。したがって山本善彦も左遷必至であろう。問題は61歳の山本が65歳の定年を前にして、なぜ暴発したかだが、「売名」を指摘する専門家もいる。つまり弁護士に転職した場合名前が知れていることは極めて重要であるからだが、こればかりは本人に聞いてみないと分かるまい。思うに最高裁は、司法の醜態をさらけ出す前に、エキセントリックな裁判官を原発のある県や隣接県に赴任させないことが重要だろう。国の政治の根幹を阻害するような判決が次々に出されるようでは、司法による行政の妨害だけが目立つことになる。これでは3権分立が危うくなり、ひいては民主主義の根幹を脅かす事態へと発展しかねない。


◎俳談

◎俳談
【春満月】
春満月は春情につながる。あの一茶ですら
春の月さはらば雫たりぬべし
と詠んでいる。俗に「水も滴るいい女」と言うが本来は「いい男」が正しい。しかし最近では「いい男」だとおかまのようで、水もしたたるは「いい女」でなければならない。春は官能の季節。正木ゆう子は春満月を
オートバイ内股で締め春満月
と詠んだ。これを正木のような知的な美女にささやかれたら、男はボーとなる。春満月の官能的なイメージを太ももの肉感が増幅し、さらに「締め」で挑発されて、とりこになるのだ。この女性による官能俳句の伝統は
橋本多佳子の上品な表現
雪はげし抱かれて息のつまりしこと 
などともつながっている。その根源は与謝野晶子であろう。
やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
春みじかし何に不滅の命ぞとちからある乳を手にさぐらせぬ
など、「みだれ髪」は官能表現の宝庫だ。年取ると爺臭い俳句や、婆臭い俳句をもっともらしく詠む向きが多いが、年寄りこそ過去の青春を振り返り、上品な官能の句の世界を浮遊すべきだ。
外(と)にも出よ触るるばかりに春の月 中村汀女
春の月ひとりの鍵を手に鳴らし 有馬籌子
いずれもあふれんばかりの情感がある。
という筆者は
桜の夜布団も敷かず灯も消さず
などと詠んでいるが、想像句だ。

◎朝鮮半島に火薬のにおいが充満

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◎朝鮮半島に火薬のにおいが充満
  一触即発のまま推移している
 朝鮮王朝の統治理念として用いられた儒教の学問体系・朱子学について司馬遼太郎が的確な指摘をしている。「朱子学というのは大義名分を論じ始めると、カミソリのような薄刃を研ぎにといで、自傷症のように自らを傷つけ、 他を傷つけたりもするイデオロギーだ」というのだ。最近の北朝鮮の“舌戦”とその“口撃”ぶりを見ていると、まさにまず論戦で勝つという儒教の影響を受けた朝鮮民族の特性を見事に言い当てていることが分かる。労働新聞が韓国大統領・朴槿恵を「老いぼれの気の狂った雌犬」。オバマを「戦争怪獣」と表現するといった具合だ。しかし、事が「核兵器の先制攻撃」に及んでは、ただならぬ様相としか言いようがない。中国外相・王毅が「朝鮮半島に一触即発で火薬のにおいが充満している」と述べる状態なのだ。
 折から米韓両軍はオーストラリアやニュージランドも交えて史上最大の軍事演習を韓国で展開している。展開していると言ってもその大半は場所すら公表せずに実施しているのだ。演習の内容は①南北が戦争に突入した場合を想定したもの②北朝鮮の崩壊を想定したもの③核基地を先制攻撃して無力化するもの④斬首作戦に分けられる。斬首作戦とは言うまでもなく金正恩の首をはねるという物騒なものであり、米韓両軍の特殊部隊が金王朝の建造物の建物まで想定して、実戦さながらの演習をしている。ビンラディンを殺害した米海軍の特殊部隊Navy SEALsが、今度は独裁者・金正恩の寝首をかく演習をしているのだ。それも作戦開始から30分で殺害する作戦だという。明らかに金の気弱な性格を見抜いた上での心理作戦である。   
 これを伝え聞いた金正恩が、震え上がったのか、天才バカボンの拳銃を発射しまくる巡査のごとくわめき始めた。9日には「核弾頭を軽量化し、弾道ロケットに適した標準化、規格化を実現した」と発言した。また「国家防衛のために実戦配備した核弾頭を任意の瞬間に発射できるよう常に準備しなければならない」と核ミサイル配備を公言。さらには「核弾頭をいつでも発射出来るよう準備する。軍事対応を先制攻撃的な方式にすべて転換する」と、何と核兵器による先制攻撃にまでけん制が及んだのだ。米ソ冷戦時にも見られない発言だが、このような発言は相手国の核先制攻撃を招くから、普通の国はしないが、ど素人が指導者の国はする。
 これが儒教の“口撃”にとどまるのか、本気なのかは誰も分からない。ただ北に狂気の指導者がいて、「やるぞやるぞ」と危険極まりない発言を繰り返していることは事実だ。普段なら見過ごすが、4月いっぱい続く「史上最大の演習」の最中である。恐ろしいのは金の発言に対して米国務省報道官・カービーが「これらの威嚇を真剣に受け止めている」と反応していることだ。これを平たい言葉に言い換えるなら、「やるならやってやるぞ」ということになる。だから一触即発なのだ。もっとも米国は国防総省報道官・クックが「北朝鮮が核弾頭を小型化するのを見たことがない」と発言しているが、これは甘いかも知れない。もちろん米大陸に届く大陸間弾道弾に関しては、再突入技術を獲得するに到っていないから米国へのミサイル攻撃はまだ無理だ。しかし、韓国や日本に届く中距離ミサイル・ノドンなどに登載不可能かと言えば必ずしもそうではあるまい。
 北の核開発期間は、2006年の最初の実験以来10年間あり、相当進んでいるとみられる。低開発国の核兵器開発も、中国の開発の歴史を見れば小型化は一定期間あれば可能であると見るべきだろう。核搭載のノドンはソウルはもちろん釜山に到るまで、また東京や大阪にまで到達は可能である。金の得意用語「火の海にしてやる」事が可能となるのだ。したがって、米国はノドンによる攻撃準備が整ったと判断すれば、核基地への先制攻撃も辞さないだろう。そういう事態に陥っているのが実体なのだ。核の傘があることを明示しなければ、韓国のみならず日本まで核武装しかねないからだ。
 とりわけ金正恩は5月に36年ぶりとなる朝鮮労働党の党大会を控えており、米国に屈しない姿勢を大会前に示しておく必用に駆られる危険がある。ここで重要になるのは中国の態度である。王毅は「中国は隣国として朝鮮半島の安定が根本的に破壊され、中国の安全や利益が理由もなく損なわれるのを座視しない」と発言した。「座視しない」とは第2次朝鮮戦争があり得るということになる。中国は義勇兵を繰り出して米軍を釜山まで追い詰めた。一時は釜山陥落も危惧される情勢となり、韓国政府は日本の山口県に6万人規模の人員を収用できる亡命政府を建設しようとし、日本側に準備要請を行っているほどだ。
 しかし、習近平が嫌いに嫌っている金正恩が核を使用するのを食い止める米軍の先制攻撃は、まさに国際正義の遂行であり、「座視しない」と言い切れるかだ。米中が事実上結託して金正恩を暗殺する事態となれば別だ。その場合金体制は倒しても、労働党政権は維持することを密約しなければ、中国は乗らないだろう。38度線死守は中国の極東戦略の要でもあるからだ。いずれにしても瀬戸際路線を突っ走る金正恩が、“口撃”から踏み出すかどうかをかたずをのんで見守るしかあるまい。


◎俳談

◎俳談
【昭和は遠く】
 俳人中村草田男が
降る雪や明治は遠くなりにけり
と詠んだのは、明治が終わって21年を経た後である。早くも平成は28年、昭和も遠くなったものである。私は懐かしさもあって昭和をよく詠む。最初に入選したのが朝日俳壇で
恐ろしき昭和を見たり昼寝醒(ざめ)  朝日俳壇1席
であった。昼寝で昭和の夢を見たことにして「恐ろしき昭和」と形容したのが当たった。戦争と混乱に明け暮れた昭和であった。戦後は一時期までわらじを履いていた。通学にもわらじの子がほとんどであった。
わら草履はける昭和よ冬の星 東京俳壇月間賞
 竹の子生活と言って竹の子をはぐように、母親の着物が次々に売られた。親たちは深夜まで働いた。
丸眼鏡かけて昭和の夜なべかな 毎日俳壇1席
 上野の地下道では親を亡くした浮浪児が靴磨きをして頑張っていた。
鰯雲昭和の少年靴磨く 東京俳壇入選
 昭和の女は母親を見ても健気で一生懸命であった。
鳳仙花昭和の女健気なる 産経俳壇入選
 そして
丈夫なり妻と昭和の扇風機  毎日俳壇年間大賞
として今日に至る。実に丈夫なのである。

◎スティグリッツの「再延期論」が増税派直撃か

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◎スティグリッツの「再延期論」が増税派直撃か
   自民・官邸に発言への期待論高まる
  消費増税反対派経済学者の招致はまさか推進派の根城、財務省が進める訳がないし、だれの指名かと思っていたが、やはり首相・安倍晋三本人の指名であったらしい。事実上増税延期かどうかに決定的な影響をもたらす16日からの国際経済分析会合にノーベル経済学賞受賞者で米コロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツを招くのは、極めて政治的な意味合いが深い。スティグリッツは従来からアベノミクスの支持者であり消費増税に真っ向から反対している。超大物経済学者を同会合冒頭に呼ぶのは、その後の論議への波及効果が大きい。まるで財務省の代弁者であるかのような東大経済学派を黙らせることが出来る。自民党内にも発言への期待が生じている。「消費増税再延期・衆参同日選挙」への弾みとなる公算も出てきた。
 興味深いのは14年11月の10%消費増税延期の際と同じコースをたどっていることだ。同年11月6日に安倍はやはり延期論を唱える米プリンストン大教授・ポール・クルーグマンと会談している。この席でクルーグマンは「アベノミクスを支持する。しかし今度の消費税引き上げは慎重にいくべきだ。そうしなければ景気が腰折れしてしまう。となればデフレから脱却できず、経済再生、財政再建もおぼつかない」と安倍に延期を勧めている。安倍は熱心に耳を傾けており、事実上この発言が決定的な役割を果たしたといわれている。45人の有識者から意見を聞く点検会合も開かれていたが、同会合は過半数が賛成論だったにもかかわらず、安倍はこれを無視してクルーグマンの主張を受け入れたのだ。
 今回の会合でスティグリッツがどう発言するかが極めて注目されるところだ。その内容は朝日の13年のインタビューからうかがえる。まずアベノミクスについては「3本の矢、すなわち大胆な金融緩和と財政出動、成長戦略を組みあわせた包括的な政策は、日本経済を立ち直らせる正しい取り組みだと思う。欧米が学ぶべきものだ」と賞賛している。さらに巨額の財政赤字と財政の引き締めとの関連については「経済を成長させてこそ、国内総生産(GDP)に対する政府債務の比率を下げることができる。財政再建を優先し経済成長を犠牲にするやり方では、財政赤字を減らせない。歳出削減と増税を急ぐ緊縮財政は、つねに失敗してきた。弱含みの経済を悪化させ、税収を減らす」と強調している。
 まさに今年に入ってからの経済状況をも言い表しており、官邸や自民党に多い増税再延期論と軌を一にしている。そして消費増税については「だい一になすべきことは成長を回復することであり、増税はそれから考えることだ」と述べている。かつてクルーグマンは「私としては『インフレ率が2%程度に達してから引き上げる』といった条件付きの延期の方が望ましいと考える」と述べているが、スティグリッツはこれとほぼ同様の考えのようである。自民党幹部の1人は「スティグリッツがこの時期に登場してくれることは有り難い。スティグリッツ様さまだ」と漏らしている。
 第2回会合は17日、米ハーバード大教授デール・ジョルゲンソン、元日銀副総裁の岩田一政から意見を聞く。ジョルゲンソンの発言は資料が乏しいが、かつては「消費税の役割を大きくしていくことも必要になるだろう」と増税に前向きな姿勢を表明している。しかし株安と消費が冷え込む現段階でも「必用」と言うかどうかは、疑問がある。岩田は増税1%論だ。1%ずつ2回に分けて行えば良いとしている。
 恐らく今回も賛否両論が出されるだろうが、先に指摘したように5月26日からの伊勢志摩サミットは、世界経済の現状を色濃く反映したものとなるだろう。サミットで重要なのは、10年間国際経済をリードした中国、ブラジルなどの新興国に代わって再びG7がいかに世界経済リードの手綱を握るかにある。議長である安倍の責任は重大であり、日本は8%への引き上げで生じた経済不振からの脱却を明示しなければなるまい。G7が協調して実体経済の底上げとマーケットの安定化を図る方向を打ち出す必要がある。議長国としてはまるで「アベノミクスの断念」「デフレ回帰」となるような消費増税は再延期するしか方策がないのではないかと思われる。
  安倍は「世界経済の大幅な収縮が起こっているかどうかだが、専門的な見地から行われる分析も踏まえて、その時の政治判断で決める事柄だ」とこれまでの「リーマンショック並み」という再延期の条件に「専門的な見地」という“新条件”を加えている。その専門家の発言の最たるものが「スティグリッツ発言」となる可能性は大きいのだろう。


◎俳談

◎俳談
 【鷹を詠む】
  鷹の素早さは並大抵ではない。超望遠レンズで何度撮ろうとして失敗したか知れない。ところが鷹を撮りたいという“こけの一念”が運を導くと見えて、撮れたのである。立派な大鷹が撮れた。早朝から森に通って出てこいと祈っていただけあった。午前8時15分前突然池の鴨が一カ所に大音響を立てて集まった。なにやら茶色の鳥がその中で目についた。「鷹だ!」と気付いてレンズを向けてシャッターを押す。連写のけたたましい音が続く。やがてぼけていたファインダーのなかにくっきりと鷹の姿が浮かぶ。その間0.5秒。数枚を撮らせて鷹は姿を消した。鋭い眼が残像に焼き付いた。
 芭蕉が
鷹一つ見付てうれしいらご崎
と詠んだが伊良湖岬の鷹柱は昔から有名だ。10月初旬に鷹たちは渥美半島の西側先端に集まり一斉に渡りをするのだ。くるくる回って鷹柱を作る。伊羅胡岬の先端から伊勢湾に向けて飛び出していく。行く先は東シナ海や東南アジアだ。
 季語としての鷹は大鷹(おおたか)、 小鷹(こたか)、刺羽(さしば)、 隼(はやぶさ)などでありいずれも冬の季語だ。
鷹匠の鷹の目をして老ひにけり 日経俳壇一席
かの鷹に風と名づけて飼ひ殺す 正木ゆう子

◎中国構造改革は丁半五分の賽の目ばくち

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◎中国構造改革は丁半五分の賽の目ばくち
  経済失速か構造改革達成か  
 著名な投資家とはいえ、たかがハゲタカファンドのトップの発言に国家が総力で足掛け3か月にわたり反論を繰り返している。ジョージ・ソロスの1月のダボス会議での「中国のハードランディング(底割れ)は不可避」「私は予想しているのではなく実際に目にしている」との発言が、中国国家主席・習近平以下中国首脳らを飛び上がらせた。首相・李克強が自ら反論に出たのはもちろん、国営放送、新華社、新聞などをフル動員して対ソロス戦を展開。6日になっても経済政策を統括する国家発展改革委員会主任の徐紹史が「中国経済がハードランディングすることはあり得ない」と強調、「予言は必ず外れる。中国経済を合理的な範囲で運営する能力が我々にはある。中国が世界経済の足を引っ張ることもあり得ない」とかみついている。
 中国首脳はおそらく英国イングランド銀行の悪夢の再来を感じ取ったに違いない。悪夢とは、ソロスが1992年にイングランド銀行に通貨戦争を仕掛け、同銀行は防戦しきれずに敗退したことである。しかし、著名でいくら世界最大規模の投資家とは言え、その資金は300億ドル程度。中国の外貨準備高は15年に5000億ドル減少したもののまだ3兆ドルある。恐らく通貨戦争の経験に乏しい習近平ら中国首脳の“ナイーブ”さが、日本から見ると異常なまでの過剰反応を見せているということであろう。
 無理もない、その背景には待ったなしの中国経済の落ち込みがある。全人代最大のテーマは経済失速か構造改革かという、共産党1党独裁体制の存続にまで及びかねない大勝負の推進にある。中国政府はいよいよ構造改革の第一段として「ゾンビ企業」の淘汰(とうた)に乗り出す。習近平も昨年来明言しており、全人代はその具体化が焦点となっているのだ。李克強も「長年蓄積してきた矛盾とリスクが一段と顕在化し、経済の下押し圧力が増している」と危機的状況を認めている。中国経済の足を引っ張っているのは、過剰な生産設備と大量の在庫、そして、実質的に破綻しているものの地方政府の補助金などで生き延びてきた“ゾンビ企業”である。この淘汰(とうた)に手をつけるのだが、鉄鋼、石炭、ガラス、セメント、アルミニウムの5業種が「ゾンビ企業」の代表格。当初は主に炭鉱と鉄鋼が焦点となる。
  中国政府はとっかかりとして石炭・鉄鋼セクターで180万人をレイオフすると明らかにしたが、全体では最終的に600万人が2年以内に失業する可能性が強いとみられている。問題はこの世紀の大リストラがうまくいくかどうかだ。出稼ぎ労働者の失業と異なり、炭鉱や鉄鋼の労働者が組織的に全国で反乱を起こせば、政権を直撃しかねない事態となる。これを回避するために政府は産業界のリストラに伴う労働移動のための費用として2年間で1000億元(2兆円)を割り当てる方針を明示した。まさに政府挙げての失業対策であるが、体制への不満が噴出しかねない要素もある。鬼が出るか蛇が出るかは予断を許さない。
 一方で構造改革では全国で約100社ある石油、電力、航空など大型国営企業にもメスを入れる。企業の合併や買収のM&Aを展開するのに加えて、株式会社化するなどして40社程度に絞って利益を出す。スケールメリットを狙っている。市場メカニズムに任せる問題を、国家が強権的に一種の国家資本主義的な独占体制を築く。しかしこれも多分に恣意的に決めるため、存続する企業とそうでない企業が出て、政権への反発が生じ得る要素でもある。早くも存続のために賄賂が飛び交うといううわさが生じている。
 さらに加えて中国政府は貧困にあえぐ農民を中間層にして、消費の拡大を図るために全国で130か所にわたる「新型都市」の建設に着手した。農村部を無理矢理都市化して、農民を移住させて別の職業に就かせ消費層を拡大するのだ。しかし農民を都市労働者にする構造改革は容易ではあるまい。農民は土地への愛着が強く、また転職しにくい職種でもある。社会不安に通ずる可能性も否定出来ない。ただでさえ中国も人口減の時代に入った。過疎化を過度に推進すれば食糧危機が生ずる可能性も否定出来ない。これも大きな不安定要素となり得る問題である。
 こうして多くの政権直撃材料を抱えながらの構造改革だが、習近平体制が、本気でやりきれるかどうかは疑問がある。李克強は「この関門さえ突破すれば、中国経済は必ずや不死鳥のごとくよみがえり、再び光り輝くことができる」と意気軒昂な発言で強気だ。しかしソロスの予想通りに人民元は下落基調にある。外国の資金は、海外に逆流している。国内総生産も6.5〜7%と幅を持たせた強気の目標を設定したが、目標割れを回避するための苦肉の策という意味合いが強い。アナリストの分析では「実体は4~5%がよいところ」というのが見通しだ。こうした状況から見て、構造改革は、のたうつドラゴンが打ち出した起死回生の策と言えるが、その結果は丁とでるか半と出るか賽の目ばくちに似た様相を呈している。