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◎俳談

◎俳談
【そんなことあるかい句】
 「そんなことあるはずがない」といいたくなる季語が二つある。春の季語の「亀鳴く」と秋の季語の「蚯蚓(みみず)鳴く」だ。筆者もこれらの季語は気にも留めなかったが、心の片隅にはあった。それがある春の日の午後、こんな日和の日は四天王寺の亀が鳴いているのではないかと思って、自然に一句出来た。
◆この昼は四天王寺の亀鳴けり 毎日俳壇2席
大阪勤務のころアパートから隣の四天王寺がよく見えた。池には亀がいっぱいいて長閑な風景を醸していた。この一句で俳人には、一般人の聞こえぬ亀の鳴く声が聞こえるのだと思ったものだ。実際には亀が鳴くことはなく、情緒的な季語である。藤原為家の「川越のをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀のなくなり」の歌が発端で、古くから季語として定着している。
桂信子が
◆亀鳴くを聞きたくて長生きをせり
と詠んでいるが、聞こえた筆者は早熟だろうか?
蚯蚓鳴くもそうだ。秋の夜、道ばたの土中からジーと鳴く声が聞こえてくることがある。実はケラの鳴く声であるが、昔の人はそれを蚯蚓が鳴いているものと信じていた。そして蚯蚓には発音器がないので鳴かないが、蚯蚓が鳴くと感じる感性が、だんだん俳人の心に育つのだ。そして秋の夜のしみじみとした情緒にであうと、「蚯蚓鳴く」で一句を詠みたくなってしまうのだ。
◆蚯蚓鳴く六波羅蜜寺しんのやみ 川端茅舎
平家の六波羅探題のあとに出来たのが六波羅蜜寺である。その「真の闇」を語るのに茅舎は蚯蚓の鳴き声を“増幅”させた。闇の深さが一層伝わってくる。

◎岡田が左右から「揺さぶられっ子」症候群

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◎岡田が左右から「揺さぶられっ子」症候群
  執拗に民主にまとわりつく志位
 民主党代表・岡田克也が党内、党外の右と左から揺さぶられてまるで「揺さぶられっ子症候群」に陥りそうな状態を呈している。26日も、共産党委員長・志位和夫が大阪市長選で失敗したにもかかわらず選挙協力を持ちかければ、維新の党の代表・松野頼久が「来年にも新党を」と働きかける。志位に到っては参院選への予行演習とばかりに町村信孝死去後の北海道5区での選挙協力を打ち出した。まるで悪女の深情けというか、背中にくっつく「おんぶお化け」というか、共産党はしつこくつきまとって離れない。
 大阪市長選の敗北で永田町に衝撃が走ったのは、大阪自民党が共産党との共闘で大敗を喫したことだ。共産党票をプラスすれば勝てるとふんだ自民党は、候補・柳本顕の叔父で参院議員の柳本卓治が共産の街宣車に乗ったり、書記局長・山下芳生と手を取り合って高々と掲げるなど共闘のアピールで“深入り”した。ところが集まった自民党支持者からは「馬鹿馬鹿しくて見ておれんは」と、群衆から離れるケースが続出したという。自民党府連幹部は「共産党と蜜月ぶりを見せれば見せるほど票が離れた」と分析している。もちろん民主党もこの傾向を見て衝撃を受けており24日の常任幹事会で保守派が岡田を突き上げた。「共産党と組むと保守票が逃げることがはっきりした。それでも選挙協力を進めるのか」との批判や懸念の声が噴出したのだ。もともと民主党内の選挙のプロは「共産党から2万票もらっても、3万票離れる」と分析していた。
 こうした“不穏”な動きを感じ取ったか志位は26日、民主党への選挙協力の第2弾を放った。4月24日投票と決まった北海道5区の衆院補選で「野党統一候補が出来る場合は後任候補を取り下げる」と言明したのだ。さっそく幹事長・枝野幸男が「目標は民主党が1議席を増やすことではなく、与党の議席を奪うことだ。最も効果的なやり方をする」と述べ、野党統一候補の擁立を目指す考えを明らかにした。まさに志位の“術中”に落ちるの図だ。しかし、選挙が弔い合戦になった場合は自民党候補が勝つというジンクスがある。もっとも町村は2009年の総選挙では小選挙区で民主党に3万票余りの差をつけられ敗北。比例北海道ブロックで復活当選するという苦い経験があり、予断を許さない。民主党は、共産党の応援を受けて負ければ岡田の責任問題に発展する可能性があり、まさに夏の国政選挙に向けての天王山となる。
 一方、代表・松野頼久は26日「新党を来年作るべきだ」と岡田に申し入れた。松野は年内に統一会派を作り、国会の論戦を戦った上で維新と民主が解党、4、5月には新党を立ち上げる構想を練っている。これには党内右派の細野豪志、前原誠司が同調して解党論を展開している。民主党への維新の合流を主張している岡田への揺さぶりをかけているのだ。なぜ松野や右派が解党論なのかと言えば、せめて党名でも変えないと新鮮味が出ないというところに尽きる。読売の世論調査を見ても一強自民が支持率40%なのに対して、民主党は7%。維新は何とゼロ%だ。おおさか維新の会が2%であり、橋下徹のいない維新などはそもそも政党と見なされていないのだ。来月6日に代表選のための党大会をやるが、松野がなろうと小野次郎がなろうと、まず支持率が劇的に上がることはない。
 だから名前を変えて夏の選挙に臨もうとしているのだが、駄目と支持率ゼロが一緒になって名前だけ変えても、駄目の二乗になるだけだろう。こうして「岡田民主」は右と左からピラニアのように食い荒らされているのが現状だ。しかし、細野も前原も党を割るほどの勢いはない。前原はおおさか維新の橋下と親しいが、まだそこから何かが生まれるような風は吹いていない。政治状況はまるで独り横綱の首相・安倍晋三に、子供力士が束になってかかっているような状況で、手足をばたばたさせているだけのような図柄である。


◎俳談

◎俳談
【安易に作らない】
 俳句は常に丁寧に作る必要がある。時間をかけて作った俳句か、句会に間に合わせのために作った俳句かはすぐに分かる。言葉使いが安易であるからだ。
◆牡蠣フライ味わいのよき夕餉かな
牡蠣フライがうまいなどとは誰でも言える。ここから一歩踏み出さなければ俳句にならない。
◆牡蠣フライこんがり揚がる夕餉かな
こんがり揚がっているのを見れば味まで分かるのだ。
◆晩冬の何かを焼ける煙かな
遠くの煙だから何を焼いているか分からないから、「何かを焼ける」と表現したのだろう。しかしこれは正直すぎる。
◆晩冬の落ち葉を焼ける煙かな
見ていなくても落葉と置き換えればよいのだ。そこまで詮索する人もいない。晩冬と落葉と季重なりだが、この場合は主たるテーマの晩冬を落葉が補っているパターンだから問題ない。
◆縁日の焼き烏賊(いか)食べて春惜しむ
「食べて」が言わずもがなの言葉だ。動詞は二つあってもいいが、この句の場合は動詞がバッティングして目線を股裂き状態にする。
◆縁日の烏賊焼く匂い春惜しむ 東京俳壇入選
が正解。

◎橋下は「維新特区」依存の脱皮がカギ

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◎橋下は「維新特区」依存の脱皮がカギ
   “正月休み”の後は「国政」を目指せ
 BOROのシングルに「大阪で生まれた女やさかい東京へはようついていかん」があるが、大阪は「維新特区」というべき政治風土を持っている。府知事、市長両選挙で大阪維新を圧勝に導く風土だ。その投票行動には全く一貫性がない。橋下徹の大阪都構想を住民投票で否決したかと思うと、今度は橋下を圧勝させた。背後に何があるかといえば江戸時代に大阪から始まった「浪花節」だ。「橋下さんのメンツをつぶしたから今度は助けにゃああかん」という浪花節的な風潮が根本にあって、それが政治を動かす。橋下も心得たもので、最後の街頭演説で「8年間お世話になりました。府知事と市長をよろしく」と訴え、おばちゃんたちの涙を誘う。ほかの政治家が言ったのでは「ああそうかい」で終わるが、橋下が言うと涙、涙なのだ。これこそがカリスマ政治家の面目躍如たるものだ。その涙は将来票になる。
 問題は、橋下がいなくなった大阪が「ジョン・レノンのいないビートルズ」(デーブ・スペクター)ということになるかと言えば、そうはなるまい。いなくならないからだ。本人は一時「政治家はボクの人生から終了した」と宣言していたが、市長選に圧勝して確保した「国政への土台」をみすみす逃すわけがないのだ。橋下は大阪が維新特区である限りいなくならないのだ。問題は引退するかしないかではなく「引退の期間」であろう。早ければ正月休みの後出てくるのではないか。でなければ「夏の選挙」に間に合わない。
 なぜ「夏の参院選」ではなく「夏の選挙」かといえば、首相・安倍晋三が勝つと見込めば「衆参ダブル選挙」に踏み切る可能性があるからだ。再来年の春には消費税率の10%への引き上げが待っており、「愚直に行く」として増税選挙に踏み切った大平正芳の例を挙げるまでもなく、誰がやっても増税後の選挙の大敗は確実だ。8%でも重税感がのしかかっているのに10%になったら、軽減税率もクソもない。選挙民の怒りは心頭に発するのだ。公明党は創価学会の票が分散するとして常にダブルに反対だが、しょせんは政権の味が忘れられなくなった政党、解散してしまえばついてくるのだ。
 だから橋下は、正月休みだからと言ってのんびりとはしていられないことになる。だいいち国政政党「おおさか維新の会」は、橋下のカリスマがなくては成り立たないのだ。しかし、大阪の特別区が全国的な広がりを持ちうるかといえば、これはない。橋下人気は特別区限定であり、広がりを見せる可能性は少ない。2012年の選挙では第3極ブームが到来したが、これは民主党に政権を取らせて戦後の政治史上まれに見る誤判断をした有権者が、自民党に戻るのも照れ臭く、第3極ブームを作ったのだ。したがって、次回の国政選挙では橋下ブームも生じない。国政選挙は“自共対決型”となり、下手な政党ははじき飛ばされる。
 加えて「大阪都構想」などという、訳の分からない政策が復活することもあり得ない。他党を敵に回したうえに、維新は府議会でも市議会でも過半数を割っており、再度住民投票をするにもハードルが高すぎる。もともと「大阪都構想」なるものは、「都」と名前がつくだけで大阪特区のプライドをくすぐって来ただけで、これにこだわっていては国政に進出する政治家としての素質が問われかねないのだ。
 国政に出る以上、参院ではなく衆院に出るしかない。参院はしょせん衆院の補完であり、政治家のレベルも総じて低い。首相への展望も開けない。いずれにせよ国政では内政・外交・経済で確固とした識見を求められる。大阪都構想は国政には全く通用しない。橋下は今ブームとなっている田中角栄とそのカリスマ性においては相似形にあるが、似て非なるものは、政策上の知識である。小学校しか出ていない田中は脳梗塞で倒れるまで、そのハンディキャップを補おうと深夜の「勉強」を続けて、国をリードするまでに到った。しかし橋下は大阪都構想なるもの一点張りであり、国政を勉強している風にも見えない。弁舌でごまかすような癖はタレント以来のものであり、なくならない。ここで行うべきことは、今後は政治・外交・経済を勉強してこれに独特の直感を加えて、国政に向けて積極的に発言することだ。雑巾がけ専門の陣笠代議士にとどまる器かどうかはその発言によって判断されるべきものであるからだ。心根を維新特別区頼りから、国政に向けて大転換しなければ真の展望は開けまい。 


◎俳談

◎俳談
【季語はつけたりでは駄目】
例えば
◆縄跳びのひらりと着地今朝の冬
という俳句があったとしよう。新聞選者は100%採らないだろう。なぜなら季語が動くからだ。季語が動くということはどういうことかと言えば、今朝の冬でなくても、今朝の夏でもいいからだ。今朝の冬に必然性がないのだ。季語などどうでもいい俳句であるからだ。
 俳句の場合はこう考えた方がいい。すべては「季語様」のためにあるのだと。例えば
◆山茶花の白の浮き出る薄暮かな 毎日俳壇入選
山茶花という冬の季語のために中七も下五も下部(しもべ)となって働いているのだ。白の浮き出ると形容し、薄暮という白い花の一番美しい環境を演出している。
 このように俳句は季語そのものを活かすために作るくらいに考えた方がよい。
◆スリッパに妻の体温日脚伸ぶ 毎日俳壇入選
掲句も冬至を過ぎればだんだん日脚が伸びることを、スリッパに残った妻の体温で言い表している。季語あっての俳句なのだ。 

◎安倍・オバマ連合の攻勢に中国は大誤算:東アジアサミット

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◎安倍・オバマ連合の攻勢に中国は大誤算:東アジアサミット
  中国の「各個撃破」戦略不発の背景
 毛沢東のゲリラ戦「各個撃破」は中国共産党伝統のお家芸だ。中国は日米両国を「域外国」と決めつけ個別に多数派工作を展開、これが、G20とAPEC首脳会議までは順調にいくかに見えた。ところが、最後の東アジアサミットで待ち構えた「安倍・オバマ連合軍」に、首相・李克強が孤立化してあえなく討ち取られるという大誤算を演じた。日本の新聞やテレビの報道はこの肝心の図式を俯瞰して描ききっておらず、群盲が象を撫でる状況であった。同会議では南シナ海の人口島建設をめぐって、対中批判が続出。遅れに遅れた議長声明は中国の人工島造成を念頭に「軍事化」の動きに初めて言及し、「複数の首脳が示した懸念を共有した」と中国を厳しくけん制する内容となった。次回東アジアサミットは米国で2月に開催することになり、南シナ海をめぐる外交戦は継続する。
 各個撃破は中国国家主席・習近平自らが率先して行った。ベトナムを訪問して、札束外交を展開。外相・王毅がフィリピンの大統領アキノに南沙問題をAPECの議題にしないようにクギを刺した。さらにタイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの外相を自国に招いて会談、“多数派工作”を展開した。この結果APECの共同宣言では南沙問題には言及がなかったばかりか南シナ海の問題は一切提起されなかった。
 しかしオバマと安倍の狙いは最後の東アジアサミットにあった。APECでは深追いしないが、東アジアサミットでは徹底的にやることを両者はおそらく確認しあっていたのであろう。ここへ向けて根回しを進めた結果、事実上中国がつるし上げにあったのだ。習近平はなぜか出席せず、この結果首相・李克強が打たれ役を演じる羽目となった。会議の冒頭ブルネイが発言を求めて南シナ海の事態を批判、習近平が札束で「落とした」はずのベトナムも批判を展開。恨み骨髄のフィリピンのアキノに到っては中国を名指しで「法の支配に基づいて行動せよ」と促した。オバマは「(中国は)航行と飛行の自由や、紛争の平和的解決など国際原則を守る必要がある」とクギを刺した。こうした批判に対して李克強は「域外国は、地域諸国が南シナ海の平和と安定を擁護する努力を尊重すべきだ」と懸命の防戦に出た。これも中国の各個撃破の一種で、日米を域外国と断じて会議での差別化を図ろうとしたのだ。しかし、東アジア首脳会議の雰囲気は南シナ海は公海であり、中国の領有権など認めない国が大多数だ。「域外国理論」は通用しなかったのだ。
 最後に安倍が発言を求めた。通常の会議では日米が早めに発言して会議をリードするところだが、安倍は独特の直感を働かせて最後の発言を選んだ。批判が多ければ最後の発言が締めくくりとなって李克強は言われっぱなしになるという高等戦術だ。安倍は「南シナ海では埋め立てや軍事的利用の動きが今なお継続している状況を懸念する。習近平主席は軍事化する意図はないと発言をしており、留意しているが発言には具体的な行動が伴わなければならない」と締めくくった。
 こうして昨年の5月のシャングリラ会議と同様に中国は孤立化の様相を浮き彫りにさせられたのだ。しかし、カエルの面に小便的な色彩があるのは否定出来ない。中国の外務次官・劉振民は会議直後に「習近平主席は軍事拠点にしないとは言ったが、軍事施設を建設しないとは言っていない」と噴飯物の発言をした。軍事施設を建設すれば誰が見ても軍事拠点ではないか。こうした発言をまかり通そうとするのは、依然として中国が独善とエゴ丸出しの国家であることを物語っている。
 議長国マレーシアが発表した議長声明には、ASEANと中国が協議中の南シナ海での活動を規制する行動規範の早期策定を目指すことがうたわれたが、時期は明示されていない。中国には行動規範が出来る前に埋め立てを完了させる意図が見え見えである。このためオバマが「来年の東アジアサミットまでの行動規範締結を望む」とクギを刺したのは当然であろう。
 注目すべきはASEAN諸国が22日、域内10か国の経済統合を進める共同体を12月31日に発足させると宣言したことだ。6億人超の巨大市場を目指し、域内の経済活性化を図る。非関税障壁の撤廃をさらに進めるなど、今後10年間の統合の進め方を示す「工程表」も採択した。この共同体をめぐって米中がいかに影響力を行使するかも焦点となるが、環太平洋経済連携協定(TPP)で合意した日米は、自由主義経済圏という大枠で歩調を合わせることが可能だ。米国での首脳会議開催は中国に対する強いけん制になることは言うまでもない。来年秋の大統領選挙に向けて、対中強硬路線を取る共和党候補に民主党が巻き返しを図るチャンスともなるだろう。
 今後中国は南沙諸島での埋め立て工事を継続させ、漁民などを「植え付け」、これを守る軍隊を駐在させるという既成事実化を臆面もなく進めることが予想される。しかし、これにはASEAN諸国の反発は不可避であり、日米豪印が核となってASEAN諸国と同調した対中封じ込めの構図は長期にわたって継続せざるを得ないだろう。こうした国際会議のやりとりを見れば、ろくなテーマもないのに、臨時国会開会にこだわり、安保法案の廃案や修正を主張する日本の野党の「時代錯誤」は、極まった印象を強くするものである。


ホバより飛び込み

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◎俳談

◎俳談
【俳句と感性】
◆秋の空露をためたる青さかな  子規
俳句は短詩である。したがって何よりも感性が求められる。表面には出なくてもその句の根底にある感性である。子規の掲句は秋の空が露をためているかのように、詩人子規の目に映ったのだ。そう映らなければ出来ない俳句である。つまり子規の感性そのものが現れた俳句なのである。
寺山修司が
◆マッチ擦るつかの間海に霧深し身捨つるほどの祖国はありや 
と詠んだが、これも感性の固まりのような短歌である。読者を霧の深い海でマッチを擦るという感性の世界にひきづりこんでおいて、身を捨てるほどの祖国があるのかと問いかける。マイクでがなり立てる反戦論者より、百倍の訴求力がある。
◆爽やかや四角のビルより退職す 東京俳壇1席
評には「四角のビルという平凡な言葉が抜群に生かされて作者の生涯が見渡せる」とあった。職場を「四角のビル」と称する感性を感じてもらえたのであろう。こうした俳人の感性は持ち前のものだろうか、それとも育てられるものであろうか。筆者は両方あると思う。生まれながらに詩的感性を持つ人間はそれほど多くはない。しかし俳句は作句の技術とは別に多作すれば感性も自ずと育つものなのである。素地としては歌謡曲に感動する感性があれば十分だ。後は育つ。
◆春寒の夜に空襲のありしかな 日経俳談1席

◎安倍、南シナ海への自衛隊派遣を検討

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◎日米首脳が覇権主義中国をけん制
安倍、南シナ海への自衛隊派遣を検討
  一見テロ対策と経済対策一色に見えるアジア太平洋経済協力会議(APEC)だったが、舞台裏では中国対日米同盟のすさまじいせめぎ合いの構図が展開された。とりわけ米大統領オバマと首相・安倍晋三との会談では日米同盟を地球規模に拡大することで一致し、安倍は「南シナ海での自衛隊の活動」に言及した。これは、南沙諸島の埋め立てにより領土拡大路線を進める覇権主義中国への極めて厳しいけん制球となった。加えて環太平洋経済連携協定(TPP)首脳会合で自由貿易圏の拡大方針が確認され、同協定の中国封じ込めの色彩が強化される状況となった。安倍による南沙情勢へのコミットメントは、安保関連法成立後最も重要な首相発言と言え、通常国会では野党の強い反発を招き、激しい議論に発展することが予想される。
 APECでの孤立化を回避する中国の下準備は相当なものがあった。危機感を抱いたのか国家主席・習近平自らが5日にベトナムを訪問、経済協力を約束。10日には外相・王毅が議長国であるフィリピン大統領・アキノと会談して南沙問題を議題にしないようにクギを刺した。さらに11日にはタイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの外相を招いて会談、一種の“多数派工作”を展開した。この結果APECの共同宣言では南沙問題には一切言及がなかった。そればかりか南シナ海の問題は一切提起されなかった。中国の“根回し”が利いたことと、アキノが議長で中立的立場を取らざるを得なかったことが影響した。
 ところが日米は協調を旨とする国際会議の表舞台でなく、裏舞台で中国包囲網への動きを展開した。オバマとアキノの会談でオバマは海上安全支援策を増強し、2年間で2億5000万ドルの支援を約束した。安倍もアキノとの会談で南シナ海問題での協調と支援を確認した。さらに重要なのはTPP首脳会合だ。安倍は今後の方針として参加国の拡大に言及したが、会合後フィリピン、タイ、インドネシア、韓国などが参加に前向き姿勢を示した。中国は共産主義1党独裁体制で事実上の統制経済を行っており、この体制が改まらない限り参入は困難である。したがってTPPはおのずと中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への対抗的な色彩を帯びる結果となったのだ。
 そして極めつけが日米首脳会談だ。オバマは南沙でのイージス艦の通過など「航行の自由作戦」に関して、「日常の行動として実行していきたい」と述べ、継続の方針を明言。これに対して安倍は「中国の現状を変更する一方的な行為にはすべて反対する」と、米国の作戦への支持を明確に表明した。加えて安倍は「南シナ海での自衛隊の活動は、情勢が日本の安全保障環境に与える影響を注視しつつ検討する」と述べたのだ。明らかにオバマに対するコミットメントである。ただ具体的な行動については明確にはしなかった。安倍は去る11日の参院予算委でも自衛隊の南シナ海派遣について「我々は様々な選択肢を念頭に置きながら検討を行っていきたい」と発言している。派遣に前向きと受け取られても無理はない発言だが、その時は「現時点で具体的な計画はない」とも述べている。
 それからまだ1週間あまりであり、オバマへの発言も具体的な計画はないのだろう。発言も「安全保障に与える影響を注視しつつ」と、無条件ではないことを付け加えている。ただ安全保障に与える影響とは、安倍が安保法制審議で繰り返した「我が国に死活的な影響」という集団的自衛権の行使の要件より緩い。しかし安倍は国会答弁で南シナ海で問題が生じた際の対応について、「ホルムズ海峡と異なり迂回路がある」とも述べている。したがって安倍発言の真意は、米国の「航行の自由作戦」にまる乗りして、共同パトロールをするところまで踏み込んではいないと思われる。だいいち自衛艦は東シナ海への対応で手一杯だといわれており、よほどの事態でも発生しなければ、パトロールはフィリピンやベトナムに提供する巡視船に委ねる事が賢明だろう。ではどのような場合に派遣が実行に移されるかだが、日米共同訓練の場を南シナ海とすることも考えられるし、12カイリの外側での監視行動や空自による監視活動などもあり得る。米艦への物資補給やかつてのような洋上での石油供給活動なども比較的やりやすいと考えられる。いずれにしても南シナ海への自衛隊派遣を口にした首相はなく、大きな議論を呼ぶものとみられる。
 中国は表舞台に気を取られるあまりに、裏舞台にまで手が回らなかったことになる。22日にはマレーシアで東アジア・サミットが開かれるが、ここでは従来政治・安全保障をめぐる討議も行われてきており、中国の南シナ海進出に対する意見が出される可能性が高い。


◎俳談

 ◎俳談
【炬燵(こたつ)のドラマ】
◆淋しさも茶柱と呑む炬燵かな 東京俳壇入選
 長い人生の内には炬燵はドラマ展開の場ともなる。部屋の中に炉を切り、その上に木製の櫓(やぐら)を掛けたのが切炬燵。床に深く掘り下げて腰掛けられるようにしたものが掘炬燵。持ち運びできるものは置炬燵でいずれも燃料は炭か練炭だった。そして電気炬燵へと変わる。炬燵はもちろん切炬燵、置炬燵、掘炬燵などみな冬の季語だ。年配の人はすべてを経験しているかも知れない。従って昔の炬燵を詠めば自ずと時代が分かる。
芭蕉の時代にも置炬燵はあった。
◆住みつかぬ旅のこゝろや置火燵
と詠んでいる。
キシリトールが歯の健康によいことは広く知られるようになった。筆者はキシリトールガムが好きだから原稿を書きながらかんでいるが、おかげで30本全く虫歯がない。歯医者から表彰されたほどだ。
◆炬燵猫キシリトールの口を嗅ぐ 産経俳壇入選
猫は珍しい匂いを確かめようとする。
◆裏情報知り尽くしたる炬燵猫 杉の子
古い猫は寝たふりしてその屋の家族の話を皆聞いている。一番の情報通に違いない。
だから時々猫めは追い払われる。
◆茶を出しぬ炬燵の猫を押落し 金子伊昔紅
といった具合だ。医者で俳人の金子伊昔紅(いせきこう)は、当代随一の俳人・金子兜太の父。


◎小沢と共産党が「なりふり構わぬ症候群」

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◎小沢と共産党が「なりふり構わぬ症候群」
  まるで“野合”の危うさ露呈
 生活の党代表の小沢一郎と、共産党が「なりふり構わぬ症候群」とも言うべき身体・精神症状を示している。共産党委員長・志位和夫や前委員長・不破哲三は、「選挙に勝つためには何でもやる」という姿勢だ。参院選で1選挙区2万票と言われる票を野党統一候補に差し出す構えを見せれば、小沢はこれを背景にいったんつぶれたオリーブの木構想を実行に移すのだという。一時は「老兵は去るのみ」と意気消沈していた73歳の小沢が、「野党統一候補で一強自民党を完敗させる」と言うまで元気になったのだ。しかしはっきり言って、特殊な層には支持されるが一般国民が最も信用していない政治家個人と政党は小沢と共産党である。この「国民と政策不在の野合」が、来年の参院選の勝負を左右するのだろうか。
 小沢と共産党の接触は何と言っても安保関連法案をめぐる戦いでの
一致である。もともと不破とは当選が同期で仲が良かったし、志位とも反安保闘争を機に接触の度合いを深めた。国会前で民主党代表の岡田克也らと一緒に手を組んでデモ隊を扇動し、親密度を高めたのだ。そして、選挙の勝利がすべてに優先する「政治屋小沢」が、これまで手つかずであった共産投票に目を付けた。手つかずと言っても2009年の総選挙では、民主党躍進を感知した共産党が自主的に候補擁立を控えた例があり、小沢はこのころから共産票を「利用出来る」と踏んでいたのだ。
 その活用の実践が8月の岩手知事選である。小沢の根回しで民主、共産、維新、生活の協力を実現して、現職有利に導き、自民党をして候補擁立断念に追い込んだのだ。勢いづいた小沢は、弁舌巧みに志位らを説得、鉄の団結の党を“たらしこんで”しまったのだ。共産党は、安保が成立したと見るやすぐに志位が「国民連合政府」構想を打ち上げ、野党に選挙協力を呼びかけた。小沢がこれに賛同の声を上げたのは言うまでもない。そして岡田とも会談して、共産党との選挙協力で一致したのだ。国政選挙での共産党取り込みに成功したのであるから、小沢の“豪腕”ぶりいまだ衰えずということになる。岡田にしてみれば共産党票をそっくりいただければ、参院選圧勝の夢と希望が湧くのであり、党勢の衰退を思えば棚からぼたもちの話である。
 一方共産党も、志位が柔軟路線に転換、日米安保条約の撤回を求める党方針を凍結するという路線上の大転換を示し、天皇制の維持までも明言する始末だ。良く党内が治まると思える戦略である。言ってみれば主義主張を凍結して、選挙の票だけを目当てに連合を組むという「野合路線」を、臆面もなく選択したのだ。冒頭言った小沢の「なりふり構わぬ症候群」は共産党にも伝染したのだ。しかし最大の誤算は安保法制が国民に受け入れられ始めており、いくら通常国会で扇動しても、今夏のムードが復活することはないことを感知していないことだ。
 さすがに民主党内右派は黙っていない。前原誠司と細野豪志が維新の前代表・江田憲司と11日夜会談、民主党解党で合意に達した。岡田に対するけん制である。前原は共産党との選挙協力について「私は選挙区が京都なので、非常に共産党が強いところで戦ってきた。共産党の本質はよく分かっているつもりだ。シロアリみたいなものだ。ここと協力をしたら土台が崩れる。」と“共産党シロアリ”論を展開している。慌てて幹事長・枝野幸男が共産党書記局長の山下芳生に「失礼な表現があった」と陳謝したという。民主党内は右派だけでなく、旧社会党系議員からも危惧の声が聞かれる。
 今後の展開だが、小沢の言うオリーブの木と共産党の国民連合政府とは十分に折り合いが付くものだろう。何もイタリアの真似をしなくてもいいと思うが、小沢の構想は既存の政党とは別に選挙の届け出をする政党を作り、そこに野党政治家が個人として参加する構想だ。共産党の構想も「国民連合政府で一致した政党が選挙協力をする」事に主眼を置いており、共産党が政権につくかどうかは明確にしていない。さすがに小沢も外聞が悪いと思ったか、17日のTBSラジオで「共産党自身は一緒になる気はない。選挙協力のところまでやるだけで、そんなにヒステリックに心配することはない」と否定している。
これはまず嘘だろう。民主党政権では社民党まで参加した政権を作っており、選挙に圧勝するようなことがあれば、その勢いをかって共産党まで政権に入れるに決まっているからだ。
 もっとも参院選に勝てるかどうかは全く未知数だ。いくら公明党票に匹敵する組織票があるからといって、有権者が国政選挙で小沢と共産党が“つるむ”候補に投票するかは疑問があるからだ。民主党が政権についたときも風が吹いたし、維新の躍進時も風が吹いた。しかし、いくら粧っても小沢と共産党の“背後霊”が見える候補に風が吹くとは思えない。自民党が危機感を募らせれば勝てる勝負にもなり得る。それにかねてから述べているように首相・安倍晋三が衆参ダブル選挙を選択すれば、野党の選挙協力が衆参でねじれを生じさせ、与党が勝つ公算が強い。そこにようやく気付いたか岡田が18日、安倍が1月4日通常国会を召集することを決めた事について「来年の衆参両院ダブル選挙の可能性を残すなど、いろいろなことを考えて判断したのだろう」との見方を示している。小沢と共産党の「危うい関係」が、幻に終わる可能性の方が大きいように見える。しょせんは砂上の楼閣を築いているのだろう。


◎俳談

◎俳談
【高齢者向け季語】
年寄りをユーモアたっぷりに茶化す季語に「着ぶくれ」と「懐手」がある。着ぶくれとは言うまでもなく何枚も重ね着して、体が膨れて見えることを言う。懐手は和服の袂の中や胸元に両手を差し入れる状態。両方とも冬の季語だ。年寄りは何しろ肺炎になったらいちころだから、昔は着ぶくれる一方だった。しかし最近では洒落たダウンジャケットが大流行しており、若者たちも着ぶくれて朝の満員電車の混雑を一層ひどくしている。しかし句になるのはやっぱり年寄りだ。それも退職して所在なげな年寄り。哀れなのは会社人間だった年寄りだ。特に幹部経験者は命令口調が癖になってしまっているから
◆着膨れて命令口調直らざる 東京俳壇入選
ということになる。もっともこれが好好爺に突然変わったりすると、ぽっくり逝ったりするから気をつけた方がよい。      
◆着膨れて支那そば食べに来たわいな 東京俳壇3席
こんな調子が達観していてよい。
久保田万太郎は
◆着ぶくれのおろかなる影曳くを恥ず
と詠んだ。着ぶくれた自分をおろかなどとはなかなか言えるものではない。粋な万太郎のダンディズムだろう。
懐手も、毎日となると苦痛になる。仕事人間は何もしない毎日が、「自由の刑」を受けているように感ずる。これは自分でやることを見つけて体勢を立て直すしかないが、なかなか簡単にはいかない。
◆毎日が自由の刑や懐手 読売俳壇入選
ということになる。しかし俳人はそうした日常も俳句にしてしまう。
懐手あたまを刈って来たばかり 万太郎
「うまい。座布団3枚!!」

◎奇襲「代執行」作戦で政府圧勝の決着へ

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◎奇襲「代執行」作戦で政府圧勝の決着へ
  予想外で窮地に追い込まれた翁長
 織田信長が今川義元を討った戦国時代最大の奇襲作戦が桶狭間の戦いであったが、政府も奇襲攻撃に出た。さすがに官房長官・菅義偉はけんかの仕方を知っている。普天間基地の辺野古移設で、沖縄県知事・翁長雄志を狙って長引く行政不服審査法ではなく、迅速な司法の判断が出される「代執行」提訴に踏み切った。翁長は最近まで想定しておらず、高裁判決が来年3月までに出され、翁長が最高裁に上告しても夏までには決着が付く。国が地方の長を相手取った裁判でこれまで敗訴したことはない。さすがの翁長もめったにない国の急襲に慌てふためいて「県民にとっては銃剣とブルドーザーによる米軍の強制接収を思い起こさせる」と述べるのがやっとだ。「銃剣とブルドーザー」は翁長が県民の感情をあおる常套句だが、政府は地方自治法という最も日本の民主主義を象徴する法律に基づいて訴訟を提起したのであり、こればかりは感情に訴えても駄目だ。
 昔自治省の内政記者クラブで取材した頃、地方自治法を先輩記者からたたき込まれたことを思い出す。今回の政府による訴訟は都道府県の自治権を規定した地方自治法のいわば例外的な条項に基づく。明治憲法では地方自治などと言う概念がなく、すべて中央優位の思想に基づいていたが、地方自治法にも国の関与を認める条項がある。その245条で国の代執行を認めているのだ。代執行とは国が県に委ねた業務で放置すれば公益を著しく害するケースにおいて担当大臣が知事に代わって行う手続きだ。知事がよほどひどい能力上の欠陥があった場合や、特定のイデオロギーにのっとって行政を行うケースを想定して国の関与を認めたものであろう。同条項は国が勝訴の場合「当該高等裁判所は、各大臣の請求に理由があると認めるときは、都道府県知事に対し、期限を定めて当該事項を行うべきことを命ずる旨の裁判をしなければならない。」と判決内容にまで言及している。また245条は「執行を怠るものがある場合においてその是正を図ることが困難であり、かつ、それを放置することにより著しく公益を害することが明らかであるとき」を訴訟の条件に据えている。
 既に政府と沖縄県は1995年に知事・大田昌秀(当時)が民有地などを米軍施設として強制使用するために必要な「代理署名」を拒否した際に、法廷闘争をしている。高裁の裁判長を務めた大塚一郎は当時を振り返って「法律上はどうにもならなかった。行政法の解釈上の問題だからだ」と国勝訴の事情を解説している。今回も自治法で明記されている部分をめぐる裁判であり、国側が圧倒的に有利に展開するものとみられる。
 当然裁判は、翁長の行為が「著しく公益を害しているかどうか」が焦点となるが、二つの問題が提起される。一つは「普天間基地の危険性」である。奇妙というか、卑劣というか翁長は反対運動で普天間の危険性には一切触れていない。小学校が隣接し、住宅がひしめいている基地が「世界一危険」なことは自明の理であり、翁長自身も自民党県連幹事長時代の1999年、県議会で普天間基地の移転を主張、県内移設を求める決議を可決に導いている。この自らの主義主張を選挙に有利とみるやころりと変える節操の無さが、裁判でも問われそうである。「普天間放置」が公益を害することは明白だ。
 次に普天間移設は日本と米国の国家間の重要な約束である。そして普天間に代わる基地の建設の必用は、ここ数年の安保環境の大変化をみれば明白である。親中路線を突っ走る翁長は、普天間と同様に尖閣諸島への中国公船の侵入には全く言及していない。自らの県の安全保障上の危機は放置しているのである。中国共産党幹部から「日本の馬英九」と呼ばれるだけあって、どこの国の県知事かとあきれる。辺野古への移設は日米同盟の要であり、中国は日本が移設に失敗するようかたずをのんで見守っているのだ。もちろん失敗すれば南沙諸島のようにカサにかかって尖閣諸島を手中に収めようとするだろう。これが公益を害することでなくてなんであろうか。訴状は移設に失敗すれば「米国との外交・防衛上の計測不能なほどの不利益をもたらす」と述べているが全く同感である。
 読売によると政府は「99.99%負けない」と述べていると言われ、朝日には「100%負けない」と述べているが、地方自治法から解き明かせば政府の自信も分かる。前述の内容に加えて、自治法は「訴えが提起されたときは、速やかに口頭弁論の期日を定め、当事者を呼び出さなければならない」と、行政への差し障りを考慮して「即決」の姿勢を見せている。第一回口頭弁論は来月2日に開かれることになったが、超スピードで展開した場合高裁の判決は1月か2月にも示される可能性がある。翁長は別途訴訟を起こす可能性があるが、いずれにしても辺野古埋め立てが中断されることはない。
 


◎俳談

◎俳談
【儚(はかな)きもの】
◆冬の虹すぐに消えたり妻呼べば 東京俳壇入選
 自然現象の中でも儚いものの象徴が冬の虹だろう。かかっても小振りですぐに消えてしまう。
虹は夏の季語であり、その夏の虹は雄大さと華やかさと儚さが共存すると言ってもいいが、冬の虹は儚さだけで成り立っている。だからかかるとすぐに人を呼びたくなる。人に知らせたくなる。 
◆声寒く入り来て虹を知らせたり 産経俳壇入選
「うー寒い」と言いながら帰宅して、茶の間を開け「今虹がかかっているよ」と伝えるようなイメージだ。冬の虹は珍しい季語でもあるが、珍しい季語にも時には挑戦してみることだ。儚いという本質をとらえつつ作句する。
安住敦の
◆冬の虹消えむとしたるとき気づく
は、まさに本質を突いた一句だ。

◎日本はIS絶好の“ソフトターゲット”

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◎日本はIS絶好の“ソフトターゲット”
  掃討は経済支援に徹して軍事支援は避けよ
 善良なる大多数の中東諸国の旅行者には申し訳ないが、リュックを背負って新宿を歩いている姿を見かけると、自然と距離を置く自分を発見したりする。パリでのすさまじい同時多発テロが、日本でも起こりうるかといえば、警備が緩やかなソフトターゲットが日本ほど散らばっている国はない。オウムのサリン事件の例を挙げるまでもなく、イスラム国(IS)がやろうと思えばできるのだが、おそらくその余裕はないだろう。ISが日本を狙うモチベーションがまだ現段階では低いからだ。しかし来年の伊勢志摩サミット、2019年ラグビーのワールドカップ、2020年のオリンピックと重要行事がひしめいており、これをISまたはこれに代わるテロリストが狙う公算は否定できない。テロリストに隙を見せないことが重要だ。
 ISは明らかにそのテロ戦略をソフトターゲット作戦に転換した。
主として空爆でのダメージが大きく、手当たり次第にテロの対象とするしか自らの存在を誇示する方途がなくなってきたからだろう。イラク軍が指導者バグダディを空爆し、おそらく殺害したことに加えて、斬首人・ジハード・ジョンも空爆で殺害されるなど有志連合による空爆の効果が表れ始めた。ISは焦燥感があるとみられる。しかしシリアの内戦が続く限り、これに乗じたISが勢力を維持することは間違いない。その内戦にとどめを刺すべくテロ翌日にウイーンで開催された「シリア問題多国間協議」がアサド政権と反体制派の戦いに区切りをつけ、「移行政権」を6か月以内に作る方針を目標として定めたことは一るの希望が生じたことを意味する。米ソの代理戦争の様相が出ていた内戦が集結すれば、本腰を入れたIS の掃討が可能となるのだ。
 だが空爆だけではISを根絶やしにすることは不可能である。所詮は空爆で衰えさせたISを地上軍によってとどめを刺すしかないと専門家の多くが見ている。シリア政府軍でそれが可能ならばよいが、少なくとも米仏は地上軍を支援の形で出さざるを得ないだろうとみられている。現状であれば、日本の役割は経済的支援にとどまらせればよいが、地上軍投入となれば日本に対する何らかの役割を米国が求めてくる可能性がないとは言えない。しかしその場合でも日本は安易に応じてはなるまい。なぜなら米国やシリアの旧宗主国であるフランスとは全く立場が異なるからだ。とりわけフランスは500万人ものイスラム教徒が定住しており、欧州で最も多数の若者がISに参加している特殊な国だ。加えて欧州諸国とイスラム社会は十字軍以来の文明の敵としての戦いを繰り返している。そこへ、のこのこと自衛隊が出動して、たとえ後方兵站活動でも「参戦」すれば、間違いなくテロの標的国家としてのモチベーションは高まる。大きなテロがあれば日本はその対応に追われ、テロ対策への財政支援どころではなくなる。これは世界のテロ対策に取っても大きなマイナスとなる。戦わない戦い方を選択すべきであろう。サソリの穴に手を突っ込むのは避けるべきだ。
 日本で起きうるテロをシュミレーションすれば、「弱い脇腹」は腐るほどある。サミット開催を狙ったテロは2005年7月、英国G8でのロンドン同時爆破事件がある。地下鉄の3か所がほぼ同時に爆破され、その約1時間後にバスが爆破され、56人が死亡している。伊勢志摩サミット会場は最も攻めにくい地理上の好条件を備えているが、地下鉄や新幹線はサリン事件の例を見るまでもなくソフトターゲットになり得る。マドリードでは2004年に早朝の通勤列車を狙った「同時多発列車爆破テロ」が発生している。原発がターゲットになる可能性もある。航空機による自爆テロも考えられなくもないが、9.11のように事前の訓練なしに突然狙おうとしても無理だろう。
 世界ラグビーやオリンピックまでISがその勢力を維持出来るかと言えば無理だろうと思う。いくら何でも世界総がかりでのIS戦はここ2、3年で終了にこぎ着けるだろうと思われる。ISのイメージの「十字軍」に、日本が入っていないのは歴史的にも地理的にも当然である。したがってここはあえてISを強く刺激する手段を避け、米国などから要請があっても集団的自衛権の行使は控えるべきであろう。ISが国家に死活的な影響を与えるものとは思えないからでもある。その点政府・与党が安保法制実現後も「行け行けどんどん」でないことは、賢明である。
 テロ対策として有効なのは市民の協力である。交番に指名手配中の犯人の写真が貼ってあるが、これと同様に市民による通報制度を作れば、日本のような単一民族の閉鎖的社会的構造では有効に作用するかも知れない。電車にも張ってあるが、警察も「テロの臭いは通報を」と言ったキャッチフレーズで国民に呼びかけるべきであろう。


雨の降る日はOXFilmPac5で現像

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 雨の日は現像遊びに限る。これまでOXFilmPac4で

トライXなどの白黒写真を楽しんでいたが

バージョンアップして5にしたらすごいことが出来る。

雨の銀座と新宿を倉庫にあった大正時代の絵葉書 に

してしまった。 


青ちゃんのバトル

やるってのかよぅ
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蹴りいれたる
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水葬だ 
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羽噛みだ
 
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首締めだどぅ 
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チャンバラだ
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奥歯がたがた言わせたる 
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ざまみろ あばよ 
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◎俳談

◎俳談
【新酒を詠もう】
◆友ら皆白髪か禿げよ新酒汲む 読売俳壇入選
 昔田中角栄の家に夜回りすると、酒はオールドパーであった。ロッキード事件の後などは一人で一本開けることもあったようだ。「なんで越後の酒でなく洋酒なんですか」と聞くと「日本酒はうますぎてついのみすぎてしまう」だそうだ。それでも正月は3升も入る大瓶で日本酒であった。一緒に夜討ち朝駆けした友も皆白髪か禿げとなった。
 新酒は秋の季語。かつては収穫した新米をすぐ醸造したため秋の季語となったが、現在はほとんど寒造りで、2月に出荷される。
◆一つ欠き五臓と五腑に染む新酒 杉の子
胆石の手術で胆嚢を取ったが、医者はのんでもいいと言うから遠慮なくのんでいる。しかし昔のようにがぶ飲みをしない。楽しむ習癖が年と共に備わった。
◆がぶ飲みはもはやせぬ歳今年酒 杉の子
酒を詠んだ名句は何と言っても李白だろう。杜甫が「李白一斗 詩百篇」と詠んだようにたいへんな酒豪であった。たしかに一杯やりながら俳句を作ると面白いようにどんどん出来る。せきを切ったように出来るのだ。しかし翌日覚めてから見ると駄句の山を築いていたことが分かる。李白は「山中にて幽人と対酌す」に
◆両人対酌すれば山花開く 一盃一盃復(ま)た一盃
 自然の中で酒を酌み交わし、 気ままに語り合う自由を詠んでいる。

◎公明が“躍進共産”に受け身でたじたじ

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◎公明が“躍進共産”に受け身でたじたじ
   あおりを食らうのは民主党の構図
 かつて自民党副総裁・川島正次郎が「70年代は自共対決の時代になる」と予測したが、2010年代後半も「自共対決」を軸に展開しそうな雲行きとなってきた。現在公明党が自民党の“代理戦争”の形でバトルを展開しているが、論戦といい地方選挙といい押され気味だ。なぜかというと支持母体である創価学会に安保法制を推進した公明党を批判する層があり、その急所を共産党が突く戦術をとっているからだ。実に巧みな作戦であるが、おそらく公明党は態勢を立て直すだろう。一方で、とばっちりを食うのは共産党に接近している「岡田民主党」だ。共産党に安保批判票を掘り起こされ、支持基盤を取られる危険性を内包している。政党支持率から見る限り一強自民に「第二強の共産」が目立ち、他党はかすんでいる。
 共産党が巧みなのは一強自民を直接相手にせず、自民と安保で共闘した公明を狙い撃ちにしていることだ。その作戦は8月頃から始まった。共産は安保たけなわの国会審議をフル活用して、地方選挙で公明を責め立てた。仙台市議選で書記局長・山下芳生が「公明党支持者の中に戦争法案に強い危機感を感じる人が多い。その気持ちをくんだ運動を発展させたい」と、まさに他人の懐に手を突っ込む作戦を展開した。すぐさま公明党代表の山口那津男は「各政党の支持団体などについて、他の政党がとやかく言って、運動に取り込む姿勢はいかがなものか」と反論したが、受け身であることは否めなかった。その結果共産党は仙台市議選で3選挙区トップ当選を果たした上に、10月の宮城県議選では議席を8に倍増させて県議会第2党に躍り出た。事実上の公明大敗北の図である。こうして公明党の共産党に対する怒りは頂点に達し、これが噴出したのが10月25日のNHKの日曜討論だ。筆者も見ていて既に書いたが、番組終了間際になって、公明党政調会長・石田祝稔が突然「ちょっと一言、私も」と声を荒げて発言、「50年も60年も自衛隊は違憲だとか、日米安保廃棄と言っていたのを、それを脇において選挙で一緒にやりましょうというのはおかしい」と共産党批判を展開。これに対して共産党の政策委員長・小池晃は、「これだけ立憲主義と憲法を守らない政権を倒すためには、緊急課題で団結するのが政党の責任だ」とカエルの面に小便のごとく受け流した。このやりとりについて「しんぶん赤旗」は「平和の党を看板にしながら自民党とともに戦争法を推進する自らの無責任さには思い至らない石田氏の滑稽さが浮き彫りになった場面」と勝ち誇ったような論評を加えた。
 もともと公共両党は支持層が似通っており、古くから党員獲得競争や激しいビラ合戦を展開してきた。こうした中で1974年、共産党の支持者であり創価学会会長・池田大作と対談をしたこともある作家松本清張の斡旋もあり、関係正常化に向けて相互不干渉を定めた「創共協定」を結んだ。しかし対立は収束しなかった。1980年には、創価学会の顧問弁護士・山崎正友を中心とした学会員が、共産党委員長・宮本顕治宅を盗聴した事件が発覚して両者の対立は決定的となり、協定の更新は行われなかった。
 その宿命の対決が「平和の党」の看板争いのごとく急浮上して展開しているのが公共対決の現状だ。公明党はかつてない党基盤の危機にひんしており、参院選挙に向けて態勢を立て直さざるを得ない状況に直面している。しかし、組織としての創価学会に弱体化の傾向は少なく、テコ入れをすれば参院選に向けて基盤強化は達成できるだろう。自公対共産の対決で、あおりを食らっているのが民主党だ。地方選挙を見ても民主党が食われる傾向を示し、民主党は「安保法制反対」の受け皿になっていない。共産党がすべての安保批判票を平らげているのが実情だ。代表・岡田克也が参院選挙に向けて共産投票に“舌なめずり”しており、昨日書いたように党内右派が治まらない。事実上党内抗争に発展しつつあり、読売の調査でわずか7%という支持率もあって、いまや「落ち目の三度笠」でどこへゆくかは風次第だ。こうして自公対共産の対決が軸となって参院選も戦われることになるが、煽りを食らうのは民主党という構図になりそうな気配だ。


◎俳談

◎俳談
【時事俳句は軽い】
 新聞投句だから、新聞やテレビの報道を基に作った時事俳句が入選するだろうと考えるのは甘い。選者は真っ先に捨てる。句会でも時事句は上位に入賞することはない。例えば<天安門テロ発生し秋の空>などという、テレビを見て詠んだような駄句は100%採られない。初心者はどうしても入ってくる情報で俳句を作ろうとする傾向があり、メディアの報道に踊らされるのだ。従っていきおい表面的で一過性の句になる。古来一過性の俳句は俳人がもっとも忌避するものである。
 どうしても時事句を作りたかったら、起きた事象をニュースのように俳句にせずに、一呼吸置いて一般化して作ることだ。笠智衆が死んだときに作った俳句を例示すれば
◆猿山の笠智衆らの日向ぼこ  産経俳壇入選
◆笠智衆ばかり集ひて新茶汲む 東京俳壇月間賞
と言った具合だ。笠智衆が死んだなどとは一言も言わずに、故人の懐かしい感じを出した。
◆恐ろしき昭和を見たり晝寢覚   朝日俳談1席
も、元号が平成に変わった時期に詠んだ句だが、戦争、原爆などと言わずに「恐ろしき昭和」だけの表現で時代をえぐって成功した。
◆反戦で張りのある声生御魂(いきみたま)        朝日俳談1席
反戦運動が盛んでも全学連などを詠んでも成功しない。生身魂(いきみたま)ほどの高齢者が反戦を唱えることに感動して、そこに絞った。
 通学児童に話しかけたら警戒された。子供に対する痴漢行為が社会問題になったころだ。
◆人見れば痴漢と教え赤とんぼ      朝日俳談入選
親にとっては必死の防御教育だろうが、なにか現代社会の情けなさを感じた。

◎保守派の巻き返しで岡田路線が窮地に

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◎保守派の巻き返しで岡田路線が窮地に
  民主党解党論が勢いを増す
 ついに民主党内右派が本格的に動き始めた。時事通信によると前原誠司と細野豪志が維新の前代表・江田憲司と11日夜会談、民主党解党で合意に達した。解党の上で維新との合流を目指すというものであろう。これは共産党との連携を進める代表・岡田克也との路線上の対立が抜き差しならぬところまで来たことを物語る。背景には安保法制の成立と共産党による「国民連合政府」構想が大きな影を投げかけている。党内は保守派による維新との合流と、左派リベラル勢力による共産党との接近に分断される色彩を濃くしており、左派路線に乗ってきた岡田は窮地に陥りつつある。
 岡田が細野との代表選に左派の支援を受けて勝って以来、民主党は左派ペースで動いてきた。安保法案への対応でも共産党と歩調を合わせてデモを“扇動”するような傾向が強く、岡田の党運営に右派は不満を内蔵しながらも、なすに任せるしかない状況であった。こうした動きを見て共産党委員長・志位和夫が打ち出したのは「国民連合政府」構想だ。志位の構想は(1)まず参院選に向けて選挙協力を民主党との間で推進、将来は自民党政権を倒す(2)その上で「国民連合政府」を結成、安保法制を廃止するーというものだ。これに対する岡田の考えは、各選挙区で2万票に達する共産党票は欲しいが、一緒に政権を取るのは無理だというものだ。共産党には「連合政府は無理だが、選挙協力は推進したい」と回答している。これには、かつて2009年の総選挙で、民主党圧勝と読んだ共産党が選挙区への候補擁立を自主的に見合わせ、民主党政権への流れを後押ししたことから、その夢よもう一度という思惑がある。
 こうした民共接近の動きに保守派は「政策なしの野合」と反発、まず若手が動いた。岸本周平ら中堅若手衆院議員7人は去る9月3日、自民党に対抗する勢力をつくるため、民主党を解党した上で、新党を設立するよう求める要望書を岡田に手渡した。しかし看板にこだわる岡田は解党に否定的で、記者会見で若手の要望を「相当気が早い」と取り合わなかった。さらに「先の構想が提案されているわけではない。党名を変えればいいというものではない」と述べている。
 こうした中で保守派幹部がようやく重い腰を上げ始めた。11月5日党幹部らによる「8者会議」で細野が、共産党との連携志向の岡田に対して「政策の差がありすぎる。一緒にやるわけにはいかない。共産党と組んだら民主党は政権を担当するつもりがあるのかと疑われる」と真っ向から反対する姿勢を示した。その日の夜細野は前原や元防衛副大臣・長島昭久らと会合、選挙での票にこだわるあまりに共産党と手を組むべきではないという方針を確認し合った。保守派は安保法制についてもあくまで部分修正で行くべきだとの立場だ。共産党は党綱領の根幹を凍結させ、日米安保条約も自衛隊も容認する方針を打ち出したが、保守派は共産党のなりふり構わぬ姿勢を民主党分断工作と受け止め、これに秋波を寄せる岡田への不信感が頂点に達していた。11日の会合はついに堪忍袋の緒が切れた形であろう。
 岡田の政権獲得のためには悪魔とでも手を組むと言う姿勢は、生活の党代表の小沢一郎にけしかけられた色彩が濃厚だ。小沢は最近共産党と極めて接近しており、共産党側もこれを利用している。その小沢と岡田はたびたび会談しており、岡田の動きには「小沢・共産党ライン」の影響が濃厚に反映している。しかしいくら躍進しているからといって、日本に極左政権ができるかといえば疑問がある。09年の総選挙では、自民党政権のあまりの体たらくに自民党支持層が離反して、民主党政権が出来たという解釈が妥当である。だいいち共産党が民主党に付くとなれば、民主党独自の票が逃げる可能性が強い。「2万票もらっても3万票が逃げる」という保守派の主張は言い得て妙である。 ここは共産党から目くらましを受けている岡田が、目を覚ますべき時だろう。「悪魔」と手を組んだ「ツケ」は大きいと見なければなるまい。当面は地道に党勢拡大に努め、09年の時のようにいつになるか分からないが自民党が高転びに転ぶ時を待つしか民主党には生きる道はないのだ。保守層を味方につけられるかどうかが民主党が政権にカムバックする唯一の道なのだ。


◎俳談

 ◎俳談
【年の瀬の滑稽】
◆煤逃(すすにげ)や天守閣より睥睨(へいげい)す 産経俳壇入選
 年末の大掃除を煤払と言うが、これから逃げ出すことを煤逃げという。多くはその家の主で、年寄りだ。昔は煤籠(すすごもり)と言って、別室に年寄りや幼児などを集めて若いもんが掃除をしたが、いまはその習慣はない。筆者などは煤逃げ確信犯だ。「煤逃げ会」と称して毎年気の置けない昔の記者仲間と集まって酒を酌み交わしている。今年も暮れの25日にやる予定だ。掲句は、大阪にいたころ煤逃げして大阪城の天守閣にのぼり街を眺めていたら、秀吉のような気分になった。そこで天下を睥睨したというわけである。
◆煤逃の夜の煤臭き布団かな  東京俳壇入選
煤逃げから帰ってくると、家は煤払いが終わっていたが、寝床に入るとなにやらほこり臭かった。きっと布団まで埃が侵入するほど、しっかりとすす払いをしたのだ。逆に敵もさるもの、
◆煤逃げを予知せる妻の用事かな 杉の子
と、用事を言いつけられたりする。
煤逃げを詠んだ名句は
◆煤逃げと言へば言はるる旅にあり 能村登四郎
だろう。季語の本質を突いている。中には
◆景品を抱へ煤逃げげより戻る 杉良介
と、パチンコ屋にいたことがばれてしまった煤逃げもある。

◎「謝らぬ安倍」が日韓支持率を直撃

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◎「謝らぬ安倍」が日韓支持率を直撃
   うなぎ登りの安倍に朴は低迷
 ついつい自慢してしまうが、政治の予測が当たるかどうかが、もうじき後期高齢者になる年寄りの唯一の生きがいだから御寛容願いたい。今度は世論調査予測が当たった。安保法制成立に際しての9月19日の記事で「安倍の支持率は一時的には下がるだろうが、新聞とはいえ私企業が行う世論調査などに一喜一憂する必要は無い。好きな外交に専念すれば、自ずと支持率は回復する。」と書いたがその通りとなった。報道機関の調査では安保法成立の頃は支持不支持が逆転していたが、首相・安倍晋三の「好きな外交」が功を奏して読売、NHK、産経などで軒並み逆転が解消した。朝日だけがまだ逆転しているがこれは設問や聞き方に欠陥があるからだろう。
 日本の世論の傾向でとりわけ注目すべきは、安保問題での議論の「一過性」であることだ。筆者は岸信介による60年安保による政権への不人気が、池田の所得倍増計画で吹き飛んで、半年後の総選挙で自民党が勝利を収めたことを指摘して、安倍の支持率の回復を予測した。読売の調査によると、まず安全保障関連法の成立を「評価する」とした人は、成立直後の9月調査の31%から、10月は36%、今回は40%と2か月連続で上昇傾向を示している。要するに「アンポ」は国民に保革の対立軸をもたらすが、日本のような島国で平和な国にとっては「観念論」になりやすいのだ。上昇傾向はとりわけ最後にその「観念論」の象徴である曲学阿世の学者に頼った野党の戦術も失敗に終わったことを物語るのだ。野党と学者らのやれ「戦争法案だ」やれ「徴兵制だ」という国民へのすり込みも、事が終わって冷静になれば安倍は戦争はしないし、徴兵制も実行に移さない。自民党副総裁・高村正彦が「抑止力は伝家の宝刀だ。集団的自衛権が一部容認されたが、10年、20年と発動されることなく終わることを期待しているし、そうなると思う」と述べている通りである。安保改定でも安保法制でも目的は抑止力であることが賢明な国民にはやがて分かって来るのだ。
 さらに見逃してはならないのは、日韓首脳会談への支持が日韓で大きな相違が出て、これが両国の内閣支持率の明暗を分けたことだ。会談を支持するかどうかは「支持する」が読売が76%、朝日が75%と圧倒的だ。これに対して、韓国ギャラップの調査では「成果がなかった」とする韓国国民が46%で、「あった」の23%の倍となった。おまけに政権への支持率も安倍と朴で決定的な差が出た。安部内閣への支持は読売が5ポイントアップの51%、NHKが4ポイントアップの47%となった。これに対して朴の支持率は支持・不支持が逆転して、支持がマイナス3ポイントの41%なのにたいして不支持がプラス5ポイントの49%となった。
 この原因は何かといえば、簡単である。安倍が慰安婦問題で「謝らず」、朴が安倍を「謝らせられなかった」結果である。日本国民は朴政権になってからの韓国と言えば慰安婦問題での陳謝要求を繰り返す国という印象ばかりで、もう陳謝などはうんざりなのに対して、韓国民は愚かな団体に扇動されて首相が来れば謝るものという「癖」がついてしまったのだ。安倍が朴政権の陳謝要求に対して徹頭徹尾応じない姿勢を維持したのは正解であり、日本国民はこれにやんやの喝采をしたのだ。国民は見るべきところをみているものなのだ。一方韓国民は、当てが外れて矛先が朴に向かった。もともと朴は慰安婦をめぐる「反日強硬姿勢」だけが“売り”であり、その姿勢で韓国民に「すり込み」をしてきたことがあだとなって返ってきたのだ。「何だ。遠吠えだけか」という落胆が満ち満ちたのだ。
 加えて朴の「狭量」さへの批判も生じた。安倍への昼食会すら拒否したことにたいして、本質的には「人の良い」韓国人が、やり過ぎではないかと反応したのだ。見送りに出た朴が「これからどうされます」と日程を聞いたのに対して安倍は「韓国料理を食べます」と嫌味ではなく答えたのだが、韓国民に「大統領は客に対する礼儀を欠いた」という反応をもたらしたのだ。この世論調査の結果で気をつけなければいけないのは、朴が支持率挽回を目指して、また強硬姿勢に転ずる可能性がないかということだ。11日から両国の外務省の局長協議がソウルで開かれる。日韓首脳会談で、いわゆる従軍慰安婦の問題について早期の妥結を目指し協議を加速させることで一致したことを受けたものだ。朴は10日、閣僚らに従軍慰安婦の問題について、「可能な限り早期に解決されることを望む」とのべた。日本側は慰安婦問題について、「法的には解決済みだ」という立場を堅持したうえで、人道的な見地から元慰安婦に対する財政的な措置を検討する方針を固めつつあるようだが、朴の言う「年内妥結」への流れが生ずるかどうかは微妙だ。
 とりわけ政局を一筋に読んできたプロとして驚がくするのは、自民党支持率の高さだ。読売では何と40%に達した。過去最高ではないかと思う。逆に民主党は7%と二ケタを割った。まるで国民は民主党政権3年3か月に対して、いまだに「遺恨試合」をしているかのようである。10日の予算委閉会中審査をつぶさに見たが、野党の追及のいいかげんさに記事を書く意欲も湧かなかった。これでは臨時国会など開く必用は全くない。民主党は複数の問題が浮上する復興相・高木毅を追及したが、攻め手を欠くお粗末な質疑に終わった。高木の薄汚さはぬぐえないが、攻めるならもっと決定的な問題を独自調査でえぐり出さなければ駄目だ。新聞、週刊誌の切り抜きを掲げても、迫力はない。自民党幹部が「返り血を浴びせる材料など腐るほどある」とすごんでいるとおり、野党も政権サイドに弱みを握られているのが実情だ。その他の問題でもテーマが拡散して、政権を追及しきれなかった。


四十雀撮影のコツ

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nikonD4sニッコール80-400F4.5-5.6 f5.6 1/1000       

撮影のコツは、餌をくわえた瞬間から、連写を3秒ぐらい続けること。 

それでやっと一枚撮れるすばしっこさだ。 


◎俳談

◎俳談
【二物衝撃の句】
 二つの要素・句材をあわせて作る句を「取り合わせの句」と言う。
全然別々な事柄を合わせることにより、ある種の「響き」を生じさせるのだ。二物衝撃の句とも言う。初心者のうちは難しく、全然響き合わない場合が多い。次の句は二物衝撃句の典型だ。
◆夕花野亡き子を探すごとく佇つ  産経俳壇入選
「夕花野」で読者を美しい風景に誘って、中七からどんでん返しをしてみせる。「亡き子を探す」で読者をどきりとさせて、秋の夕方の花野の寂しさを際立たせるのだ。
◆反戦で神田の生まれ唐辛子 産経俳壇1席
掲句も「神田の生まれ」のあとに唐辛子と続け、異質のものどうしで全体として「ぴりっと辛い江戸っ子」の風景を醸し出している。
蝸牛(かたつむり)駆け込み寺を守るなり 毎日俳談2席
は、蝸牛が寺を守るという意外性で成り立つ。異質なものの取り合わせで成功したケースだ。
取り合わせの名句は西東三鬼の
◆露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す
であろう。妻をなくした隣家のロシア人が異様な叫びと共に手当り次第にザクロをたたき落していたのを描写した。その異様さと訴求力において右に出るものは無い。

◎中台会談は総統選に「逆効果」が鮮明に

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◎中台会談は総統選に「逆効果」が鮮明に
中国「札束外交」より「日本文化」の影響大
  新聞の見出しが「一つの中国確認」といずれも踊ったが、中台首脳会談を冷静に見れば大きな変化はない。同床異夢の現状維持にプラスアルファが生じただけだ。むしろ会談自体が「歴史的」と評価される性格のものであった。この構図から明らかになる会談の実像は、中国国家主席・習近平による、1月の台湾総統選挙への“干渉”であり、これが第一目標であったことはまぎれもない。しかし会談後の世論調査の結果は、馬英九総統の国民党の支持率は下落、民進党の支持率を大きく上昇させている。逆効果の流れが早くも出始めているのだ。さらに言えば台湾における「中国経済」VS「日本文化」対峙の構図も浮かび上がる。
 新聞の言う「一つの中国確認」の意味をひもとけば、「1992年合意」にたどり着く。同合意は双方の窓口機関が確認したものだが、その解釈は中国が「台湾は中華人民共和国の一部である」と受け止め、台湾国民党側は「どちらも中華民族の土地であり、台湾政府が中国を代表する」と解釈する。要するに、「あいまい部分」を詰めずにおき、本質的には「現状維持での平和志向」を肯定したものであろう。その基本に立ったプラスアルファとは習近平の一路一帯構想にもとづくアジアインフラ投資銀行(AIIB)への台湾参加を習近平が事実上認め、経済面での緊密化路線を一層推進する流れを打ち出したことである。中国にしてみれば台湾に対するどう喝や武力行使を前面に出さず、経済的に取り込み溶解させる、“アメーバ戦略”であろう。「切っても切れぬ関係」を作り、台湾をがんじがらめにした上で、吸収してしまう、深謀遠慮である。
 しかし、“総統選挙干渉”への習近平の思惑は、早くも外れた。台湾の4大紙の一つである自由時報の調査によれば、国民党の支持率は会談前の20.7%から会談後は19%に下落。逆に「92年合意」など認めていない民進党支持率は41.7%から46.7%に上昇したのである。これが意味するものは何かと言えば、札びらでほっぺたを叩いても、台湾には通用しないのだ。台湾は李登輝が総統となって90年半ばから民主主義路線を定着させたが、その結果民主化教育を受けた20代から30代の青年層に、共産党1党独裁の中国に対する反感が横溢した。昨年の3月にひまわり学生運動に賛同する学生と市民らが、立法院を占拠した動きはその象徴であり、一般市民の学生への共感度も高い。
 学生運動の根幹は自由と民主主義であり、中国共産党の1党独裁路線とは相いれないものがある。日本では政治・経済面だけにとらわれて、とかく見逃されがちだが、最近の東南アジア諸国の民衆の親日感情はかつてない高まりを見せている。中国の影響力が目立つミャンマーの総選挙での街頭インタビューで「日本のような国になりたい」という素朴な声を耳にして感動した人も多いだろう。ベトナムは台湾と並んで好きな国第1位が日本だ。クレジットカードのVISAの最近の調査で、台湾人の一番人気の海外旅行先は「日本」。回答者の70.1%が「1年以内に是非、行きたい旅行先」だ。日本側の台湾との窓口機関である公益財団法人交流協会が2008-12年度に実施した「台湾における対日世論調査」では4回連続で、日本が「最も好きな国・地域」の第1位となった。調査では、「日本が最も好きな国」とした人は43%、「日本に親しみを感じる」が65%、「感じない」は15%、日本に対するイメージで、何らかの「プラスイメージ」を選択した人はなんと98%にのぼった。
 この潮流を分析すれば、政治・外交より圧倒的に文化面での影響が大きい。若者の多くが日本旅行を経験しており、その経験から日本人の親切さ、性格の良さ、街の清潔さ、景色の多様さ、民主主義の有り様、治安の良さなどを経験して帰るのだ。アニメを初め日本映画や音楽などの影響力も、戦後西部劇に熱中してアメリカ文化に憧憬の念を抱いた日本の若者と相似形をなしている。そのあこがれの国の日本を旅行で体験して帰り、これが、中国との対比で総統選挙に大きな影響力となって作用する流れとなっているのだ。一方で、台湾を旅行する中国人は、かつての醜いアメリカ人、それを一時は受け継いだ醜い日本人に成り代わるかのように爆買いはするが横柄で台湾人を見下す風潮が治まらない。反感は募る一方だ。
 「強権的な中国は嫌い、優しい日本が好き」の構図だ。このように日本は「最強の無手勝流」で中国に対抗している現実があることを掌握すべきであろう。つまり日本文化が黙っていても、中国の札束外交に打ち勝っている例が、台湾なのである。中国が経済的に取り込みを図るのに対して、日本は台湾人の精神や心の部分に影響を及ぼしているのだ。社会福祉団体「金車教育基金会」が高校・大学生を対象に実施したアンケート調査によると、「台湾に最も非友好的」な国について、87.9%が「中国」と回答。反対に「台湾に最も友好的な国」では、56.1%が「日本」と答えた。この流れが1月の総統選挙に強い影響力を及ぼしており、どの調査を見ても親日・反共の民進党主席・蔡英文が国民党主席の朱立論を2倍上回る40%以上の支持率で独走しているのだ。首相・安倍晋三が先月蔡英文と極秘裏に日本で会談して“先物買い”しているが、台湾の風潮を掌握した上での会談であり、先見の明があったと言えるだろう。習近平と馬英九の会談は、中国側の思惑外れだ。大きな流れは独立色の濃い民進党が総統選挙で躍進し、国民党は予見しうる将来衰退の道をたどらざるを得ないのだろう。総統選は、ある意味で中国を選ぶか日本を選ぶかの側面が濃厚でもあるのだ。


◎俳談

◎俳談
【俳句は一点豪華主義】
 俳句は色々言い過ぎないことが肝心だ。初心者は17文字のうちで2つも3つも言おうと欲張るが、それ故に失敗する。一点豪華主義で行きたい。悪句を挙げれば<苔むせる御堂の階段緑濃し>だ。苔むしているのだから緑濃しなどとは言う必要は無い。
◆蜆汁目玉映して啜るかな 毎日俳談3席
うまい蜆汁を一生懸命啜っている姿をひたすら描いた。余計なことは一切言っていない。
◆どんど焼き火の針となる松葉かな 東京俳壇1席
松葉が火の針になることだけに集中している。
◆孑孑(ぼうふら)を食べる仕事の金魚かな 読売俳壇3席
拙宅の場合金魚を庭の鉢で飼っているのは孑孑を食べてもらうためだけであり、そのことだけを「食べる仕事」と表現して強調した。このように一点豪華主義の俳句は2つ以上の事象を取り合わせる「取り合わせの句」に対して「一物仕立ての句」というケースが多い。一つのテーマで言い切ってしまうのだ。最近の句界の風潮は一物仕立てで言い切るのが流行っている。
◆団栗の己が落葉に埋れけり  渡辺水巴

◎習近平の「台湾総統選挙干渉」は失敗に終わる

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◎習近平の「台湾総統選挙干渉」は失敗に終わる
  何をするか分からない馬英九の危うさ
 このところ外交攻勢で乗りに乗っている中国国家主席・習近平が、こんどは66年ぶりという中国・台湾トップ会談を選択した。紛れもなく来年1月の台湾総統選挙を意識した露骨な選挙干渉である。民進党が現政権与党である国民党を20ポイントもリードしている現状の「逆転」をはかろうとしているのだ。しかしおそらくこの試みは失敗に終わるだろう。場合によっては民進党の躍進につなげてしまうかも知れない。首相・安倍晋三はその民進党主席の蔡英文と先月“秘密会談”を行ったが、習近平はまるでこれに触発されたかのように、7日に国民党主席・馬英九と会談する。安倍は“先物買い”だが、習近平はあえて「落ちる間際のリンゴ」を食べて何をしようというのか。焦っているのだろうか。
 訪米、訪英、独仏首脳との会談と習近平の外交がその成否は別としてめざましい。これは明らかに共産党内部や国内紛争対策が一段落して、国家主席としての地位も当面は安定、外交に乗り出す余裕が出来たことを意味する。外交重視の安倍にとっても対外プロパガンダで“強敵”が登場したことになる。しかし、1月の総統選挙に向け苦戦し、来年5月には総統の座を降りるレームダック・馬英九との会談で習が一体何を目指すかである。まず一つは一か八かの選挙干渉で国民党候補を逆転勝利に導きたいのであろう。先の抗日戦勝利70年式典の軍事パレードについて筆者は、日米と台湾総統選挙へのけん制があると指摘したが、そのけん制の効果は全く生じていない。民進党はかえって有利になった形だ。このため、馬英九との会談で親中路線を取る国民党敗北ムードにとどめを刺そうと、大きな賭に出たのが今回の会談である。しかし過去の例を見れば選挙干渉が成功した例は08年に馬英九が当選した時くらいであろう。選挙に先立って中国は反国家分裂法を作成した。同法は台湾に関して「独立の動きがあれば武力攻撃も辞さない」という内容であり、かなりの“脅迫効果”があったとうけ止められている。
 しかしその他の選挙干渉はすべてが裏目だ。初の直接選挙となった1996年の総統選では台湾海峡にミサイルを撃ち込み露骨な干渉に出たが、李登輝の票はかえって押し上げられた。2000年の総統選挙では中国首相・朱鎔基が台湾に対する脅迫発言をして返って逆効果となり、民進党・陳水扁の票を増やした。今回の場合はなぜマイナスかと言えば、中台サービス貿易協定をめぐる学生の動きに象徴される世論の潮流を見れば分かる。14年3月にひまわり学生運動に賛同する学生と市民らが、立法院を占拠した動きだ。中台統一を嫌うが、台湾独立を掲げるまでに到らない潮流が、総選挙を支配する方向となっているのだ。また若者らの嫌中感情は高まる一方だ。
 習近平はこうした“風潮”があるにもかかわらず、なぜ馬英九と会うかだが、66年ぶりの会談への「自信過剰」があるのではないか。その過信が選挙逆転を可能とみるに至らしめているのだ。例え負けた場合でも、会談したという実績は誰がなろうとあるのであり、蔡英文もそのうちに尻尾を振って会いたがるとの読みがあるのだろう。また習近平は馬英九との会談で“仕掛け”をする可能性がないとは言えない。元総統・李登輝は「馬英九は何をしでかすか分からない」と述べている。一部観測筋には習近平が和平協定を台湾との間で締結し、それに伴い台湾が「一つの中国」を認めてしまえば、後は誰がなろうと後戻りできなくできるから、それを狙っているとの見方がある。何を企むか分からない習近平と何をしでかすか分からない馬英九の会談は、いくら注目しても仕切れない「危うさ」が伴っているのである。
 一方中国は蔡英文が訪日する前から怒りまくっている。外交部の報道官は「蔡英文の訪日に断固反対する。日本が一つの中国の原則を順守し、台湾独立を唱えるいかなる人物にも台湾言論に関するいかなる空間をも提供しないことを要求する」と噛みついた。蔡英文が山口県を訪問したことについても「なぜ山口県を訪問しなければならないのか。そこで屈辱的な下関条約を結んだことを忘れたのか。山口県は安倍首相の出身地であり、安倍首相との関連を象徴している」と憤っている。ところが蔡英文と安倍が極秘裏に会ったと報道されると、またまた、非難を繰り返した。習近平にも報告が届いていることは間違いあるまい。これが習近平の馬英九との会談に踏み切らせた理由の一つになっていることはまず間違いあるまい。台湾のメディアは安倍が10月8日の正午過ぎから東急ホテルの橘の間で安倍と会食したと具体的に報道しており、会談は間違いないだろう。日本側は中国への配慮があるから公表しないが、台湾側は会談をリークさせて一定の効果を出す戦術だ。米国は南沙諸島では中国と鋭く対決して、「習・馬会談」には歓迎の意向を表明、まるで左右の股にくっつく二股膏薬を張っているかのようである。しかし歓迎の姿勢は表向きだろう。中東対策や南沙諸島対策に追われ、それ以外の地域にエネルギーを注ぐ余裕は正直言ってないという事情がある。しかし台湾がなし崩しに中国の実効支配下にのみ込まれることも戦略上適切ではない。馬英九が最後に“危ない置き土産”をするのではないかということへの警戒感があるのが本当のところだろう。アメリカ政府の台湾での代表機関「アメリカ在台湾協会」の元代表・ダグラス・パールは「総統選にプラスになる可能性は小さい。マイナスの方が大きい」と読んでいる。」


◎俳談

◎俳談 
【市(いち)を詠む】
 昔、句会でバカ先生から写楽顔がありふれているとけなされた俳句を、新聞に投句したら入選した。
◆ぬぬぬぬと写楽顔出るべつたら市 日経俳談入選
である。句会の「先生」なるものは全くいいかげんなものだ。俳句を作るには、各地で立つ市ほど材料が豊富なものは無い。東京には市が多い。べつたら市は10月19日と20日だから終わったが、これからは世田谷ぼろ市、年の市、羽子板市などと続く。季語の天国でもあるし、実際に現場を踏むと材料には事欠かない。俳句は現場ですぐ造る場合と、熟成させて造る場合があるが、私は熟成させるケースの方が圧倒的に多い。
◆亡き父をべつたら市で見かけしが 産経俳壇入選
は、父親そっくりの年寄りの後ろ姿を見かけて造った。はっとしたものは熟成して後で俳句になるのだ。
 世田谷のぼろ市も面白い。12月と1月の2回開かれる。
◆ぼろ市や本物らしき物のあり 杉の子
と言った具合だ。有馬朗人は、学者の心境であろうか
◆世に合わぬ歯車一つ襤褸(ぼろ)市に
と詠んでいる。
12月の半ばから大晦日にかけて各地の社寺で開かれる年の市も風情がある。暮れの寂しさのようなものを詠むと成功する。
◆年の市街の孤独を拾ひたり 杉の子
新潟の朝市で情景そのままを詠んだ。
◆釣銭の凍り付きたる朝の市 杉の子

◎韓国限定版「女性基金」の再構築がよい

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◎韓国限定版「女性基金」の再構築がよい
  対決よりも慰安婦に寄り添って“妥結”せよ
 ギリシャの諺に「始めよければ半ば成功」(Well begun is half done)があるが、日韓首脳会談が、日本にとって良かったか悪かったかといえばよかった部類に属する。会談すること自体に意義があるからだ。首相・安倍晋三は韓国大統領・朴槿恵の意固地なまでに固い殻をこじ開け、“追い込む”ことに成功した。しかし「半ば成功」は達したものの、問題は「後の半分」だ。慰安婦問題の「解決」は1965年の日韓請求権協定により「解決済み」であるから、「妥結」という“新語”を合い言葉にしたのだが、これはどっちでも同じだ。煎じ詰めれば、慰安婦問題の妥結は早い話がカネだろう。韓国側のごり押しで中途半端に終わった「アジア女性基金」事業を日韓双方が受け入れられる形で再構築するしか手はないように見える。
 蝋人形がようやく笑ったようで気味が悪いが、朴槿恵も相当大変だったのだろう。就任以来筆者が名付けた「告げ口」外交を展開、国際世論に訴えたが、しょせんは素人外交であった。主要各国はこれに乗らず、日本が戦後培った「信用」に破れたのだ。これを朴槿恵が愕然とするほど悟ったのは今年2月である。米国務省次官・ウェンディ・シャーマンの発言が潮目を変えたのだ。シャーマンは「愛国的な感情が政治的に利用されている。政治家たちにとって、かつての敵をあしざまに言うことで、国民の歓心を買うことは簡単だが、そうした挑発は機能停止を招くだけだ」と発言、朴を戒めたのだ。頼みの米国から突き放され、今度は最大の貿易相手国の中国主席・習近平だけが頼りの綱となったが、習は、対米分断が出来るからウエルカムであったものの、肝心の経済がバブルの崩壊でがたがたになってしまって韓国どころではなくなった。おまけに安倍が韓国無視で習との関係を構築し始め、まさに韓国は、政治経済両面で孤立化の危機に瀕したのだ。
 韓国経済もウォン安で輸出が不振、当初は朴の「反日」路線を支持してきた財界からも対日関係是正の声があがり、朴の路線を支持した浅薄なるマスコミも、手のひら返しをし始めた。こうして大統領官邸・青瓦台あたりから、孤立化回避のための軌道修正の動きが出始めたのが4月頃からだ。名付けて「2トラック」作戦。慰安婦問題と、外交・安保・通商を切り離すことにしたのだ。この基調路線が「安倍・朴会談」へとつながったのだ。会談はまず少人数で「慰安婦」を主議題に1時間、その後出席者を拡大して45分行われた。
 その結果慰安婦問題は「早期妥結を目指して交渉を加速」で一致した。事務レベル協議の妥結の時期について朴は「年内」を主張、安倍はこれに応ぜず、「早期妥結」で一致した。出来てしまえば、こんなごく当たり前の意思確認がなぜできなかったのかと言うことになるが、一にかかって狭量なナショナリズムにこだわってきた朴に責任がある。朴が急ぐのは来年4月に総選挙が予定されており、これへの影響を最大限抑えたいのだろう。しかし安倍だって夏に参院選挙を控えており、立場は同じだ。
 安倍は「解決済みという日本の立場は変わらない。その中でどのような知恵があるのか。お互いの国民が完全に納得できることは難しいが、交渉を続けてゆく中から一致点を見出すことも出来る」と謎のような言葉を発している。少人数会談だけあって会談の中身はいまだに出てこないが、過去を分析し将来を予測すれば、人間のやることだから滲み出てくるものだ。過去の政権が知恵を絞って出したのが「アジア女性基金」だ。一方で存命の元慰安婦は47人。筆者のない知恵とある知恵を絞れば2007年に中途半端のまま解散した「アジア女性基金」の韓国限定版の再構築がよいのではないか。基金の残額8000万にプラスアルファして「償い金」とする。これには韓国政府や民間企業も資金参加してもよい。とりわけ韓国政府が金額の如何を問わず参加すれば、日本の世論への緩和剤として作用することは確実だ。要するに事の本質をを国家観の対立の焦点とせず、あくまで不幸な境遇にあった元慰安婦への「心の痛み」(安倍)と「思いやり」に置くべきであろう。既に民主党政権時代であるが、当時の首相・野田佳彦が「日本政府の資金を使った支援金」での打開を試みており、行き着くところは同じだろう。
 これに先立つか並行して韓国政府がなすべき課題がある。それはこれまですべての問題の元凶であった、慰安婦支援団体の「韓国挺身隊問題対策協議会」を強権を持って解散させることである。そもそも朝日の大誤報によって、「女子挺身隊」を慰安婦と間違えて名付けられた団体であり、日韓両政府の慰安婦問題解決に向けた歩み寄りをことごとく妨害してきた。一市民団体が、慰安婦問題解決の「拒否権」を握っているのは、韓国政府自体にとって両刃の剣となっていることを心すべきである。加えて、あの忌まわしい銅像の早期撤去を推進すべきだ。日本にとっては全く痛痒の感じない慰安婦像だが、韓国にとって民族的偏狭性を世界に誇示している事に思いが到るべきだ。ベトナムが多数の韓国兵によるレイプ、殺人問題で像を造ったとは聞かない。日本兵の買春とは比べものにならない残虐行為であった。朴訪米に会わせて行われた受難女性たちの抗議活動は、韓国の恥を世界にさらしたものであり、国家間においても「因果応報」はあることを思い知るべきだ。