◎自民は「首相問責」で勝負しかあるまい
◎自民は「首相問責」で勝負するしかあるまい
「小沢の政治とカネ」と「仙谷問責」という政権直撃型の大障害を2つも抱えて民主党政権のあえぎが聞こえる。首相・菅直人も幹事長・岡田克也もアリバイ作りのような党首会談や発言を繰り返し、問題の本質に迫れない。らちがあかないとみた自民党は、1月の通常国会冒頭で首相・菅直人に対する問責決議案を可決させる戦略を描き始めた。法的拘束力はないが、政権を揺さぶり一挙に解散か総辞職を実現させようという荒技である。
言わなきゃいいのにと思える発言を繰り返す官房長官・仙谷由人は、やはり言語中枢に問題があるのかも知れない。29日の記者会見でも「衆院では不信任決議案が否決されている。参院には不信任をして内閣を倒す権限はない。辞任する気は全くと言っていいほどない。今の職務を全うするだけだ」と一見“理路整然”と開き直った。テレビで見たが、ドスの利いた声で恫喝するような答え方であった。しかしこれは政治家でなく、やはり「法匪」の理論だ。「内閣を倒す権限がない」問責で、福田・麻生両内閣が倒れていることを忘れている。それも民主党が出した問責決議が影響して倒れたのだ。問題の焦点は中学生でも知っている参院の法的立場の問題などではなく、両院のうち一院が官房長官・仙谷由人としての存在を否定したという政治論にあることを理解していない。保身に頭がいっぱいで、憲政の常道を無視して、詭弁(きべん)をろうしているにすぎない。
まさに仙谷は政権最大のアキレスけんとなったが、もう一つの大アキレスけんが小沢一郎だ。菅は両足のアキレスけんに直撃をくらっている形なのだ。その小沢は29日夜「地方の危機感は強い。地方議員から反乱が起こると民主党政権が根っこから崩れる。菅政権は地方への危機感が薄い」と“地方反乱論”を展開した。菅内閣について「もうしょうがないと思っている」とさじを投げたといもう。しかしこの発言は仙谷にまさるとも劣らない唯我独尊ぶりだ。なぜなら民主党地方選挙連敗の責任の半分は、自分にあることに気づいていないか、棚上げにしている。「政治とカネ」の国会招致を拒否し続け、岡田をして「統一地方選挙や野党との連携の障害」とまで言わしめた。
事実、不戦敗の沖縄知事選を始め、金沢市長選、福岡市長選で民主党は、出ると負けの選挙を余儀なくされている。一番ひどいのが千葉・松戸市議選で、11人の公認候補を立てたが、20代と30代の新人2人が当選しただけ。現職は党県総支部幹事長を含む4人全員が落選だ。自民党が「いま総選挙をやったら戻れる」と「敵失民主」からの政権奪還を思っても不思議はない。
こうした中で菅は党首会談に応じたが、まさにアリバイ作りで中身なし。他方で岡田が29日の党役員会で、政治倫理審査会における小沢招致の議決もあり得ると表明したが、これもアリバイ作りだ。議決には強制力がなく、かって代表だった鳩山由紀夫も議決を無視して出席しなかった。とても小沢に対する“離党勧告”まで視野に入れた腹の据わった話ではあるまい。こうした政権首脳陣の態度にしびれを切らした自民党が、通常国会冒頭の問責決議案可決を戦略に描き始めた。同党幹部は筆者に「もう一挙に勝負に出るしかない」と漏らした。菅は内閣改造という“仙谷切り”を念頭に置いているようだが、これがなし得なかったら、菅政権は通常国会は冒頭から地雷原に突入する。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
オバマ政権裏の顔 外交文書ウイキリークス暴露
内部告発情報をネット上で暴露する「ウイキリークス」が、入手したベイ外交文書約25万件の一部を28日公開し、「関与と対話」の外交路線を掲げてきたオバマ政権に、深刻な痛手を与えている。
★毎日
核放棄揺れた政府
外務省は29日、70年の核拡散防止条約(NPT)の署名を前に、核兵器保有とNTT加盟をてんびんにかけ加盟の長所・短所を活発に議論していたことを示す外交文書を発表した。
★読売
農業衰退か撤退か
政府は30日、農業改革を検討する「食と農林漁業の再生推進本部」の初会合を開く。
★産経
F15後継機共同開発へ
防衛省は29日、防衛産業の基盤維持に向け、官民合同の研究会を発足させると発表した。「武器輸出三原則」の見直しで装備の国際共同開発に道を開くことを念頭に、開発に参加する上で産業側が強化すべき分野の「選択と集中」を図るのがねらいだ。防衛省の内部資料などによると、航空自衛隊の主力戦闘機F15の後継機の共同開発に参加するための態勢構築を急ぐとともに、潜水艦やサイバー、宇宙といった分野での共同開発も視野に入れる。来年度からの「中期防衛力整備計画」の期間中に将来構想を打ち出す方針だ。
★日経
マツダ、メキシコに工場
住商と13年にも、脱フォード進める 中南米を開拓
マツダはメキシコに乗用車工場を建設する方針を固めた。住友商事と共同で300億~400億円を投資し、2013年にも稼働させる。ブラジルなど中南米向けの小型車供給拠点と位置付け、まず年間10万台で生産を始める。マツダは米フォード・モーターとの資本提携を縮小したばかり。フォード頼みだった海外の生産と販売で独自路線を打ち出し、新興国市場の開拓を急ぐ。
◎「1%」発言は政権末期症状を象徴
◎「1%」発言は政権末期症状を象徴
どうも首相官邸の主というのは政権が末期症状をきたすと、サイレントマジョリティに期待したくなるものらしい。物言わぬ多数派が必ずどこかにいて支持してくれるはずだと思いたくなるのだ。首相・菅直人の「内閣支持率が1%になっても辞めない」発言もその部類にはいる。言葉とは裏腹に、相当心理的に追い詰められていると感ぜざるをえない。逆にまさかの「退陣」か「解散」オプションが脳裏にちらついている証拠でもあろう。
相手が前首相・鳩山由紀夫だからつい気を許してしまった発言だろうが、ルーピー鳩山は絶対気を許してはならない相手である事を忘れている。本人に悪気がないだけに、言ってはならないことを影響を考慮するに至らぬまま、公にしてしまうのだ。この発言も野党が「独裁者宣言」と反発してもおかしくない。北朝鮮の暴君ですら発言をはばかるだろう。反響の大きさに慌てて鳩山が「菅さんのお友達から聞いた話しだ」と取り繕っているが、後の祭りとはこのことを言う。菅はこれに先立って「どこまで頑張り切れるかどうか分からないが、石にかじりついても頑張りたい」と、国会で発言している。これはかなり本音が出た発言だ。「1%」発言も夜の酒席ならともかく、昼間の会食での発言であり、酔って息巻いたのとは違う意味合いがある。
首相という職業は歴代、世論調査や新聞テレビの評判を気にしていないように装っているが、極めて気にしているのが実態だ。特に政権末期は一喜一憂の振幅が激しくなる。古来取り巻きのごますりに始まって、政権トップにはいい情報しか入りにくい。裸の王様たるゆえんであろう。名官房長官・後藤田正晴の「5訓」の2番目に「悪い本当の事実を報告せよ」があるが、本来権力者というものは悪い情報は聞きたがらない。耳ざわりのいい情報で心の安らぎを得たいのだ。悪い情報を最初に聞くというのは、権力者でもよほど腹が据わっていないとできない。
冒頭述べたように、追い詰められた首相の発言には類似性がある。世の中にはサイレントマジョリティが存在すると思い込みたいのだ。安保改定で追い込まれた首相・岸信介が「国会周辺は騒がしいが、銀座や後楽園球場はいつもの通りである。私には声なき声が聞こえる」と発言して物議を醸し、結局退陣した。福田赳夫も総裁選に先立って「『福田やれ』の声が全国津々浦々に満ちている。」と述べ敗退した。「支持率1%でもやる」発言は、「支持率調査など信用出来ない。この菅直人を支持してくれる人はいくらでもいる」という思いの裏返しでもある。
ところが最近の世論調査の結果は正確なものが多い。国政選挙の票読みもほぼ当たるようになってきている。世論調査の数字が国民の首相に対する気持ちを反映したものである事はまず間違いないだろう。菅発言は「1%」以下のゼロ%になれば退陣しなければならないことになるが、少なくとも伸子夫人は支持してくれるだろうから、ゼロ%にはなるまい。現在23%の支持率は10%台をのぞいており、10%台になれば党内からも首相交代論が出始めよう。竹下登が4.4%になるまで政権維持できたが、これは例外中の例外。後は10%台か20%台で退陣に追い込まれている。いずれにしても菅発言は歴史に残る「迷言」の部類に入る。公の場で発言したものなら昔なら軍事クーデター、いまなら首相官邸にデモ隊が取り巻くような部類だが、弱った菅の心情吐露であろう。沈んだ首相は国民の心理にも影響を与える。長続きしない方がよい。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
沖縄知事に仲井真氏再選
沖縄県知事選挙が28日、投開票され現職の仲井真弘多氏(71)が前宜野湾市長の伊波洋一氏(58)らを破り再選を果たした。仲井真氏は「(移転先)は県内にはない。日本全国で普天間の解決策を見いだして頂きたい」と語った。
★毎日
沖縄県知事選:仲井真氏が再選 伊波氏ら破る
米軍普天間飛行場の移設問題の行方を左右する沖縄県知事選は28日投開票された。無所属現職の仲井真(なかいま)弘多(ひろかず)氏(71)が、無所属新人の伊波(いは)洋一(よういち)氏(58)と幸福実現党公認の新人、金城(きんじょう)竜郎(たつろう)氏(46)を破り、再選を果たした。仲井真氏は普天間問題で県外移設を訴え、同県名護市辺野古(へのこ)への移設を決めた5月の日米合意の見直しを求めている。政府方針との隔たりは大きく、当面、普天間問題が膠着(こうちゃく)状態となるのは避けられない見通しだ。投票率は60.88%(前回64.54%)だった。
★読売
沖縄知事に仲井真氏が再選…「県内移設はない」
米軍普天間飛行場移設問題の行方に大きな影響を与える沖縄県知事選は28日投開票が行われ、現職の仲井真弘多(ひろかず)氏(71)(無=公明・みんな推薦)が、新人で前宜野湾市長の伊波洋一氏(58)(無=共産・社民・国民・新党日本推薦)らを破って再選を果たした。政府は5月の日米共同声明に盛り込んだ、同県名護市辺野古への移設実現に向け、沖縄県側と協議したい考えだ。しかし、仲井真氏は県内移設に慎重な姿勢を崩しておらず、普天間問題の早期の進展は困難な情勢だ。
★産経
沖縄知事に仲井真氏
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題を争点とした、任期満了に伴う沖縄県知事選は28日投票され、即日開票の結果、自民党県連の支援を受けた無所属現職の仲井真弘多氏(71)=公明、みんな推薦=が、無所属新人の前宜野湾市長、伊波洋一氏(58)=共産、社民、国民新、日本、沖縄社大推薦=らを破り、再選された。
★日経
米韓、黄海で合同演習
中国、6カ国の会合提案 米韓は開催に否定的
米韓両国は28日、北朝鮮による延坪島(ヨンピョンド)砲撃に続く挑発の抑止を狙い、朝鮮半島西側の黄海へ米空母「ジョージ・ワシントン」を投入して4日間にわたる合同軍事演習を開始した。北朝鮮は反発を強め、菅直人首相は警戒強化を指示。中国は事態打開へ日米中韓ロと北朝鮮の6カ国の高官会合開催を提案し、緊張緩和を探る動きを加速したが、米韓は否定的で、東アジアに一段と緊迫した空気が漂っている。
◎菅は“1月解散”に追い込まれるだろうか
◎菅は“1月解散”に追い込まれるだろうか
今日16日、内閣官房長官・仙谷由人と国交相・馬淵澄夫に対する問責決議案が、可決されることの重大さを政権与党は分かっていない。二院のうち一院が菅政権の2閣僚の存在を否定するのだ。民主党には通常国会までには「与野党共に忘れる」という甘い見方があるが、政治的には忘れてはならないのだ。この場面は、自民党が通常国会冒頭の1月解散に追い込むくらいの気迫が必要だ。そうでなければ、回天の政局は達成できない。
一番甘いのが参院民主党議員会長・輿石東だ。「問責は法的拘束力がない。辞めさせる必要はない」と述べているが、辞めさせる必要があるのだ。過去の3例を見ても問責が可決された首相、閣僚は降壇を余儀なくされている。 1998年10月16日 に 防衛庁長官・額賀福志郎への問責が可決、35日後に辞任。2008年6月11日に首相・福田康夫への問責が可決。3か月後の9月24日に内閣総辞職。 2009年7月14日に首相・麻生太郎への問責が可決。7日後の7月21日に衆議院解散。2か月後の9月16日に内閣総辞職となっている。参院の問責は法的拘束力がないと言っても、政治的には政権への直下型大地震なのだ。
それなのに「忘れる」はないだろう。自民党も、ここまで追い込んでおきながら、事態を理解していない。谷垣は「一日も早い菅首相の退陣と衆院解散・総選挙を迫る」と威勢はいいが、一方で「党首討論をやろう」などと持ちかけている。世論が野党の審議拒否に対する批判に向かうのを回避したい思惑がありありだが、これでは追い込めない。小沢が「やぶれかぶれ解散があり得る」と述べたのは、1月の通常国会冒頭解散を意識してのことだろう。菅は「石にしがみついてでも」解散しないだろうが、追い込まれることはあり得る。永田町に1月解散説がくすぶり始めたのも、その辺の事情が反映されているのだ。
自民党内には「通常国会にまで問責が尾を引くのはどうか」という慎重論があるが、これを称して「脳天気」と言う。政治的にはせっかく野党をまとめて閣僚2人の存在を否定できるのだから、それで終わりということはあり得ない。2閣僚の辞任がなければ、野党は首相の退陣か解散を求めるのが憲政の常道だ。これに気づいている公明党が選挙準備を急ぎ始めた。選挙準備は解散してからでは間に合わない。不測の事態で解散となることを想定しておくことも政党幹部としては当然の対応だ。
菅は、党首討論など多少の例外はあっても、今国会を空転させたまま会期末に逃げ込みたいところだろう。その逃げ込みだけは可能だろう。ここまで来たら野党は菅に2閣僚を罷免するか、退陣か、解散かの選択を迫るしかないだろう。おりから内閣支持率は23・6%(共同通信調査)と危機的な様相を呈し始めており、10%台となる日も近い。菅にしてみれば早晩2閣僚を罷免して、政権の延命を図るかどうかの決断を迫られることになろう。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
裁判員初少年に死刑
宮城県石巻市の男女3人殺傷事件の裁判員裁判で、仙台地裁は25日、殺人罪などに問われた同市の無職少年(19)に求刑通り死刑判決を言い渡した。鈴木信行裁判長は「犯行の残虐さや被害の結果からすれば、責任は重大。被告の反省などを最大限考慮しても、極刑を回避すべきではない」と述べた。
★毎日
裁判員少年に初の死刑
宮城県石巻市の3人殺傷事件で殺人罪などに問われ、少年事件の裁判員裁判で初めて死刑を求刑された同市の元解体作業員の少年(19)に対し、仙台地裁(鈴木信行裁判長)は25日、求刑通り死刑を言い渡した。少年に対する死刑判決は、光市母子殺害事件の差し戻し控訴審(08年)以来。裁判員裁判の死刑判決は16日の横浜地裁に次いで2例目。
★読売
裁判員裁判で初、少年に死刑判決…石巻3人殺傷
. 宮城県石巻市の民家で2月、2人を殺害し1人に重傷を負わせ、元交際相手の少女(18)を連れ去ったとして、殺人罪などに問われた同市、元解体工少年(19)の判決が25日、仙台地裁であった。鈴木信行裁判長は「被告の罪責は誠に重大。極刑をもって臨むほかない」と述べ、求刑通り、少年事件の裁判員裁判で初めて死刑を言い渡した。
★産経
「イレッサ」和解要請へ
副作用で800人以上の死者が報告されている肺がん治療薬「イレッサ」をめぐり、死亡した患者の遺族ら計15人が輸入を承認した国と販売元の「ストラゼネカ」に計1億8150万円の損害賠償を求めた訴訟で、原告団は25日、裁判小我職権による和解勧告をするよう求める上申書を大阪、東京の両地裁に提出する方針を固めた。
★日経
独法改革、賃貸住宅向け融資を廃止 来年度から
行刷会議が工程表 仕分けを反映
奨学金の返還負担、年度内に軽減策 div/div.JSID_key_html
政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)が26日に決める「独立行政法人の事務事業見直しの基本方針」の全容が25日、判明した。「代替手段があり政策的意義が低下した金融関係事業は廃止」と明記。104あるすべての独法について事業の改善策と実施時期を盛り込んだ工程表では、住宅金融支援機構の賃貸住宅経営者向け融資事業を2011年度から廃止することや、日本学生支援機構の奨学金貸与事業について規定月額の半額からでも返還できる仕組みの10年度中の導入などを打ち出した
◎砲撃事件で与野党決戦場は通常国会に移行
◎砲撃事件で与野党決戦場は通常国会に移行
死者が出ているのに北の砲撃を民主党幹部が、不謹慎にも「神風」とか「天佑」と述べているというが、いくら永田町でもお粗末だ。しかし、実態的には砲撃がいきり立った野党に水を差したことも確かだ。26日に補正予算が成立して、たとえ野党が官房長官・仙谷由人と国交相・馬淵澄夫の問責決議案を参院で成立させても、国会は空転のまま12月3日の閉幕を迎える可能性が高い。与野党が雌雄を決するのは来年1月の通常国会冒頭からとなろう。
影で高笑いしているのが民主党元代表・小沢一郎だろう。小沢は先週連日のように支持議員を集めて会合を持ち、気勢を上げている。24日も夜20人を集めて会合を開いた。狙いは終盤国会にかけての国会招致回避と、末期症状の菅に代わって政権を狙うという両側面がある。野党は本来なら菅政権のていたらくと小沢招致をからめて追い込む予定だったが、砲撃が問題の在りかを外した。「政治とカネ」の集中審議を26日に予定しているが、小沢を呼ぶわけではない。小沢はほおかむりをし続ければ、すぐに会期末だ。もっとも問題は事実上棚上げされるだけであり、強制起訴を受けての通常国会は小沢にとって“火責め水責め”の場となろう。
一方で、砲撃は沈んでいた菅を元気にさせた。最優先すべき“仕事”が転がり込んだからである。渋っていた党首会談も、閣僚失言や「政治とカネ」でなく、焦眉の急の課題で開催できた。スポーツ新聞や民放テレビが菅バッシングの波に乗って「砲撃後の対応が遅い」とばかの一つ覚えのような難癖をつけているが、筆者は最初から動きを見ていたが、総じて菅の対応は悪いものではなかった。マスコミの編集局のスピードを求めても無理だ。野党も重箱の隅をつつくべきではない。政権にとって最大の収穫は補正予算成立のめどが一挙に立ったということだろう。自民党が補正前の問責採決を渋る公明党に配慮せざるを得なかったからだ。
自民党は補正が成立する26日に仙谷と馬淵の問責決議案を上程する予定で、野党の賛成多数で可決される公算が高い。そうなれば柳田稔の法相辞任に次ぐ、仙谷、馬淵の辞任問題が俎上(そじょう)に登る。しかし、菅にとって政権直撃となる両者の辞任、とりわけ仙谷の辞任だけは何としてでも回避せざるを得まい。菅は可決を受けた罷免をしない方向だ。国会は当然空転するだろうが、空転のまま会期切れとなる可能性が高い。したがって菅政権を揺さぶる課題はすべて棚上げ状態のままとなり、決着の場は通常国会冒頭からとなるだろう。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
砲撃民間人2人死亡
【ワシントン=伊藤宏、ソウル=牧野愛博】北朝鮮軍が砲撃した韓国領の大延坪島(テヨンピョンド)で24日午後、民間人男性2人の遺体が見つかった。韓国海洋警察庁は砲撃による死亡とみている。北朝鮮軍の砲撃による韓国の民間人の死亡は、1953年の朝鮮戦争休戦以来初めてで、韓国世論の悪化は避けられない情勢だ。米韓両国は28日から黄海で米原子力空母も参加する合同軍事演習を実施し、北朝鮮を牽制(けんせい)する構えで、緊張が高まる可能性がある。
★毎日
民間死者も2人確認
【ソウル大澤文護、ワシントン草野和彦、北京・浦松丈二】韓国の海洋警察当局は24日、北朝鮮に砲撃された延坪島(ヨンピョンド)で、海兵隊基地建設工事に従事していたとみられる民間人男性2人(60歳と61歳)の遺体が見つかったと発表した。砲撃による民間人の死者は初めて。韓国政府は砲撃事件の国連安全保障理事会への提起に向け検討に入る一方、李明博(イ・ミョンバク)大統領がオバマ米大統領と電話で協議し、合同軍事演習などを通じて北朝鮮への軍事圧力を強化することで一致した。
★読売
民間人2人死亡
【仁川(韓国北西部)=前田泰広】北朝鮮軍に砲撃された韓国・延坪島(ヨンピョンド)北東部の海兵隊敷地内で24日、韓国海洋警察庁の係官が男性2人の遺体を発見した。 同庁によると建設作業員のキム・チベクさん(60)とペ・ボクチョルさん(59)とみられる。砲撃で民間人の死者が確認されたのは初めて。前日死亡が確認された韓国軍兵士2人に加え死者は4人になった。民間人の犠牲を重く受け止める韓国政府は、米国などと連携して北朝鮮に対する圧力を高める方針だ。
★産経
北、ムスダン発射準備
北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程約3千キロ)の発射実験を数カ月以内に実施しようと準備を進めていることが24日分かった。朝鮮半島情勢に詳しい情報筋が明らかにした。北朝鮮は10月の軍事パレードで、ムスダンとみられる新型ミサイルを登場させたが、これまで発射実験は行っていない。実験によって実戦可能であることを“宣言”するとみられる。北朝鮮軍による韓国国内への砲撃で、朝鮮半島情勢が緊迫化しているなかでの弾道ミサイル発射準備は、北朝鮮のさらなる挑発行為といえる。
★日経
対北朝鮮、米韓が圧力 軍事演習に米空母派遣
砲撃事件、民間人も2人死亡
【ソウル=尾島島雄】北朝鮮による黄海上の韓国・延坪島(ヨンピョンド)への砲撃をうけ、米韓両国が24日、圧力を強め始めた。北朝鮮の新たな挑発行為を軍事的にけん制する狙いから、朝鮮半島西側の黄海上で28日から米空母を参加させた合同軍事演習を実施すると発表した。24日には民間人2人の死者が出ていたことも判明。韓国は26日に中国と外相協議を開き、国際社会の包囲網構築へ協力を求める。
◎北の砲撃は狙い澄ました暴走だ
◎北の砲撃は狙い澄ました暴走だ
一見偶発のように見えるが明らかに狙い澄ました常軌逸脱の軍事行動である。民間人殺戮も辞さない北朝鮮による大延坪島(ヨンビョンド)砲撃事件の背景には、米国との直接対話実現を促す従来からの側面がまず挙げられる。加えて後継者で大将の金正恩に“初陣”を飾らせて、北の外交・軍事路線を“学習”させるとともに、内輪もめ状態にある軍の統一を図る狙いが大きい。日米韓3国は連携して、安易な妥協に走るべきではない。
狙い澄ましたというのは、まず北は米政府特別代表・スティーブン・ボズワース(北朝鮮担当)の核兵器製造疑惑での日韓歴訪をウオッチし続けた。ボズワーズが23日午前東京で記者団に「北朝鮮を巡る状況は危機ではない」と言い残して訪中したのを確認した上で、数時間後の午後2時34分に砲撃を開始した。危機ではないかどうか「眼に物見せてくれる」というわけだ。山を越えた砲撃も、住民によると大きな建物や発電所を狙っており、照準をちゃんと設定した上での攻撃だ。加えて戦術核再配備論を、韓国国防相が22日に打ち上げたのも引き金の1つになった可能性がある。
民間人の居住地域への攻撃は1953年の休戦成立以来のものであり、民間人に被害が出ることも十分計算に入れた、確信犯的に強固な意思を持った攻撃でもある。また砲撃を紛争多発地域で発生させたのも、地域限定の暴挙にとどめる意思表示であろう。もちろん砲撃は軍部の勝手な独走などではあり得ない。逆に金正日が金正恩に指示しているに違いない。報道によると軍内部の情況は、金正日が金正恩を大将に就任させ軍内部の若返りを断行して以来、左遷組を中心に内輪もめが絶えないといわれている。首脳部は軍内部の不満を察知して、内部統一のための常套手段に打って出たのだ。
また対米関係では、自国の安全保障のための平和協定につながる2国間対話の実現に従来からこだわってきたが、今回もその促進を狙ったものであることは間違いない。米国の“脅威”を何としてでも取り除きたいのである。北はまず米国の核専門家であるロスアラモス研究所元所長のヘッカーを招いて、寧辺(ニョンビョン)の秘密施設でウラン濃縮用の遠心分離機多数を見せた。暗に核爆弾を既に所有し、ミサイルにも搭載可能であることを米国に印象付ける意図があったのだろう。しかし米国はこれには動ぜず、逆に同盟国固めに動いた。米国の反応は素早かった。ボズワーズを急遽日韓両国に派遣して、米韓、米日の連携を確認。その上で訪中して中国に6か国協議の議長国としての責任を求める動きに出た。その矢先を北はとらえて、こんどは砲撃という言語道断の暴挙で米国の気を引こうとしたのであろう。
大将・金正恩を2012年の金日成生誕100周年記念までに、後継として仕立て上げるための環境作りの側面もある。日米韓3国は脅せば柔軟になるという北朝鮮外交の信念を、金正恩に“学習”させる狙いもあろう。この路線を走るしかないことをすり込み、国民の賞賛を演出し、後継へと仕立て上げるのが狙いだ。
北東アジアを巡る情勢は、一段ときな臭さが増しているが、少なくともこの場面における韓国の自制は、尊敬に値するものであろう。恐らく国際的な評価も出るだろう。韓国は、国連安保理事会に問題提起する流れのようだが、中国首相・温家宝の訪露の動きが気になる。中露首脳会談で、対日領土問題で「結託」したのと同じように、北朝鮮問題でも「結託」する可能性が国連においても、6か国協議が開かれればその場においても出て来るような気がする。北の砲撃と核兵器保持は韓国に戦術核再配備論を高めさせ、日本にも核兵器保有を促す要素になり得るが、いずれも無謀だ。北に対しては当面外交で孤立させ、経済で締め付け続ける両面作戦しか選択の余地はあるまい。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
北朝鮮、韓国に砲撃
【ソウル=牧野愛博】韓国国防省によると、北朝鮮南西部の黄海南道に駐屯する北朝鮮軍が23日午後2時半過ぎから、韓国の大延坪島(テヨンピョンド)やその周辺海域を断続的に砲撃した。同日午後3時40分ごろまでに数十発の砲弾が撃ち込まれ、韓国軍に死者2人、重軽傷者16人の被害が出たほか、民間人が少なくとも3人負傷した。韓国軍も応戦措置として対岸の北朝鮮軍陣地に砲撃80発を加えた。
★毎日
北朝鮮が砲撃 韓国応戦
【ソウル大澤文護、ニューヨーク山科武司】23日午後2時半(日本時間同)ごろ、韓国が黄海上の南北軍事境界線と定める北方限界線(NLL)まで約3キロの韓国領・延坪島(ヨンピョンド)に向け北朝鮮側から砲弾100発以上が発射され、このうち数十発が島内の韓国軍基地や民家に着弾した。韓国軍合同参謀本部によると兵士2人が死亡、兵士15人が重軽傷、民間人3人が軽傷。韓国軍は対岸約10キロに位置する北朝鮮黄海南道の海岸砲基地からの攻撃とみて約80発の砲撃で応戦し、日本政府関係者によると、北朝鮮側にも被害が出たとの情報がある。
★読売
北朝鮮 韓国を砲撃
【ソウル=仲川高志】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮軍は23日午後2時34分、黄海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)の南約3キロ・メートルにある韓国北西部・延坪島(ヨンピョンド)に向けて数十発の砲撃を行い、一部が着弾した。
★産経
北朝鮮が韓国に砲撃、60~70軒炎上か 韓国軍が応戦
【ソウル=加藤達也】韓国合同参謀本部によると、韓国西方沖の島に23日、北朝鮮が撃ち込んだ数十発の砲弾が着弾した。韓国軍は対応射撃を行った。
★日経
北朝鮮が韓国砲撃
境界の島、韓国応戦 2人死亡、民間人負傷
【ソウル=島谷英明】韓国軍合同参謀本部によると、23日午後2時34分ごろ、韓国が黄海上の南北軍事境界線と定める北方限界線に近い延坪島(ヨンピョンド)付近で、北朝鮮の海岸から断続的に少なくとも数十発の砲撃があり、一部が同島内の軍施設や市街地に着弾した。韓国軍は応射して砲撃戦になった。韓国軍兵士2人が死亡、16人が重軽傷を負い、同島の民間人3人が負傷した。
◎菅末期症状政権の先を読む
◎菅末期症状政権の先を読む政権発足半年で早くも末期症状とは驚くが、確かに末期症状だ。内閣支持率急落と閣僚の迷言・妄言が止まらない。首相・菅直人のリーダーシップも発揮されず、支持率は26%(毎日調査)と、ついに危険水域入りした。小沢一郎は解散をあおり立て、「動」で揺さぶって「活路」を得ようとしている。いま菅が解散すれば民主党は100議席台に転落するのは自明の理だ。あえて解散しようとすれば、党内で猛反対が生じて首相交代へと発展しかねない。ひょっとしたら代表選で接戦を演じた自分に政権がころがりこむというのが、小沢の読みかもしれない。なぜかこの人物には理性ではどうにもならない政治家の“業”のようなものを感ずる。
なぜここまで民主党政権が来てしまったかを、大きく俯瞰図に描けば、政権の持つ欺瞞(ぎまん)性、政権素人の初心性、2代続く首相としてのリーダーシップ欠如の3点が致命傷となっていることが分かる。欺瞞性はマニフェストの財源問題や、尖閣事件を政治主導で行ないながら検察への責任転嫁したことに代表される虚言癖が象徴している。初心性は日米関係の毀損と普天間移転問題、尖閣での対中外交、北方領土での対露外交という、我が国の外交の基本部分で露呈した。そして“一兵卒”小沢一郎一人を説得できず、閣僚の弛緩した失言の山が象徴する菅のリーダーシップ欠如だ。これらの欠陥は政権が持つ構造的なものであり、民主党政権は大衆にこびを売るばらまき政策や、事業仕分けが象徴するパフォーマンスで補おうとした。しかし、世界でも有数の知的レベルを持つ国民の目と、その判断を左右するやはり世界ではトップクラスの微に入り細をうがつ政治報道の目は欺けなかった。
こうした民主党の凋落(ちょうらく)の中で、小沢が、「やぶれかぶれ解散するのではないかと心配している」と分析するのは当たっているようで実は当たっていないのだ。菅の支持率は20%台に落ち込んだらまず回復は困難だろう。その「超低空ダッチロール首相」が解散に打って出たらどうなる。民主党の小沢チルドレンなどは全滅に近いのではないか。衆院304議席が、100議席台に突入することは目に見えている。自民党も全くよいところはないが、民主党が自民党の敵失で308議席を獲得したように、自民党は民主党の敵失で大幅に議席を伸ばすだろう。単独過半数は無理でも自公政権の復活も考えられる。小沢は解散風を吹かせた結果、側近議員が激減するだけだ。
その火を見るより明らかな状況のなかで、民主党内が菅の解散を「殿ご乱心」とストップに動くに決まっている。それではどんな展開があり得るかと言えば、解散するなら首相を代えて行うか、それとも菅支持派が小沢を除去した政界再編に突入するしかないだろう。首相を代えた場合の後継は、外相・前原誠司か幹事長・岡田克也だろうが、両者とも菅よりは総選挙で負けないものの、ブームが起きるにはほど遠いタイプだ。取りすぎた308議席がたたって、自民党と両方が過半数割れとなる事態も想定される。政界再編は「菅民主」と自民の大連立か、民主、公明の連立だろう。小沢が連立の立役者になることは「政治とカネ」と「強制起訴」で消えた。
このただ事ならぬ、民主党政権の支持率低下と、閣僚の体たらくがもたらす事態は、かっての火薬庫バルカン半島のように抜き差しならぬ波乱要素を露呈させながら、大きな政局へと発展してゆく可能性が強いものだと見なければなるまい。筆者の口癖「寸前暗黒」で「何でもあり」の状況が臨時国会終盤から通常国会にかけて続く。3月危機は予言の段階から現実性を一段と帯び始めたと言えよう。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
北朝鮮がウラン濃縮の新施設 遠心分離機「2000器」
【ワシントン=村山祐介】訪朝したヘッカー米スタンフォード大教授が20日、北朝鮮・寧辺の核関連施設でウラン濃縮の新施設を訪れたことを明らかにした。核兵器の原料ともなるウラン濃縮を巡っては、北朝鮮は昨年9月に濃縮試験が成功し、最終段階にあると表明していた。ウラン濃縮は外部からの監視が難しく、従来のプルトニウム再処理とは別の核開発が、国際社会の目の届かない所で進みかねない。各国は難しい対応を迫られることになる。
★毎日
内閣支持率半減26%
内閣支持:半減26%、不支持57%で逆転…本社世論調査
毎日新聞は20、21日の両日、全国世論調査を実施した。菅内閣の支持率は10月の前回調査に比べ23ポイント下がり、6月の政権発足後、最低の26%に急落した。不支持率は57%(前回34%)と急増し、政権発足後初めて支持率と不支持率が逆転。国会答弁を軽視するような柳田稔法相の発言に関しては「辞任に値すると思う」との回答が71%に達した。支持率が「危険水域」とされる2割台にまで落ち込み、自民党など野党が攻勢を強めるのは必至で、菅直人首相の政権運営は厳しさを増している
★読売
北、ウラン濃縮の新施設…米専門家に説明
【ニューヨーク=吉形祐司】北朝鮮が今月、寧辺(ヨンビョン)の核施設を訪問した米国の核専門家シグフリード・ヘッカー元ロスアラモス国立研究所長(スタンフォード大教授)を新設のウラン濃縮施設に案内し、「2000基の遠心分離器が既に稼働中」と説明したことが分かった。 ヘッカー氏が20日、報告書を公表した。事実とすれば、北朝鮮が、従来のプルトニウム型に加え、ウラン型核兵器の開発も本格化させる可能性がある。米朝対話実現を探る北朝鮮が、米国を揺さぶるため情報を公開したとみられる。
★産経
陸自15・5万人維持 沖縄に千数百人増強
政府が年末に改定する「防衛計画の大綱」で、焦点となる陸上自衛隊の定員を現状の15万5千人に維持し、東シナ海での中国軍の活動が活発化していることを踏まえ、沖縄本島に置く第15旅団(約2100人)を千数百人増強する案を検討していることが21日、分かった。財務省は14万8千人以下への大幅減を求めているが、政府・民主党内では減員は周辺国に誤ったメッセージを送ることになるとの見方が大勢のためだ。
★日経
基礎年金の国庫負担維持、財源見えず
11年度2.5兆円必要、負担率下げ浮上 改革先送り限界
2011年度予算編成で、基礎年金の支給額の50%分を国が負担できるかどうかが焦点になってきた。現在の基礎年金の国庫負担の割合は税金のほか、財政投融資の積立金を特例で活用して50%となっているが、来年度以降は特会の積立金が枯渇する。政府内では負担割合を08年度と同じ36.5%に引き下げる案も浮上している。
◎仕分け失敗で民主政治の虚構にとどめ
◎仕分け失敗で民主政治の虚構にとどめ
大きななエネルギーと国費を浪費した「事業仕分け劇場」の雲散霧消化が見える。削減額は公約の16・8兆円にはほど遠く、最大で1兆3000億円程度にとどまった。仕分けの失敗は、マニフェストの虚構性にとどめを刺した感が濃厚である。民主党は仕分けを巡って「内乱」状態が露呈、政権最大の表看板は遅かれ早かれ下ろさざるを得ない状況に立ち立っている。仕分けを絶賛してきたテレビや新聞などはようやく気づいて批判に回り始めたが、最近のマスコミは物事の判断能力が致命的に欠ける部分が多い。
昨年11月に仕分けが始まったとき筆者は「見せ物政治の域を脱していない。政権には結果が求められていることが分かっていない。本来地味で複雑で専門的な予算編成作業に民放テレビキャスターの軽佻(けいちょう)浮薄を持ち込んだ」と断定したが、テレビ、新聞のもてはやし方は異常であった。「2位では駄目か」の蓮舫が英雄となり、朝日新聞は2009年11月19日付社説で「事業仕分け 大なた効果を次につなげ」との高揚した見出しを取り、「何より、全面公開で行われる事業仕分けは、霞が関の官僚の意識改革や納税者の参加意識の向上にもつながるに違いない。来年以降の予算編成にも、何らかの形で生かしてもらいたい」と賞賛した。それが官僚の意識改革どころか112事業が知らぬまに省庁側が骨抜きにしていたことが判明。いまや仕分けに期待する納税者はいない。「大なた」どころか最初の事業仕分けで7000億円、10月の特会仕分けで4000億円、今回で2000億円、合計で1兆3000億円がぎりぎりの捻出(ねんしゅつ)額であった。
鳩山由紀夫の「16・8兆」などは大ぼらもいいところであった。民主党のマニュフェストの財源面でのでたらめさに、とどめを刺すのが今回第3弾の仕分けであった。既に自民党政権へのアンチテーゼという部分はなくなり、役所べったりの政務3役が“族議員”と化し、「民主党対民主党」の内輪争いが展開された。農水政務官・松木兼公は「はじめはフレッシュでも腐ってくる」と捨て台詞を残し、農水副大臣・篠原孝は「役割は終わった。来年はやめる」と断言。最近執行部批判が目立つ前総務相・原口一博は「費用対効果がすべてと思っている人たちを仕分けるべきだ」とのたもうた。要するに事業仕分けが仕分けられるべき時が来たのだ。失敗と気づいたのだ。
そもそも仕分け作業は法的位置づけが全くない。仕分けを行う行政刷新会議は閣議決定されただけで、法的バックアップがないままだ。各省庁にしてみれば、大衆の面前で「国民の代表」と自称する民間人から怒鳴りつけられても、後ろに回って舌を出していればよかったのだ。だから憶面もなく名前を変えて来年度予算案に盛り込もうとする事態が発生したのだ。見る度に苦々しさを覚えた事業仕分けなるものの限界がようやく分かったが、このために費やした役所の作業や費用、エネルギーはそれこそ仕分けられるべき筆頭であろう。菅はこれから事業仕分けの存否を検討するようだが、なかなかすぐには「もう役割を果たした」と言うわけにはいくまい。マスコミが離反してはパフォーマンスも成り立たない。なし崩しで撤退してゆくのだろう。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
法相問責で野党一致 首相は続投させる考え
自民党は18日、国会軽視の発言をしたとして、柳田稔法相に対する問責決議案を22日にも参院に提出する方針を固めた。他の野党も賛成する方向で、提出されれば可決される見通しだ。野党が結束を維持すれば今年度補正予算の成立が遅れる可能性があるが、菅直人首相は可決されても続投させる構えだ。
★毎日
柳田法相の辞任不可避 全野党が問責賛成
自民党は18日、国会答弁を軽視するような発言をした柳田稔法相(56)=参院広島選挙区=に対する問責決議案を10年度補正予算案の採決前に参院に提出する方向で検討に入った。すべての野党が決議案に賛成する見通しで、可決されるのは確実な情勢だ。民主党内では辞任は不可避との見方が強まっており、同党幹部は18日夜、「問責決議案が可決されたら柳田氏には辞任してもらう」と述べ、補正予算案を速やかに成立させるには柳田氏の辞任が避けられないと指摘した。
★読売
法相問責22日に提出、参院で可決の公算. 柳田法相が「国会軽視」と取れる発言をした問題で、自民党は18日、法相が自発的に辞任せず、菅首相も法相罷免に応じない場合、2010年度補正予算案の参院採決前の22日に法相の問責決議案を参院に、不信任決議案を衆院にそれぞれ提出する方針を固めた。
★産経
自衛隊は暴力装置 仙谷氏の本質あらわ
仙谷由人官房長官・仙谷由人は18日の参院予算委員会で、自衛隊を「暴力装置」と表現した。直後に撤回して「実力組織」と言い換えた上で、「法律上の用語として不適当だった。自衛隊の皆さんには謝罪する」と陳謝した。
★日経
日経平均、5カ月ぶり1万円台回復
緩和マネー流入 中国に利上げ懸念、円高一服も下支え
米国の追加金融緩和で膨張した投資マネーが世界的に出遅れ感の強い日本株を押し上げている。18日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続伸し、6月22日以来約5カ月ぶりに1万円台を回復した。海外の機関投資家などが、利上げ懸念などで不安定さを増している中国など新興国から日本株に資金をシフトしているためだ。円高一服も追い風となった。ただ欧州の財政不安などがくすぶっており、先行きに対する見方は分かれている。
◎野党包囲網で法相の進退窮まる:問責可決の流れ
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◎野党包囲網で法相の進退窮まる:問責可決の流れ
小泉進次郎はその発言において父親譲りのセンスのよさをみせている。法相・柳田稔の「答弁は二つ覚えておけばいい」という“迷言”に対して「それなら法相はロボットでいい」とずばり核心を突いた。ロボットでよいような法相はその職にとどまるべきではないが、参院の機運は、どうも戦後4人目の問責決議可決となりそうな雰囲気となってきた。野党の反民主包囲網が出来つつあり、可決となれば、みたところまず辞任しか道はあるまい。
官房長官・仙谷由人は柳田の責任を問われて「資質には問題ない」と述べたが、問題の焦点はその資質にあることが分かっていない。国会で「ビデオを見たか」と問われて、「何のビデオか」と逆質問する愚鈍さは並大抵ではない。とりわけ「二つの答弁」発言は、野党にとって絶好の攻撃対象が浮上したことになる。「『個別の事案については答弁を差し控える』『法と証拠に基づいて適切にやっている』と答弁すればいい」という発言は、委員会で実際に繰り返されている。閣僚の“迷言”の中でも、もっとも野党が一致して攻撃しやすいのは「国会軽視」発言だ。しかも、これほど質問者をばかにした発言は珍しく、野党の結束を招きやすいのだ。
自民党政調会長・石破茂は「言語道断。一日も早く職を辞すことが国家のためだ」と、いきり立っている。参院自民党国対委員長・脇雅史は民主党に対して問責決議案上程を通告している。同決議案は公明党が乗るかどうかが焦点だが、代表・山口那津男は「軽率な発言だ。緊張感のなさが政権を覆っている」と前向きだ。自民党は問責可決にかなりの自信を持っている。というのも先に衆院で否決された仙谷と国交相・馬淵澄夫に対する不信任決議で、社民党を除く野党が結束できたからだ。倍以上の大差で否決されたが、野党結束の意義は、参院で過半数による可決を視野に入れることが出来るだけに大きいのだ。
過去に問責決議案が可決された例は意外に少ない。防衛庁長官・額賀福志郎、首相・福田康夫と麻生太郎の3人だけだ。問責決議は衆院の不信任決議と違って法的拘束力はないが、今回の場合は額賀が辞任したケースと類似性が多く、結局辞任せざるを得まい。というのも問責決議が可決されれば、野党の審議拒否へとつながり、参院の全委員会がストップするのは必至だからだ。混乱のまま12月3日の会期切れに逃げ込もうとしても、通常国会が冒頭から大混乱となり、本予算審議と絡んで政権を直撃する事態になりかねない。柳田のクビは、どうみてもそれほどまでにして守らなければならないほど価値のあるものでもあるまい。したがって、可決されれば菅は辞任を求めるしか手はないだろう。柳田の進退は窮まっているのであり、問責決議など待たずに、自ら辞任するのが政権にとって最善の策である。
このところカラスの鳴かない日はあっても閣僚が失言・迷言で国会で陳謝しない日はない。連日のように仙谷が陳謝すれば、防衛相・北沢俊美も陳謝。そして柳田の陳謝だ。首相・菅直人が「実務を積み重ねているのに、なぜこんなに支持率が落ちてしまうのか理解できない」とぼやくのも無理はない。民主党一家が総出で政権基盤を崩しているからだ。自民党が仙谷も含めて数人の問責決議を出そうとしているのも、珍しい。政権がスタートして半年で末期症状が現れているのだ。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
一票の格差放置「違憲」
最大5倍の「一票の格差」が生じた今年7月の参院選(選挙区)は憲法が定める平等原則に違反するとして、弁護士グループが選挙の無効を求めた2件の訴訟の判決が、17日の午前と午後に東京高裁で相次いで言い渡された。東京選挙区を対象にした午後の判決(南敏文裁判長)は「十数年にわたり投票価値が不平等な状態が積み重なり、国会の裁量権の限界を超えて違憲だ」と判断した。ただし、選挙の無効請求は棄却した。
★毎日
1票の格差:5倍は「違憲」
参院選の1票の格差と定数是正 議員1人当たりの有権者数を比較した「1票の格差」が最大5.00倍となった今年7月の参院選を巡り、東京都内の有権者が「法の下の平等を定めた憲法に反する」として、都選挙管理委員会を相手取り、東京選挙区の選挙無効を求めた訴訟の判決で、東京高裁は17日、請求を棄却する一方、「違憲」との判断を示した。南敏文裁判長は「5倍前後の不平等状態が十数年継続しており、選挙制度を決める国会の裁量権の限界を超えている」と述べた。選挙制度改革に影響を与えそうだ。
★読売
参院1票格差違憲
議員1人当たりの有権者数の格差(1票の格差)が最大5・00倍だった7月の参院選挙区選の定数配分は、選挙権の平等を保障した憲法に違反するとして、選挙無効(やり直し)を求めた東京高裁の訴訟で17日、5件の判決があり、うち1件で違憲、4件で合憲の判断が出た。
★産経
「違憲」「合憲」判断二分
7月の参院選をめぐり最大5倍の一票の格差は、憲法違反として弁護士らが全国で選挙無効を求めていた訴訟の判決が17日午後東京高裁であり、南敏文裁判長は「合理的に是認できない」として「違憲」の判断を下した。
★日経
高速道3社で海外事業
東日本など、運営・管理の新会社 ベトナム・インドで受注へ
東日本、中日本、西日本の高速道路会社3社は海外事業を展開するための新会社を来年中に、共同で設立する調整に入った。ベトナムやインドでの有料道路の運営、管理などの受注を目指す。施設の建設だけでなく運営受託まで含めたパッケージ型のインフラ輸出の促進は政府の新成長戦略の柱。国内の道路建設需要がしぼむ中、新興国を中心に伸びる海外需要を取り込み、収益の柱に育てる。
◎危機感なしの“菅舌禍内閣”が漂流
◎危機感なしの“菅舌禍内閣”が漂流
「仙谷舌禍大王」が居座っているかと思えば、今度は「柳田舌禍法皇」だ。そうかと思うと経済産業相・大畠章宏が、中国にレアアースの問題で「右の頬を打たれたら左の頬を向けよ」と言わんばかりの「マタイ伝大臣」として登場。まさに「舌禍・バラバラ内閣」の様相だが、統括する首相・菅直人は「最近は少し人間ができてきたのか、批判を右から聞いても左にすっと流れていく」ととてつもない危機感のなさ。臨時国会で漂流状態では通常国会では難破必至ではないか。
法相・柳田稔の「法相は二言あればいい」発言に野党がいきり立つのは、「バカにバカにされた」(自民党幹部)という思いが濃厚だからだ。たしかに 「個別事案についてはお答えを差し控えます」「法と証拠に基づいて適切にやっている」の二つの答弁で「切り抜けてきた」と言われれば、野党も怒るし、国会ではその通りの答弁が目立った。まさに「バカの二つ覚え」ではないか。予算委の質疑を聞いていると柳田は質問への「あさっての答弁」が多い。分かっていないのだ。紛れもない政治主導で中国船船長釈放を検察当局に押しつけた後、誰も問題視していないのに「これは指揮権発動ではない」と談話を発表して、裏での指揮権発動を暗に示唆してしまった。その後「私が釈放を決める前に…」と言いかけて口をつぐんだ。“語るに落ち”た発言だ。「ビデオを見ないのは、図面を見れば分かるから」発言は、船長釈放問題の本質を全く理解していない。いやはや開いた口が塞がらないような法相だ。
また、日経だけが報じているが経産相・大畠は16日午前の閣議後の記者会見で、「中国とレアアースの代替材料やリサイクル技術を共同研究したい」との意向を示した。アジア太平洋経済協力会議 (APEC)開催中の13日に張平・中国国家発展改革委員会主任と会談した際に、伝えたのだという。これは一体どうしたことか。13日の菅とオバマの日米首脳会談で、レアアース代替材料についての共同研究で合意しているが、その裏で中国にも共同開発を提案しているのだ。米国の了解があるとは思えない。日経は経済面からとらえて論評を加えていないが、外交面から見ればレアアースの問題はそもそも中国が輸出規制をかけて、世界的なひんしゅくを買った事件だ。その中国に対して日本政府が既に研究が進んでいる日本の技術を提供しようというのか。対中方針の根幹にかかわる問題を、閣議で決めもせずに経産相独自の判断で決めたのだろうか。資源恫喝外交を展開する中国に、ここまで卑屈になるとは驚いた。ビデオ流出どころではない、日本の生命線である先端技術流出ではないか。まさに外交に「左の頬を向ける」マタイ伝の世界を持ち込んでいる。
そうかと思えば、自らの発言の愚かさを棚に上げて、官房長官・仙谷由人が言論統制にもつながりかねない発言を繰り返し、防衛相・北沢俊美も同様に言論統制につながりかねない動きを見せている。産経新聞によると自衛隊を後援する民間団体「航友会」の会長が「民主党政権は早くつぶれてほしい。皆さんも心の中でそう思っているのではないでしょうか」とあいさつしたのに激怒して、事務次官通達を出させて「極めて不適切な発言」と批判したのだという。要するに、この内閣は近来まれに見るほど統制が取れていないまま、閣僚が好き勝手な発言を繰り返し、漂流をし始めた感じが濃厚だ。責任はもちろん菅のリーダーシップ欠如にある。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
死刑 市民が直面
くじで偶然に選ばれて裁判員になった市民が、悩み抜いて出した結論は「死刑」だった。横浜地裁で16日、裁判員裁判で初めての死刑判決が出た。「加担したくはないが、日本には死刑がある。量刑の公平さを考えないといけない」と裁判員の一人は語った。誰もが罪と罰に向かいあう可能性がある裁判員時代。市民の死刑判断は社会にどんな変化をもたらすのか――。
★毎日
「就職氷河期」さらに
大学生の就職難が社会問題化している。厚生労働省と文部科学省が16日、正式発表した10月1日現在の内定率は57.6%(前年同月比4.9ポイント減)で、「就職氷河期」と言われた03年(60.2%)を下回り、調査を始めた96年以降最低を更新した。
★読売
3メガ銀が企業再生ファンド、官民で1千億円
. 三菱東京UFJ、三井住友、日本政策投資の3銀行などが設立したファンドに、みずほコーポレート銀行(CB)、独大手銀のドイツ銀行が加わり、企業再生に乗り出すことが16日明らかになった。3メガバンクが系列を超えて一つの再生ファンドに参加するのは過去に例がない。政府系の企業再生支援機構、産業革新機構とも連携し、官民を挙げた“オールジャパン”体制で産業界の活性化を図る。
★産経
官邸強化にNSC新設
政府の「防衛計画の大綱」の改定を年末に控え、民主党外交・安全保障調査会(中川正春会長)がまとめた提言案の全容が16日、明らかになった。外交・安保の司令塔として首相官邸機能を見直し、NSC(国家安全保障会議)新設など政策立案・情報集約機能の強化を明記。中国の海軍力増強を受け、沖縄本島の陸上自衛隊第15旅団(約2100人)の師団(約8千人)化など南西防衛戦略の強化を盛り込んだ。
★日経
円高・ドル安 転機の兆し
G20会議後、流れに変化 米追加緩和観測が後退
ソウルでの20カ国・地域(G20)首脳会議以降、世界的な投資マネーの流れに変化の兆しが出てきた。米国の量的緩和への各国の批判などから追加金融緩和観測が後退。米長期金利の上昇でドル安に歯止めがかかっているほか、新興国も金融を引き締めやすくなり、今春以降の円高局面には一服感もある。日本の輸出環境が好転する可能性がある一方、新興国の金融引き締めで世界景気がやや減速するリスクもある。
◎「逮捕せず」で形無しの仙谷強硬論
◎「逮捕せず」で形無しの仙谷強硬論
「中国人船長釈放」と「海上保安官逮捕」とのバランスを考えたというのは、一言で言えば「大岡裁き」であろう。圧倒的な擁護論の中で海上保安官は不起訴の方向が確定的となった。この捜査当局の方針決定は、菅直人内閣、とりわけ官房長官・仙谷由人主導の政治判断に「ノー」の結論を突きつけたことになり、またしても判断能力が問われる結果となった。またマスコミの判断では朝日新聞のミスリードが目立った。
逮捕せずの方針決定は公式的には海上保安官の行為に悪質性が乏しいことと、ビデオ映像に機密性が薄いの2点に尽きる。最高裁が1977年に「実質秘」重視の判断を下しているのも影響したのだろう。加えて捜査当局が「船長」を超法規的に釈放した問題とのバランスを考えたという判断は正しい。大局を見ている。逆に首相官邸は菅自身が「逮捕論」であったのに加えて、仙谷が当たるべからざる勢いで「逮捕・起訴」論であった。仙谷は世論に擁護論が多いことをを「多いとはどのくらいか」とはねつけ、「大阪地検特捜部の事件に匹敵する由々しき事案だ」と明らかに起訴を意識する発言を繰り返した。
これを受けたのだろう、官邸に「大阪地検」で弱みを握られている最高検が「逮捕論」で押し通そうとしたのが構図だ。最高検は船長逮捕に当たっても、甘んじて政治側からの「責任押しつけ」に応じている。今回も官邸から指示があったか、官邸の“気持ち”を忖度(そんたく)した可能性がある。しかし最高検は高検、地検の「勇気ある」抵抗にあった。かねてから船長釈放の政治責任を一地方検事に押しつけた首相官邸への反発も、地検内部には相当あったといわれている。検察の内部対立が分裂状態へと発展しかねないぎりぎりの中で、最高検が分裂回避で降りたのが真相のようだ。
繰り返すが事件を大局的に見る目において、官邸や最高検より捜査当局の方が優れていたことになる。そもそもの流出事件の発端は政府が「中国を恐れるあまり」にビデオの公開をしなかったことと、同じ理由で船長を釈放したという2つの誤判断の上に成り立っていたのだ。その誤判断の上に“義賊”が出現したわけである。それを差し置いて、「逮捕・起訴」に踏み切った場合、非難の矛先が首相官邸に向かうことを理解せず、仙谷はニワトリが目先の餌をつつくような発言に終始した。既に朝日の16日付朝刊の世論調査では支持率が27%に急落して、「20%台での4代連続退陣」が「5代連続退陣」へとなりかねない要素も出ている中で、逮捕は更なる支持率ダウンに直結したであろう。
要するに総合判断ができるか、「公務員への示しがつかない」として、「仙谷法匪」的な狭隘(きょうあい)な判断にとどまるかが問われる問題であったのだ。確かに逮捕するかしないかは難しい判断を問われる場面であったが、朝日新聞は致命的な誤報をした。11日付朝刊トップで「神戸海上保安官近く逮捕」の見出しを取り、社説では「政府の高度な判断を一職員が独自の考えで無意味なものとしてしまっては行政は立ちゆかない」と保安官責任論を展開。関連記事も同趣旨の論調で一貫させた。恐らく最高検の「逮捕」情報に引っ張られたのだろうが、社説子の言う「高度な判断」が根本から間違っていればどうするのだ。どうもこの新聞は大局を見ずに官僚的な判断にとどまるケースがよくある。今朝の見出しも読売が「逮捕せず」とやっているのに「逮捕見送り」とした。誤判断をカバーしようとする未練たらたらの「言い訳見出し」だ。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
海上保安官の逮捕見送り 任意で捜査継続 尖閣映像事件 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐる映像流出事件で、警視庁と東京地検は15日、「自分が流出させた」と名乗り出た神戸海上保安部の男性海上保安官(43)について、国家公務員法の守秘義務違反容疑での逮捕を見送る方針を決めた。
★毎日
尖閣映像流出:海上保安官の逮捕見送り…罰金・起訴猶予も
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像が流出した事件で、警視庁捜査1課と東京地検は15日、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で取り調べていた神戸海上保安部の海上保安官(43)の逮捕を見送り、在宅で捜査を継続する方針を決めた
★読売
海上保安官逮捕せず…書類送検へ
尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡る映像流出事件で、検察・警察当局は15日、問題の映像を動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿した神戸海上保安部所属の巡視艇「うらなみ」主任航海士の海上保安官(43)について、国家公務員法(守秘義務)違反容疑での逮捕を見送り、任意での取り調べを継続することを決めた。
★産経
海上保安官逮捕せず
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐる映像流出事件で検察当局と警視庁は15日国家公務員法違反容疑で事情聴取していた神戸海上保安部の海上保安官を逮捕しないことを決めた。
★日経
英豪でインフラ整備応札 政府、官民一体で
路面電車など6事業
政府は先進国のインフラ整備事業の受注を官民一体で目指す活動を本格化する。月内に日本企業を中心とする事業体が、豪州ゴールドコーストの都市中心部での次世代路面電車の建設入札への参加を表明する。英国の洋上風力発電所建設への参加なども検討する。政府が16日に閣議決定する政令改正で可能になる国際協力銀行(JBIC)の金融支援拡大を利用する。
◎浮かび上がった対中牽制の構図:日米首脳会談
◎浮かび上がった対中牽制の構図:日米首脳会談
「尖閣・北方領土事件」で置かれた立場がやっと理解できた首相・菅直人が、対米路線を最重視の方向にかじを切り、日米安保関係が正常な軌道に戻ろうとしている。菅・オバマ会談は冷戦時代の日米首脳会談をほうふつとさせるように、安保での協調姿勢が前面に打ち出された。日米、日中、日露の首脳会談を通じて全体を太筆書きで分析すると、安全保障面では北東アジア・東シナ海での日米協調による中国けん制の構図が浮かび上がった。
日米会談は外務当局による事前の調整がよくできていた。菅が尖閣事件、メドベージェフの北方領土視察に関して米国の「支持」に謝意を述べるとともに、「日米安保条約の重要性と米軍のプレゼンスを多くの地域や国民が感じた」と表明。これに対して米大統領・オバマが日米同盟の時代に即した深化の必要を強調、「中国が国際社会の一員として国際的なルールの中で適切な役割、言動を行うことが重要だ」と最近の中国の動きにくぎを刺した。両首脳が一致して日米同盟深化を確認、中国に強い牽制球を投げるという構図だ。
あの忌まわしき「鳩山外交」が“半壊”させた日米協調路線が、普天間問題などをとりあえず棚上げして、再構築される入り口に立ったことになる。まぎれもなく領土をめぐる中国、ロシアの強硬姿勢は、日米関係の亀裂、脆弱(ぜいじゃく)化を読み取った上でのことである。菅は厳しい国際関係の現実がようやく分かったことになるが、民主党政権にとっては高い“授業料”であった。外交の稚拙さが内閣支持率を20%台に突入させてしまったではないか。
よく米国が“戻ってきた”ということになるが、米国にとっても国際秩序無視の19世紀的な膨張主義をとる中国に手を焼き、太平洋にまで進出しようとする海洋戦略に対して、日米安保関係を防波堤に使わざるを得なくなったのだ。ドイツZDFテレビだけが報じていたが、オバマは横浜滞在中「他人の負担で私服を肥やそうとする国に配慮しない」と通貨問題での中国の姿勢を批判したという。米国の対中嫌悪感も相当なものがあるのだ。親米派の外相・前原誠司が就任して、民主党政権への不信感も徐々に解消されつつある。
この日米安保路線の正常軌道入りは、中国にいきり立った尖閣の拳を下げさせた効果がある。国務長官・クリントンが前原に「尖閣諸島は安保条約の対象」と発言したあと、中国は一時的に反発したが、その後急速にトーンダウンしている。やはり日米安保体制は対中けん制に不可欠なのだ。もっとも菅外交は中国と対決姿勢で臨むべきではない。当面は経済・文化・スポーツ面での交流強化こそが中・長期的に見た戦略的互恵関係の確立につながるのであり、日米安保関係の修復は衣の下の鎧(よろい)を垣間見せることでよい。鎧を見せなければ分からない国にはちらりとみせればよいのだ。それを日中対話の促進材料につなげてゆくのだ。「異質な国」中国を国際社会で大国にふさわしい振る舞いをするよう“善導”するのだ。既に中国は国際世論の反発での孤立を気にしだした感じもある。当分事実上の政経分離も一策だ。
鳩山外交が象徴したものは、国の安全保障は天から降ってくるという安易な発想である。また各種世論調査は、尖閣事件が国民に極東における日米安保体制の持つ重要な側面を再認識させるのに、プラスの効果をもたらしたことを物語っている。オバマは来春の菅訪米を招待し、菅も受諾。その際、懸案である日米安保50年となるに当たっての共同声明を出すことでも合意した。菅政権の寿命がそれまで持つかどうかは別として普天間という喉にささったトゲをどう抜くか、一体抜けるのかという問題が宿命的に民主党政権にまとわりつく。しかし尖閣・北方領土で中露が「結託」して見せた“野獣本能”的な動きは、良好な日米安保関係なくしては跳ね返せない。誰が首相であろうとも訪米と共同声明で関係を確立することが不可欠だろう
◎あきれ果てた「仙谷は災いの元」の実態
◎あきれ果てた「仙谷は災いの元」の実態
「口は災いの元」とするなら、政権にとってはさしずめ「仙谷は災いの元」だろう。毎日煌々(こうこう)と当たるスポットライトで官房長官・仙谷由人を観察すればするほど、この人物は国のスポークスマンとして“不適格”ではないかという思いに到達する。一見語彙(ごい)が豊富に見えるが実は少ないのだ。判断が独善的で社会的風潮を掌握する能力に欠けている。すぐに法律論に逃げ込む「法匪」的浅薄さと、相手の気持ちを推し量らぬ恫喝発言。ついに侮辱された自民党の丸山和也が、告訴にまで発展させようとしている。尖閣ビデオ流失事件では自民党が不信任決議または問責決議で辞任を迫ろうとしている。
人間年を取ると柔軟性が利かなくなって、発言が短絡してしまう者が多い。それが的確なら問題は生じないが、仙谷の場合ことごとくと言ってもよいほどピントのズレを感じさせる。国際的な失笑をかった「柳腰外交」。皇室の存在を、特定の政治思想と結びつけた「最もリベラルな方々の集団」発言。国会で認められている写真撮影を「盗撮」呼ばわりする独善性。自分は週刊誌を片手に質問しておきながら、新聞記事に基づく野党の質問を「最も拙劣な質問方法」と決めつける身勝手さ。追い詰められると「健忘症」と言論の府にあるまじき狡猾な逃げ。
要するに3流弁護士なのであろう。法廷で口から出任せでその場限りの論争に勝てばよいという生き様が、習い性となっているような気がする。そして「口故に身を失う」危険が出て来たのは、ビデオ流出事件で「政治職と執行職のトップでは責任の在り方が違う」という発言だ。そもそも人事院に聞いても存在しない「政治職」「執行職」などという分別呼称を“創作”して、責任を海保長官・鈴木久泰だけに押しつけ、自らの身を守ろうという意図がありありと見える。民主党は野党時代に官僚の不祥事が発生する度に担当相の辞任を要求してきたが、攻守が変われば信念も変わるのだろうか。自民党政調会長・石破茂が「現場に責任を負わせるのは一番ひきょうなやり方だ。情報は出さず 『自分たちは知らない』という政府がどこにあるのか」と批判するのはもっともだ。
さらに危険な発言は「国家公務員法の罰則は軽く抑止力が十分でない。秘密保全に関する法制の在り方を早急に検討する」発言だ。これは公務員の正当な内部告発を抑制するだけでなく、国民の知る権利やマスメディアの取材活動にまで影響しかねない発想だ。言論抑圧になり得る。仙谷は首相・菅直人をかばっているつもりかも知れないがまさに逆効果である。ビデオを公開した保安官に対する国民の同情論にも全く耳を傾けない。社会的風潮を敏感につかむ能力に欠けているとしか思えない。公明党代表・山口那津男が「官房長官の職責が務まるのか、適格性の問題にもなりかねない」と疑問を呈している通りである。これだけ政権にダメージを与え続けるスポークスマンは戦後存在しない。不信任決議案や問責決議案に相当すると思う。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
記録媒体「壊して捨てた」 投稿後自ら削除
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐる映像流出事件で、「自分が流出させた」と名乗り出た神戸海上保安部の男性保安官(43)が、警視庁と東京地検の事情聴取に「インターネットカフェのパソコンから映像を投稿する時に使った記録媒体は、壊して捨てた」と話したことが11日わかった。映像については、翌朝ネットで騒ぎになっているのを確かめた後、自宅のパソコンから動画投稿サイトにアクセスして削除した、とも説明したという。
★毎日
尖閣映像流出:閲覧、パスワード必要 保安官証言と矛盾
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像流出事件で、第5管区海上保安本部(神戸市)の神戸海上保安部に所属する海上保安官(43)は警視庁捜査1課の調べに「映像は巡視艇内の共有パソコンからUSBメモリーに取り込んだ」と説明していることが捜査関係者への取材で分かった
★読売
国際法順守中国に要求 尖閣問題念頭
12日からアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため来日するのを前に、日本の報道機関のインタビューに応じたのは初めて。大統領は、中国について、「地域と地球規模の課題で責任を持った行動を取るよう期待している」と述べたうえで、尖閣諸島の領有権を巡る日中間のあつれきを念頭に、「未解決の紛争の平和的な解決と国際的な規範、国際法の順守が、(アジアの安全、安定、繁栄という)目的にとって中心をなす」と語って、南シナ海や東シナ海での覇権主義的な振る舞いにクギを刺した。
★産経
警視庁逮捕の可否検討
【海保職員「流出」】逮捕せず任意捜査も検討 保安官「映像、誰でも見られた」
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐる映像流出事件で、流出を認めた神戸海上保安部(神戸市)の主任航海士である海上保安官(43)について、警視庁と東京地検が、逮捕以外に任意捜査の可能性も含めて刑事処分の検討を始めたことが11日、捜査関係者への取材で分かった。保安官が「職場で誰でも映像を見ることができた」と説明していることも判明。警視庁などは入手経路について調べるとともに、映像が「秘密」といえる状態だったか海上保安庁の管理状況について調べる。
★日経
米中首脳会談、人民元で平行線
中国、量的緩和に懸念 米、政治犯釈放を要求
【ソウル=高橋哲史】オバマ米大統領と中国の胡錦濤国家主席は11日、20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に先立ちソウルで会談した。経済政策の焦点である人民元改革では早期に大幅な相場の切り上げを求める大統領の見解と、慎重姿勢を崩さない胡主席の主張が平行線をたどった。大統領は中国側に表現の自由の重要性を訴え、政治犯の釈放も求めた
◎義憤の保安官起訴には疑問がある
◎義憤の保安官起訴には疑問がある
焦点は菅政権が国民の支持が圧倒的な“義賊”に対して明らかに疑義のある法律論で望むか、「惻隠の情」を差し挟んだ政治判断で望むかだ。難しい局面だが、それによって海保保安官の「自首」が政権に与える影響を、激震とするか微震とするかの岐路であるとも言える。事前に読売テレビに告白した保安官の言葉から見ると“義憤”に駆られたことが明白であり、背後関係は感じられない。これは海保一般職員の感情を代表したものだろう。政権は官房長官・仙谷由人の発言にみられるような杓子定規の法律論での対応がすべてと思うべきではない。検察は逮捕しても起訴すべきではないのではないか。
筆者は8日の段階で内部告発と断定、「自ら名乗り出てビデオ公開の理由を堂々と述べよ」と促したが、その通りになった。“義賊”とも書いたが、いまや流行語となった。今回の報道では読売新聞と読売テレビの鮮やかなスクープが目立った。とりわけ読売テレビ記者・山川友基が事前に2時間にわたり保安官から聞いた独自インタビューがずば抜けて良質で、すべてを物語っている。
まず、43歳の「日に焼けて浅黒く実直そうな保安官は落ち着いた様子で、言葉を選んで語った」という。保安官は動機について「もともと国民が知るべきものであり、私は国家公務員としての仕事をしているだけではなく国民のために仕事をしている」と述べた。「職を失う覚悟であり、甘んじて罰を受ける」と覚悟の上の流出であることを認めた。加えて「限定的な公開だったのでこのままでは国民が映像を見る機会を失ってしまう。闇から闇に葬られて跡形もなくなってしまう」と危惧(きぐ)を表明した。「誰にも相談せず一人でやった」とも語ったという。 これほど動機が“義憤”にあることを証明する言葉はあるまい。さらに保安官はビデオ保管状況について「ほぼすべての海上保安官が見ようと思えば見られる状況であった。国家機密扱いされていなかった。機密でないものを機密として扱っているのではないか」と仙谷ペースのビデオ非公開を暗に批判した。
まるで司法手続きを見通したような発言でもあり、事前の準備が垣間見える。こうした発言が物語るものは、事件が起訴につなげられるかという問題であろう。政府の立場は仙谷が「寛大な処罰を求める声が多い」との記者の質問に「多いとはどのくらいか」と開き直ったことが物語るように、相変わらず法律論がすべての“法匪”のような判断を下している。仙谷は「治安に関与する職員が故意に情報を流出させたことになれば、大阪地検特捜部の事件に匹敵する由々しき事案だ」とも述べ、政治的な「惻隠の情」などかけらもない。仙谷路線は明らかに逮捕・起訴で刑事罰を科することまで想定したものであろう。背景には政府の専管事項を一職員の独走で処理されては示しがつかないという“思想”がある。
しかし国民から海保に寄せられる保安官擁護論は95%に達しており、新聞テレビの報道も同情的である。法律論の焦点は国家公務員法100条の守秘義務違反に相当するかどうかだが、最高裁は1977年に「国家公務員法にいう秘密とは、非公知の事実であつて、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものをいう」という判断を下している。世間に知られていなくて実質的に保護に値するかどうかの二つの要件を掲げているのだ。前者はビデオを見た国会議員や海保幹部が詳細に内容を説明しており公知の事実となっている。内容が公知であるのに、映像が公知でないことで争えるかどうかが焦点だが、疑問だ。後者は国の安全に支障を来すほど国家機密ではないことから「実質秘密事項かどうかの」の要件は満たさないとされる。異論もあるから裁判になれば焦点になるところであろう。
このように起訴すべきかすべきでないかがまさに政治問題化する流れとなった。検察内部にも起訴すべき事案かどうかをめぐって議論があるようで、総じて慎重だ。しかし「仙谷政治」が前面に出て来た場合には、大阪地検の証拠改ざん事件で政府に弱みを握られている検察が圧力を感じ、敗訴を覚悟で起訴に踏み切るかどうかが興味深いところだ。しかし「船長」は釈放して「憂国の士」は起訴かという素朴な国民感情は、支持率激減となって政権を襲うだろう。つまり退陣に直結しうる支持率20%台の危険水域に政権が突入することは火を見るより明らかだ。
野党は政権追及の絶好の機会としてとらえ、自民党は仙谷と国交相・馬淵澄夫の辞任を要求してゆく構えだ。政権側は海保長官・鈴木久泰だけを辞任させてトカゲのしっぽ切りをしようとしているに違いない。菅政権にとっては弱り目にたたり目そのものの問題発生だが、すべては身から出たさびの事態であろう。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
神戸海保職員近く逮捕 尖閣映像流出の疑い
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐるビデオ映像が流出した問題で、海上保安庁の鈴木久泰長官は10日午後の衆院予算委員会で「第5管区海上保安本部(神戸市中央区)の神戸海上保安部の巡視艇乗組員が『自分が流出させた』と上司に申し出たとの報告を受けた」と説明した。
★毎日
複数の管区で閲覧可能
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐるビデオ映像が流出した事件で、船上勤務中の10日午前、上司
に「自分が流出させた」と申し出た第5管区海上保安本部の神戸海上保安部に所属する海上保安官について警視庁捜査1課は同日午後国家公務員法違反容疑で取り調べた。映像は第11管区海上保安本部以外の複数の管区でも閲覧できる状態にあったことが判明。
★読売
防犯カメラに航海士、投稿の日に受付に姿
尖閣映像を流出させたとみられる主任航海士が乗船していた「うらなみ」=原田拓未撮影 尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡る映像流出事件で、動画サイトに映像が流出した今月4日、映像が投稿された神戸市中央区の漫画喫茶の防犯カメラに、神戸海上保安部(神戸市)所属の巡視艇「うらなみ」主任航海士の男性海上保安官(43)が映っていたことがわかった
★産経
尖閣ビデオ自分が流出
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐる映像流出事件で、神戸海上保安部(神戸市)の海上保安官(43)が「自分が流出させた」と上司に名乗り出たことが分かり、警視庁捜査1課は10日、国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで保安官を取り調べた。11日も引き続き聴取し、容疑が固まり次第、逮捕する方針。
★日経
日・EU経済連携協定、来春から交渉
首相提案へ、年内にも非関税障壁の改善案
菅直人首相は12日に欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領(首脳会議の常任議長)らと会談し、2011年春の経済連携協定(EPA締結交渉開始を提案する。EUが交渉入りの条件に挙げる日本の非関税障壁の改善を急ぐ考えを伝え、年内にも具体的な方針を示す意向も表明する。環太平洋経済連携協定(TPP)への参加検討に続き、日本の競争力強化をめざす。
◎“眉唾公明”の底意は“両てんびん”
◎“眉唾公明”の底意は“両てんびん”
1か月前までは補正予算案に賛成の方針を固めていた公明党が関ヶ原の小早川秀秋なみの大転換で、反対に回った。新聞、テレビは総じて「政権に打撃」との単純な受け止め方をしている。しかしこの政党の動向は常に眉に唾(つば)をつけて見る必要がある。政局慣れ、悪い言葉で言えば“悪擦れ”しているからである。その“底意”はどこにあるかというと、補正予算関連法案には賛成するという一点から解きほぐせる。要するに“半身の構え”で両てんびんを掛けているのだ。
補正予算案に反対の方針は政調全体会議で決まった。「補正予算とはいえ政局ととらえるべきだ」という意見に象徴されるように、尖閣事件、「政治とカネ」などへの対応が象徴する菅政権の「体たらく」に“表面上”ついて行けないということだ。しかしこの政党の方針決定は創価学会の意向が左右する傾向があるのに加え、議員の発言などいつでも演出できる特性を持っていることを念頭に入れておく必要がある。
公明党の反対方針を踏まえて、自民党も野党の共同歩調を名目上保つことができ、採決の日程が決まるに至った。多少の遅れはともかくとして補正予算案今国会成立のめどが立ったのだ。「反対」が刺激となって政府・与党が本心では胸をなで下ろす形となっている。結果として公明党の姿勢は決定的対決回避へとつながっているのだ。誰も気づいていないが、もともとアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が予定されている中で、日本の国会の大混乱を見せられないという“たが”が与野党にはまっていたのも、15日への採決先送りの理由だ。
焦点は冒頭述べたように公明党が関与してきた補正予算関連法案である地方交付税改正案への対応である。公明党は地方での予算執行に影響が出ないようにするため同法案には賛成する方針だという。補正に反対して関連法案に賛成するという大矛盾だが、この構図の持つ意味は大きい。なぜなら菅政権を“3月危機”に追い込めるかどうかのカギは、通常国会の本予算審議において参院野党が結束して予算関連法案に反対できるかどうかにかかっているからだ。公明党が賛成すれば少なくとも国会審議の面からの政権危機は回避可能である。
公明党にとっても補正関連法案賛成は、与党の信頼感を確保出来て今後の予算編成の過程において、本予算への関与を強めてゆくに当たっての補強剤になる。おそらく与党は「公明党様々」で、公明党の主張は何でも聞いて来年度予算案に取り入れるだろう。要するに菅が国会審議で送り続けた公明党への秋波は、結構利いていることになる。もっとも尖閣、「政治とカネ」でみせた菅政権の醜態は、今後も確定的に続くことが予想される。ずっこけ政治が繰り返され支持率が危険水域の20%に陥るような事態になれば、さすがの公明党も軸足を全面的に野党に置かざるを得ないだろう。その意味で小早川流の“半身の構え”は依然続くと見なければなるまい。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
尖閣ビデオの投稿記録を押収 IPアドレス解析へ
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐるビデオ映像が流出した問題で、東京地検は9日、映像が投稿された動画サイト「ユーチューブ」を管理する検索大手「グーグル」の日本法人(東京)から、投稿者に関する情報の記録を差し押さえた。一方、警視庁は同日、沖縄県警との合同捜査本部を設置。東京地検と連携して投稿者の特定を急ぐ。
★毎日
「仕分け無視」にメス
政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は9日、首相官邸で会合を開き、15日からの事業仕分け第3弾後半日程で実施する「再仕分け」の対象事業を正式に決めた。対象となるのは112事業。これまでの仕分けや各省の「行政事業レビュー」(省内仕分け)で「廃止」「見直し」などの判定を受けたにもかかわらず、各省庁が11年度予算の概算要求で名前を変えるなどして予算要求して「復活」を図るなど、仕分けの判定が反映されていないものが取り上げられた。一方、仕分け対象にはしないものの「判定の反映が不十分で仕分けの意義を損なう」として「改善通告」を行う約90事業も決めた。
【スクープか】★読売
尖閣映像、神戸の漫画喫茶から投稿
尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡る映像流出事件で、東京地検は9日、動画投稿サイト「ユーチューブ」を運営する検索大手グーグルの日本法人(東京都港区)から、映像を投稿したパソコンのIPアドレス(ネット上の住所)を入手した。分析の結果、同サイトに投稿された映像は、神戸市内の漫画喫茶のパソコンから送信された可能性が高いことが判明。共同で捜査している警視庁はこの漫画喫茶に捜査員を派遣、捜査への協力を求めた。店の防犯カメラ映像や入店客の情報を入手した上、投稿者の特定を進める。検察当局は内部調査の結果、映像は石垣海上保安部(沖縄県)か那覇地検の内部から流出した疑いが強まったとして、8日から国家公務員法(守秘義務)違反容疑で捜査に乗り出した。神戸市内から投稿されていた可能性が高いことにより、石垣海保や那覇地検職員以外の第三者が関与した疑いも出てくる。匿名性の高い漫画喫茶から投稿されていたことで、捜査が難航する恐れもある。
★産経
TPP協議開始閣議決定
政府は9日の閣議で環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐり、米国など関係国と協議を始めることを柱とした「経済連携の基本方針」を決定した。
★日経
東証、社債の国際市場を来春創設
英文開示・外貨建ても 海外企業の発行呼び込み
東京証券取引所は来年春、社債の国際発行市場を創設する。海外企業を呼び込むため英文での情報開示を認める。起債時に必要な手続きも簡素化し、発行通貨も自由にする。低コストで機動的に発行できるようにして、国内外の企業や投資家が新市場を通じて資金を調達したり、投資したりするように誘導する。東証は東京市場をアジアを代表する国際市場に復活させたい考えだ。
◎「内弁慶の菅」は「頑張りきれる」だろうか
◎「内弁慶の菅」は「頑張りきれる」だろうか
近ごろの政治記者はものの見方の訓練ができていない。窮地に陥った感のある首相・菅直人の発言「石にかじりついても頑張りたい」をとらえて「続投に意欲満々」(毎日新聞)と判断したのには驚いた。とてもそんな空気ではなかった。野党の攻勢で防戦一方の菅が「どこまで頑張りきれるか分からないが」と前置きしているのをとらえていない。ニュースのポイントは前置き部分にあるのが分かっていないのだ。
衆院予算委審議をつぶさに見たが、菅は小沢一郎の国会招致問題、尖閣ビデオ、支持率急落を突かれて防戦一方だった。さすがに自民党の棚橋泰文から「有言実行といいながら、あなたに存在価値はあるんですか。粗大ゴミじゃないですか」と挑発されると「取り消してほしい」と色をなしたが、総じて追い込まれた感じが濃厚で、覇気もなかった。そうした中で「私自身どこまで頑張りきれるかわからないが、物事が進んでいる限り石にかじりついても頑張りたい」と発言したのだ。これはだいぶん弱ってきているなと受け取るべきだろう。
背景には支持率の急落がある。あの鳩山由紀夫ですら20%台に落ち込んだのは政権発足8か月後の4月であった。ところが菅改造内閣が発足した9月当初は「反小沢効果」もあって「菅続投歓迎72%」(朝日)だったものが、わずか2か月でNHKの調査では支持率31%となった。他社も大同小異だ。もはや20%台突入は時間の問題ではないか。首相としては鳩山由紀夫ほどの不適格性はないようにみえるが、菅不人気の原因はどこにあるのだろうか。それは菅の“内弁慶体質”にスポットが当たったからだろう。「イラ菅」で官僚に当たり散らす割りには、尖閣事件後の中国首相・温家宝との会談でゼネコン社員の釈放に言及がなく、小沢の国会招致も直接会って説得すべきところを幹事長・岡田克也に任せっきり。そして尖閣ビデオを見ていないという菅。これでは国民の失望感が増幅するのも無理はない。過去の領土問題をめぐる首相の姿勢で顕著な例として田中角栄を挙げれば、北方領土ではブレジネフと怒鳴り合い、日中復交をめぐる周恩来とのやりとりでは、毛沢東から「けんかは終わったか」と聞かれたほどだ。菅には一国の首相たるものの気概・情熱が見られないのだ。
20%台まで落ちると鳩山までの首相4人が連続で辞任へと直結している。まさに危険水域入り寸前なのである。加えて読売の調査では民主党の支持率も36%から28%まで低下しており「民主離れ」と「菅離れ」が同時に加速している状況を見せている。菅は予算委で「昨年政権交代したわけだから4年間単位の考えが政治的慣例になってゆくのが望ましい」と任期満了選挙の必要を強調した。要するに支持率の現状は伝家の宝刀・解散権を放棄しても、305議席を死守せざるを得ないことを意味している。だが、官房長官・仙谷由人の国会答弁は依然として「累卵の危うき」にあるし、幹事長・岡田克也も「一兵卒」小沢にてこずって力量を発揮できていない。ほうはいとして台頭してきた「外交素人論」。とても菅が任期満了まで3年間も持つとは思えない。来年の予算関連法案をめぐる攻防を乗り切れるかどうかの“3月危機”説が一段と真実味を帯びる今日このごろである。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
110事業、仕分け骨抜き 廃止・見直し判定を無視
政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は、これまでの事業仕分けで「廃止」や「見直し」が決まったのに、来年度予算の概算要求に盛り込むなど、省庁側が骨抜きにした事業が12府省庁の約110事業にのぼるとして、15日から「再仕分け」を行う方針を固めた。9日に首相官邸で開く同会議で正式決定する。
★毎日
胡錦涛主席訪日を正式発表 中国側にもリスク
中国外務省は8日、横浜で13,14
日に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に胡錦涛国家主席が出席すると発表した。
★読売
仕分け順守「勧告」60事業
政府の行政刷新会議(議長・菅首相)は8日、行政の無駄を洗い出す「事業仕分け」の結果を無視、軽視したとして、11府省が2011年度予算概算要求で提出した60事業について、省庁側の説明を聞かずに即時改善を求める「勧告」を行う方針を固めた。9日にも発表する。
★産経
民主“言い訳マニュアル”配布
文部科学省が北朝鮮影響下の反日教育が実施されている、朝鮮学校に対し、教育内容を問わない高校授業料無償化適用のための就学支援金支出の判断基準を決めたことを受け、民主党が党所属国会議員に「想定問答集」を配布していたことが8日、分かった。
★日経
韓国大統領、経常収支基準「G20でまず導入合意を」
具体策は作業部会で 日韓EPA「交渉再開へ議論」
【ソウル=尾島島雄】20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)議長の李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領は日本経済新聞などと会見した。世界経済の不均衡是正へ各国間で調整に入った経常収支の数値基準を導入することで原則合意を目指す考えを表明した。具体策の調整は作業部会を置き、新興国に配慮した検討を進める方針も明らかにした。通貨問題では安易な為替介入の抑制を訴えた
◎“尖閣義賊”出現は“御政道”が悪い
◎“尖閣義賊”出現は“御政道”が悪い
義憤に駆られた“義賊”による尖閣ビデオ公開に、“奇妙な連帯感”が日本列島をおおっている。「クーデターだ」「テロだ」と民主党内が姦(かしま)しいが、首相・菅直人はなぜビデオ公開事件が発生したかを冷静に考えてみたことがあるか。事件発生以来の政府の対応に国民の憤まんが積もりつもった結果に他ならない。起きるべくして起きた事件だ。内部告発説が強いが、かねてから官僚による内部告発を奨励し、政権を取ってからは、いやらしい“密告サイト”ともいうべき「ハトミミドットコム」を立ち上げたのは前首相・鳩山由紀夫にほかならない。たとえ内部告発者を摘発しても、白昼堂々の“強盗”船長は釈放して、“義賊”は杓子定規の守秘義務違反の刑事罰では“大岡裁き”が成り立つまい。内部告発者に言いたい。自ら名乗り出て公開の理由を堂々と述べよ。
言われているように海保の内部告発とすれば、なぜ“義賊”が生まれたかは簡単だ。海保の現場が体を張って、命がけで逮捕し、送検した船長を、紛れもない“政治主導”で釈放した。しかも責任を1地方検事に押しつけるという、政治家としてもっとも卑劣な対応を菅政権が「結託」して行ったからだ。加えて尖閣・北方領土問題で見せた政権の卑屈なまでの対中、対露弱腰外交、普天間問題での日米関係毀損などは、真っ当な仕事をしている告発者にとっては我慢のならないものであったに違いない。また官房長官・仙谷由人がビデオ非公開の理由を、刑事訴訟法47条の「証拠物は公判前には公にできない」との小賢しい法律論に持ち込んだこともカチンときたに違いない。船長を“超法規”で釈放しておきながら、刑訴法もあったものでもない。47条は「公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない」とも規定していることを仙谷は、弁護士のくせに知らないのか。
また、週末は日本中の酒場が、「ビデオ公開の月光仮面に乾杯」で沸きに沸いたのを知らないのか。都知事・石原慎太郎が「『冗談じゃない。実態を見てもらいたい』という内部告発だろうが、結構なことじゃないか」と珍しくいいことをいった。日本政府にとってもプラスの要素はある。政府が直接公開すれば、中国は激しく反応せざるを得ないが、第3者からの流出では、文句のつけようがない。ビデオの内容を見ても国際的なPR効果満点だ。初代内閣安全保障室長・佐々淳行が8日付産経【正論】で「体当たりビデオは国連、国際会議などあらゆる舞台で公表、日本の正当性をPRせよ」と述べているがその通りだ。中国は後ろめたいのか大人しい反応に転じている。週末デモもやらなかった。“義賊”による公開は共産党機関誌・人民日報が「風は吹けども山は動ぜず」と尖閣事件で、日中関係の大局に変化はないとする論評を掲載した直後でもあった。
要するに“義賊”の行為は、毛沢東が紅衛兵に送った言葉を借りれば「造反有理」とも言える側面があるのだ。これに対して民主党の反応はどうだ。ルーピー鳩山は「海上保安庁か検察のどちらかが流したのはほぼ明らか。政府にいる人間が政権批判を行う情報クーデターとすれば、政権にとって大変厳しい話だ」とクーデター扱い。前総務相・原口一博は「国家に対する反逆に近い」とありもしない“国家反逆罪”を持ち出した。杓子定規にしかもの事を考えられない幹事長・岡田克也に至っては「公務員の守秘義務違反であり、刑事罰にもつながる」だという。まるで石を見て「あれは石だ」と形容しているに過ぎない。法治国家だから検察が捜査に乗り出したのも、リークが罪に問われるのが当然だし、刑事罰も当然だ。しかし、ことは政治責任化する。担当閣僚の責任はもちろん首相の責任まで問われる事案になり得ることは覚悟しておくことだ。みんなの党代表の渡辺喜美が7日、「民主党は犯人捜しをやっている場合か。もし犯人が見つかってもその人は英雄になり、民主党政権は恥の上塗りになる」(時事通信)と述べたとおりだ。そもそも民主党の従来取ってきた路線を振り返ったらどうか。今回は適用困難だが、連合と共に推進してきた「公益通報者保護法」は内部告発者を守るための法律だ。閣議決定までして設置した「ハトミミドットコム」に至っては、公務員の内部通報者・密告者を奨励するサイトではないか。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)に向けて、政府部内には胡錦涛やメドベージェフと菅との首脳会談実現を心配する空気がある。これにマスコミも影響を受けているが、いずれも問題の所在が分かっていない。恐る恐る来日すべきは中ソ両国首脳であって、懇願して首脳会談を「実現していただかなければならない」場面ではない。駐露大使の一時帰国で抗議したまではよいが、たった5日間の滞在で早くも帰任とは恐れ入谷の鬼子母神だ。一時帰国どころか「瞬時帰国」ではないか。「足元を見て頂戴」というようなものだ。ロシア外務省の高笑いが聞こえる。とにかく会談が実現したら菅は毅然として領土上の主張を展開すべきである。日本中ばかりか、アジア諸国注目の中での会談となる。ここで腰砕けになったら、霞が関で内部告発の連鎖反応が起きてもおかしくない雰囲気であることを指摘しておく。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
尖閣映像流出、検察が捜査 石垣海保など対象
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に関するビデオ映像がインターネット上に流出した問題で、検察当局は7日、公務員が故意に映像を流出させた疑いが強まったとみて、国家公務員法の守秘義務違反容疑で捜査に乗り出す方針を固めた。これまでの検察内部の調査では、検察関係者からの流出の形跡はみつかっておらず、福岡高検が石垣海上保安部(沖縄県石垣市)を中心に調べる見通しだ。
★毎日
尖閣映像流出:検察当局が捜査へ…守秘義務違反容疑
沖縄県・尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件のビデオ映像が流出した問題で、検察当局は近く、映像の流出元や動画投稿サイト「ユーチューブ」への投稿者を特定するため、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で捜査に乗り出す方針を固めた
★読売
菅内閣支持率急落35%、尖閣・経済など響く 世論調査
読売新聞社が5~7日に実施した全国世論調査(電話方式)で、菅内閣の支持率は35%となり、前回調査(10月1~3日実施)の53%から急落した。 参院選直後調査(7月12~13日実施)の38%をも下回り、発足以来最低となった。不支持率は55%(前回37%)で、支持率を逆転した。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件や円高・デフレの経済情勢、小沢一郎・民主党元代表の「政治とカネ」の問題への対応などで不満が高まり、内閣支持率を一気に引き下げた。菅首相は厳しい政権運営を強いられることになりそうだ。
★産経
唯一の対露カード放棄 髙野駐露大使急遽帰任
ロシアのメドベージェフ大統領の唐突な国後島訪問から7日目。「対抗措置」として一時帰国させた河野雅治駐露大使はモスクワに帰任し、政府はたった一枚の「対抗カード」を手放してしまった。理由はただ一つ。13、14両日のアジア太平洋経済協力会議(横浜APEC)の首脳会議に合わせ、日露首脳会談を実現させたいからだ。菅直人首相は自らの「見栄」のために国家の主権をないがしろにした。中国、ロシア両国だけでなく世界各国からそんな冷ややかな視線が向けられている
★日経
医療費上限、高所得者上げ
政府、年収800万円軸に検討 200万円台は負担軽く
政府は世帯収入に応じて医療費の患者負担に月額の上限を定める仕組みを来年度にも見直す方針だ。高所得層の上限を上げて負担を増やし、それを原資に年収200万円台の比較的所得の少ない層の負担を軽くする。800万円以上の層の負担を上げる方向だが、対象を700万円程度の所得層まで広げる案も出ている。1000万円以上の層では上限が10万円程度上がるとみられ、負担増への反発から調整が難航する可能性もある。
◎小沢招致は国会の議決しかない
◎衝撃の尖閣ビデオ公表サイト↓
http://www.youtube.com/watch?v=M3H-A7rB3wo
◎小沢招致は国会の議決しかない
「おれが作った」とかねてから自慢していた政治倫理審査会に小沢一郎の出席拒否である。それも「司法で取り上げられたから」などという小賢しい理屈をつけての上である。これにたいして民主党独自の対応では、小沢の離党・政界再編に直結しかねないため、恐らく首相・菅直人以下腰が引けてできまい。かくなる上は与野党の議決で政倫審に招致するか、これに応じなければ出席を強制できる証人喚問を要求するしかない。国会が一致して動くべき時だ。
民主党幹事長・岡田克也と小沢の会談が物別れに終わった後、最高顧問・渡部恒三が「党員である限り、どうしても幹事長の言うことを聞けないという場合は、党を離党するということだろう」と強く反発。「除名すべきだ」という声もあちこちで出始めた。いずれも威勢だけはいいが、犬の遠吠えに似て実行力が伴わない。なぜかといえば離党や除名は小沢の得意技である党分裂・政界再編に直結する事があり得るからだ。
民主党内は北海道5区補選の惨敗などで、代表選挙で小沢に投票した200人の衆参議員の多くが、あらためて自らの不明を恥じ始めているのが実情だろう。しかしまだまだ「小沢信者」は多い。民主党衆院議員305人のうち64人が小沢と行動を共にして離党すれば、民主党は過半数割れして政権崩壊の危機に瀕する。菅も岡田もこれに怖じ気づいているから、言動のすべてが恐る恐るなのだ。
したがって小沢自らの離党はおろか執行部による除名も、将来小沢忌避ムードが圧倒的になれば可能にしても、現段階では「夢」でしかない。それではどういう対応があり得るかだが、国会が動くのがベストだろう。小沢は検察審査会が起訴を議決した直後に「国会の決定には、いつでも従う」と明言しているのだ。したがってまず政倫審が動くことだ。政倫審の過去の例を見れば、96年の加藤紘一招致に始まって9人の議員が出席しているがいずれも、本人が疑惑を解消したいとの意思に基づいている。1度だけ例外がある。09年7月に鳩山由紀夫の個人献金偽装問題について委員の過半数の議決で招致しようとしたが、鳩山はこれを拒否した。制度上拒否できるのだ。小沢も拒否する可能性があるが、政倫審には奥の手もある。国会議員が政治的、道義的に責任があると認めたときは、3分の2の多数で行為規範等の遵守の勧告、一定期間の登院自粛の勧告ができるのだ。登院自粛は厳しい措置である。また衆院での開催が困難なら、まだ一度も開いていない与野党ねじれの参院で開催することも考慮に入れるべきだ。
政倫審ができなければ憲法の国政調査権を発動して証人喚問をするしかない。証人喚問の議決は1955年以降、全会一致が原則であるが、多数決で議決されて証人喚問が行われたことも衆議院では3例・9人がある。この議決は強制力が伴い、証人は拒否できない。野党が多数を占める参院予算委で議決をしても可能となろう。要するに民主党内事情を考慮すれば、小沢の国会招致は与野党で決めるしかあるまい。場合によっては議決に当たって民主党が「自由投票」にすれば可能となるケースもあろう。菅がそれくらいの決断をしても罰は当たるまい。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
西友元社外取締役を調査
西友の元社外取締役にインサイダー容疑
2007年に実施された大手スーパー西友(本社・東京都北区)の株式公開買い付け(TOB)をめぐり、西友の社外取締役(当時)がインサイダー取引をしていた疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反容疑で強制調査に乗り出したことが分かった。社外取締役側は、小売業世界最大手の米ウォルマート・ストアーズによるTOB公表前に西友株を買い、公表後に売却して1千万円程度の利益を得たという。
★毎日
通貨安競争に拍車 新興国を直撃
米国の金融政策の狙いと他国への影響 米連邦準備制度理事会(FRB)は3日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的金融緩和策の第2弾として6000億ドル(約48兆6000億円)の米長期国債を買い取り、市場に大量の資金を供給することを決めた。FRBの追加緩和により、世界的な通貨安競争が加速するのは必至。金融緩和を繰り返す先進国と、先進国の垂れ流す巨額マネーが流れ込み、通貨高とバブルに直面する新興国との対立は、主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)を1週間後に控え、一段と激しくなりそうだ。
★読売
尖閣ビデオ、ネット流出か 海保「本物の可能性」
尖閣諸島沖の漁船衝突事件の状況を海上保安庁が記録したものとみられるビデオ映像が、インターネットの動画サイト「ユーチューブ」に流出した可能性が高いことが5日、わかった。海保で映像の真偽を確認しているが、海保幹部は、映っている中国漁船らしき船の船名や衝突時の状況などから「本物である可能性が高い」としている。映像は「本当の尖閣 海上保安庁」と題し、計44分23秒の動画が分割されたもので、漁船らしき船が海保の巡視船らしき船に2回衝突する内容が記録されている。映像では、サイレンが鳴り響く中、「おーい止まれ」などと日本語で叫ぶ声が収録されており、巡視船らしき船の右舷に衝突するなどした。その後、「巡視船みずきに衝突してきた」と状況を報告する声も記録されている。
★産経
TPP交渉「参加目指す」明記、関係閣僚で大筋合意
政府が9日の閣議決定を目指している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP=トランス・パシフィック・パートナーシップ)の基本方針原案が4日、明らかになった。3日夜の関係閣僚会議で大筋合意したもので、「交渉参加を目指し協議を開始する」と明記している。アジア太平洋地域の2国間EPA(経済連携協定)交渉については「積極的に推進する」と記した。原案は玄葉光一郎国家戦略担当相(民主党政調会長)が主導して作成した。「交渉参加を目指し、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する」とした。
★日経
子ども手当の上乗せ、3歳未満に限定
来年度・月2万円に 政府、一律は断念
政府は2011年度からの子ども手当について、3歳未満に限って現行より7千円上積みし、月額2万円とする方向で検討に入った。一律に引き上げるとした当初案は財源不足から断念する。3歳未満に絞るのは次善の策で、現行制度が続いた場合の手取りの減少が大きい階層に配慮する。月額2万6千円の一律支給とした2009年の民主党マニフェスト(政権公約)から転換する。
◎菅の「情報不足」は自業自得だ
◎菅の「情報不足」は自業自得だ
「良薬は口に苦く、忠言は耳に逆らう」というが、首相・菅直人は、剛直ではばかることなく直言する「骨鯁(こっこう)の臣」がいないのだろう。だから人に会う度に「情報がない」とぼやくのだ。首相に情報がないとは、中国やロシアが聞いたら喜ぶ“情報”であろう。菅発言は、自分では気づいていないだろうが、官邸で自らを取り巻く者達を否定するものでもある。たしかに情報が命の政界で、他人より首相の情報が遅いのは由々しきことだ。情報がないという情報だけで短命政権を予想できる。首相を取り巻く情報網を再構築しなければとても長続きしまい。
菅は少なくとも2回ぼやいている。先月27日夜、民主党の前参院議長・江田五月らに「官邸にいると情報がなかなか入らない」。2日菅氏支持の民主党議員グループの会合で「首相官邸は情報過疎地帯だ。役所で取りまとめたものしか上がってこない。とにかく、皆さんの情報や意見を遠慮なく私のところに寄せてほしい」。いかに菅へのの情報が枯渇しているかを物語っている。しかし江田や若手議員らに「情報よこせ」と言うのは、八百屋でタコを「よこせ」というような無い物ねだりだ。与太情報ならない方がいい。
菅の発言から見ると、情報戦争に当たって首相秘書官、最近うようよいる官邸官僚、外務省、内閣情報調査室、警察、検察などが機能していないことを物語っている。官邸は端的に言って公家の右往左往だ。外務省は「政治主導」が怖いのか、保身か、なぜか戦後まれな無能ぶりだ。裏情報の内調はいい時と悪い時と極端だが、菅発言から見ればいまはどうも悪い時ということのようだ。警察、検察はもともと伝統的に左翼がいっぱいの民主党は嫌いだ。
「役所で取りまとめたものしか上がってこない」というのは、ありきたりの情報しか来ないと言うことだ。政界にせよマスコミ界にせよ情報戦争の世界は、いかにトップに情報を「上げないか」の世界だ。官邸キャップがバカ記者を相手にしないのは、1から10まで皆報告するから、付き合っていられないのだ。情報の世界はトップに上げる前に精査して研ぎ澄ませて、「これを上げればこう反応する」まで読んだうえで耳に入れるのだ。
過去にそういうことができる首相秘書官が2人いた。1人は佐藤7年政権を支えた楠田實。もう1人は小泉5年政権を支えた飯島勲だ。とりわけ産経新聞のデスクから引き抜かれた楠田はすごかった。記者夜回りで官房長官・愛知 揆一が酔っ払って暴言を吐いたことが、翌朝佐藤の耳に入っていたほどだ。佐藤が「地獄耳」と言われたゆえんである。いずれもマスコミに独自の情報網を抱え、電話一本でその報道機関が抱える最高の政治情報を知る事ができた。もちろん、判断力がなければ与太情報を首相に入れることになる。楠田は「情報はいかに捨てるかだ」と漏らしていたが、その通りであろう。飯島もメディア戦略や情報操作に長けていた。
また民主党政権の自業自得ぶりも明白だ。事務次官会議を廃止し、人事上事務次官を軽視する政策が象徴するものは、役所の情報など不要ということにつながるのだ。情報伝達はトップに向かって上がる毎に研ぎ澄まされていかなければならないのであり、そのトップをないがしろにすれば役所の情報網も“ばらける”。だから普天間問題が起き、戦後最大の対中屈辱外交が起きたのだ。事務次官会議は単なる会議ではない。情報交換、調整の場でもあった。「それは総理の耳に入れておいた方がいい」と他の次官から忠告され、会議後事務次官が首相の部屋を訪れる例など数知れない。その我が国最大・最強の情報ルートを断ち切ったのが民主党政権だ。宝の持ち腐れとはこのことを言う。
菅自身の自業自得もある。情報収集は怒ってはおしまいだ。部下は情報を入れて怒られるなら、入れないでおこうという道を選択する。「ニューヨークでのイラ菅爆発」を諫める秘書官がおらず、逆にそれを東京に伝えたから、拘留期限前の船長釈放という事態へと発展したのだ。尖閣事件では情報の平衡感覚があるものがそばにいたなら、「政治主導があったことは確実にばれます」と諫めるのだろう。自らそういう側近を作らなかったか、作れなかったことが菅の限界なのだろう。要するに狭量なのだ。だいたい首相たるもの「情報がない」などと自らの能力欠如を口にすべきではない。田中角栄ですら「首相になると裸の王様だ。1年たつとキツネが憑(つ)いたようになり、椅子に天地逆に座っていても気づかない」と述べていたが、菅の情報不足ははやくもキツネが憑く前兆かも知れない。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
オバマ民主大敗 茶会旋風 共和、下院制す
【ワシントン=伊藤宏】米国の上下両院議員、州知事を選ぶ中間選挙が2日投開票され、下院で野党の共和党が過半数を大きく上回り、4年ぶりに多数派を奪還した。民主党は現有から60議席以上の大幅減となる。上院でも共和党が議席を伸ばしたが、民主党は辛うじて過半数を守った。オバマ大統領の政権運営や、2012年の再選戦略に大きな影響を与えるのは確実だ。
★毎日
米中間選挙:オバマ民主党が大敗 下院で60議席以上失う
【ワシントン古本陽荘】米オバマ大統領の就任2年間の政権運営に対する審判となる米中間選挙は2日、投開票され、連邦議会下院(定数435)では、野党の共和党が過半数(218)をはるかに上回り、240議席以上を獲得する見通しの歴史的勝利となった。民主党は60議席以上失い、52議席を失った94年の中間選挙を上回る大敗を喫した。上院(定数100、改選37)では、共和党が現有41議席に5~8議席上乗せする見通しだが、民主党が過半数51議席を維持することが確定した。
★読売
オバマ民主、大敗 下院過半数割れ
【ワシントン=本間圭一】オバマ米民主党政権の任期前半の評価を問う米中間選挙は2日、全米で投開票が行われ、民主党は下院で60以上の議席を減らして過半数を失い、歴史的大敗を喫した。
上院でかろうじて過半数を維持したが、大幅に議席を減らした。大統領は2年後の次期大統領選での再選に向け、戦略見直しを迫られた。
★産経
オバマ民主民主党、歴史的大敗 共和党が下院で過半数 オバマ氏の再選戦略に影
【ワシントン=佐々木類】オバマ米大統領の政権運営に対する初の審判となる中間選挙は2日夜(日本時間3日)、全米各地で開票が進み、共和党が4年ぶりに下院で過半数を獲得した。上院は民主党がかろうじて多数派を維持したが、米CNNなどによると、下院で60議席以上減らすことは確実となり、クリントン政権下の1994年の中間選挙時に並ぶ歴史的大敗を喫した。オバマ大統領は今後、共和党の意向にも配慮した政権運営を迫られる。
★日経
オバマ民主大敗
下院で与野党逆転、上院は過半数死守
【ワシントン=弟子丸幸子】オバマ米政権への事実上の信任投票となる米中間選挙は2日、投票、即日開票された。政権の経済政策への不満を背景に、下院は野党・共和党が4年ぶりに過半数を奪回。与党・民主党が60議席以上を減らす72年ぶりの歴史的敗北を喫する情勢だ。一方、上院では民主党が過半数を死守した。求心力が低下するオバマ大統領に厳しい前途が待ち受ける。
◎駐露大使一時帰国で抗議せよ
◎駐露大使一時帰国で抗議せよ
菅外交にとって弱り目に祟り目のロシア大統領による北方領土視察である。中露による“日本挟撃”となったが、その原因の大半が民主党政権による“素人外交”の結果だ。足元を中露両国に読み取られているのだ。微妙な力の均衡で成り立つ領土問題に、日米関係の脆弱(ぜいじゃく)化という新要素が、決定的に作用したのだ。改めて弱肉強食の外交の世界を首相・菅直人は、思い知らされたに違いない。加えてメドベージェフ訪問時期の判断を見誤った外務官僚の判断能力の劣化も著しいものがある。政府は抗議の意思表示として駐露大使・河野雅治の一時帰国くらいの対抗措置をしても当然だ。
読売の編集手帳が端的に言い尽くしている。「政権交代から1年余、領土・領海を危険にさらして友人の選び方をようやく学習するとは、払った授業料が高すぎる」と指摘しているとおりだ。状況判断は、素人に「ど」をつけたい前首相・鳩山由紀夫と小沢一郎による“離米外交”を、中ロがチャンスと受け取り「結託」して領土での攻勢を仕掛けてきたとみるべきだ。まず普天間問題での日米関係のきしみに中国が尖閣でつけ込んだ。尖閣事件後には中露首脳会談で領土問題での「結託」を確認。ロシアは日本の尖閣問題での弱腰姿勢を見て、強硬な対応を決意し、北方領土でロシアが歴代大統領も行ったことのない“暴挙”に出たというのが一連の流れだ。国後、択捉、歯舞、色丹4島のうち国後を選んだのは、1956年の日ソ共同宣言に明記された歯舞、色丹の2島は返還するという方針を踏まえたものだ。日本に4島返還はないことを改めて強く示唆したものといえる。また日本の2島返還論を勢いづけ国論を割る思惑もあるのだろう。
この北方領土訪問を外務省当局は完全に見誤っていたようだ。「まさかアジア太平洋経済協力会議(APEC)を控えて訪問はあるまい」という誤判断だ。メドベージェフが「近い将来必ず訪問する」と発言しているにもかかわらずである。モスクワの大使館も含めて情報収集能力がここまで落ちたかと思える「外交劣化」である。それとも外務省は政治主導で「指示」されるまで情報収集などしなくなったのだろうか。
当然対抗措置を考えるべきだろうが、弱腰外交が定着している菅政権に何ができるか心もとない。政府首脳は「対応に苦慮している」そうだが、苦慮などしている場合か。外交において不快感を示すためにもっとも効果的な手段が大使の本国召還である。韓国が竹島問題などで大使の一時帰国をよくやるが、日本固有の領土にどかどかと土足で入り込んできたのだから、駐日大使を呼んで抗議するくらいでお茶を濁す話ではあるまい。駐露大使の一時帰国くらいは当然だ。
「メドベージェフに横面を叩かれながら、今月中旬のAPECの際に菅が首脳会談に応ずるのもどうかと思う」という疑問の声が外務省にもあるようだ。日露首脳会談拒否論だ。しかしこの場合はあえて会談をチャンスとらえて、日本の主張を強硬に伝えるべきだ。会談の物別れも辞すべきではない。中露両国は、場合によっては胡錦涛とメドベージェフが横浜で会談して、対日けん制で結託した動きに出る事も予想されるが、動ずるべきではない。胡錦涛にもメドベージェフにも堂々と領土上の主張をすべき時だ。場合によっては首脳の全体会議の場で菅は尖閣諸島、北方領土に関して日本固有の領土であることを主張をすることも考慮に入れるべきだ。大人しくしていれば中露両国に領土問題での地歩を築かれたままとなる。弱腰外交を転換して、くぎを刺す絶好の機会だ。弱腰外交が腰抜け外交になるかどうかの境目でもある。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
耳かき店員ら殺害無期
東京都港区で昨年8月、耳かき店員の女性とその祖母を刺殺したとして、殺人などの罪に問われた無職林貢二被告(42)の裁判員裁判で、東京地裁(若園敦雄裁判長)は1日、無期懲役とする判決を言い渡した。昨年8月から全国で実施されてきた裁判員裁判で、初めて検察側が死刑を求刑していたが、裁判官と市民の評議の結果、死刑を回避する判断をした。
★毎日
耳かき店員殺害:裁判員裁判、死刑を回避…地裁が無期判決
東京都港区で09年、耳かきエステ店員の江尻美保さん(当時21歳)と祖母の鈴木芳江さん(同78歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われた常連客の無職、林貢二(こうじ)被告(42)の裁判員裁判で、東京地裁(若園敦雄裁判長)は1日、無期懲役判決を言い渡した。検察側は裁判員裁判で初の死刑を求刑したが、判決は「一方的に江尻さんへの思いを募らせ悩んだ末の犯行。深く後悔しており人生の最後の瞬間まで内省を深めることを期待すべきだ」と死刑を回避した。
★読売
菅首相、露への対応策検討…北方領土訪問
菅首相は1日夜、ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問したことについて、遺憾の意を表明した。その上で、対応策を検討する考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
首相は「北方4島はわが国固有の領土だという姿勢は一貫している。今回の訪問は大変遺憾だ」と述べた。さらに、「前原外相がベールイ駐日ロシア大使に抗議した。今後のことは、どういった形で対応するか検討していきたい」と語った。
★産経
露大統領が国後訪問
ロシアのメドベージェフ大統領は1日、旧ソ連・ロシアの国家指導者として初めて、日本の北方領土を訪問した。
★日経
石油精製能力25%削減 元売り3年計画
◎内憂外患深刻化、中国首脳板挟みの焦り
◎内憂外患深刻化、中国首脳板挟みの焦り
首脳会談を拒否したかと思うと翌日10分間の「会合」をする。中国外交がここにきて揺れ始め、場当たり的側面を見せ始めた。尖閣事件に端を発した諸々の事象が中国に「内憂外患」の状況を生み始め、深刻化の度合いを深めている。さすがの中国首脳も焦り始めた感がある。「反日デモ」が政府側の統制が利かずに「反政府デモ」化する兆し、レアアース禁輸をめぐる世界的な「中国異質論」の台頭など、難問山積で政権が板挟みの苦境に置かれた側面があるからだ。
「外患」を大きく見ると国際世論の「中国異質論」だ。「独善中国」批判は人民元切り上げ問題や南シナ海・東シナ海への膨張政策をめぐって欧米のメディアに既に存在していた。これがレアアースの輸出停止措置を、日本だけでなく欧米諸国にも拡大した10月半ばから欧米の新聞論調が「中国異質論」の流れとなって統一されてきた。米国にも対中強硬論が台頭、ついに国務長官・クリントンが「中国への懸念が強まる同盟国をてこ入れするためのアジア歴訪」(ワシントン・タイムズ紙)という事態へと発展してきた。
「内憂」は、中国政府が官製の反日デモを中国共産党の重要会議である第17期党大会会期中に始め、政権批判の目を転じようとしたまではよかったが、これが逆目に出たことに象徴される。デモのテーマが格差や失業問題へとつながってきたのだ。その証左に香港や韓国のメディアが「反日デモ」の「反政府デモ化」を報ずるようになった。とりわけ26日の韓国メディアサーチナは具体的だ。陝西省宝鶏市で発生した反日デモでは、反日スローガンの横断幕に混じって、「一党独裁反対」「報道の自由」「住居価格がとても高い」「不正腐敗解決」など、中国政府と社会問題に対する不満をしたためたプラカードも見られたというのだ。すぐに取り締まられたようだが中国政府への批判が噴出、統制が取れなくなった初めてのデモだ。1989年の天安門事件は胡耀邦を偲ぶためのデモから始まったものだが、暴動に発展している。中国政府は当面力で押さえ込むだろうが、大衆の直感力を甘く見てはいけない。13億のうち1億5000万だけが極端な富裕階級にあるという厳しい格差の現状は、「愛国デモ」が「反政府デモ」と化しても全く不思議がない。
こうした中で中国政府は尖閣事件で日本政府が見せた醜態に匹敵する大失策を演じた。事態の状況把握を誤認して、日中首脳会談を突然キャンセルしたのだ。誤認というのは二つの点である。一つは誤報では有名なフランスの通信社AFPの「日中外相会談でガス田交渉再開を合意」の大誤報を、日本側の意図的リークと真に受けたこと。もう一つは日本が「他国と結託して問題を煽った」と日米外相会談をとらえたこと。クリントンが前原との会談で尖閣諸島を日米安保条約の防衛義務の対象と明言した点だ。まずAFPは昔、担当記者から直接聞いたが、安保反対のデモで死者が出たときに東京支局長が「1人では少ない5人にしろ」と言った通信社だ。真に受ける方が“とろい”。クリントン発言は前から繰り返されてきたもので、びっくりするのは中国外交当局の勉強不足としか言いようがない。
29日の首脳会談見送りから一転して30日に10分の会談で取り繕ったのは、自らの誤判断がさすがに恥ずかしくなったのだろう。温家宝が菅に近づいて握手を求め、中国語の「会合」をした。前回の廊下会談に続き今回は10分間。明らかに国内向けには「会ってやった」を印象付ける会談だが、この10分間に意味がある。対日関係の決定的悪化はまずいとの外交上の判断が背景にあるからだ。中国の“堀の深さ”が意外と浅いことが分かって来た感じである。一方、中国はメディアを使って外相・前原誠司を一点集中攻撃しているが、いま前原を辞任に追い込もうとしても無理だ。クリントンが提唱した日米中3国会談も、恐らく前原・クリントン会談で事前に決まっていたのだろう。菅が記者団に「いま初めて聞いた」と言ったことが怪しさを増幅させ、より一層事前調整の可能性を物語っている。中国政府も日米が中国の言うように「結託」して揺さぶったら、「反政府デモ」に連動して自分自身に致命的にはね返るくらいのことは分かった方がよい。
中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)の会議では、個別援助を頻発して膨張主義への批判を回避できたが、今月中旬に横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)では国家主席・胡錦涛が出席するとされている。胡錦涛が首脳会議に出席となれば、失敗は許されまい。半月しか時間がない中で、ボールは中国側に投げられた感が濃厚だ。おそらく胡錦涛訪日のまえに、温家宝が菅との再会談を余儀なくされるのではないか。期限を切ったぎりぎりのせめぎ合い外交が始まろうとしている。それも中国側の手の内の浅さが見えた中での駆け引きだ。民主党幹事長代理・枝野幸男が31日、「日中関係がこじれているのは中国側に原因がある。関係修復のために日本側が働きかけていくことはない。すべての根源は尖閣諸島に関して中国が領海侵犯して、日本の法律に触れて問題になった」と述べているとおりだ。要するに中国側が交渉可能な国内環境を整えるのを待てばよいのだ。日本は泰然自若としていることだ。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
テロ捜査対象者記載 警察の流出?資料に
警視庁など警察の内部資料とみられる文書がインターネット上に流出した問題で、文書には、国際テロの捜査に絡んだ「協力者」のイスラム教徒の外国人や捜査対象者の名前といった個人情報が含まれていることがわかった。在日外国大使館の関係者の銀行口座の記録や、米連邦捜査局(FBI)からの捜査要請に関する文書もあるとみられ、流出した文書は100点以上にのぼるとされる。
★毎日
性分化疾患乏しい支援 「男か女か自分は何物?」
染色体やホルモンの異常により男女の判定が難しい性分化疾患で、04年からの5年間に小児科などを受診した未成年者が少なくとも3000人いることが日本小児内分泌学会などの実態調査で初めて分かった。性分化疾患は医療者の間でも理解が不十分なため不適切な性別判断などが後を絶たないが、同学会は国内の患者数が決して少なくないことを踏まえ、医療の質向上を進めたい考えだ。
★読売
ベトナムの原発受注で合意…日越首脳会談
【ハノイ=宮井寿光、永田毅】菅首相は31日、ベトナムのグエン・タン・ズン首相とハノイ市内の首相府で会談し、両国関係に関する共同声明に署名した。ベトナム政府が予定している原子力発電所建設計画について、日本を「協力パートナー」とすることで合意し、日本勢の受注が事実上決まった。日本が新興国で原発建設を受注するのは初めて。
★産経
日越首脳会談 原発2基「契約」で合意 レアアース共同開発も
【ハノイ=坂井広志】菅直人首相は31日、ベトナムのグエン・タン・ズン首相とハノイの首相府で会談し、ベトナムが新たに建設する原子力発電所2基の建設を日本が受注することで合意した。また、ハイテク製品の製造に不可欠なレアアース(希土類)のベトナムでの採掘、精製などを含め、共同開発することでも一致。両首脳はこれらに加えて、両国の戦略的パートナーシップを包括的に推進するとした共同声明に署名、発表した。
★日経
環太平洋協定「交渉に参加」
政府のEPA基本方針骨格 農業軸に改革の中期計画策定へ
政府・与党が検討する「経済連携協定(EPAに関する基本方針」案の骨格が判明した。5日の閣議決定を目指す。環太平洋経済連携協定(TPP)について交渉に参加する意向を明示。これと並んで農業を軸に国内改革の中期計画を作る方針を示す。有識者会議も設置し、簡易保険や政府調達など非関税障壁の扱いも含めて調整する。農業関係者らの強い反対をふまえ、改革方針とセットでTPPの交渉参加へと動く。

























