◎菅政権は「埋蔵借金」を「増税」の根拠にするつもりか
◎菅政権は「埋蔵借金」を「増税」の根拠にするつもりか
「スーパー堤防はスーパー無駄」と廃止して、事業仕分け会場には大きな拍手が湧いたが、なぜか空しい。日本版万里の長城のような愚策を劇場型パフォーマンスで大見得を切って処理する話ではない。粛々と予算編成の閣議決定で対応すればよいい問題ではないか。社会資本整備特会も廃止の新聞見出しが躍るが、利権や「埋蔵借金」が国交省から財務省一般会計に移るだけという側面をどうする。「埋蔵金」発掘はせいぜい数百億、特会の累積借入金残高が10年度末に総計315兆円。政権は「埋蔵金」発掘をあきらめ、やぶ蛇のように出て来た「埋蔵借金」を根拠に「増税」を目指すつもりなのか。
そもそも民主党は総選挙のマニフェストで一般会計と特別会計を一体的に見直せば、最終的に17兆円近い財源を生み出せるとしてきた。これが事業仕分けの原点であり名目であったはずだ。しかし過去2回の仕分けで出た財源は、たったの7000億円。今回も蓮舫の見開いたぎょろ目が生み出す財源総額は「数百億円」(財務省幹部)だという。さすがに蓮舫も事前に予防線を張り「期待感はなくしていただきたい」と財源論に論調が集中することをけん制している。
おまけに仕分けでは、あの前厚労相・長妻昭の年金記録対応の特別会計がやり玉に挙がり、予算が削減されるという事態に至っている。自民党政権時代の無駄遣いを洗い出すためのパフォーマンスが、ネタ切れで民主党政権自身のあら探しに移行した。このため出席した政務3役ももっぱら自分の役所の防衛に回るケースが生じている。これが政治主導の実体なのか。蓮舫と同様に首相・菅直人も財源論を否定して「徹底的に中身をオープンにすることだ」といつの間にか論議をすり替え始めた。これでは要するに事業仕分けとは民主党政権の「勉強会」だったと言うことになる。勉強のためにタレント議員を前面に押し出してパフォーマンスを繰り返し、血税を使う。予算の組み替えには役にたたない。何をか言わんやである。
わずか1時間足らずで、組織の存廃などについての結論を出すという手法自体に無理があるのだ。4月に廃止が決まったはずの「国立大学財務経営センター」は、なぜかいまだに存続している。それどころか、文科省は予算要求を70億円増額している。文科相・高橋義明は「堂々と主張する」とマニフェストなど念頭にない。事業仕分けには法改正を伴う問題も多く、いったん“成果”のように国民に印象付けても、ねじれ国会での成立は保証されていない。いつ実現するか分からないのだ。
もともと特会も埋蔵金の多くは既に「発掘済み」なのであり、民主党の指摘した17兆などという数字は、口から出任せであったのだ。それがようやく分かってきたのだろうが、裏で操るのが財務省だ。膨大な「埋蔵借金」が白日の下に照らし出され始めたことにより、増税論議にプラスの作用をもたらすからだ。蓮舫は「誰がどうやって返すのかの論議は堂々とすべきだ」と開き直っているが、堂々とする論議は増税しかない。財務省に利用されていることが分かっていない。筆者は、はじめから事業仕分けのパフォーマンス性を指摘してきたが、特会の仕分けの意味するところはやはり政権の根底にある欺瞞(ぎまん)性、虚飾性の体質だ。弁慶の大見得でなく、地に足の付いた論議こそが財政危機の現在に必要なのだ。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
2管制官有罪確定へ
静岡県焼津市の上空で2001年1月、日本航空(JAL)の旅客機2機が異常接近(ニアミス)し、多数のけが人が出た事故で、最高裁第一小法廷(宮川光治裁判長)は、業務上過失傷害罪に問われた管制官2人の上告を棄却する決定をした。26日付。2人を執行猶予付きの禁固刑とした二審・東京高裁判決が確定する。
★毎日
事業仕分け:「公共事業」特会を廃止 スーパー堤防も
政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は28日、道路や港湾整備などの公共事業を行う「社会資本整備事業特別会計(特会)」や「年金特会」など3特会を対象に事業仕分け第3弾2日目の作業を実施した。国土交通省が所管する社会資本特会は「特会があることで、ずさんな需要予測による無駄な事業を続けてきた」と指摘し、廃止して一般会計化すべきだと判定。200年に1度の大洪水に備える「スーパー堤防事業」も「廃止」を求めた。無駄な事業の温床とされる特会の抜本見直しを迫る内容となった。
★読売
社会資本特会、「廃止」と判定…仕分け2日目
政府の行政刷新会議(議長・菅首相)は28日、東京・東池袋のサンシャインシティ文化会館で、特別会計(特会)を対象とした事業仕分け第3弾(前半日程)2日目の作業を行い、道路、港湾など国の公共事業を扱う社会資本整備事業特会を廃止し、一般会計化すべきだと判定した。
★産経
中国、巡視船36隻追加
中国 最新巡視船を南シナ海に配備 巡視船36隻も追加投入へ
【北京=川越一】中国国営新華社通信などによると、中国政府は28日までに、ベトナムなどと領有権を争っている南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島周辺海域に最新型の巡視船を配備した。今後数年の間に、同海や沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近などの管轄海域に、巡視船36隻を追加投入する計画で、中国は海洋権益の確保にさらに力を注ぐ構えだ。
★日経
東芝・インテル・サムスン、次世代半導体で連合
経産省が支援、微細化・大容量めざす
東芝は米インテル、韓国サムスン電子と次世代半導体の製造技術を共同開発する。半導体材料の世界シェアで過半を握る日本メーカーを加え、国際的な研究組織を設立。2016年までに回路の線幅を現在の最先端品の半分以下の10ナノ(ナノは10億分の1)メートル台にし、大容量化を目指す。経済産業省も資金などで支援し、次世代製品での日本の競争力確保を狙う。
◎献金受領は民主党の“卑しき逆走”だ
◎献金受領は民主党の“卑しき逆走”だ
武士は食わねど高楊枝で企業・団体献金全面禁止路線をとってきたかと思っていたが、民主党はその「自制」の枠を外した。のどから出てくる手を押さえられなくなったのだ。明らかに「政治とカネ」でのクリーン政党を標榜してきた路線を“逆走”している。政党としての卑しさすら感ずる対応だ。これでは自ら批判してきたかっての自民党とそっくりだ。パフォーマンスの事業仕分けよりも「政党仕分け」で自らを仕分けする方が先ではないか。
おそらく幹事長・岡田克也以下民主党幹部には財界人などと会合を持つ度に、“おいしい誘い”が繰り返されてきたに違いない。その誘いとは「献金を自由にできるようにしてくださいよ」である。財界人としてみれば、カネを政治への接近の手段にするのが一番手っ取り早いコネ作りになるからだ。カネも出す代わりに口も出したいに違いない。自民党時代のような「政官業」トライアングルの復活を狙っているのだろう。誘いのたびに岡田らののどから手が出かかったのだろう。そうしてたどり着いたのが、「マニフェストも3年後の禁止と書いてある」という言い訳である。しかし首相が本会議で述べたことが公約でなくて何であろうか。
首相・菅直人は就任したばかりの6月15日の参院本会議で、企業・団体献金について「全面禁止することによって不祥事の再発を防止すべきだ。速やかに与野党の協議機関を設置し、建設的な議論をしてもらいたい」と明言、企業・団体献金の全面禁止を訴え、政治資金規正法改正に向けた与野党協議を促している。その舌の根も乾かぬうちに「あのマニフェストでは、法改正から3年後、そうした企業団体献金を禁止するという形になっていまして。マニフェストに反したということではありません」はないだろう。3歩歩いて前言を翻す前首相の「ビョーキ」が伝染したような対応ではないか。
民主党執行部は国会でもテレビ討論でも「政治とカネ」の不祥事を「企業・団体献金の全面禁止」と常に連動させてきた。しかし事態は改善されたわけではない。小沢一郎の国会招致問題は焦眉の急となっているし、小沢の強制起訴も間近だ。鳩山由起夫の「子ども手当疑惑」も解明されないままほおかむりの状態が続く。民主党はマニフェストに「3年後」の禁止を打ち出し、自粛の形で全面禁止をして、衆院選に圧勝した。その公約の事実譲歩破棄である。財源はいくらでもあるとした財源論と並んでマニフェストは有権者をだますための手段と位置づけていたのかということになる。
さすがに良心に引け目を感ずるのか、外相・前原誠司から「国民からっすれば違う方向を向いていると取られても仕方がない」と批判の声があがったが、党内の「背に腹は代えられぬ」という現実論にかき消されがちだ。全面禁止を声高に訴えた小沢一郎も自分の強制起訴対策で手一杯なのか、声も上げない。みんなの党代表・渡辺喜美が「有言実行どころか言葉が泳いでいる。これが民主党政権の実態だ」と述べているとおりだ。またまた悪徳業者の製品不当表示のようなうそが1つばれたことになる。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
1特会・5事業を「廃止」判定 事業仕分け第3弾
菅政権で初となる「事業仕分け」第3弾の前半戦が27日、東京・池袋で始まった。「無駄の温床」と指摘される7省所管の18特別会計(特会)51勘定が対象。省庁の「財布」といわれる特会に切り込み、税金の使い道や隠れ借金を明らかにする考えだ。
★毎日
教員希望降任223人
校長や教頭、主幹教諭に昇任したにもかかわらず、自ら希望して降任を求めた公立小中高校の教員が09年度に過去最多の223人に上ったことが、文部科学省の調査で分かった。特に中間管理職といわれる主幹教諭の希望降任者は121人と全体の半数超。文科省は「児童生徒とのかかわりが少なくなるうえ、管理職と一般教諭の板挟みになる傾向があるため」と原因を分析している。
★読売
管制ミス、山肌まで520メートル
全日空系機の異常接近、管制官が誤った指示
国土交通省は27日、北海道・旭川空港に着陸するため、大雪山系の山間部を旋回中だった全日空系のエアーニッポン機(ボーイング737―800型機、乗員乗客57人)が26日午後、管制官の誤った指示で地表に約520メートルまで異常接近していたと発表した。
★産経
中国漁船加速し衝突
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、海上保安庁が撮影したビデオには、中国漁船が航行速度を12~13ノットぐらいに上げて海保に衝突した様子が映っていることが27日分かった。
★日経
中国、成長率並み所得増 新5カ年計画
環境税を導入 海洋権益維持に言及
【北京=高橋哲史】中国共産党は27日、2011~15年の第12次5カ年計画の草案を公表した。家計の収入や所得などの増加ペースを国内総生産の伸び率と同じにする目標を盛り込んだ。環境税の導入や海洋権益の維持にも言及した。消費底上げを通じて内需を拡大し、バランスの取れた成長を目指す。ただ、所得増に向けた賃上げや新税の導入は日本企業を含む中国進出企業への負担増につながりかねない。
◎自民は補正を「小沢喚問」の人質にするな
◎自民は補正を「小沢喚問」の人質にするな
自民党が民主党前幹事長・小沢一郎の証人喚問を補正予算審議への人質に取りたくてうずうずしている。民主党が喚問に応じなければ審議入りに応じない構えを取ろうというのだろう。しかし補正成立遅延で影響を受けるのは年末の資金繰りにあえぐ中小企業であり一般国民だ。小沢問題の主戦場が司法の場に移った現在、国会における疑惑の解明はまず政治倫理審査会で対応すべきで、自民党は証人喚問に拘泥すべきではない。喚問と補正をはかりにかければ間違いなく補正の方が重い。
小沢国会招致問題の前哨戦は、民主党が「政倫審招致」のカードを切り、自民党が「証人喚問でなければダメ」と切り返しているところだ。自民党はうその証言を偽証罪にできない政倫審でなく、偽証罪が成立する証人喚問の場に固執する。幹事長・石原伸晃も「小沢氏の証人喚問と補正予算案の審議を絡めて考えていないが、民主党の対応しだいでは、検討が必要になるかもしれない」と正直に人質作戦を漏らしている。しかし自民党が野党になってからの審議拒否はマスコミの袋だたきにあっているのが常だ。
強硬姿勢は衆院補選の勝利を背景にしているのだろうが、2月の長崎知事選勝利後にやはり小沢証人喚問問題で総裁・谷垣禎一が「今をおいてほかにない」と誤判断して、国会審議をストップ。朝日新聞などから「民意をはき違えている」と批判され、撤回している。石原は今回も同じ轍(てつ)を踏みそうな様子だが、状況認識が甘い。第一公明党は代表・山口那津男が「審議入りの条件にするのは少し違う」と腰が引けている。証人喚問は全党一致が原則であり、自民党はたとえ“脅し”であれ、補正審議と絡めるのは無理がある。補正を人質に取って審議を拒否すれば、マスコミの矛先は自民党に向かうことをいまから警告しておく。
現に読売新聞も13日付の社説で「全党一致が原則の証人喚問の実施が当面難しいなら、まず、政倫審の実現を図ってはどうか」と証人喚問にこだわっていない。民主党は野党時代にちょっとした事件でも「証人喚問」を要求し続けたが、ロッキード事件などと違って小沢の場合は「政治資金規正法違反の疑惑」の段階であり、喚問を強行するには無理がある。憲法の3権分立の立場から言ってもおかしい。たちあがれ日本共同代表・与謝野馨が26日「小沢さんは刑事被告人になる予定で、裁判で争うべきことだ。国会に呼びつけて大衆の臨時裁判みたいなことは、憲法から言えばやってはいけない」と述べているとおりだ。
因果応報とはよくいったもので、ロッキード事件と絡んで83年に発足した政倫審は、当時衆院議運委員長だった小沢が動いて設置したものだ。小沢は証人喚問は論外としても、政倫審には「補正予算の審議促進のため」とか格好いい条件をつけて出席せざるを得まい。政倫審がブーメランのように遠く迂回して小沢に戻ってこようとしている。国会も主戦場は検察審査会の議決で強制起訴となる裁判の場に移行すると観念すべきだ。自民党も補選の勝利くらいで舞い上がるべきではあるまい。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
ミルクアレルギー赤ちゃん急増
体に合わないミルクを飲むことで、赤ちゃんが血便や嘔吐などの症状を起こす「新生児・乳児消化管アレルギー」が増加し、少なくとも五〇〇人に一人の割合で、毎年全国で2千人以上が発症している可能性があることが、厚生労働省の調査で分かった。
★毎日
TPP参加割れる民主
菅直人首相が所信表明演説で明言した「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)への参加方針をめぐり、政府・与党内の亀裂が広がっている。
★読売
中国TPP参加に関心 日本「置き去り」懸念
政府が参加を検討している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に、中国も参加に関心を示していることが26日分かった。
★産経
TPPパニック
早くも暗礁? 民主会合で異論噴出 閣僚の足並みも乱れ 11月のアジア太平洋経済協力会議(横浜APEC)の主要議題であり、菅直人首相が強い意欲を示す環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が、与党内の反発で早くも暗礁に乗り上げつつある。TPP参加反対派の多くは先の代表選で小沢一郎元代表を支持した議員だけに舵(かじ)取りを誤れば政争に発展しかねない。「旗振り役」だった大畠章宏経済産業相は一転して弱腰に転じ、首相の指導力が問われる事態となった。
★日経
世界の株式市場、時価総額2年ぶり高水準
危機直前を6兆ドル超す 膨張マネー、新興国へ
世界の株式市場の時価総額が拡大している。主要市場の合計は25日時点で、推計52兆ドル強(約4200兆円)と2年4カ月ぶりの水準に回復、2008年9月の金融危機直前を6兆ドル上回った。米国などの金融緩和観測で膨らんだ投資資金が成長期待の高い新興国株式に流入。一部は景気の先行き懸念が残る欧米など先進国株にも回帰し始めており、マネー主導の増加が鮮明だ。
◎辞めないことにこれほどの批判は珍しい:鳩山引退撤回発言
◎辞めないことにこれほどの批判は珍しい:鳩山引退撤回発言
出処進退のことわざで言えば「気の利いた化け物は引っ込む」はちょっとかわいそうだが、「長居するサギは汁になる」くらいが適当か。3歩歩いて前言を撤回してきた前首相・鳩山由紀夫が、次の総選挙に出ないとする“引退公約”をまたまた撤回した。政界、言論界の反応は、まずあきれ、首相時代の「存在の絶えられない軽さ」を思い起こし、せきを切ったように反発する。一人の政治家の進退の「進」に、国論がこれほど一致した例を知らない。秋だからではないが物の哀れすら感ずる。
鳩山が幹事長・小沢一郎を道連れに退陣したのを、日本の政治のためになると喜んだのは筆者だけではあるまい。とりわけ退陣と同時に「総理大臣たるもの、その影響力を行使しすぎてはいけないと思っている。従って、私は次の総選挙には出馬いたしません」と政界引退を明言したことは、日本人の好きな潔さすら覚えたものである。もっとも「どうせまた変わる」と思ったのも筆者だけではあるまい。野党が一斉に反発したのはもちろんだが、公明党代表の山口那津男の「前首相の立場の人が、進退を翻すことは国民の信頼を損なう。政治活動を続けることが民主党の役に立つどころか、国民の不信を増加させる。その点の自覚が乏しい」あたりが一番気が利いた発言だ。
マスコミも全国紙から、くだらないコメンテーターに至るまで批判一色だ。読売新聞は26日付の編集手帳で「持病のごとき言葉の軽さには慣れたつもりでも、民主党とは言葉をかくもぞんざいに扱う政党なのか――と、世間はほとほとあきれよう」と「持病」にさじを投げ、「オウンゴールで敵(野党)に塩を送るつもりならば、その人の「友愛」精神なるものは筋金入りだろう」と見事に皮肉った。朝日に至っては社説で「前言撤回は残念でならない」と書いた。記事では精神病理学者まで引っ張り出して「恵まれた環境で育ち優柔不断の性格で政治をやって来た」「私情と政治判断を混同していることに気づいていない。この程度で政治家になれるのか」とコメントさせている。これも「ほとんどビョーキ」扱いだ。議員辞職や在職中の死を惜しまれた首相は多いが、引退しないことを社説で「残念」と「惜しまれた」首相経験者は珍しい。
鳩山は「辞めるのやめた」理由について「党の状況が思わしくないから」と述べているが、党の状況を思わしくなくしているのは、ご本人と盟友・小沢一郎であることをとんと忘れている。国内の反発にハノイで25日「国難といえるときに、自分だけ辞めて『はい、さようなら』でいいのか」と反論した。しかし普天間問題といい、「政治とカネ」いい、存在自体が「国難」のお方が言う言葉ではあるまい。 小沢は「御輿は軽くてパーがいい」が口癖だが、小沢の発想はことごとく国を悪くしている。鳩山も小沢もいまからでも遅くはない「辞めるのをやめることをやめる」べきだ。
★辞めるのをやめるが国難とも知らず 杉の子
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
特会21事業、3000億円余剰 予算執行率9割未満
27日から始まる事業仕分け第3弾の対象となる国の特別会計(特会)の48事業のうち半数近くの事業で、予算の執行率が90%未満にとどまっていることが分かった。朝日新聞が各事業の3年間の執行率を調べた。延べ3千億円を超える予算が余った計算になり、事業仕分けでも焦点の一つになりそうだ。
★毎日
日印EPA正式合意
菅直人首相は25日、来日中のインドのシン首相と会談し、日印両国貿易額の約94%の関税を発効後10年間で撤廃する経済連携協定(EPA)締結で正式に合意した。中国が輸出を制限しているレアアース(希土類)のインド国内での開発、再利用の協力促進でも一致。原子力協定締結交渉について、菅首相が「日本人の核軍縮・不拡散に対する思いを理解いただいて、交渉に反映してほしい」と要請したのに対し、シン首相は「インドは核実験モラトリアム(一時停止)を宣言している」と述べるにとどめた。
★読売
正倉院の宝剣1250年ぶり確認
ならの東大寺・大仏殿内で明治児痔に見つかった国法・鎮壇具のうち2本の金銀荘太刀が約1250年前に正倉院から持ち出された宝物の太刀「陽寳劔」「陰寳劔」だとわかり、同寺と元興寺文化財研究所が25日、発表した。
★産経
高齢者負担軽減で現役にしわ寄せ 新・高齢者医療制度
厚生労働省が平成25年度の導入を目指す新しい高齢者医療制度では、75歳以上の負担を抑制する一方で、そのしわ寄せが現役世代にくることになる。 新制度では75歳以上の約8割が国民健康保険(国保)に移行する。だが、同じ国保の中でも75歳以上と74歳以下を切り離して運営するため、放置すれば75歳以上の保険料は膨らみ続けることになる
★日経
「特区」企業に税優遇 医療・環境・農業が対象
来夏にも地域を指定 政府方針
政府が新成長戦略の柱として創設する「総合特区」制度について、企業への税制優遇の具体案が25日、明らかになった。特区内で医療、環境、農業など成長分野の事業に取り組む企業を対象に(1)設備投資額の一部を法人税額から控除(2)研究開発費の控除限度額を拡大――などを実施する。企業の税負担を中韓両国並みに軽減したい考えだ。地区限定で企業活動の自由度を高めることにより国内外の投資を呼び込み、経済の活性化を促す。
◎「逃げ菅」で政権直撃の補選敗北
◎「逃げ菅」で政権直撃の補選敗北
「負ける戦は戦わない」というのが首相・菅直人の「政治信条」のように見える。政権の「信任度」を占う北海道5区の選挙応援に選挙期間中一度も行かず、政党のリーダーとしての立場を放棄したかに見える。首相が「候補者を見捨てる」姿勢では閣僚もやる気を無くし、たるむ。行政刷新担当相・蓮舫に至っては、街頭演説で候補者の名前を間違えるという失態。民主党候補は負けるべくして負けたし、菅は自ら求心力低下を“選択”したのが実態だ。
選挙は少しでもおごりや油断があると勝てない。2月の長崎知事選がいい例だ。おごりにおごった民主党幹部が小沢以下応援したはいいが、利益誘導発言で選挙民を甘く見て敗北。落ち目の首相・鳩山由紀夫に退陣への追い打ちを掛けたが、今回も政権直撃型敗北だ。確かに菅は9月9日に代表選の札幌街頭演説会で候補者・中前茂之を壇上にのせ挨拶させている。まさかそれでいいと思ったわけではあるまい。いやいいと思ったのかも知れない。選挙の勝負は言うまでもなく12日の告示で選挙選に入ってからとなる。候補者側が敬遠した森喜朗は補選の応援に行けなかったが、今回は菅はまだ敬遠されていない。明らかに自分の意思で行かなかったのだ。
原因は何か。菅が尖閣事件のビデオを見ないことと同じではないかと思う。近ごろ菅は「逃げ菅」が高じて「閉じこもり政治症候群」とでも言うべき精神状態に陥っているのではないかと思われるほどだ。国のリーダーとしての役割を果たしていない。中国首相・温家宝との会談では焦点のゼネコン社員の解放を求めていない。何のための会談かという追及を国会で受けている。漁船衝突のビデオは見ていない。国会答弁は菅を名指しされたにもかかわらず官房長官・仙谷由人に任せっきりで、仙谷の迷走を引き起こしている。加えて小沢の国会招致も煮え切らない。そして今度の「負ける選挙には応援に行かない」である。総選挙で華々しく消費増税を打ち出した積極姿勢と様変わりである。
消費税の反発の大きさに、あつものに懲りてなますを吹いているのであろう。この菅の政治姿勢が閣僚に影響を及ぼさないわけがない。蓮舫の“国会ファッションショー”はその際たるものだが、蓮舫は応援演説でも中前を前にして「知名度が上がらないんです。古い政治のウミを洗い出すため助けてください」と言ったまではよかったが、「前原…あぁ、中前さんだ」と間違えたという。知名度は上がらないわけだ。
もちろん敗因は小沢強制起訴に象徴される「政治とカネ」に始まって、「戦後最大の対中外交の敗北」、仙谷の国会審議における暴言、マニフェストの幻影化などで、民主党政権の“政治”そのものが問われた結果だ。とりわけ「政治とカネでは」違法献金事件で団体として有罪判決を受けた北教組が、表立って動くことができず、有権者の反発も強かった。共同通信社が実施した出口調査によると、政治とカネ問題を「投票の判断材料にした」との回答は58.5%に達した。加えて菅の消極姿勢が補選を負けるべくして負けさせ、民主党に国政選挙での連敗をもたらした。民主党は応援に行って負けると批判の出るような政党なのだろうか。
野党はこれで勢いずく。小沢の証人喚問要求で民主党に揺さぶりを掛けて、国会運営の主導権を握ろうとするだろう。しかし度が過ぎて、国民生活に影響の出る補正予算案を人質に取るようなことをすれば、世論の反発を招く。いずれにせよ国会は対決基調で推移する。民主党はますます解散できない状況となり、自民党は早期解散を狙う。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
センター入試、難易度別に2種類 16年導入を検討
大学入試センター試験を難易度別に2種類にする検討を、独立行政法人「大学入試センター」が始める。新しい学習指導要領で学んだ高校3年生(現在の中1)が受験する2016年1月実施が目標になる。えり好みさえしなければ誰でも大学に入れる「全入時代」が迫り、受験生の学力の幅が広がったことなどから、1回1種類のセンター試験で学力をつかむのが難しくなったためだ。
★毎日
衆院北海道5区補選:自民・町村氏が圧勝 民主に逆風
菅改造内閣発足後初の国政選挙となった衆院北海道5区補選は24日投開票され、自民前職の町村信孝氏(66)が民主新人の中前茂之氏(38)=社民、国民新推薦=ら新人4氏を大差で破り、10回目の当選を果たした。続きを読む
.★読売
自民・町村氏が当選、菅政権に打撃当選が確実となり、拳を突き上げ喜び合う町村信孝氏(中央)=三浦邦彦撮影 菅改造内閣発足後、初の国政選挙となった衆院北海道5区補欠選挙は24日投開票され、自民党前衆院議員で元官房長官の町村信孝氏(66)が、民主党新人で元国土交通省職員の中前茂之氏(38)(社民党、国民新党推薦)ら4人を破って10回目の当選を果たした。菅首相率いる民主党は7月の参院選に続く国政選挙での大敗で、今後の政権運営は厳しさを増しそうだ
★産経
衆院補選、民主敗北 自民・町村氏制す
菅改造内閣発足後、初の国政選挙となる衆院北海道5区補欠選挙は24日投票が行われ、自民党前職の元官房長官、町村信孝氏(66)が、民主党新人で社民、国民新両党推薦の元国土交通省職員、中前(なかまえ)茂之氏(38)ら4新人を破り、10回目の当選を確実にした。
★日経
羽田・成田、アジア便自由化
12年度にも政府実施 韓国などと協定改定 格安航空参入に弾み
政府は航空会社が路線や便数を自由に設定できる航空自由化協定で羽田、成田空港を米国に続きアジア各国・地域にも開放する方針を決めた。韓国やマレーシア、シンガポールなどと協定の改定交渉に入り、2012年度にも実施する。格安航空などの参入で航空会社間の競争は激しさを増し、利便性の向上や航空運賃の低下が予想される。
◎検事総長は政治と“癒着”せず即刻辞任せよ
◎検事総長は政治と“癒着”せず即刻辞任せよ
検察史上まれな事件を引き起こしておきながら、前特捜部長と元副部長の2人を起訴して、まさかトカゲのしっぽ切りで済ますつもりではあるまい。組織ぐるみの犯罪である以上、総責任者としての検事総長・大林宏の引責辞任がなければ幕引きできる話ではない。折から官房長官・仙谷由人が進退問題に波及する可能性があることを強く示唆しているが、政治の圧力に屈した形の辞任は検察組織に禍根を残す。検察内部からも「続投」批判の声がある。自ら早期に辞任すべきだ。
大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)・犯人隠避事件がりつ然とさせるのは、戦前、戦中の思想犯に対する特高の対応とそっくりだからだ。証拠があろうとなかろうと「しょっぴいて」拷問して吐かせる。証拠なんぞはいくらでもねつ造する。大阪地裁は「15年は刑務所に入れてやる」「家族も逮捕する」などの脅迫的取り調べを理由に特捜部検事の作成した供述調書12通を証拠採用しなかった。こうした取り調べは氷山の一角だろう。それに押収資料改竄が加われば特高と変わらない。思想事件と酷似している。検察ファッショそのものでもある。
しかし21日の法相・柳田稔の大林に対する厳重注意と異例の指示には「総長の強いリーダーシップを発揮せよ」という文言が入っており、辞任をうかがわせるものではない。大林自身も記者会見で「失われた検察に対する信頼を一刻も早く回復することが、私に課せられた責務であると考えている。検察の在るべき姿を取り戻すべく、全国の検察庁職員とともに全力を尽くしたい」と責任を取る気配はない。むしろ組織改革に意欲を示しており、「続投」での政治と検察の“出来レース”と“癒着”を感じさせる。さすがに仙谷も世論を気にしてか検事総長の進退問題に関し「(検察改革の方向性が出るに)いたってから、あるいはそこに至る過程で、問題が出てくる可能性は十二分にあると思う」と述べた。
これでは問題の先延ばしになる可能性がある。いつ完了するか分からない組織改革までやっていたら、けじめが付かない。民間でもたとえ就任早々であろうと、トップは責任を取るのが仕事だ。検事総長は捜査に一定の区切りがついた現時点で、潔く辞任すべきだ。というのも菅政権は“検察コントロール”の臭いが芬々(ふんぷん)と漂っているからだ。尖閣事件で検察に外交上の責任を押しつける猿芝居に、検察が応ぜざるを得なかったことが物語るものはなにか。紛れもなく押収資料改竄事件で、政治に“弱み”を握られたからに他ならない。外交問題を地方検事が理由に挙げて船長を釈放するという前代未聞の事件は、政治の支配下に検察が置かれたことを物語っている。もし検事総長が釈放を拒否していたら、柳田は総長辞任へと動いていただろう。
検察とりわけ地検の特質は政界汚職事件への切り込みの鋭さにある。今後折に触れて外交ばかりか政治家の不祥事でも圧力がかからないとは限らない。それどころか菅政権では汚職の摘発ができるかどうかという不信感も生じる。検察が常日頃政治との緊張関係を保つことは不可欠であり、そのトップの進退が政治家に追い詰められたような形で決まれば禍根を残す。検察の内部改革など誰でもできる。問題はけじめだ。政治に検察コントロールの材料を与え続けてはならない。民主党内に検事総長の進退を国会取引の材料にする思惑もあるというが、これこそもってのほかだ。事態は検事総長が早期辞任によって身を処すことしかない。それが証拠改竄の重大性をどこまで認識しているかを示す証左となるのだ。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
前特捜部長ら起訴 改ざん隠蔽否認のまま
最高検は21日、元主任検事による証拠改ざんを隠した疑いで逮捕した大阪地検特捜部の前部長・大坪弘道容疑者(57)と元副部長・佐賀元明容疑者(49)を、犯人隠避の罪で大阪地裁に起訴した。2人は「元主任検事からは過失と聞いた」と一貫して容疑を否定している。起訴に先立ち法務省は、同日付で2人を懲戒免職処分とした。検察トップの大林宏・検事総長が記者会見で陳謝するとともに、「失われた国民の信頼を一刻も早く回復することが私の責務」と引責辞任は否定した。
★毎日
証拠改ざん:前特捜部長ら2人起訴 犯人隠避罪で最高検
郵便不正事件に絡む証拠改ざん・隠ぺい事件で、最高検は21日、事件を大阪地検に移送したうえで、前特捜部長の大坪弘道(57)、元副部長の佐賀元明(49)両容疑者を、犯人隠避罪で大阪地裁に起訴した。法務省は同日、2人を懲戒免職処分とした。大坪被告と佐賀被告は起訴内容を全面的に否認しているという。大林宏検事総長は会見で「前代未聞の事態に至り、国民の皆様に深くおわびする」と謝罪した。
★読売
前特捜部長ら起訴
大阪地検特捜部による証拠品改ざん・犯人隠避事件で、最高検は21日、特捜部前部長・大坪弘道(57)、元副部長・佐賀元明(49)の両容疑者を犯人隠避罪で大阪地裁に起訴した。2人は容疑を否認しているという
★産経
特捜部長ら起訴 「方と証拠」回帰へ急務
大阪地検特捜部の押収資料改ざん・犯人隠蔽事件で最高検は21日前部長の大坪弘道容疑者(57)と、元副部長・佐賀元明両容疑者(49)を大阪地裁に起訴した。
★日経
日・ベトナム、レアアース共同開発
両首相が合意へ 住商など対日輸出を計画
菅直人首相とベトナムのズン首相は31日、ハノイで会談し、レアアース(希土類)の共同開発で合意する。日本は官民一体で探査や製錬技術を供与、開発を後押しする。豊田通商と双日が共同で取り組む開発に加え、新規参入する住友商事など企業進出が加速する見通し。レアアースは世界生産量の9割超を中国が占めており、一国依存脱却の足がかりとなる。
◎都知事候補で“舌戦”スタート
◎都知事候補で“舌戦”スタート
恐らく都知事候補に相当困っているのだろう。自民党幹事長で都連会長でもある石原伸晃が「父でもう1回」と言いだした。民主党が行政刷新相・蓮舫(42)を立てた場合、太刀打ちできるのは石原慎太郎しかいないという判断だろう。しかしまだ話題の段階だが、蓮舫が立てば、参院選得票数は171万票。とても4期目、78歳の老人に太刀打ちできる相手ではあるまい。石原伸晃発言を機に来春の都知事選候補をめぐる舌戦がスタートした形だ。
石原伸晃は20日の日本記者クラブの会見で父親について「家族的にはそろそろ辞めてもらいたいと思っているが、都連会長としては最後に困ったらもう一回やってもらいたい」と心中を吐露した。「先日、新党改革の荒井広幸幹事さんが電話してきて『舛添さんは間違いなく都知事選に出る』と言っていた。『この話は言っていいんだね』と荒井さんに聞いて確認してある」とも述べた。しかしこの言い回しはおかしい。何も荒井に「言ってもいいか」と念を押すまでもなく、いまや、落ち目の新党改革代表・舛添要一も宮崎県知事不出馬の東国原英夫も、都知事になりたくてしょうがないというのが永田町の常識だ。荒井のせいにして、二人を芽のうちに摘んでしまい、父親の4選出馬を援護射撃したに違いない。石原伸晃は幹事長代理時代の2008年に、慎太郎の新銀行東京破たん寸前の大失政でも援護射撃しており、父親の意向はよく聞く関係にあるようだ。舛添は怒って否定したが、石原の意図が「つぶし」にあることを感じ取ったから頭に来たのだろう。
一方で20日夜には鳩山兄弟が会合、「いま人気のある蓮舫行政刷新担当相が出馬すれば勝てるのではないか」との認識で一致したという。ずっこけ兄弟とはいえ、いいところを見ている。蓮舫が都知事選に勝てば、来年春には予算関連法案をめぐって、よれよれになっている民主党政権へのカンフル剤になることも確かだ。候補がそろっていない自民党と民社党に候補名が上がったが、まだまだ曲折がある。しかし石原対蓮舫の戦いとなれば、石原に勝ち目はない。また東国原でも舛添でも蓮舫には勝てまい。都庁では最近石原の求心力が落ちて、幹部も長期のプロジェクトは石原に相談しない状態にあるという。本人も揺れているようだ。4選出馬について「無理だね。年寄りをいじめないほうがいいよ」と記者会見で述べたり、「心境は複雑に変化している」と思わせぶりな発言をしたりしている。息子を使ってマスコミの反応をさぐるため、観測気球を上げさせた可能性もある。
永田町では「蓮舫に勝てるのは北野武(63)しかいない」との見方がでているが、これも単なる話題に過ぎない。自民党が引っ張り出せるかどうかだ。4,5年前には民主党最高顧問・渡部恒三が「北野武を民主党代表に担ぐ」と漏らしていたくらいだから、民主党との関係なら悪くない。そのほか経済財政相・海江田万里(61)、副知事の猪瀬直樹(63)、自民党総務会長・小池百合子(58)、前横浜市長・中田宏(46)など名前が挙がるが、まだ海のものとも山のものとも見分けが付きがたい。いずれにせよ、石原発言で都知事選候補をめぐる駆け引きが本格化した。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
レアアース輸入停滞 中国側が契約破棄、他国経由も拒否
ハイブリッド車(HV)や省エネ家電づくりに欠かせないレアアース(希土類)の取引を、中国企業側から一方的に破棄される日本企業が出ていることが20日、分かった。9月下旬以降、レアアースを扱う日本企業30社のうち中国から輸入できたのは2社だけ。民間の試算では、日本は来年、必要量の3割に当たる1万トンのレアアースが不足する見通しだという。経済産業省の調べでは、日本の複数の企業が今月に入り、中国のレアアース供給会社から、輸出契約を破棄すると連絡を受けた。中国側は破棄する理由として、税関での荷物検査が長期化して船積みの見通しが立たないため、日本向けを他国の企業に割り当てたい、と言っているという。
★毎日
自転車レーン:6600キロ可能 主要道8割に設置容易
全国の都市部にある幹線道路3万キロ余のうち、車道の両端に歩道とは別に1.5メートル以上の余裕がある主要道約8100キロの8割強に当たる約6600キロで、自転車専用の通行帯「自転車レーン」を容易に設置できることが、国土交通省の研究者の試算で分かった。続きを読む
.★読売
1等米比率激減64%
2010年産米で最も品質が高い1等米の比率が9月末時点で64・4%と、前年同期に比べ18・6ポイントも下がり、比較可能な1999年以降では最低となった。 農林水産省のまとめで20日、明らかになった。猛暑で生育に悪影響が出たためとみられる。検査を終えたのは全体の約4割だが、最終的には、1979年以降で最悪となった同年と81年の62%を約30年ぶりに更新する恐れが出てきた。
★産経
中国が尖閣「領有権」棚上げを打診 日中首脳会談に向け環境づくり
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に関連して、中国側が尖閣諸島の「領有権」をめぐる問題を棚上げするよう日本側に打診していたことが20日分かった。関係改善に向けて開かれた今月中旬の日中事務レベル協議で持ちかけてきたもの。日中関係筋が明らかにした。日中首脳会談を実現させるための中国側による環境づくりの一つだが、領有権問題を冷却化させた上で、尖閣諸島を中国が実効支配してしまおうというもう一つの思惑があるとみられる。【
★日経
外資誘致へ法人税優遇 政府検討
5年間、10~15%下げ ハイテク・医療の進出促す
政府は日本に新たに進出する外資系企業を対象に法人税を優遇する検討に入った。地方税を含めておよそ40%の実効税率を5年ほどの期限付きで10~15%引き下げる。政府・与党はすでに企業の活性化策として5%引き下げの検討を進めているが、外国企業向けにさらに手厚い優遇措置で日本への進出を促す。近く具体策を盛り込んだ計画をまとめ、来年度からの実現を目指す。
◎著しい無党派層の民主党離れ:補選町村勝利へ
◎著しい無党派層の民主党離れ:補選町村勝利へ
24日投票に迫った衆院北海道5区補欠選挙で自民党の町村信孝が先行、逃げ切る流れとなった。重要ポイントは昨年の総選挙で民主党を圧勝に導いた無党派層が参院選に引き続きうたかたの如く消えた事だ。菅改造内閣発足後初の国政選挙での自民党勝利は、臨時国会での補正予算案審議に影響をもたらし、早期解散・総選挙ムードを促進させるものとみられる。
主要各紙の世論調査によると、朝日が「町村氏がやや先行民主新顔の中前茂之氏が懸命に追っている」、読売「町村氏が先行し、中前氏が追う」、共同「町村氏が優位に戦いを進め、中前が追い上げる展開」とほぼ共通している。注目点は無党派層の動向だ。朝日は「無党派層からも7割の支持を集め、民主支持層の2割取り込んでいる」と分析。読売も「無党派層の町村氏支持も4割強に達している。中前氏は民主支持層の7割を固めたが、無党派層の支持は1割強」としている。
このように無党派層の民主党離れは、民主党に風が吹いていないことを物語っている。新人候補の場合風が吹かない選挙は圧倒的に不利となる。これが総選挙に反映すれば小沢チルドレンはバブルと消える運命にあることを物語る。原因は何かと言えば菅政権挙げての総力戦と位置づけている割りには、大物議員を応援に派遣するだけで、選挙を意識した「政治」が行われていないことにある。
争点となっている「政治とカネ」では、小沢支持グループが再結束の動きを見せてひんしゅくを買っているし、「小沢強制起訴」も打撃だ。官房長官・仙谷由人は国会審議で暴言を繰り返し、決算委員長や予算委員長から異例の注意を受け、参院では問責決議の動きまで出ている。尖閣事件は戦後最大の外交的敗北と位置づけられ、ロシア大統領の北方領土視察の動きを誘発、北方領土に関心の深い北海道の菅内閣の外交への反発を生じさせた。不況の直撃を食らっている地域に「円高無策」の追い打ちがかかる。マニフェストは財源問題で色あせた。要するに民主党政権への信用度が著しく低下した、逆風の中での国政選挙となっているのだ。
ここまで来ると、町村リードはまず動くまい。無党派層の民主党離れは、通常国会で菅政権を解散・総選挙に追い込むことを基本戦略としている自民党を勢いづけるに違いない。原因が民主党政権の構造的欠陥に根ざしているだけに、有権者の評価がいちど冷え切ったらなかなか回復は難しいだろう。菅以下参院のねじれ対策で対野党融和姿勢を打ち出しているが、補選勝利は自民党に自信回復作用をもたらし、融和より対決ムードを強める流れとなるだろう。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
特別会計の塩漬け借金3.8兆円 首相、解明指示へ
政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は、特別会計の借金のうち、農林水産省所管の「国有林野事業特会」など3特会の計3.8兆円について、返済見通しが立たないか、返済計画が超長期にわたる「塩漬け」状態にあるとして、原因を解明し、特会自体の廃止も含めて検討する方針を決めた。27日からの「事業仕分け」第3弾で切り込む。
★毎日
下水道事業:企業債残高31兆円 過剰投資が重荷に
全国の市町村などの下水道事業で発行された企業債(地方債)の残高が、09年度末で旧国鉄の債務に匹敵する約31兆円に達していることが総務省のまとめで分かった。詳細なデータが公表されている08年度分を毎日新聞が集計すると、原則通りに経費を住民の使用料だけで賄えている市町村は1割しかない。バブル経済崩壊後の景気対策として急速に整備を進めたが、今後は計画時の予想より料金収入が伸び悩んだまま人口減社会へ向かうため、自治体財政のアキレスけんとなりそうだ。
★読売
特別会計仕分け、年金記録照合など84項目で
政府の行政刷新会議が27~30日に行う事業仕分け第3弾(前半日程)で、仕分け対象となる特別会計(特会)の内容が19日、明らかになった。 18特会の84項目が対象で、年金記録問題対策の柱であるコンピューター記録と過去の紙台帳記録との照合作業、原子力発電所などを抱える自治体などへの電源立地地域対策交付金などの事業が含まれている。対象項目は、同会議の20日の会合で正式決定する。
★産経
景気足踏み状態
海江田万里経済財政担当相は19日、10月の経済月例報告を関係閣僚会議に提出し、景気の基調判断について「持ち直し」から「足踏み状態になっている」と下向きに修正した。
★日経
中国、0.25%利上げ インフレ懸念で引き締め
2年10カ月ぶり 人民元安批判に対応、G20にらむ
【北京=高橋哲史】中国人民銀行(中央銀行は19日、金融機関の貸し出しと預金の基準金利(期間1年)を20日から0.25%上げると発表した。利上げは2007年12月以来、2年10カ月ぶり。明確な金融引き締めで国内のインフレ懸念に目配りする。
利上げは内外の金利差を広げ、人民元相場に上昇圧力を加える側面もある。利上げに踏み切った背景には、22日から韓国で開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議をにらみ、人民元を割安に抑える政策を批判する米国などに対応する狙いもあるようだ。
◎仙谷「半落ち」で“虚言”の状況証拠そろう
◎仙谷「半落ち」で“虚言”の状況証拠そろう
「尖閣虚言」の中心である官房長官・仙谷由人が「半落ち」となった。あとはカツ丼を差し入れれば「完落ち」となる状況だ。状況証拠はそろった、仙谷の国会答弁を聞いていても平衡の感覚を失っているケースが多い。高転びに転ぶ前に「悪うございました」と船長釈放の判断を一地方検事に押しつけた非を認め、職を辞して四国遍路でもして、バランス感覚を取り戻すといい。
「半落ち」とは仙谷が弁護士仲間で自民党参院議員の丸山和也の「判決後にに船長を釈放すべきだった」という電話に「そんなことしたら、APECが吹っ飛んでしまう。そこまでやっていいというなら別だが、今はその時期ではない」と述べた点だ。明らかに11月に横浜で開催するAPEC(アジア太平洋経済協力会議)への影響を恐れており、これは那覇地検の検事が判断出来る問題ではない。紛れもない政治主導による事実上の指揮権発動があったことを物語る。
丸山の電話は船長を釈放した直後の9月24日だが、状況証拠は23日から24日にかけて山積している。23日にはニューヨークで首相・菅直人が「イラ菅化」し、処理を「もっと早くできないか」と急かした。これが伝わると外務省が官邸と急きょ協議、担当課長を那覇地検に派遣した。24日は法相・柳田稔が仙石と会談、1時間後に地検が釈放を発表した。柳田はその直後に「 法相としての指揮権は発動していない」とのコメントを発表した。まだ誰も「指揮権発動だ」と批判していない段階である。恐らく仙谷の入れ知恵だろう。加えて丸山への仙谷発言だ。一連の動きが何よりも政治介入を物語る。
仙谷は「友人関係で話したことを国会で質問するなら甚だ不本意。友人でも電話に出てはならないと肝に銘じた」と記者会見で述べているが、これも語るに落ちた。「友人関係だから話した」のであり、事実と認めているのだ。だいたい丸山はテレビタレント出身であり、しゃべるのが商売だ。気を許す方が政府高官としての危機管理のなさを暴露している。国会答弁では丸山への電話について「最近健忘症にかかっているか分からないが、暴露されたような会話をした記憶は全くない」と逃げている。仙谷の予算委員会などでの“しゃしゃり出”の姿勢は、菅への野党の攻撃を盾になって防ぐ“菅防長官”とやゆされているが、今度は“健忘長官”の異名がついた。
国会答弁も居丈高で、どこか“たが”が外れたような異様さを感じさせる。かつて辣腕弁護士といわれて法廷闘争に自信があるのか、法律用語を屈しして質問者を追い詰める。強弁も度を過ごして、自民党・山本一太の質問に「新聞報道を基に質問すべきでないというのが野党時代の先輩の教えだった。新聞報道で質問すべきでない」と噛み付いたが、すぐに自分も野党時代に新聞をもとに質問していたことがばれた。天下り禁止策を批判した官僚を「彼の将来が傷つき残念だ」と露骨に脅した。18日の参院決算委では決算委員長・鶴保庸介から「国会を冒涜(ぼうとく)する答弁だ。当該政府参考人に圧力を加えるのではないかとの指摘がある」と異例の注意がなされた。鶴保は「国務大臣としての品位を汚すことなく、真摯(しんし)かつ適切な答弁に務めることを強く望みたい」とも念を押した。
要するに国会という政治家の論議の場を、法廷闘争の場とみたてて、弁護士が“菅被告”を守るような三百代言的答弁を繰り返しているわけだ。野党は自民党の鶴保が異例の注意をしたことが物語るように、仙谷を絶好の標的として攻撃対象としていくだろう。臨時国会でこの体たらくでは通常国会で“仙谷答弁”が風前の灯にさらされることは間違いない。「イラ菅」を上回る「イラ仙」が政権のアキレスけんとなった感じだ。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
習近平氏、胡主席後継へ
党軍事委副主席に
【北京=峯村健司、吉岡桂子】北京で開かれていた中国共産党の第17期中央委員会第5回全体会議(5中全会)は18日、習近平(シー・チンピン)国家副主席(57)を軍の最高指導機関、中央軍事委員会の副主席に選出することを決めた。軍の人事を握る要職に就いたことで胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席(67)の後継者となることが内定した。会議はまた、来年から5年間の中国経済の指針となる「第12次5カ年計画」の基本方針を決めた。
★毎日
中国:「ポスト胡」習氏確実 高い実務能力
【北京・成沢健一】18日に閉幕した中国共産党の第17期中央委員会第5回総会(5中全会)で党中央軍事委員会副主席に任命され、胡錦濤国家主席(67)=軍事委主席=の後継者となることが事実上内定した習近平国家副主席(57)。07年の第17回党大会で抜てきされた後、外交経験や実績を積み上げてきたが、今後はさらに、13億の民を率いる「ポスト胡」のための環境づくりが進むとみられる。
★読売
習近平氏、党中央軍事委副主席に…胡後継が確定
【北京=大木聖馬】中国国営新華社通信によると、北京で15日から開かれていた中国共産党の第17期中央委員会第5回総会(5中総会)は18日、習近平・国家副主席(党政治局常務委員)(57)を党中央軍事委員会副主席に選出し、閉会した。 これまでの共産党、国家の重要ポストに加え、軍指導者としての職務も与えられた習氏は、中国最高指導者が持つ三つの権力を握ることになり、2012年の第18回党大会で引退する胡錦濤総書記(国家主席)の後継者として総書記に選ばれることが、事実上確定した。
★産経
「ポスト胡」に習近平氏
18日閉幕した中国共産党中央委員会総会(5中総会)で、習近平政治局常務委員(国家副主席)が中央軍事委副主席に選ばれ、2年後の第18回党大会で交代する胡錦濤総書記の後継者としての地位を固めた。第17回党大会で、ポスト胡錦濤を含みに、2階級特進で習氏を常務委入りさせた江沢民前総書記ら上海閥の影響力を示した形だが、これを機に権力闘争が激化するとの見方も少なくない。
★日経
習氏、次期最高指導者に
中国、軍事委副主席に就任 党総書記に12年秋選出へ
【北京=佐藤賢】中国共産党の第17期中央委員会第5回全体会議(5中全会)は18日、4日間の日程を終え、党中央軍事委員会の副主席に習近平国家副主席(57)を充てる人事を決めて閉幕した。習氏が軍権掌握に向けて布石を打ったことを意味し、胡錦濤国家主席(67)の後継者として次期最高指導者の地位に就くことが事実上確定した。
◎これでは自民党政権の方がましだ
◎これでは自民党政権の方がましだ
戦後初の本格的政権交代があって1年余り。そろそろ比較政権論が重要な課題となってきた。筆者は自民党政権時代の方がましではなかったかと思い始めている。そのポイントは3つある。1つは民主党政権の虚言体質。2つは外務官僚不在の素人外交。3つは小沢一郎を支持した民主党衆参議員200人の度し難い「政治とカネ」看過の姿勢。この禁じ手3点セットが白昼堂々と横行しており、現状のままなら7対3の割合で自民党に軍配を上げたい。
民主党に点数3を与えたのは、人材面の豊富さだ。中堅層は能力的にも数の上でも圧倒的に自民党を上回る。論客としては一流の自民党幹事長・石原伸晃も2世議員のひ弱さを垣間見せる。一方民主党には2世、3世が極めて少ない。代表質問に立った岸信介の孫で自民党参院議員の岸信夫に対して、首相・菅直人が「私の言う奇兵隊内閣は、代代の総理の子供とか孫だけで構成するのでなく、一般庶民の代表からなっている。そのことだけをもってしても、奇兵隊内閣の言葉は生き生きと生きる」とたんかを切ったが、これは正しい。泥酔財務相が象徴した自民党は土台が腐り、大黒柱はシロアリに食われ放題。断末魔に「売り家と唐様で書いて」つぶれるべくしてつぶれたのだ。民主党の政治家は夏でもネクタイをきりりと締めている者が多く、フレッシュさを感じる中堅若手が目立っている。自民党はクールビズとやらでネクタイを締めなくなって、胸元のだらしなさが外観から内面に浸透してつぶれたのだ。菅政権は閣僚も粒がそろっている。
それではそれほどの民主党政権がなぜダメ政権なのかだ。まず戦後初めて国民にうそをつく「虚言政権」が登場したことである。マニフェストの財源は、政権を取ればいくらでも出ると称して、ばらまき政治を旗印に総選挙に臨んだ。ナイーブな国民は自民党よりましと投票したが、結果的にだまされた。さすがに菅はマニフェストを修正し始めたが、代表選では200人の小沢支持者が同様のうそをつきまくった。尖閣事件のポイントも事実上の指揮権発動をしたにもかかわらず、菅も官房長官・仙谷由人も幹事長・岡田克也も虚言を繰り返してうそを“定着”させようとしている。虚言自体が重大な国民への背信行為だが、問題は尖閣事件の場合、菅と仙谷が、自ら作ったシナリオが、すぐにばれると予感できなかった政治判断力の虚弱さにある。少なくとも自民党政権であったら、「これではだませない」と選択のオプションに入らなかったであろう。有能な自民党指導者なら釈放を余儀なくされる場合には、あえて指揮権を発動したかも知れない。指揮権発動は汚職事件で発動することを目的にしてはいない。
次に「政治主導」にこだわるあまり、官僚の助言を得られないことが重要欠陥だ。とりわけ外務官僚無視の政治主導外交で、致命傷とも言えるダメージを2回食らっている。1つは普天間をめぐる鳩山由紀夫の妄言を職業外交官が見て見ぬ振り、聞いて聞かぬ振りをし続け、結局退陣に至ったことだ。自民党政権ならいまごろ普天間移転が実現へと動いていただろう。鳩山の「海外・県外移転」を「殿ご乱心」といさめる官僚は皆無だった。もう一つは尖閣事件だ。自民党政権下で起きたら現場で逮捕しても直ちに釈放した可能性が高い。なぜ小泉政権下で中国の活動家7人をすぐ釈放したかと言えば、官僚の進言があったからだ。職業外交官は少なくとも「こうすればこうなる」の海図を描くことができる。自民党政権では発生した尖閣事件にすぐに官僚が対応して数種類の海図を描き、事務次官が官邸に行って「これが得策」と選択を進言する。菅政権では政治主導で指示待ちを義務づけられた官僚にその気力も勇気もない。逆に外相・前原誠司は人事権をぎらつかせるし、仙谷にいたっては、15日の参院予算委員会で、菅内閣の天下り対策に批判的な答弁をした経済産業省官房付・古賀茂明に対し「彼の将来が傷つき残念だ」とやくざまがいのどう喝発言をして、審議が一時紛糾したほどだ。これは政権が官僚を押さえきれず、霞が関に憤まんが充満して、政治家対官僚の暗闘が省庁によっては抜き差しならぬところまで来ていることを物語っている。
さきの民主党代表選では200人の衆参議員が、検察審査会から強制起訴を受ける可能性のあった小沢に投票、地方議員や党員・サポーター票の正常なる流れと逆行した。これが物語るものは何か。「政治とカネ」の問題への感覚マヒの一言に尽きる。国会議員たる者小沢の手下でも何でもないはずだ。選挙によって国民から選び出された選良であることを忘れている。政党の近代化など口にする資格はない。
この3つの重大かつ治癒困難な欠陥を抱えたままであるのなら、比較政権論は自民党に軍配を上げざるを得まい。自民党もシロアリに食われ、腐った部分を切り捨てて出直せば、まだ使える。次の解散・総選挙は菅の言うように任期いっぱいの衆参同日選挙などということはあり得ない。予算関連法案をめぐる攻防が山を迎える来年の3月危機は十分あり得るし、乗り越えても以後解散・総選挙は赤信号だ。いつあってもおかしくない。菅政権がこのまま虚言を治さず、外務官僚不在外交を続け、「政治とカネ」への甘さを捨てない限り、再度の政権交代は必至であろう。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
新米の等級低水準、猛暑響き農家苦境
今夏の猛暑の影響とみられる新米の品質低下が、全国の主な産地の大半で起きていることが朝日新聞社の調べでわかった。今年は、昨年からのコメ余りの影響でもともと価格は下がり気味。さらに、農家への戸別所得補償制度が始まったことで、補償分を見込んだ業者らからの値下げ圧力も強まっている。この「トリプルパンチ」で、農家からの売値が各地で下落。自治体やJAは、独自に救済策を打ち始めた。
★毎日
世界変えるシェールガス 眠れる宝革新技術で採掘
シェールガスと呼ばれるエネルギー革命がいま世界で起き始めている。発端は世界最大のガス消費国・米国の技術革新だ。
★読売
官民で水ビジネスファンド、海外企業買収
経済産業省が、野村ホールディングスや国際協力銀行(JBIC)、オーストラリアの投資ファンドなどに働きかけて、水ビジネスに集中投資する「水ファンド」を来年にも設立する方向で調整に入ったことが17日、明らかになった。水事業に特化した投資ファンドは世界初とみられ、資金規模は最大1000億円を想定している。円高の追い風も生かして豊富な資金を使い、日本企業と共同で海外の水事業会社の買収などを進める考えで、欧州の“水メジャー”に対抗する。
★産経
【長寿社会の虚実】第3部 悲しみのない死(上)放置される肉親の死 「ぬか漬け容器」の中に「遺骨」
ぬか漬け容器の中には、遺骨が入っていた。プラスチック製の容器を包んでいた白い風呂敷をほどくと、はがき大のノートを引きちぎった書き置きがあった。
★日経
日立、先端電池でバッテリー世界最大手と提携
車用、幅広く供給 規模追求、送電網向けも
日立製作所は自動車バッテリー世界最大手の米ジョンソン・コントロールズ(JCI)と、リチウムイオン電池など先端電池事業で提携する。車載用リチウムイオン電池の新工場を共同建設するほか、研究開発や顧客開拓を一体で進める。日立は特定の自動車メーカーではなく、世界の有力自動車メーカーと取引のあるJCIとの連携により、まず車載用で規模のメリットを追求。コスト競争力を強化し、先端電池分野全般での主導権獲得を目指す。
◎小沢の往生際の悪さは並大抵ではない:起訴議決無効の提訴
◎小沢の往生際の悪さは並大抵ではない:起訴議決無効の提訴
検察審査会の強制起訴議決は無効だとして、小沢一郎が国を相手に行政訴訟を起こすというが、あきれてものが言えぬ。強制起訴を可能にした検察審査会法の改正には2004年に自ら賛成しているのであり、自分の利害が絡むと異を唱えて長期持久戦に持ち込もうとする。民主主義の否定であり、自分への批判を許さないファシズムに直結する行動だ。往生際の悪さは並大抵ではない。
無効訴訟の論拠は、強制起訴は検察審の2回の議決で行われるにもかかわらず、事実上1回の議決で行った。重大な欠陥があり検察審法の違反だというものである。つまり1回目の議決は虚偽記載のみなのに、2回目に「小沢からの借入金4億円」を付け加えたから、1回しか議決していないというのだ。与党議員が国を相手に訴訟を起こすという前代未聞のケースに官房長官・仙谷由人もさすがに「刑事司法過程の処分は、行政訴訟法の処分に該当しないというのが一般論だ。刑事裁判の中で争うしかない」と疑問を呈した。
民主党内、とりわけ小沢グループには検察審制度そのものを否定する空気が濃厚にあり、第五審査会が4月に1回目の起訴議決をした直後に「司法のあり方を検証・提言する議員連盟」を発足させて、圧力をかけ始めている。弁護士で、議連事務局長の衆院議員・辻恵が、「不起訴となった人物を国民の感情で被告席に簡単につけていいのか」と批判している。小沢の提訴は明らかにこの流れを背景にしたものだろう。
小沢の思惑は冒頭述べたように問題の長期持久戦化にある。まず提訴により、議決の無効確認か取り消し、差し止めを狙う。1審の入り口で弁護士による起訴手続きををできにくくし、裁判の遅延を図る。裁判に入っても有罪なら控訴、上告で引き延ばして10年裁判に持ち込む。そのうちに自分の寿命も尽きるくらいに思っているかも知れない。事実田中角栄はロッキード事件上告審中の1993年に、死亡により公訴棄却(審理の打ち切り)となっている。どこまで恩師を真似るのかと言いたいくらいだ。
小沢のやり口は権力者の司法に対する横暴としかいいようがない。秘書が逮捕されれば検察を批判し、自らが不起訴になれば逆に検察を賞賛して、あらゆる政治活動の根拠に位置づける。今度は民主党も含めて賛成した検察審法による起訴に真っ向からなりふり構わぬ圧力をかける。検察審は「素人集団」と決めつける。発想が権力主義一色であり、全体主義にも通ずる。検察の決定を素人がひっくり返すのはおかしいというのが一貫した論拠だ。
しかし、検察審は裁判員制度と同様に、専門家による誤判断を補う目的で導入されたものだ。主権者である国民が良識と市民感覚に照らして、専門家の判断を是正するという民主主義の根幹の思想を背景にしている。事実、土地購入代金4億円があるにもかかわらず、銀行に利子を払って借りるという、誰が見ても偽装工作としか思えない問題が、再提起されているのであり、検察審の判断は正常の一語に尽きる。その政治家自らが賛成して作った制度を、自分の利益のために否定する。これでは遠山金四郎ではないが「御政道は成り立つめえ」。検察審の決定に瑕疵(かし)があるなら、もう一度議決をすれば済むだけだ。あきれ果てた延命策でなく、裁判に自信があるなら堂々と裁判闘争を展開して、早期決着をつければ良いではないか。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
東大医科研でワクチン被験者出血、他の試験病院に伝えず
東京大学医科学研究所(東京都港区)が開発したがんペプチドワクチンの臨床試験をめぐり、医科研付属病院で2008年、被験者に起きた消化管出血が「重篤な有害事象」と院内で報告されたのに、医科研が同種のペプチドを提供する他の病院に知らせていなかったことがわかった。医科研病院は消化管出血の恐れのある患者を被験者から外したが、他施設の被験者は知らされていなかった。
★毎日
心折れてもおかしくなかった
チリ落盤:「希望」訴えつつも救出の困難さ自覚 生還者
【コピアポ國枝すみれ】チリ北部コピアポ郊外のサンホセ鉱山落盤事故の救出作業は、作業員33人全員の生還に続き14日午前0時半(日本時間14日午後0時半)、地下に下りた救助隊員6人の引き上げも完了した。
★読売
チリの精鋭6人、「臨機応変」作戦で迅速救出
【コピアポ=浜砂雅一】チリ北部コピアポ近郊のサンホセ鉱山落盤事故で、地下坑内に入り作業員33人を救出したのは、選抜された6人の救助隊だった。
救出作業には世界一の銅生産国チリが蓄積する鉱山事故対処の経験が結集され、救助隊は海軍の衛生兵、鉱山専門家、警察の特殊部隊員らで構成した。海軍兵は潜水艦事故や敵の包囲網など、危機的状況からの兵士の生還を支援してきた心的外傷後ストレス障害(PTSD)の専門家だった。
★産経
尖閣危機(上)
A国の離島周辺にC国が領海侵犯した。
★日経
新型油田・ガス田で量産 伊藤忠・丸紅も米豪で
豊富な埋蔵量 資源の中東依存を軽減
世界各地にあり埋蔵量も豊富な新型の油田、ガス田の開発、量産計画が相次いでいる。伊藤忠商事は米国で地中の岩盤層から原油を取り出す事業に参画。約4億ドル(約320億円)を投じる。丸紅もオーストラリアで石炭層にあるガスを採掘、液化天然ガスに加工する事業を始める。中東などへの依存軽減を狙い、三菱商事など商社大手、石油メジャーも開発を加速。調達先の多様化でエネルギーの安定供給につながりそうだ。
◎「柳腰」に見る“仙石誤用外交”の危険度
◎「柳腰」に見る“仙谷誤用外交”の危険度
江戸川柳に「仲の町こきまぜるのは柳腰」がある。素性法師(そせいほうし)の「見わたせば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりける」をいささか下卑た形で本歌取りしたものだ。その花の吉原には柳腰を象徴して見返り柳が植えられていた。川柳には「もてた奴ばかり見返る柳なり」とある。柳腰(リュウヨウ)とは中国が語源で「しなやかな腰つきの美人のたとえ」(大漢語林)。どうみても官房長官・仙谷由人の「柳腰外交」発言の「言いくるめ」には無理がある。お得意の六法全書的な解釈を情緒表現に当てはめても国際的な物笑いの種になるだけだ。
事の発端は12日の予算委員会で、自民党幹事長・石原伸晃に「弱腰」と挑発された仙谷が「弱腰とは思っていない柳腰というしたたかで強い腰の入れ方もある」と反論したのだ。石原は即座に「柳腰外交とは国益を損ね、検察に押しつける節操のなき卑怯なやり方だ」と決めつけたが、発言は13日まで尾を引いた。自民党の鴨下一郎が同委で「柳腰外交という言葉は訂正した方がいい。中国の語源には、柳腰という言葉は、どちらかというと、女性がしなをつくるというような趣旨だ。外交の中で、中国に対するメッセージが、柳腰外交だとすれば、これは日本の名誉のため訂正しておいた方がいい」とたしなめたのだ。もっともである。中国にしなをつくっているのが“仙石外交”ならば別だが、改めた方がよい。仙谷は意味を取り違えている。使うなら「二枚腰外交」とか「粘り腰外交」であろう。「柳に雪折れなし」を混同しているのかも知れない。しかし弁護士は職業柄いったん言いだした言葉を容易に変えない。三百代言の詭弁(きべん)をろうして、恥の上塗りを繰り返している。中国政府はこれを聞いて冷笑しているに違いない。
記者会見で「言葉遣いが間違い」と指摘されると仙谷は「私は女性ほど強いものないと思っている」と見当外れの言い逃れ。事の本質は、言葉の誤用にあるのであり、女性の強弱とは関係ない。論旨のすり替えだ。あらぬ方向にも話を持ってゆき「1905年のポーツマス条約について、日比谷公園が焼き討ちされた。そのぐらい、大騒動に発展したわけです」と付け加えたが、世論調査でも明白になっている国民の「弱腰外交」批判を、日比谷公園焼き討ち事件にまで結びつけるのは無理がある。国民感情を逆なでするものだ。
産経新聞が「衆院予算委員会が仙谷由人官房長官の『独演会』となりつつある。質問者が菅直人首相に答弁を求めても割って入り、声を荒らげたり、けむに巻いたり、逆に質問したり…。『陰の首相』との“異名”では不満なのか、政権の「顔」として振る舞う異様な姿に、衆院第1委員室は虚脱感だけが漂った」と名調子で描写しているが、筆者も予算委を見ていてその通りだと思う。とりわけ法律用語を駆使して、白を黒と言いくるめる傾向があるが、これは政治家の対応としては3流クラスだ。
この「しゃしゃり出る仙谷」は、先の原稿で指摘したように深刻なあつれきを日本外交に生じさせている。一連の対中交渉の過程で仙谷は独自ルートの外交を展開。外務省当局は蚊帳の外に置かれた。「外務省は中国とのパイプが働いていない」と漏らす仙谷は、民間人を通じて前幹事長代理・細野豪志の極秘訪中につなげた。しかしアレンジした菅と中国首相・温家宝との会談は、政治的妥協が先行して、尖閣の領土問題化をかえって際立たせるという失策であった。首相・菅直人は仙谷の担ぐ御輿に全体重をかけて乗っており、危ない外交が続く。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
地上の妻と抱き合った チリ落盤鉱山、進む救助作業
【コピアポ(チリ北部)=堀内隆】チリ北部の鉱山事故で地下に閉じこめられた作業員を救出する作業は、13日午後3時半(日本時間14日午前3時半)ごろまでに、33人のうち19人を地上に引き上げるところまで進んだ。
★毎日
チリ落盤:神の手を握った 鉱山作業員、17人目も救出
【コピアポ國枝すみれ】チリ鉱山落盤事故で地下700メートルに閉じ込められた33人の救出作戦は13日昼過ぎ(日本時間14日未明)も継続され、17人目の作業員が救出された。
★読売
命のカプセル着々 チリ鉱山落盤、22人目救助
チリ北部コピアポ近郊のサンホセ鉱山の落盤事故で地下に閉じこめられた作業員33人の救出作業は13日午後(日本時間14日午前)も順調に進み、米CNNによると、日本時間14日午前5時過ぎ、22人目の作業員が救出された。 救出作業がこのまま順調に続けば、33人全員の救出は14日午前(同14日午後)にも完了する見通しという。
★産経
チリ作業員69日ぶり生還
【サンホセ鉱山(チリ北部)=松尾理也】チリ北部にあるサンホセ鉱山の落盤事故で、地下に閉じ込められている作業員33人の救出作業が12日深夜(日本時間13日午前)始まり、13日午後(同14日未明)までに、唯一のボリビア人や最年長者を含む16人が救出された。
★日経
若年層収入、女性が上回る
製造業不振、介護など伸びる 09年、産業構造変化映す
単身世帯を対象にした総務省の2009年の調査によると、30歳未満の女性の可処分所得は月21万8100円と男性を2600円上回り、初めて逆転した。男性比率の高い製造業で雇用や賃金に調整圧力がかかる一方、女性が多く働く医療・介護などの分野は就業機会も給与水準も上向きという産業構造の変化が背景にある。諸外国に比べ大きいとされてきた日本の男女の賃金格差も転換点を迎えつつある。
◎小沢が“フェードアウト”する理由
◎小沢が“フェードアウト”する理由
小沢一郎の国会招致をめぐって、民主党内の賛否が割れているが、議論が高まるほど首相・菅直人と幹事長・岡田克也にとってはプラスの作用だろう。当面国会招致を“人質”として小沢封じができているからだ。検察審査会の起訴決定以来の政治状況は、中長期的には小沢の求心力低下、支持グループの溶解につながってゆく気配が濃厚だ。
検察審の議決で小沢が側近らをまえに涙を流したことをとらえて、最高顧問・渡部恒三がテレビで「小沢君とは44年間付き合ったが、自分のことで涙を流したことのない男が泣いた。政治家は人様のことで泣くのはいいが、自分のことで泣いたら終わりだ」と述べている。確かに古今東西を問わず政治家の涙は“失格”と受け取られやすい。米国でも古くは72年の大統領選民主党予備選でエドマンド・マスキーが、夫人を中傷されて涙を見せて敗北。「男は泣いたら終わり」と言われたものだがが、政治家は女も同様。ヒラリー・クリントンも予備選で涙を見せて、敗北感を漂わせてしまった。
その「泣きの小沢」について米政治学者・ジェラルド・カーティスも「政治家としての生命が終わった感じだ」と分析している。それではロングレンジで見た場合小沢の求心力はどうなるかだが、映像が徐々に小さくなる“フェードアウト”の傾向をたどるものとみられる。今後の展開は、臨時国会では少なくとも政治倫理審査会での呼び出しは行われるだろう。民主党が決められなければ、野党は参院において出席議員の過半数の多数で出席を強制できる。菅も岡田も結局政倫審には応じるしかあるまい。小沢は党内を刺激して偽証罪を伴う証人喚問を避ける必要があり、目立った行動は取りにくい。年内には弁護士による正式起訴が行われ、来年夏までには公判が開かれる。公判となれば、一審は必ず本人が出席しなければならず、事実上裁判闘争にかかりっきりとなる。要するに泥に足を取られて身動きがままならぬ状態となるのだ。
起訴されれば小沢は刑事被告人であり、政治活動は制約される。統一地方選挙や総選挙の応援もしにくいだろう。バブルのごとき小沢チルドレンも落選者続出となるだろう。かって田中角栄が闇将軍として逮捕・離党後も実力を発揮できたのは、中選挙区制が作った強固な派閥を背景にしていたからである。人望もあった。しかし小沢の場合小選挙区は「政治とカネ」など不祥事の影響をもろに受ける傾向があり、力ずくで党内を押さえてきたが故に真の人望もない。既に小沢グループ内は前国対委員長・樽床伸二がグループを作り、前総務相・原口一博も微妙な動きを見せている。とても「田中軍団」の様相はない。
そもそもマスコミの作り上げた虚像が小沢問題の実態であり、小沢はそれを“活用”して代表選で200票を獲得したが、これが最初で最後の代表選だろう。もはや200票は溶解過程に入りつつあると見るのが正しいだろう。役職もないまま政権を操縦することなど、とてもできないということだ。また得意の政界再編の裏技も、刑事被告人とあっては、仕掛けられた政党がたじろぐ。再編には錦の御旗が不可欠だが、「政治とカネ」を錦の御旗にはできない。現在68歳。どうみてもフェードアウトが流れだろう。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
元主任検事、改ざんデータ保管「前副部長も知っていた」
大阪地検特捜部の元主任検事・前田恒彦被告(43)=証拠隠滅罪で起訴=が、改ざん前と後のフロッピーディスク(FD)のデータをUSBメモリーに移して保管していたことが最高検の調べで分かった。最高検はこのUSBメモリーを押収。前田元検事は「前副部長も保管データの存在を知っていた」との趣旨の供述をしていることから、意図的な改ざんを前副部長が認識していた可能性を示す重要な証拠とみて調べている。
★毎日
京都議定書延長容認へ
【ブリュッセル福島良典】13年以降の地球温暖化対策の枠組み(ポスト京都議定書)について、欧州連合(EU、加盟27カ国)が、先進国にのみ温室効果ガス排出量の削減義務を課した「京都議定書」の延長を条件付きで容認する見通しとなった。先進国と途上国の対立で京都議定書に代わる「新議定書」のめどが立たないまま京都議定書が12年末に期限切れを迎え、削減義務のない空白期間が生じる恐れがあるためだ。
★読売
成田空港、格安航空会社専用ターミナル建設へ
成田国際空港会社は12日、低料金で利用できる格安航空会社(LCC)専用の旅客ターミナルビルを新たに建設し、既存のターミナルビルも拡張する方針を固めた。
2014年度に年間発着枠が現行の約4割増の30万回に増えるのに伴うものだ。国内線の路線網も充実させ、国際線との乗り継ぎを便利にすることで、アジアのハブ(拠点)空港としての機能を強化する。
★産経
イラン6位に転落
日本の原油輸入相手先の国別順位で、8月に前年より3割以上急減したイランが前月の3位からこの数年で最低の6位に転落したことが12日、分かった。核開発問題で国際社会からの制裁が強化され、国家財政が困窮する中、高値を提示してきたことが原因とみられる。日本は同国のアザデガン油田の開発からも撤退する方針を固めており、確認埋蔵量世界2位のイランとの親密な関係が失われる可能性が高まっている。
★日経
エルピーダとシャープ、次世代メモリー共同開発
省電力、処理速く 13年めど実用化
エルピーダメモリとシャープは新型の半導体メモリーを共同開発する。新しいメモリーは携帯情報端末などに使うNAND型フラッシュメモリーを情報処理の速さや消費電力の少なさで上回る。2013年をめどに実用化し、端末の使い勝手を大幅に向上させる狙い。次世代メモリーは東芝や韓国サムスン電子なども開発している。今回新たに日本の大手電機が量産を視野に手を組むことで開発競争が本格化する
◎尖閣ダメージで菅外交の構造的欠陥浮上
◎尖閣ダメージで菅外交の構造的欠陥浮上
官民各種交流再開のめどが付き始め、日中関係は総じて関係正常化の道に戻りつつあるようにみえる。しかし尖閣事件を総括すれば、その残した傷跡は日本側にとって、計り知れないほど深く、民主党政権で治癒可能か疑問符が付く。中国側にもダメージはあるが日本のダメージと比較すれば7対3で中国側の方が小さいと感じる。とりわけ看過しがたい問題は首相・菅直人の外交の欺瞞体質が明らかになったことと、日中首脳会談で尖閣問題の主張を両論併記にしてしまい、事実上「領土問題」の存在を認めてしまったことだ。外務官僚無視の菅外交の構造的・致命的欠陥の浮上である。
尖閣事件で政権批判が薄れるにしたがって「大人の対応論」が幅を利かせ始めた。「船長釈放は大人の対応だった」(最高顧問・渡部恒三)というのである。しかし事件発生以来の“歴史”を歪曲してはいけない。レアアースの輸出制限、民間人拘束など次々に繰り出す中国側の対抗措置に慌てふためいたのは、首相・菅直人、官房長官・仙谷由人の官邸首脳そのものであった。ニューヨークでイラ菅ぶりが頂点に達し、それが伝わるやいなや拘留期限を残したまま釈放である。完全に中国ペースに乗って、大人の対応どころか「外交小学生」の稚拙な対応であった。それも自らの政治判断を一地方の検事の判断に押しつけるという欺瞞体質の露呈である。
その後仙石主導による日中首脳会談実現は、「右の頬を打たれたら、左の頬を出せ」の趣だった。日本は被害者であり、何も焦って首脳会談を「して頂く」立場ではない。廊下で菅が温家宝を追いすがる形で実現させるほど、卑屈にならなければならなかったことではない。会談内容もいかにも政治家による根回し臭がふんぷんとしている。その証拠が両論併記型の手打ちだ。菅が「我が国固有の領土で領土問題は存在しない」と主張。温家宝が「中国固有の領土」と主張して、併記の形しまったのだ。過去にも同類の例がないわけではないが、今回の場合は事件発生に伴う最悪の状況下であり、両論併記は中国側の「尖閣領土問題化」の思惑に、ずぶずぶとはまってしまったことになるのだ。中国はこの会談で明らかに尖閣問題での地歩を一歩どころか数歩も占めたことになる。まさに国会対策のような妥協であり、外務省専門家の意見が反映されたとはとても思えない。
「中国異質論」も芽生えた。幹事長・岡田克也は「中国が世界に政治体制の違うことを示してしまった。中国側にダメージだ」と述べている。確かにレアアース輸出規制や邦人拘束などの対抗措置が共産党一党独裁国家のイメージを強めて、世界的に警戒感が生じてはいる。それが中国の軟化の一因になったことは間違いない。しかし異質だからと言って高度成長を続ける中国に投資を控える先進国はない。日本が躊躇すれば、その間隙(かんげき)を欧米が埋めるだけだろう。したたかな中国首脳が「中国異質論」など鼻先でせせら笑っている姿が目に浮かぶ。
日本側のアドバンテージとして、米国務長官・クリントンが「尖閣列島には日米安保条約第5条が適用される」と述べたことに快哉(かいさい)を叫ぶ声が生じた。戦後最大の外交的敗北の中でせめてもの慰めと受け止めたい気持ちは分かるが、その後の米側の説明を冷静に分析すれば領有権には踏み込んでいない。領有権が変われば安保条約は適用されないのであり、あくまで日本が実効支配を続けることが前提となる。
中国の平和運動家・劉暁波にノーベル平和賞が授与されたときも、この異質論を際立たせる絶好のチャンスであったが、菅の対応にはあきれ果てた。「ノーベル賞委員会がそう評価し、メッセージを込めて賞を出した。しっかりと受け止めたい」と述べたのだ。しっかり受け止めるべきなのは中国側ではないか。何で日本の首相が「受け止め」なければならないのか。このとんちんかんさはまるで鳩山由紀夫と変わらない。オバマが平和賞授与決定を歓迎する声明を出し、「劉氏は信念のために自由を犠牲にしてきた」と称賛、中国政府に対し、同氏の早期釈放を求めたのとは好対照であった。主張すべき時には主張する。これが対中外交の要諦だ。
こう見てくると、重要局面で「政治主導」がたたってか、職業外交官の意見が全く反映されていないことが鮮明となってくる。これは現在の日本外交の構造的かつ致命的欠陥であると思う。外務官僚は「政治主導」を良いことに不作為の作為に走り、政治家は官僚の進言を無視する。日中防衛相会談の設定が中国側に伝わっていなかった問題も、「指示待ち」の不作為の作為の好例だ。新外相・前原誠司は少しはこのポイントを理解しているかと期待していたが、日本外国特派員協会で「言うことを聞かない役人は、人事も含めた毅然(きぜん)とした対応をとる」と述べたという。この粗暴さでは溝は埋まらない。外務官僚は萎縮して、自ら行動に出ようとしないだろう。このままでは当分日本外交は「民主党素人外交」が幅を利かせ、普天間、尖閣に続く第3の陥穽に落ちるだろう。繰り返し予言しておく。
◎民主「補正と小沢切り離し」で野党分断
◎民主「補正と小沢切り離し」で野党分断
首相・菅直人の憶面もない公明党への秋波に、公明党も物欲しげになびいて、2010年度補正予算案成立のめどが付きそうである。菅は事実上、野党分断に成功しつつある状況である。それにもかかわらず自民党は、小沢一郎の証人喚問に賛成しなければ補正審議に応じないなどという現実にそぐわない戦法を採ろうとしている。もう小沢問題の主戦場は裁判の場に移ったことを認識せず、またまた方向音痴執行部を露呈している。
検察審議会の起訴議決にもかかわらず、小沢は離党も辞職もしない意向を表明して、菅と幹事長・岡田克也に耳目が集中した。ところがこのむなしさすら感ずる小沢の開き直りに対して、尖閣でも「逃げの直人」に徹してきた菅は、「対応は幹事長が検討」と三十六計逃げるにしかずだ。みんなの党代表の渡辺喜美が「菅さんは自分の本で『首相は党首だ。自党の議員が疑惑を持たれたら党首として何らかの措置を執るべきだ』と書いているではないか」と歯ぎしりしても、カエルの面に何とやらくらいにしか感じていまい。自民党幹事長・石原伸晃が「有言実行なんて、ちゃんちゃらおかしい」と毒づいても馬耳東風にみえる。岡田は岡田で小沢問題先送りの姿勢だ。国会招致をやるにしてもせいぜい参考人招致か政治倫理審査会への出席だろう。
こうした政権首脳の姿勢には、景気対策と小沢問題をはかりにかければ、公明党は補正に傾くと言う読みがある。一刻も早い景気対策が必要なときに、小沢問題などに関わり合っているときかという同党の本音を読み取っているのだ。公明党は小沢証人喚問に賛成しているが、これは民主党の反対で実現しないと踏んで付き合っているにすぎないのだろう。もちろん将来の政権復帰を意識している。だから菅が7日の本会議で「公明党の経済対策は政府案と軌を一にしている。提案を参考にしつつ経済対策を取りまとめる」と露骨に擦り寄って見せたり、先に創価学会の美術館を訪れたりしたのだ。マスコミも8日付の朝日新聞の社説のように「野党も小沢氏喚問を国会の駆け引きの道具にしてはいけない。政治とカネの問題は必要があれば、法案審議と切り離して、別の舞台で徹底的に議論すればいい」と、政権に追い風となる論調を掲げるようになっている。こうした「小沢、補正切り離し論」は、国会が小沢問題で混乱すれば必ずマスコミの論調の主流となるだろう。テレビのコメンテーターが得々と受け売りする姿が、今から目に浮かぶ。
野党は社民党が補正予算に賛成する方向となり、補正は民主党、国民新党、社民党に加えて公明党が賛成に回り、このままでは野党は確実に分断される流れとなってきた。繰り返すが小沢問題は検察審の議決により、司法の場に主戦場を移したのだ。自民党幹部のように「証人喚問に応じなければ補正の審議に応じない」などと言って、メディアの気を引こうとしても無理がある。自民党は証人喚問での審議拒否などとてもできる状況ではあるまい。むしろ賛否はともかく補正の審議促進には応じて、その審議の過程で「逃げの直人」「卑怯な民主」「政治とカネに自浄能力のない民主」の姿を鮮明に浮き上がらすのが正しい。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
日航、機長ら370人に退職迫る 50歳超・病欠多い人
経営破綻(はたん)して再建中の日本航空が、約370人のパイロットを対象に、退職を事実上強要する措置を今月から始めたことがわかった。50歳以上や病気欠勤が多い人が中心だ。「白紙」の月間乗務スケジュールを渡して個別に呼び出し、乗務から外すことを通告した上で自主的な退職を迫っている。
★毎日
陸山会事件:小沢氏「離党、辞職せず」 検察審に不快感
検察審査会の議決で強制起訴されることについて記者団に話す民主党の小沢一郎元幹事長=衆院第2議員会館で2010年10月7日、長谷川直亮撮影 民主党の小沢一郎元代表は7日、東京第5検察審査会の議決で強制起訴されることを受けた離党や議員辞職について「そのような意思は持っていない」と否定した。証人喚問や衆院政治倫理審査会(政倫審)での説明については「国会の決定に従う」としつつも「司法の場で事実関係を明らかにしたい」と消極的な姿勢を示した。衆院議員会館で記者団に語った。
★読売
小沢氏処分、民主執行部が先送りへ…強制起訴
民主党の小沢一郎元代表は7日、自らの資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件をめぐって東京第5検察審査会の議決によって強制起訴されることについて、裁判で無罪を主張する考えを表明した。
★産経
板橋資産家殺人 日中強盗団犯行か 仲間関与示唆の上申書
東京都板橋区で昨年5月、不動産賃貸業、瀬田英一さん=当時(74)=夫婦が自宅で殺害、放火された事件で、警視庁板橋署捜査本部が日中混成強盗団の犯行とみて捜査していることが7日、捜査関係者への取材で分かった。強盗団メンバーの男が仲間の関与を示唆する上申書を提出しており、捜査本部は全容解明に向け、別の強盗事件などで逮捕している指示役や実行役とみられるメンバー十数人について調べを進める。
★日経
通貨安競争回避探る G7会議、国際協調議論へ
人民元、切り上げ圧力高まる
日米欧は週末に米ワシントンで開く7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、各国が自国通貨を安値に誘導する「通貨安競争」を避けるための国際協調を模索する。焦点が当たっているのは為替市場介入で人民元を低位安定させている中国などアジア諸国。米欧との共同歩調を迫られる日本も、介入などを通じた円高阻止には動きにくくなる。
◎女性議員の図星の指摘にイラ菅爆発
◎女性議員の図星の指摘にイラ菅爆発
当選2回の女性議員の挑発にまともに乗った首相・菅直人が、本会議答弁で「イラ菅」を爆発させた。「私も野党時代厳しい言葉を使ったが、これほど汚い言葉を使わなかった」と切り返したが、菅はかっての首相・小泉純一郎に「やるやるといって何一つやらない。これではやるやる詐欺だ」とこき下ろすなど、口の悪いのは抜群。同工異曲ではないか。録画して聞いていたが稲田朋美は「汚い」と言われるほどの言葉は使っていない。むしろ極めて核心を突いた「図星の指摘」であった。相変わらず迫力不足でかったるい総裁・谷垣禎一の質問が眠気を呼んでいただけに、稲田の質問は自民党の代表質問にしては近来まれに見る勢いがあった。本会議場も沸きに沸いた。若手女性登用の自民党新機軸が図に当たった感じだ。稲田の図星の発言を聞けば、国会審議の問題点がすべて分かる。
★「菅首相は政治主導の能力を持っていない。政治主導の自殺行為だ」。たしかに本会議答弁の菅はひたすら安全運転の姿勢が目立った。小沢一郎の証人喚問には「本人が対応することが望ましい」と、代表選の公開討論で主張した小沢国会招致を一転させた。検事総長・大林宏の証人喚問は「国会において検討されるべき問題」とこれも国会に委ね、民主党代表としてのリーダーシップ発揮を放棄した。ビデオ公開については「捜査当局が適切に判断」で検察任せ。政治主導と言うよりまるで“逃げ菅”の「官僚主導」に徹していた。まさに「政治主導の自殺」で正しい形容だ。
★「検察に責任を押しつけた卑怯者内閣」。「卑怯者内閣」は政調会長石破茂も使っており、いまや野党や民放テレビの常套句である。菅は検察に判断を委ねたことを「検察当局が事件の性質などを総合的に考慮したうえで国内法に基づき、粛々と判断した。検察当局の判断は適切だったと認識している」と繰り返し発言した。憶面もなく、しかも開き直って虚言の上塗りを重ねており、「卑怯」と呼ばれるにふさわしい態度ではないか。
★「中国はぶれていないが、正しいにもかかわらず中国に屈し、ぶれたのは日本政府だ」。これも「戦後最大の外交的敗北」と烙印(らくいん)が押された船長釈放を、紛れもなく菅自身が政治判断したとみられるだけに当然の指摘だ。菅は何かの一つ覚えのように、検察による判断とその正統性を繰り返し、野党の失笑を買った。
★「フジタの社員解放について温家宝首相に抗議も要求もしないで、25分間何をしていたのか」。これも日中首脳接触の最大のなぞだ。どうも菅の側に会ってもらえるだけで有り難いという卑屈さを感じた。老巧な中国がそれを逆に利用した用意周到の接触だったのではないか。
★「間抜けぶりを挽回(ばんかい)するために官僚の書いた原稿を読まずに答弁せよ」。菅の答弁はひたすら守りに徹して、事なかれ主義を貫いていた。重要課題では事前に用意した書類から目を離さず、原稿棒読みであった。よほど悔しかったとみえ菅は「それなら原稿読まずに質問せよ」と切り返したが、この発言で本会議はまるで子供の喧嘩の様相となった。谷垣が「何か言われれば言い返さざるを得ない。総理大臣にまだなりきっていない」と形容したが、まさにその通りだ。この短慮さが今後「高転びに転ぶ」危険を内包している。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
ノーベル化学賞、根岸英一氏・鈴木章氏ら3人に2010年10月6日 スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、今年のノーベル化学賞を、根岸英一・米パデュー大特別教授(75)、鈴木章・北海道大名誉教授(80)、リチャード・ヘック・米デラウェア大名誉教授(79)に贈ると発表した。3人は金属のパラジウムを触媒として、炭素同士を効率よくつなげる画期的な合成法を編み出し、プラスチックや医薬品といった様々な有機化合物の製造を可能にした。
日本のノーベル賞受賞は17、18人目となる。化学賞は6、7人目。
★毎日
ノーベル化学賞:鈴木章氏と根岸英一氏ら3人が受賞
ノーベル化学賞の受賞が決まった根岸英一・米パデュー大学教授=同大のホームページから スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、10年のノーベル化学賞を、有機化合物の革新的な合成法を開発した鈴木章・北海道大名誉教授(80)、根岸英一・米パデュー大特別教授(75)、リチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授(79)の3氏に授与すると発表した。従来は不可能と考えられていた、2種類の有機化合物を、金属のパラジウムを仲介役(触媒)に使って結合させる「クロスカップリング」と呼ばれる化学反応をそれぞれ独自に発見し、医薬品製造やエレクトロニクス分野で、さまざまな新しい物質の合成を可能にした功績が評価された。
★読売
ノーベル化学、根岸米大教授と鈴木北大名誉教授
根岸英一さん(2010年6月)=岡山大提供 スウェーデン王立科学アカデミーは6日、2010年のノーベル化学賞を、米デラウェア大のリチャード・ヘック名誉教授(79)、米パデュー大の根岸英一・特別教授(75)、北海道大の鈴木章・名誉教授(80)の3人に贈ると発表した
★産経
ノーベル化学賞に鈴木名誉教授と根岸氏
スウェーデン王立科学アカデミーは6日、2010年のノーベル化学賞を、北海道大名誉教授の鈴木章氏(80)と米パデュー大の根岸英一氏(75)ら3人に授与すると発表した。
★日経
ノーベル賞日本人2氏
【パリ=古谷茂久】スウェーデン王立科学アカデミーは6日、2010年のノーベル化学賞を根岸英一・米パデュー大学特別教授(75)と鈴木章・北海道大学名誉教授(80)ら3氏に授与すると発表した。
◎菅は「小沢国会招致」の政権公約を守れ
↑葉っぱを魚と間違えた
◎菅は「小沢国会招致」の政権公約を守れ
「これは権力闘争ですから」というごますり議員に、小沢一郎は「そうだな」と涙を流したと言うが、本当はうれし涙ではないか。というのも東京第5検察審査会の起訴議決に民主党首脳は首相・菅直人以下腰が引けて、ただ一人真正面から批判した国会対策委員長代理・牧野聖修に至っては5日、辞任に追い込まれた。言論の自由まで封じるとは民主主義政党かと言いたくなる。異常事態であることに政権は気づいていない。おまけに見当外れの検察審査会批判まで横行している。
小沢擁護派が小沢を守る発言をするのは当然だ。国民感情との落差は、代表選挙での小沢支持票が200票に達したことからも十分立証されており、次の選挙での落選を覚悟したものであろう。問題は菅以下閣僚や執行部に、自浄能力を感じさせる発言がないことだ。とりわけひどいのは菅が口をつぐんでいることだ。先の代表選挙における9月2日の公開討論では小沢の国会招致を明言、紛れもない政権公約になっているしていることをとんと忘れている。一時は「幹事長辞任がけじめ」と述べてきた菅は、同討論会で「今回、改めて代表選に小沢さんが立候補したので、より国民の皆さんが納得できる形での説明はされなければならない。そういう国民の皆さんのいわば常識というものが国会においてもきちっと受け入れられなければならないだろうと思っています」と発言したのだ。新聞も政党も忘れているが、明らかに国会招致に応ずる姿勢を鮮明にしている。「有言実行内閣」を掲げる以上、国会招致の実行は避けられない。
外相・前原誠司に至っては、俗語を使えば「ずるい」対応だ。先に第1審査会が不起訴不当の議決をした際には「自ら政治倫理審査会に出て説明しても構わないことだ」と国会招致を公言していたにもかかわらず、今回は「本人が決めること」一転弱腰になった。しかしこうした首相や閣僚の公式発言は、いわば臨時国会で野党が言質として使えるものであり、国会審議では答弁によっては変節が問われるだろう。それに比べると牧野は6日朝もテレビで「小沢さんは愛党精神がない。あれば自ら身を引くだろう。それが小沢さんの限界だ」といささかもぶれていない。
加えてひどいのは検察審議会批判。レベルの低いコメンテーターが「無罪があり得るのにおかしい」と、とんちんかんな批判するのはともかくとして、民主党幹部からの批判は容認しがたいものがある。川内博史は「取調べの全面可視化を実現する議員連盟」で「あるマスコミ関係者が、『今回の審査会の議決は検察審査会の暴走だ』と言っていた」とマスコミの名を借りて審査会を批判した。
しかし審査会の議決内容を見ると、その基本認識は「政治家の場合疑わしきは司法の場へ」とする新たな論拠が見られる。とりわけ小沢が土地購入資金4億円があるにもかかわらず、銀行から借り入れた問題は誰が見ても隠ぺい工作ではないかと思いたくなる。検察が120%の確証がなければ起訴しないところを100%の確証で起訴するのは、高度の政治倫理を要求される政治家の場合許されて当然ではないか。とりわけ政治家が秘書に責任を転嫁することを現行政治資金規正法では、十分な対応ができない。秘書への監督責任を強化する方向で法改正の動きがあるが、法改正されるまでは検察審がその間隙を埋める対応をする役割を担ってもよい。検察審査会法が第1条で「公訴権の実行に関し民意を反映させてその適正を図る」としている趣旨に全く合致している。
野党は小沢の証人喚問要求に踏み切ったが、今の菅の立ち位置から見れば民主党はこれに応じまい。全会一致が原則だから実現は困難とみられる。しかし菅と外相がかって参考人招致などに前向きな姿勢を示していることに加え、小沢も代表選で「何のやましいことはないから国会で説明する」と公言しており、少なくとも参考人招致か政治倫理審査会への出席は実現しなければ国会全体の浄化能力が問われる。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
日銀、ゼロ金利復活 量的緩和政策を導入へ
日本銀行は5日の金融政策決定会合で追加の金融緩和を決めた。政策金利の誘導目標を従来の「年0.1%前後」から「0~0.1%」へ引き下げ、2006年7月以来4年3カ月ぶりに事実上の「ゼロ金利政策」に復帰した。さらに、新たに5兆円規模で株価や不動産価格に連動する投資信託などを買い取り、従来の資金供給と合わせて計35兆円規模の基金をつくる。政策金利の引き下げ余地がほぼなくなったため、今後はこの基金の増額などで金融緩和を進める「量的緩和政策」に踏み込む見通しだ。
★毎日
ゼロ金利復活:物価上昇1%程度まで継続
日銀が実質ゼロ金利政策を復活させる追加金融緩和策を決め、記者会見する白川方明総裁=日銀で2010年10月5日午後4時8分、佐々木順一撮影 日銀は5日の金融政策決定会合で、政策金利(無担保コール翌日物)の誘導目標を現行の「年0.1%前後」から「年0~0.1%程度」に引き下げ、4年3カ月ぶりに実質ゼロ金利政策を復活させた。消費者物価指数の上昇率が前年比1%程度になるまで継続することも表明した。
★読売
日銀、実質的ゼロ金利…デフレ脱却まで継続
日本銀行は5日の金融政策決定会合で、実質的なゼロ金利政策を復活させた上、基金を新設して長期国債などの買い入れ額を増やす「包括緩和」に踏み切ることを決めた。
海外経済の減速懸念や円高進行などにより、日銀が考えていた回復シナリオよりも、現実の回復力は弱いことが明らかになってきたためだ。異例の措置をとることで、政府と協調しデフレ脱却を目指す姿勢を明確にした。
★産経
日中首脳会談尖閣は平行線 自画自賛の“茶番会談”
「私が帰ったら首相公邸で、今後のあり方について話をしよう」
日本時間の5日午前6時すぎ。菅直人首相はブリュッセルから日本に向かう政府専用機の中から前原誠司外相にわざわざ電話をかけた。一度は断念したアジア欧州会議(ASEM)で日中関係の改善に向けた糸口をつかみたかっただけに、日中首脳会談の実現にこぎつけたことがよほどうれしかったようだ。
★日経
日銀、4年ぶりゼロ金利 デフレ脱却へ量的緩和
日銀は5日開いた金融政策決定会合で、政策金利を現在の年0.1%から「0~0.1%」に引き下げ、ゼロ金利を容認する追加金融緩和を決めた。ゼロ金利は2006年7月以来で、1%程度の物価上昇が見通せるまでゼロ金利を継続する。国債や社債など5兆円規模の資産の買い取りも決定。今後は金利だけでなく、資産の買い取り量などを政策の目安にし、デフレ脱却に向け市場に潤沢に資金を供給する量的緩和に踏み出す。
◎民主党は“小沢危機”の様相
◎民主党は“小沢危機”の様相
小沢一郎強制起訴への民主党政権の対応を見ていると、小沢の政治生命の危機だけでなく自らの政権の危機であるという意識がまるでない。焦点は小沢を抱えて政権を維持し、統一地方選挙や解散・総選挙を乗り切れるかという一点に尽きる。小沢の自発的辞任や野党とマスコミの批判の盛り上がりを待っているのだろうか。そうであれば民主党自体がマスコミと野党の攻勢をまともに受けるだけだ。ここは「小沢切り」に動くべき時なのに、動きは極めて鈍い。
東京第5検察審議会もやるものである。9月14日の代表選当日の起訴議決である。なぜかについて百家争鳴の議論があるが、筆者の解釈は簡単だ。代表選で小沢が選出して首相になった場合の“圧力回避”である。小沢は代表選最中に検察審を「素人」よばわりし、制度そのものに疑問を呈してきたが、検察審は小沢が首相になった場合の審議への影響を考えたのだ。「素人」にしては素早く、かつ適切な判断だった。
政権の反応の鈍さを象徴するものは官房長官・仙谷由人の「有罪判決までは推定無罪」発言に尽きる。政治倫理、政治道徳などとんと念頭になく、法律用語を便宜上もてあそんでいる。幹事長・岡田克也も含めて及び腰なのである。政権幹部は強制起訴が及ぼす問題の大きさを推定する能力に欠けているようだ。まず小沢を離党勧告や除名処分をしないまま抱えていれば、刑事被告人を擁護する民主党の姿が浮き彫りになる。法廷手続きは起訴までに長くて3か月、初公判までには場合によっては1年近くかかることも予想される。兵庫県明石市の歩道橋事故は、今年1月に検察審の起訴議決があったものの、初公判の期日はいまだに決まっていない。公判が始まれば一審は本人の出廷が不可欠であり、毎回マスコミが報じて忘れられるということがない。
政権が「小沢切り」をしない限り“おんぶお化け”のように小沢に起因する「政治とカネ」論議が続くのだ。やがて国民は民主党に自浄能力なしと判断して、政党支持率は低下の一途をたどる。これに内閣支持率も連動する。小沢は単独自発的離党を即座に否定しているようだが、それでは集団離党で新党結成があり得るかだ。それも小沢戦略にはないだろう。集団離党すれば、菅民主党は公明党や自民党との連立に直ちに動くだろう。小選挙区制の下で政治とカネに汚染されたイメージの「小沢新党」が生き抜ける道はない。
しかし政権幹部が「小沢切り」に尻込みしていても、野党の攻勢は避けられない。証人喚問になるかどうかは別として、少なくとも小沢の国会招致では一致するだろう。自民党は議員辞職勧告決議案の国会提出を検討しており、提出されれば民主党議員は“踏み絵”を迫られることになる。決議を契機に民主党が割れる危険があるのだ。
かって田中角栄がロッキード事件で起訴されたとき、田中は「今後は体力の3分の1を裁判、3分の1を政治、3分の1を人生に費やす」と漏らしていたが、この話を小沢も知っているだろう。田中の真似をして「闇将軍」を狙いたいのだろうが、政治家のスケールが違っており、もうこれ以上政界汚濁の印象を振りまくのはやめた方がいい。離党どころか議員辞職を決断すべき時だ。
◎月に1度の俳句自慢
9月は7句入選した。
「笠智衆ばかり集いて新茶汲む」が東京俳壇小澤實選の月間賞となった。
【8月の入選句】
74東京俳壇小澤實選月間賞
笠智衆ばかり集いひて新茶汲む
75産経俳壇寺井谷子選2席
空蝉を付ければ泣いて取ればなく
76産経俳壇寺井谷子選
風景の歪む玻璃戸や夏館
77東京俳壇鍵和田秞子選
老といふ鵺をあやして濁り酒
78月刊俳句四季中戸川朝人選
仲秋の貌の大きな魚食べる
79産経俳壇寺井谷子選
李香蘭掛ければ笑まふ生身魂
80NHK俳壇三村純也選
熱測る夜濯の手の湿りたる
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
小沢氏、強制起訴へ 検察審査会2度目は「起訴議決」
小沢一郎・元民主党代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、東京第五検察審査会は4日、小沢氏を2004、05年分の政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で強制的に起訴すべきだとする「起訴議決」を公表した。議決日は9月14日。裁判所が指定した弁護士が検察官の代わりに起訴する。市民の判断によって、政治家が強制起訴される初めてのケースとなる。
★毎日
陸山会事件:小沢氏、強制起訴へ 民主執行部、自発的離党期待 「政治とカネ」重荷に
民主党の小沢一郎元代表が強制起訴されることが4日確定し、今後は小沢氏の離党問題が焦点となる。9月の党代表選で菅直人首相を支持した反小沢系議員には小沢氏の求心力低下を期待する声もあるが、離党勧告などの厳しい対応に踏み切れば、小沢グループの離反で政権が不安定化しかねない。臨時国会で野党が小沢氏の証人喚問要求などで攻勢を強めるのは必至で、民主党政権は再び「政治とカネ」問題で大きな重荷を背負った。
★読売
小沢氏強制起訴へ、年内の可能性も
小沢一郎・元民主党代表(68)の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、東京第5検察審査会は4日、小沢氏を起訴すべきだとする「起訴議決」をしたと公表した。 小沢氏は、東京地裁が指定する弁護士により、政治資金規正法違反(不記載、虚偽記入)で強制起訴される。議決は、小沢氏の事件への関与を認めた元秘書らの供述は信用できるとし、小沢氏の供述については「不自然、不合理」と批判。「不起訴とした検察の判断は納得しがたい」と指摘した。
★産経
小沢氏強制起訴へ 検審「起訴すべき」
民主党の小沢一郎元幹事長(68)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、東京第5検察審査会は4日、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で告発され、嫌疑不十分で不起訴処分となった平成16、17年分の虚偽記載容疑について、「起訴すべき」(起訴議決)と判断した。
★日経
小沢氏、強制起訴へ
規正法違反で検察審が2度目議決
民主党の小沢一郎元幹事長(68)の資金管理団体「陸山会」による土地購入を巡る事件で、東京第5検察審査会は4日、東京地検特捜部が2度にわたり不起訴処分とした2004~05年分の政治資金規正法違反容疑について、小沢氏を「起訴すべきだ」とする2回目の議決を公表した
◎外務省高官は不作為の作為に陥るな
◎外務省高官は不作為の作為に陥るな
どうも民主党政権になってから高級官僚はするべき事を知りながらしない“不作為の作為”に陥っているように見えてならない。今回の船長釈放という戦後最大の外交的敗北を招いたのも、首相・菅直人とともに外務省高官の無為無策を追及されてしかるべきではないか。外務省首脳は政権交代後、いわゆる政治主導に気圧されてか、プロフェッショナリズムの発揮を避け続けているとしか思えない。これでは普天間問題、尖閣事件に次ぐ第3の外交上の陥穽(かんせい)にはまるのは必然のように思える。
「民主党政権になってから日本の外務官僚の動きが鈍くなった」というのは米国務省共通の認識だといわれる。従来独自の判断でやってきたことが、政治家の指示を待ってからという手間と暇をかけるようになったのだという。筆者がかねてから「サボタージュか」と指摘してきたことが、国際的な評判になりつつある。確かに大局では日米関係の悪化の放置、個々の外交課題では鳩山政権の普天間をめぐる迷走の放置。そして今回の尖閣事件の放置である。
放置どころか、これほどの外交上の重大事件であるから、「我が省の課題である。検察などは手を出すな」と囲い込むのが本来の外務省であったのだろうが、こともあろうに田舎検事に幹部を派遣して検察の釈放判断に手を貸すという奇妙きてれつな対応をしている。外務省首脳は民主党政権になって“自粛症候群”とでも言うべき精神状態に陥ってしまったのではないか。昔の気骨があった先輩外交官が聞いたら嘆き悲しむ対応ではないだろうか。民主党政権の政治主導は、既に菅が財務省に迎合し始めて事実上の破たんを来しているのだ。外務官僚だけが不必要に政治家に恐怖心を抱き続けているだけではないか。国益よりも保身があるとしか思えない対応だ。
元外務審議官の田中均が民放テレビで「単純に政治主導と言うが、その中身はどうなのだろうか。官僚の知見、経験を使わないで政治だけで物事を決めてゆくのは外交の世界ではあり得ないことだと理解してもらいたい」と述べている。政治家の外務官僚無視を憤っている発言だが、これも受け身の発想ではないか。まず外務省首脳が姿勢を改めるべきだ。知見、経験は強い意志と信念を背景にしなければ発揮できない。恐らく普天間問題でも外務省高官は職業的な勘でことの成り行きを予知していたに違いない。今回の菅と官房長官・仙谷由人による方向音痴の政治主導も、戦後最大の外交的敗北になると予測していたに違いない。往年の気骨のある外交官なら身を挺してでも菅と仙石を説得していたであろう。菅も菅だ。「次官会議を廃止した」と、いまだに得々として国会答弁しているが、タコが自分の足を食らっていることが分かっていない。一昔前の首相は外交課題があるときは外務次官を連日執務室に呼び、意見を聞いていたものだ。第3の外交上の大失政をする前に、外務省高官との付き合い方を改めよ。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
高速3社からの天下り125人
2005年に旧日本道路公団を民営化して設立された東日本、中日本、西日本の高速道路3社が、退職者125人を子会社・関連会社の役員に「天下り」させていることが、朝日新聞の調べでわかった。天下りへの厳しい批判で05年度の旧公団出身のファミリー企業役員はいったん107人まで減ったが、民営化後、子会社・関連会社では増えていた。
★毎日
証拠改ざん:前特捜部長、公表制止 前副部長も了承
大阪地検特捜部の主任検事による証拠改ざんを隠ぺいしたとして犯人隠避容疑で逮捕された前特捜部長、大坪弘道容疑者(57)が、部下と隠ぺいを謀議したとされる全容が検察関係者への取材で分かった
★読売
内閣支持下落53%、船長釈放「不適切」7割
読売新聞社が1~3日に実施した全国世論調査(電話方式)で、菅内閣の支持率は53%となり、内閣改造直後の前回調査(9月17~18日実施)の66%から下落した。不支持率は37%(前回25%)だった。沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、検察が中国人船長を処分保留のまま釈放したことを「適切ではなかった」と思う人は72%に達し、その理由としては「日本は圧力をかけると譲歩するという印象を与えるから」が41%で最も多かった。中国側の強硬姿勢に対する日本側の対応への不満が、内閣支持率を引き下げたようだ。
★産経
朝鮮学校に27都道府県が補助金8億円 教育内容ノーチェックで 北朝鮮影響下の思想教育や反日教育が問題になっている朝鮮学校に対し、全国の27都道府県で教育内容のチェックをせずに年約8億円の補助金が支出されていることが3日、文部科学省の内部資料や産経新聞社の調査で分かった。朝鮮学校をめぐっては、国の高校授業料無償化政策で教育内容を問わず国民の税金を投入することが議論になっている。しかし、自治体レベルでは、すでにノーチェックの公費投入が既成事実化されていた。
★日経
対外純資産、新興国で急増 株式投資や資源確保
中国、5年で5倍超 シンガポールは1.8倍
新興国・地域が海外に持つ資産が急増している。対外資産から負債を引いた「対外純資産」の残高を見ると、中国は2009年に167兆円と04年の5倍以上に膨張。シンガポールや香港でも増えている。急速な経済成長を背景に個人や企業の金融資産が欧米などに向かっているほか、資源獲得のために政府が投資を膨らませているためだ。新興国が世界経済への影響力を高めつつあることを示しているといえそうだ。
◎目に余る“虚言首相”の使命と責任放棄
◎目に余る“虚言首相”の使命と責任放棄
衆院予算委員会集中審議の実況に対して、おそらく茶の間からは「うそつけ」のブーイングの嵐が飛んでいたに違いない。首相・菅直人も官房長官・仙谷由人も開き直ったように、中国船長釈放問題をすべて検察の責任に押しつけた。恐らく誰もが信用していまい。この国は虚言症の首相を頂くことになった。“菅・ザ・ライアー”の誕生である。政治家の使命と責任放棄の場として30日の予算委質疑は長く記憶されなければならない。
筆者が茶の間からのブーイングを予想したのは、宮崎県知事・東国原英夫のブログを見たからだ。首相番がついているのに全国紙は重要な事件を報道していない。同ブログによると大相撲千秋楽で土俵に上がった菅に、「売国奴」「辞めちまえ」のブーイングが飛んだという。居合わせた東国原は「公衆の面前でのこういう野次はちょっと辛い。こういう野次に耐えなければならない首相って大変だな~とつくづく思った。」と書いているが、国民感情を読み取った鋭いジャーナリスティックな反応だ。
予算委質疑を精査すると、首相に対する質問に仙石がだらだらと時間稼ぎの答弁を繰り返した。「総理お任せください」と事前調整済みであったのだろう。菅は野党の追及にやっと「捜査に対する介入があったかと言えば、一切ない」と答えたが、これは言葉のレトリックだ。問われているのは検察の釈放判断に対する政治介入であり、捜査の過程での介入など誰も聞いていない。要するに苦し紛れのごまかし答弁だ。介入のあるなしをさておいても、「検察の判断」と強弁することが何を意味するかまるで分かっていない。
船長釈放は首相自らが行わなければならない首相専権事項以外の何物でもない。それを一地方検事に委ねることは為政者としての責任を放棄するに等しい。もしこの田舎検事が常識通り「起訴する」と判断した場合、首相は「検察独自の判断で、適切だった」と答えたのだろうか。まずあり得ない。首相、官房長官が政治介入の事実を何がなんでも覆い隠そうとする理由は何か。その答えは、法相・柳田稔が、まだ問題化していなかったにもかかわらず「指揮権発動はない」との談話を早々と発表した点に尽きる。
菅以下指揮権発動と言えば、吉田内閣の造船疑獄における幹事長・佐藤栄作への訴追阻止のための発動のイメージがあるに違いない。法相辞任に発展している。しかし検察庁は行政機関であり、国家公務員法に基づき、その最高の長である法務大臣は、指揮命令ができるのだ。もちろん検察庁法により法相は「検事総長のみを指揮することができる」と制限付きではある。法に基づく指揮権発動は汚職捜査の訴追などをのぞけば可能である。今度の場合菅が高度の政治判断に基づき、検察を指揮して船長を釈放させることもあり得たのに、羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹き、虚言の上に虚言を重ねる結果を招いているのである。かくなる上は検事総長の証人喚問が不可欠になる。野党は多数の参院でやればよい。
朝日新聞は1日付の社説で「内閣は指揮した事実とその内容を明らかにして、主権者である国民の判断を仰ぐ、それが、独裁体制とは違う民主主義の強さと奥深さではないか」と卓論を展開している。まさにそのとおりだ。自民党の質問者・小野寺五典が「ことが明確になったときには総理大臣を辞めるだけではなく、政治家としての責任を取るか」と追及したのにも菅はあいまいな答弁に終始した。しかし遅かれ早かれ介入の事実は暴かれてゆくだろう。口をぬぐって済むのは野党時代の発言だけだ。菅は「先送り一掃宣言」の前に「虚言一掃宣言」をすべきだ。
【新設(親切)欄】
◎朝刊トップ10秒勝負
朝日 強行中国海で膨張
毎日 対中国いら立つ官邸
読売 エクソン国内でGS撤退
産経 米「脱中国依存」急ぐ
日経 国際チャーター便拡充 国交省方針


























