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◎俳談

◎俳談
【常識を外す】
俳句を作る者が皆陥りやすいのは常識的用語の選択だ。雲と書けば雨、川といえば魚の類いの連想である。だから初心者は皆同じような俳句を作ってしまう。一番初めに思いつく言葉はまず類型的で話にならない。何か“事件”を起こさないと駄目なのだ。
坪内捻転は「常識外れ」の名手だ。甘納豆と季節を組み合せて
三月の甘納豆のうふふふふ
などという不思議な俳句の世界を独創している。本人は河馬が大好きだ。だから
桜散るあなたも河馬になりなさい
といった句が出来る。類想句から離脱しようとするとこのような世界になるが、実に面白い。
黛まどかは
さくらさくらもらふとすればのどぼとけ     
だそうだ。男ののど仏に憧れる句だ。他人と異なる俳句を作らなければ創作の世界とはならない。しかし、まかり間違うと支離滅裂の駄句になってしまう。初心の内は王道を歩き、馴れてきたら飛躍する句を作るのがよい。
ぬぬぬぬと写楽顔出るべつたら市 日経俳壇入選
飛躍して意外性を狙った。