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◎鳩山は辞任せざるを得まい:新春政局展望

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◎鳩山は辞任せざるを得まい:新春政局展望
 人間古希間近ともなれば気は短くなる一方だ。ああでもない、こうでもない、どうでもないの論評はネットに似合わない。今年の政局を直感で大胆予測すればこうなる。太筆書きの1字は民主党「起承転結」の「転」だ。「起」が総選挙圧勝、「承」が政権発足、「転」が転換、「結」が天王山の参院選だ。まず首相・鳩山由紀夫は通常国会冒頭から“マザーゲート事件”で“風前の灯”となり、同国会中に政権を投げ出さざるを得なくなるだろう。すなわち「転」だ。参院選挙は幹事長・小沢一郎の「汚染」度が著しい上に、総選挙で勝たせすぎたことを「しまった」と思っている有権者の復元志向で、単独過半数などとても無理だ。しかし、民主党政権は継続して、国民の不安感は「最初のまずさが持続する」ことになる。
 民放テレビでアチャラカまがいの政局予測が盛んだが、政局の本筋を知る報道機関の政治部長経験者や編集局幹部経験者と年末度々会合を持ったが、どの会合でも「鳩山は持つまい」が大勢だった。筆者もそう思う。第一の理由が、これがすべてを包含するのだが、鳩山に大国を率いるリーダーとしての素質がないことだ。あるべき首相論を述べれば、野党党首なら「3歩歩いて忘却す」でよかったかもしれないが、「綸言汗のごとし」を要求される首相のポジションでは、度重なる前言撤回は致命傷となる。無責任きわまりない印象を国民に植え付ける。その「植え付け作業」は政権100日でほぼ完了の域に達している。発言習癖が“病的”であるが故に、正常に戻ることはまずない。
 次ぎに国の命運を決する外交・安保が無知の部類に属するほどでたらめであることだ。「君側のミスリーダー」とも言える一評論家にミスリードされて、よしとしてきたことがすべてを象徴している。普天間移転問題も年頭4日の記者会見で「沖縄県民の気持ちを大事にしながら、一方で日米合意もある」などと依然方向性すら示せないでいるが、恐らく最終決断できないのではないか。最終決断できなければ、普天間は“永続”することになる。これも深手を負うことになるが、辺野古への移転を決断しても3党連立は崩壊し、致命傷となる。
 経済・財政運営も元タレント議員の「予算仕分け」が象徴するように、「見せ物政治」の域を脱していない。政権には結果が求められていることが分かっていない。年末に打ち出した新成長戦略の「名目3%成長」を見ればそれが明白である。過去20年間達成したことのない成長率を提示して憶面もない。おまけに自公政権が過去に打ち出した物と酷似している。マニフェストでだませたから成長率でもだませると思っているのだろうか。心ある国民にしてみれば「もういい加減にしろ」であろう。「コンクリートから人へ」のキャッチフレーズで公共事業を18.3%削ったと胸を張るが、影で泣くことになるる500万人の失業者対策がない。あっても先の話だ。人を大事にする政治ならまず「ジェスチャーより失業者」対策を先にするという発想がない。もちろん来年度予算の持続性欠如は指摘するまでもない。コンクリートへの拒絶反応で「鳩山不況」は定着しつつある。子供手当は賢い主婦なら、吾が子の将来の学費に貯蓄するだろう。内需拡大にはつながらない。ばらまきと確信的な離米路線、天皇軽視、日教組など労組との連携などは「疑似社会主義」とも言える路線であり、国民の選択ではない。
 最後に「マザーゲート事件」だ。朝日新聞にも事態を分かった編集委員がいて、年末の座談会で「知らなかったで通るわけがない。即刻辞めるべきだ」と主張していた。確かにそうだ。国民に模範を示すべき首相が、12億円の「脱税」に限りなく近い資金を母親から受け取り、口を拭っていて済むのか。構図が分かりやすいだけに、国会で追及を受けてピントの狂った答弁を繰り返す度に支持率は落ちる。鳩山が首相でいる限り、内閣支持率は半年で10%台にまで落ち込むだろう。
 そこで問題は小沢がどうでるかだ。小沢の正月は得意絶頂の幕開けだ。しかし平家物語のワンフレーズ「おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし」だ。有頂天はこの正月が最後だろう。小沢は優秀な政治部長経験者程度の判断力がある数少ない政治家だ。鳩山に対する読みは恐らく筆者と一致しているだろう。したがって鳩山をいつ代えるかが小沢の脳裏を離れない状況になっていると見て間違いないだろう。代えれば民主党政権は刷新ムードが出て息を吹き返す。それも参院選前に断行しなければ意味はない。恐らくそう小沢は思っている。リクルート事件と消費税で89年6月3日に総辞職に追い込まれた首相・竹下登の例もある。小沢は4,5月ごろ予算成立と鳩山のクビを引き替えにするのが、参院選までの有権者の“忘却期間”を考えると一番の得策と脳裏にひらめいているかもしれない。しかし、年末から年始の紙面を賑わしている「オザワゲート事件」が自らを直撃する可能性も大きい。世田谷の土地購入代金4億円をめぐる疑惑で、東京地検は小沢本人を任意で事情聴取する方針ともいわれる。自分が火の車になりかねないのだ。3月には秘書の裁判で判決も出る。反小沢の渡部恒三らの動きも表面化しよう。「マザーゲート」に「オザワゲート」が複雑に作用して、民主党政権は「転」の段階に入る。
【筆者より】
あけましてお目出度うございます。今年も朝のニュース解説を再開します。小生IT時代の政治評論はスピードこそが勝負であると思っております。もう月刊誌では遅く、週刊誌でも時代のテンポについて行けない時代でしょう。米国では「どのブロガーがこう書いていた」の時代です。なぜ早い評論が書けるかですが、簡単です。午前1時に起きて新聞などマスコミ情報をネットなどで掌握し、午前3時頃から1時間かけて書き上げるのです。朝の新聞と同時に評論が読めるゆえんです。報道機関の編集局デスクで40代に4年間にわたり全紙をくまなく見て、ニュースのすべてを掌握して分析することを訓練した経験が役にたっております。局デスク方式です。日本のネット上では、まだまだ低級な政治評論しかありませんが、今後米欧並みにブロガーらしいブロガーが台頭して、多様な物の見方が速報として見られる時代になってくるものと思われます。評論の主流はネットになるでしょう。

古戦場今昔の野火燃えさかる 杉の子


◎年に一度の俳句自慢
 昨年も100句を目指しましたが98句にとどまりました。
このうち3席までの入選が26句、うち1席は11句でした。
今年も100句以上を目指すのはもちろん、1席の比率を一層高めたいと思っております。年間作句数は約1500句でした。
 ◎3席までの入選句
★東京俳壇小澤實選1席
沈みゆく太陽に入る直滑降
選者選評=直滑降はスキーの派生季語となる。勢いよく、まっすぐに滑り降りてゆくと、まるで落日に入るかのよう
★東京新聞小澤實選3席
しろばんば遠州灘に出でゆけり
作者自解=井上靖の小説「しろばんば」があった。ふわふわ飛ぶ綿虫のようなものだ。
★産経俳壇寺井谷子選3席
雪女ついてくるらしときめけり
★毎日俳壇西村和子選2席
葱刻む平穏いまだ続きをり
選者評 言外にこの平穏がいつまで続くかという思いがある。日常のありふれた時間にふと訪れる危機感。
★産経俳壇寺井谷子選3席
福寿草母が跼めば子も跼む
作者自解ー森で福寿草を見つけた。親子で屈んでいた。
★月刊俳句山尾玉藻選推薦
ポケットの団栗出せば妻も出す
選者評=ご夫婦で山道を歩かれたのだろう。作者がポケットの団栗を出して見せたところ「あらっ、私も」と奥さまも取り出された。他愛もない日常の情景にご夫婦の心の繋がりが窺え、にっこり微笑んでしまう。
★日経俳壇茨木和生選2席
浅酌をして大石忌過ごしけり
選者選評=大石内蔵助良雄の忌日は2月4日、この日の浅酌が憎い。
東京俳壇小澤實選3席
しゃぼん玉吹き続ければ生き続く
自解=しゃぼん玉を吹いてふと思った。息続くにもかけた。
★毎日俳壇西村和子選2席
春灯のあふれ出でたる外国船
選者評=豪華客船の窓という窓が灯っている。別世界を想像する夢心地が季語に託されて効果的
自解=まさに季語をいかに飾るべきか努めた。
★月刊俳句四季特選第一句中戸川朝人選
寒卵三つを置けば二つ寄る
選者評=寒卵を置いたときの観察の面白さが伝わる。三つ掴んで二つ分かれるとする、二つという数、対、セット、男女、この数、劇が生まれてくるところが面白い。
作者自解=観察句に徹した。その中からいろいろな想像が出てくる。三角関係とか。
★東京俳壇鍵和田祐子選2席
春の水雑巾ゆつたり沈みけり
選者評=他の季節でも同じ速度で沈むだろうが、「ゆつたり」の語感がぴったりなのはやはり春。
遅日の頃の情趣。
★産経俳壇寺井谷子選2席入選
春の星滑車のごとく心汲む
自解=中七がミソだ
★毎日俳壇堀口星眠選題1席
燕来る店を仕舞ひし本屋にも
選者評=本屋が閉店して寂しい店先に燕だけは飛び交わしている。変わってゆく景が身に沁む。
★産経俳壇寺井谷子選1席 
ざつざつとバターを塗りて立夏かな
寺井谷子評=「ざつざつ」は「ざっざっ」。こんがりとトーストされたパン。その少し粗めの肌の感触までが、読者の手に蘇る。効果的な省略。「立夏」の気分のよさ。
自解=ざつざつの表現はまさに天啓。いきなりパンを食べていたら天から降ってきた。神様仏様。ありがたやありがたや。
★月刊俳句で「今日よりは母が年下桜餅」が3選者に入選
★東京俳壇鍵和田祐子選2席
神のごと羚羊驟雨の中に消え
選者評=夕立の中、羚羊(かもしか)が白々とした塊のように消え失せる。一瞬、神のようだと思った。羚羊ならばの句。
★東京俳壇小澤實選2席
子の腹に鉄棒の錆梅雨晴れ間
選者評=降られている間に鉄棒に育っていた錆が、鉄棒で遊んでいた子の腹についている。雨からの解放である
★月刊俳句四季甘田正翠選特選第1句
嫁せし子の蛇にも馴れてきしといふ
選者評=都会から田舎に嫁いでいった愛娘だろう。蛙も蜥蜴も知らなかった娘が、蛇にも馴れて、あまり驚かなくなったという。すっかり婚家の暮らしに慣れた娘の変化が、嬉しくもあり、いとおしくもある複雑な親心が、気負いなく率直に読めた佳句。
自解ー伊那谷のリンゴ農家に嫁いだ娘を詠んだ。
★月刊俳句店子ムツオ選推薦
犬吠の春に失礼して欠伸
選者評=犬吠埼は太平洋の荒波が直接打ち付けるので知られているが、さすがに春、駘蕩とした海が広がっている。「春に失礼」という措辞が眼目で、いかにも春の女神佐保姫と相対しているかのようなユーモアがあふれている。
自解=春に失礼が天啓の言葉。佐保姫に失礼とはよく理解していただいている。
★東京新聞俳壇小澤實選3席入選
豆腐屋の笛朝顔の町をゆく
自解=早朝の豆腐屋の笛を詠んだ。
★産経俳壇寺井谷子選1席
吾は古希兄は十九の終戦日
寺井谷子選評=昭和20年の8月15日より64年。当時六歳だった作者は古希を迎えた。学徒出陣の長兄か。遺影の兄は19のまま。静かに頭を垂れるのみ。
作者自解=同級生の友達の話に感動して作ったものだ。
★産経俳壇寺井谷子選1席
鳳仙花昭和の女健気なる
★産経俳壇寺井谷子選3席
★毎日俳壇西村和子選1席
秋灯を引き寄せにけり古物商
選者評 その手元へ読み手の興味を引き寄せる力がある。
秋灯に照らされたのは焼き物か掛け軸か。
★東京俳壇小澤實選
いわし雲昭和の少年靴磨く
★産経俳壇寺井谷子選1席
一人入る冬の山河にお辞儀して
寺井谷子評=猟や採取のためであろうか。冬の山河に分け入るとき恭しい辞儀をもって、山や河の神に挨拶をなす。そうさせるのは凛然とした自然の持つ力である。
作者自解=かって冬山に登った時の気持ちを率直に詠んだものだ。神々しくて自然にお辞儀したくなる。
★東京俳壇鍵和田祐子選2席
ふぐちりや東京タワーを遠望す
選者評 河豚鍋を囲みながらの楽しい一夕。向こうに東京タワーの灯が見える。東京ならではの贅沢な刻に心弾む趣。
作者自解 忘年会の一コマを詠んだ。ふぐ刺しもうまかった。
河豚刺に燕返しの箸一閃


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